―第7話、知恵を絞る話―
「ちっ…間に合うかどうかわからんが。こうなっては仕方ない。
本来部外者の前でコールしたくないが。」
「あれ?静葉、みんなを呼ぶの?」
「少し黙ってろ。」
厳しい顔をしながら静葉は携帯を取り出すと、素早くボタンを押しどこかに電話をかける。
「もしもし、ダニエルか?」
「おーシズハ!どうしたの?」
その電話越しに聞こえたのは高い少年の声で、訛り方からどうやら外人らしい。
「すまない、詳しい説明は後にさせてくれないか。?
いいか、よく聞け。俺はシリウスの団長として『緊急号令』を発動する!
これの意味は言わなくても分かるな?」
「…オッケー理解したよ。
まずは現在地の名前だけでもいいから教えて。
そこに索敵範囲を絞ってシズハのマーカーを逆算するから。」
静葉の謎の言葉を聞くと、ダニエルと言うらしい電話相手の少年は声色を急に変えてそんなことを言った。
一つだけわかることは、静葉は何か解決策を探しているということだ。
「場所は『
色のない森』だ!
くそっ…やっぱりあんな胡散臭い奴の言葉に耳を貸すんじゃなかった!」
「ちょっと、扱いひどくない?あんな胡散臭い奴って…」
「その通りでしょ。」
「まったく、その通り。」
身も蓋も無くマナと袖子も同意する。
ちなみに危険を感じ取った(と言うより視た)成見は膝ががくがくしてとても立てる状態ではなかったので、
袖子が背負っている。
「あーシズハ、現在地を特定したよ。
何でそんなとこにいるのかは後で聞くけど、誰を送ればいい?」
「
アリスだ!本当は影士も呼びたいが、昼の間はあいつの戦力は落ちるし、
多くてもカバーしきれなくなる!」
「了解したよ。今は昼だから偽装しながらアリスは向かわないといけない。
当然『飛べない』し人間として常識的な程度で行動しないといけないから、
アリスが到着するまでおよそ40~50分はかかるよ。
じゃ、それまで持ち堪えてね。」
その通信を最後に切れた。
「いいか、あと40~50分耐えきれば助けが来る。
それまで不用意な行動はするなよ?」
「その間、どうやって耐えきる?」
「効力があるかどうかはわからないが…俺と亮の力を使う。」
マナの疑問に答えた静葉の目が真紅に染まる。
「俺の力『耳を塞ぐ』は、俺たちの立てる音が一切無くなり、気配を極限まで無くす。
亮の『かくれんぼ』は他人の目に見えなくなる力だ。
お前たちに最初に見せただろう?」
「あ!あれはそういうのだったんだ!」
「この力を今、ここにいる全員にかけた。
アリスの到着をダニエルから通知してもらった時、解除する。
それまで、皆余計なまねはするな?」
静葉が言い、森は静寂に包まれる
<To be continued>
最終更新:2013年06月25日 10:59