<シュウトの試行錯誤。>
「うーん・・・バクさん、どう思います?」
「確かに今のお前の戦い方は支援系が主だしな。だが、人には得手不得手がある。近接戦が苦手なら近接戦に持ち込まなければいいんじゃないか?」
トレーニングルームの前で、バクヤとシュウトが話していた。
「そうなんですよね・・・ただ、敵は都合を合わせてはくれませんから。」
「・・・思考が詰まった時は
気分転換がいい。武器庫にでも行って、戦い方を練ってみたらどうだ?そうすれば多少の光明も見出せるかもしれないぞ。」
「武器庫…か、なるほど。普段僕には縁のない場所ですしね。ありがとうございますバクさん。」
「おう。」
「武器…武器ねぇ、うーん・・・ん?なんだこれ・・・?」
武器庫を歩き回りながら色々な武器を構えるシュウト。ふと目に留まったのはレイピアとその隣に置いてあったクレイモア。
(・・・!そうか、鋼線を束ねて補強して、『突く』タイプの剣や『叩き斬る』タイプの武器を作り上げればいいのか!)
早速トレーニングルームで試そうと扉に手を掛けた。
トレーニングルームで、人型人形を立てるとシュウトは半身に構えた。
(まずはレイピア…)
袖口に仕込まれた鋼線が一気に伸びると、即座に束ねられていく。細身のレイピアが出来るまでに10秒かかった。
(次はクレイモア…)
一旦レイピアを解除し再び鋼線を仕舞うと、今度はクレイモアを生成した。しかし、出来たクレイモアはとてもではないが使える代物とは思えなかった。
(刃、か・・・。どうしたものかな)
そこに、たまたまシノが通りかかった。
「あれー?シュウト君、何してるっすかー?」
「ああ、シノさん。一応新しい戦い方を考えてるところですよ。」
「へぇ、成程武器の錬成と。でもその大剣、斬れるっすか?」
「いやぁ・・・レイピア型と違って刃が無い状態なんで無理ですね。」
「あ、ならメイスにするっすよ!棍棒型にしちゃえば!」
「ああ、その手があった!」
最低限の近接戦闘武器を、シュウトは手に入れた。格闘技はそこそこの成績だが、超常現象を扱うほどの熟練者には程遠い。しかし、武器の扱いはそこまで下手ではなかった。むしろ、『研修』を経て多少の心得は出来ている。
彼が知略による後方支援だけでなく、最低限の接近戦も出来るようになった瞬間である。
最終更新:2011年04月27日 01:33