「あ、
おかえりシギ。」
「おう。」
「・・・?上着は?」
「いいから車出せ。」
「・・・はいはい。」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「煙草吸うなよ。」
「るせぇ。」
「車内がヤニ臭くなるんだって、せっかく消臭ポット置いてんのに。」
「増やせばいいじゃねぇか。」
「そういう問題じゃないっつーの。」
「・・・」
「・・・なぁ、シギ・・・もう」
「明後日、カルーアトラズに帰る。」
「え?」
「だから、明後日刑務所に帰るっつってんだよ。」
「・・・でも、それって期限より一日早いだろ?良いのか?」
「野暮があんだよ、あっちで。だから先帰るわ、俺。」
「・・・そっか・・・」
「お前はどうすんだ?」
「シギが帰るって言うなら、俺も帰るよ。」
「・・・本当か?」
「え、そこ疑うところ?酷いなぁ、唯一無二の親友に対してそんな・・・」
「嘘付け、目が泳いでんぞ。」
「・・・ち、違うよ、これは運転しながらだから仕方が無くて・・・」
「言い訳乙。」
「酷ぇ!」
「まぁ、用があんなら好きにしろ。別にお前が一緒だろうがなかろうが、
どうでもいいし。」
「それも酷い・・・」
「どうせお前が気にかけてんのは、あのクソガキ・・・の周りの奴等のことだろ。
特に火波スザクっつー女。」
「!?・・・あ、」
「おーおー、図星か?」
「くっそー・・・やっぱり俺この職合わねぇかも・・・
つか、なんでシギがあの子の事知ってんのさ?」
「さぁな?父親だからじゃねぇ?」
「・・・どーせデリカシーのないシギのことだから、
きっとトキコちゃんの・・・ぐへっ!?」
「その余計な一言もなきゃ、看守としては完璧だろうなー。」
「椅子蹴るな!地味に痛いし汚れんだろ!!」
「うっせー。」
「っく・・・シギのそういう図星を突かれたら蹴る癖もなきゃ、
看守長として完ぺ、あだだだ!!!やめ!!前が見えねぇ!!」
「このまま運転しろよ。」
「無理!!」
とある父親と男の談話
「あー・・・車が大破される前にやっと帰ってこれ、あだっ!?」
「・・・」
「シギ!なんだよ、まだ何か・・・」
「アルト、戻れ。」
「は?」
「いいから、さっきのところまで戻れ。」
「戻れって、・・・シギ?」
(彼の顔が僅かに強張っていたのは)
(気のせいか?)
(そんなことを考えながら)
(男はもう一度、車を走らせた)
最終更新:2011年04月29日 21:25