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≪経過報告Ver人面虎→双角獣≫

 いかせのごれ某所、公園。

 そこにあるベンチに、一人の男が腰かけている。

 身長、180センチ以上。その巨体から早朝の公園では一際存在が浮いており、彼の周囲だけ場違いな空気をかもしだしている。肩幅ががっちりとしており、それなりに鍛えている事が伺える。くすんだ色の金髪と、欧米人特有の白い肌。丸い眼鏡の奥で、蒼い瞳が覗いていた。

 その威圧感だけで、何者も遠ざけてしまいそうな感じ。今は人気が無いだけだが、これがもし昼間だったらこの男の周囲には誰も寄り付かず、下手すれば居た堪れなくなった人間がその場から逃げだしていた事だろう。

 そんな威圧感をものともせず、一人の少年が男の隣に腰掛けた。いかせのごれ高校の制服を着ており、童顔の優男だ。

ロイドさん、お久しぶりー」
「おう、一ヶ月振りか」
「最近、何してました?」
「教師。受け持ちは英語。ってか、頭(カシラ)も俺を教師にして潜入させるとか、全く何を考えているんだか」
「後は?」
「幽霊狩ったり、夢限の空間に落ちたり、まぁ色々」
「可愛い子いました?」
「ノーコメ」
「えー何でですか、重要じゃないですかー」
「あのな、自分の学校の生徒がお前に食い荒らされてるとか、居た堪れなくなるわ。第一お前、何人か既に食ってるだろ」
「てへ」
「てへじゃねぇ」
「それはさておき、」
「置いとくのかよ」
「どうですか、ロクブツ学園は?」
「……ぶっちゃけ、やばい」

 一呼吸間を置いてから、ロイドは言った。眼鏡に隠れた視線は空の方を向いており、彼が何を見ているのかアッシュには分からない。

「カルトラの刑務所にいた時、ここ程やべぇ場所は無いと思ったが、あそこも大概だな。ってか、離島じゃなくて街のど真ん中にある分、あそこのがやばいか。更に輪をかけてやばいのが、あんな場所で普通に勉強やってる無神経さだな。あの学校作った奴、とち狂ってるわ」
「……例えば、どんな風にやばいんです?」
「つい此間、レギオンが街中に出て大騒ぎになっただろ。あの時、あの亡霊共はあからさまにあの学校を避けてやがった。学校に敷いてある結界を嫌ったのか、それとも学校に奴らでも恐れる何かがいるのか……」
「へぇ。何だか、楽しそうですね?」
「そら、部外者はな。半日あそこで暮らしてる身分にもなってくれよ。最近じゃ、生きてる奴と死んでいる奴の区別がつかなくなってきた」

 そう言って、ロイドは公園にあるトイレの方に視線を向けた。そこは特に、何も無い。だが、アッシュもそちらへ視線を向けている。二人の見る目はまるで、そこに何かが有り、それをしっかりと捉えているかのようだった。

「仲の良い人、出来ました?」
「まぁ、それなりにな」
「今度、紹介してくださいよ」
「全面的に拒否らせてもらうわ」
「えー」

 ぷくっ、と頬を膨らませるアッシュを無視して、ロイドは立ち上がる。彼はくいっ、と眼鏡を持ち上げると、アッシュの方を振り返って見下ろした。

「それじゃ潜入調査、引き続きお願いします。くれぐれも、アースセイバーに見つからないように」
「ああ、努力する」



 ≪経過報告Ver人面虎→双角獣≫



(本筋を離れ、番外の地で行われる人面虎の戦い)

(彼の姿を見る者は誰も無い)

(まさに、神のみぞ知る)

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最終更新:2013年05月17日 13:45