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『蛇、獣と一緒に外に行く5』

「あ…この子?」
「うん」

ニカッと笑うミユカ。
彼女の右手は、自然とシグマの頭を撫でている。

「何でもウスワイアの新入りらしいよ。名前はシグマだってさ」
「ふぅん…」

由衣は改めてシグマを見る。
だが当の本人は由衣の視線に気づくと、ミユカの横に隠れてしまった。

「あ、ごめん」
「……」

シグマの反応にミユカは苦笑する。

「シグたん、あまり人に慣れてないから…」
「……」

ミユカの横から由衣を見つめるシグマ。
すると突然、彼が口を開いた。

「…お前」
「え?」

シグマの反応に由衣は一瞬、目が点になった。

「『ゆいっちー』ていう名前なのか?」
「えっ、えーと、名前じゃなくて…あだ名」
「何であだ名があるんだ?」
「へっ?」

シグマの質問に由衣は素っ頓狂な声を上げる。

「何でお前もあだ名あるんだ?」
「ど…どういう事?」

由衣が縋るような目でミユカを見る。
助けを求められたミユカは少し戸惑いながらもシグマの質問を簡潔に解釈する。

「何で自分以外で、あだ名で呼ばれてるのかなーって事かも」

ミユカの解釈に「ああー」と納得する由衣。

「んー…友達だからかな」
「友達?」

再び聞き慣れない言葉に、シグマは首を傾げる。
そんなシグマを見て、ミユカは「友達」の意味を教え始める。

「友達っていうのはね、自分の身近にいる、大切な人の事だよ」
「大切な…人?」
「うん。一緒に遊んだり、話したり、笑いあったり、支え合ったり…自分を幸せで楽しい気持ちにしてくれる人…それが友達」
「自分を…幸せで楽しい気持ちに……してくれる…」

ニッコリ笑って、ミユカは再びシグマの頭を撫でる。

「何か二人とも…姉弟みたい」
「え、そうかな?」

頷く由衣。

「だって、その子に色々教えたりしてるじゃん」
「んー…まあ、そうだけど」

横に座っているシグマを見るミユカ。

―――確かにシグマって、弟みたい。

ミユカはそんな事を思うのだった。

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最終更新:2011年04月02日 00:16