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監獄の狗

『・・・・・・…』
『お待たせしました。』
『あぁ!アキヒロ君、あっちのほうはもう大丈夫なのかい?
心配だったらまた後日にでも・・・』
『いえ、信頼のおける仲間達に託してきましたから大丈夫です。』
『そっか、・・・でもアキヒロ君も心配だろうし、やることやって、
ちゃっちゃと終わらせようか。』
『恐れ入ります。』
『いえいえ!』


*



「………」
「シノ、」
「あ、ショウさん。」
「扉の前で耳付けて何してんだ?」
「あー…いや、これといって怪しいことではないっすけど…」
「十分怪しいだろうが…」
「すいません…けど、アキヒロさんのお客がどーしても気になって。」
「客だぁ?」
「はい、確かカルーアトラズ刑務所の人だとか…」
「!おいシノ、そいつやたら人相悪い粗暴な野郎じゃなかったか!?」
「い、いえ?サングラスをかけた優しそうな人だったっすよ。」
「そうか…」
「ショウさん、知り合いか何かっすか?」
「いや、何でもねぇよ。」
「?」
「それよか、その客…なんでウスワイヤにいんだ?」
「それを知ろうと今こうして調査してるんすよ!カルーアトラズ刑務所といったら、
いわばウスワイヤと真逆の施設…まさか能力者を引き取りに来たんじゃ…って思って、
アキヒロさんには悪いっすけど話を聞こうとこうやって耳付けてるんすよ。
…で、少し聞こえてくるのは、ジングウだとか、パニッシャーだとか…件の男だとか。」
「…全然分からねぇな…件の男?」
「んー…全然分からないっす、途切れ途切れにしか聞こえない…」
「………」
「たまにホウオウグループの名前を出てくるんすけどね、
会話の全貌はまったく分からないっす。」
「何を企てようとしてるんだ…?あいつら。」
「…!」
「どうした?」
「アキヒロさん達、こっちに来るっす!隠れないと…!」
「隠れたら余計怪しいんじゃ、ぐえっ」
「いいから隠れるっす!」





………

『では、また三ヵ月後に。』
『うん、…あ、今度はこっちにも来なよ。評判は悪いけど、
周りの環境は結構良いし、ご飯も美味い。迎えも寄越すよ?』
『考えておきます。』
『手厳しいなぁ…』
『帰りは大丈夫ですか?』
『あはは、今度は入り口まで迷わないって。』
『そうですか。』
『それよりアキヒロ君、早く彼女の元に行ってあげなよ。
後のことは僕一人でも大丈夫だからさ。』
『…ありがとうございます、それでは。』
『またねー。』

………

「ふうー…バレるかと思った…」
「シノ、てめっ…げほっ!」
「いや咄嗟の事でしたし、つい。」
「首引っ張る以外にも選択肢はあっただろうが。」
「ショウさんも細かい男っすねー、そんなんだからいっつも強面……?」
「…どうした?」
「ショウさん、あの人…アキヒロさんが立ち去った後、携帯取り出したっすよ!」
「…あいつ…」

『・・・あぁ、もしもし?シギ?彼の所在は掴めたかい?』
『そう、・・・うん、こっちも収穫無しなんだ。』
『それで、ひとつ頼みたいことがあるんだ。』
『………』


  ぞ  わ り


「!!」
「ショ、ショウさん!?何するっす、むがっ」

『…またあとで合流しよう、引き続き調査を続行してくれ。』

「………」
「むー!!」

ピッ

「………」
「……………っぷは!なんすかもー!危うく死に掛け…あ」
「ん?あぁ、こんにちは。」
「こ、こんにちは。」
「………」
「シノさん、だよね?アキヒロ君から話は聞いてるよ、先のウイルス兵器騒動で、
特効薬を作ろうと奮闘したんだってね。凄いなぁ!」
「あ、あぁ…いや、あれはみんながいたからこそで…」
「………」
「…隣の人は?」
「へ?あぁ、えっと」
「蒼井聖だ。」
「蒼井聖さんかー…ハジメマシテ。」
「………」
「…?」
「もう少し君たちも話していたいけど、この後用事があるからね…
失礼するよ。」
「は、はい…」
「………」


「Try to stop us,Syo?」


「っ!!」
「っショウさん?」
「………あの野郎…」










監獄の狗






~余談~


「おつかれー。」
「おぉ、ロビン。遅かったじゃねぇか。」
「いやー聞いて聞いて!今日ショウ君に会ったんだよ!」
「………」
「…あー、うん、シギならそういう顔すると思ったよ。」
「あんのクソがここら辺うろついてるだと!?」
「そりゃそうだよ、ショウ君辞めた後どういう経緯かアースセイバーに入ったって話、
前から聞いてたし。…むしろ、何回か任務でいかせのごれ行ってる癖に、
シギとショウ君が会わないのが奇跡だよね。」
「あんな野朗の面なんざ拝みたくねぇよ!思い出すだけでも胸糞悪ぃってのに・・・!」
「キミとショウ君の因縁ってどこから始まったんだい?職場にいた時だって、
顔合わす度に何かと喧嘩してたじゃないか。
・・・一方的にシギが喧嘩売ってたように見えたけど。」
「うるせぇ!!だいたいあの態度がいけ好かねぇんだよ!!いっつも指示聞かねぇし、
好き勝手やるし、戦闘訓練の時なんざ、俺を伸した時のあの顔・・・!!」
「まだあの時の事根に持って・・・」
「今度会ったらぜってぇ只じゃおかねぇ・・・コロスコロスコロスコロス・・・」
「誰かー、アルト君呼んできてー。」
「あら部長、お疲れ様です。」
「あ、お疲れ様メアリーちゃん。いきなりでごめんだけど、
アルト君に連絡取って貰えないかな?シギ君が乱心中でさ・・・」
「分かりましたけど、どうかしたんですか?」
「いやぁ、今日ショウ君に会ったーって言ったら・・・」
「えっ・・・ショウさんですか!?ど、どこで、どこで会ったんですか!?」
「ウスワイヤだよ。」
「ウスワイヤ・・・っもう部長!どうして私を連れて行ってくれなかったんですか!?
看守長にはお守のアルトをつければ良かったのに!」
「だってキミ連れて行ったら絶対暴走するでしょ?ショウ君が好きなのは分かるけどさ。」
「ち、違いますよ・・・そんな、好きなんかじゃなくて・・・」
「じゃなくて?」
「ただ・・・・・・いつもあんなに厳しくて凛々しいショウさんを縛り上げて痛め付けて、
身も心も屈服させられたらどれほど良い気分になれるんだろうなって。」
「うん、やっぱり駄目。」
「えー!」
「キミとショウ君会わせたら絶対カルーアトラズに連れて帰るだろうから駄目。」
「・・・ちょっと縛るだけ、駄目?」
「駄目。」


そんな刑務所の人達の蛇足なお話。

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最終更新:2011年04月16日 16:19