【作戦】
- 正確な情報を的確に伝える。
- 指示を出す時には正確に、聞き取りづらい音や単語は声を張る。
- 通信状態が悪い中でも文字の認識をはっきり出来るように対策をしておく。
- オペレータ同士での連携も行って、他の部隊の状況も把握しておく。
- 指示出しだけでなく、周辺状況の変化も逐次確認を行う。
- 戦闘が開始された時は、状況説明は端的に行う。
- 受信者に不安を与えないよう、態度や言葉遣いには気をつける。
- 地下洞窟に行くまでの道中で、通信者と雑談等で交流を深め信頼を得ておく。
- オペレータ内部でもそれぞれ作業を分割し、各員の負担を軽減する
- 明瞭な発声と簡潔な言葉で、間違えないように情報を伝える。
- 安全な時間のときには適当な会話で兵員をリラックスさせる。
- 送信前に音声をデジタルデータ化して、ノイズリダクションを行う。
- 通信は双方向を心がけ、ジャミングなどを素早く感知できるようにする。
- 通信には複数の帯域を用いて、不測の事態でも安心できる状態を作る。
【イラスト】
【SS】
「何ですかー、この箱は?」
みぽりんが有馬信乃の前にやって来て尋ねる。
「これですか? オペレータ用の通信装置ですよ。アウトウェイさんから借りてきたんです」
信乃はみぽりんの方を向くことなく応え、オペレータ装置に通信設定プログラムをかたかたと打ち込んでいる。
「ほえー、信乃さんはそんなもの使えるんですかあ」
「ええ、まあ。参謀出仕してるんで他国の機械とかにはそれなりに勉強しているんですよ。みぽりんさんは
護民官事務所でパソコンとか使ったりしません? まあ、あれとたいして変わりゃしないですよ」
「えー、あー、まあそこそこに使ったりはしてますよ?」
などと答えてはいるが、微妙に頬が引きつっている。幸いにも信乃はモニタをじっと見つめているので、その表情には気付いていない。
「そうですか、それは良かった。じゃあ、設定だけは全部やっておくんで戦闘が始まったらあとはみぽりんさんが操作して下さいね」
「Σふえ! なんでみぽりんが操作するですか!?」
「なに言ってるんですか、うちの部隊はみんなオペレータするんですよ」
「Σ!!」
「じゃあそういうことなんで……」
ふーっ、と長いため息を吐き出した信乃は、両手を組んで真上に伸ばし、首を二、三度左右に倒した。
「とりあえず基本的な設定は出来たんで、このマニュアルを読みながら一通りの操作を覚えて下さいね」
みぽりんは信乃から重箱ほどの厚さを持った書籍を受け取る。
「はい? 信乃さんが教えてくれるんじゃないんですか?」
「僕はまだ他の通信機器の設定や、武器の管理、その他諸々……、まあ、やることは山ほどあるんですよ……。なので、わからないことはそのマニュアルから探して下さい。大丈夫、パソコンを使えるんだったらたいして難しくはありませんよ」
そして、ではーと言い残し、信乃はさっさと歩いてその場から姿を消した。
さて、一人取り残されてしまったみぽりんであるが、とりあえず信乃の座っていた椅子に腰を下ろして、オペレート機器のモニタをじっと眺める。そして、おそるおそるの指使いでキーボードをタッチした。ピコッ、とかわいらしい電子音が鳴る。
「おぉー」
良くわからないが何やら感動的である。
またひとつ、今度は別のキーを叩く。またもピコッ、とかわいらしい音がなる。
なんだか楽しくなってきた。
今度は人差し指だけでなく、護民官事務所の先輩達がキーボードを叩くように、みぽりんは適当に指を踊らせる。
なんだか良くわからないが、それだけで「出来る女」になったみたいな気がして、面白い、とても面白い。
キャッキャッキャッキャと言いながらみぽりんが適当に叩いていると、突然今までと違った音がなった。笛を吹いているような、そんな感じの長い電子音だ。そしてそれが止むと、モニタに人の顔が映った。
「ありゃ、信乃さんだー。何やってんですかそんな所で?」
『あー、よかった。まだ壊してないみたいですねw』
モニタに映る信乃は意地悪な子供のように笑った。
「ほー、信乃さんは私のことをそんな目で見てたんですか?」
頬を膨らませ画面越しに信乃を睨みつける。
『いや、あんな分厚いマニュアル読む気になります? 読まなかったら壊すかなぁなんて思っただけですよ』
「むむむ……」
たしかにいわれた通りである。信乃から手渡された分厚いマニュアルはそう言えばどこに置いたかも忘れたほどにみぽりんの頭の中からは消え去っている。きょろきょろと見回してみたが机の上には見当たらない。
『まあ、いいですよ。そんなもの読まなくてもこれから必用なことだけ教えていきます。とりあえず、そこにあるヘッドセットを付けて下さい』
へっどせっと?
頭にはてなマークを浮かべながらへっどせっとなるものを探す。
これだろうか、と玩具の冠のようなものを手にとって信乃に見せる。
「これですか?」
『ええ、そうです。それを僕が付けてるように付けて下さい』
「はいですー、こうですか?」
みぽりんがそれを頭に付けたとたん、突然信乃の声が大きくなって聞こえた。
「ええ、そうです。どうです、僕の声がよく聞こえるようになったでしょ」
「ええ、よく聞こえますー」
「じゃあ、今度はプログラムの使い方を教えていきますんで、しっかり勉強して下さいね」
「らじゃー」
【RP】
最終更新:2007年07月01日 01:46