【作戦】
- 人と話すのは初対面が肝心、第一印象の悪くないように身なりを整える。
- 外見が高いのでそれを利用し、出来る限り笑顔で接する。
- TPOに見合った会話で切り出す。
- コロッケ屋さんに尋ねる際はまず商品を買っておく。
- 相手を威嚇してしまわないように武器を隠しておく。
- しつこく会話をくり返さない。同じことは二度で止める。
- 会話の矛盾点を見つけ出して、そこにつっこむ。
- 相手の口を滑らかにするため、相手が話しやすいように聞き上手を心がける。
- 場合によっては袖の下も渡す。但し、相手はしっかりと見極めること。
- 本題を切り出す前に友好関係を作っておく会話をする。
- 相手に敵意を持たせないように注意する。
- 交渉を行う際は人が多いとこじれやすくなるので、少人数での会話で行う。
- 誤解を生まないよう説明は丁寧に行う。
- 交渉決裂は最悪の結果であるから、ある程度満足できる位置での妥協も必用と認識しておく。
- 相手の不満や怒りなどをすべて吐き出させてしまい、しこりを取り除く。
- 相手が勘定を爆発させてしまったら下手に反論せず、自己を抑制して冷静に対処する。
- 下手な言い訳をするくらいなら、自身の非を潔く認めてしまい、その上で嘆願を行う。
- 相手の言葉には十分に注意して聞き、わからないことはすぐに説明を求める。
- 相手の見解を否定せず、まずは理解するように務める。
- 問題の指摘には相手がどのような意図で何をしたかでなく、自分はこういう風に感じ取る、と言った表現で相手を否定する。
- 相手の利益点を探り出し、それを満足させるようにしつつ自分の有利な方向へ話を持っていく。
【イラスト】
【SS】
「おじさーん、コロッケ6個くださいな」
能天気な声を出して、藻女は欲しい商品を指差していく。こうして見るとどこにでもいる普通の少女のようにおしか見えないが、これでも巫連盟の藩王である。否、外見だけなら普通の少女よりは優れている方かもしれない。(外見+9)巫の街では藩王という有名人であるため道行く誰もが彼女を振り返るのは当然としても、それはここになし藩国でも同じようであった。
だが、藻女はそんなことはおかまい無し、である。自分が見られているという自覚はさほどない。まして他国であってはなおさらのことだ。時折道行く人達の視線を追ってみるが、それが自分に向けられたものでなく、その後に何かあるのだと思いそちらを見てみるも何もない。きっとこの国の人達は私達には見えないものが見えるんだろうなぁ、と妙にうらやましくなったりもしてしまう。
「はいよ、コロッケ7つお待ちぃ!」
「? 一つ多いよ」
「いいってことよ、嬢ちゃんがかわいいから一個はサービスだ」
「ありがとー」
藻女は店主からコロッケの入った包みを受け取り中から一つ取り出してそれを口にする。
「はふー、おいひい」
やはり料理はできたてが一番だな、と感じる瞬間である。
「ありがとな嬢ちゃん。お代は600わんわんだ」
コロッケを口にくわえたまま藻女は財布を取り出してお金を数える。そして、はいと言って店主に手渡した。
「毎度あり」
店主がご機嫌な顔でわんわん硬貨を数える。
「ねえ、おじさん。最近この辺で変なことなかったかな?」
硬貨を数えていた店主の手がほんの一瞬止まる。
「変なことねえ。まあー無いってこともないがなぁ」
「ふーんどんなことがあったの?」
渋々と言った表情であったが、コロッケ屋の店主はしばらくして語り始めた。
「あー、最近なうちらの商店街ダンジョンで何やら遭難があったとかなかったとかって噂が流れてんのさ。まったくほんとのことかどうかは知らねえけどさ、警察が見張りに出てたりしたからまああったんだろう」
「へー、ダンジョンなんかがあるんだ。いいなぁ、楽しそう」
「まあ、ちゃんとした道を知ってりゃ、嬢ちゃんくらいの年の子には楽しいかもしれんなぁ」
コロッケ屋の店主は苦笑いを浮かべながら答える。
「ふえ? おじさんは楽しくないの?」
「さあ、どうだろうなぁ」
「ねーおじさん、私も行ってみたいなぁ、連れて行ってもらえませんか?」
藻女は瞳をキラキラさせながら上目遣いにコロッケ屋の店主を見つめる。
「うぇ、あー……、だめだめ。嬢ちゃんには危ないよ」
「大丈夫だよ。おじさんすっごく頼りになりそうだもん。おじさんと一緒なら楽しいと思うんだけど」
「だめだよ。第一俺はまだ仕事中なんだからな」
それでも藻女は諦めず、コロッケ屋の店主をじっと見つめる。
「だからな、駄目なものは駄目なんだって」
「じゃあ、ここのコロッケ全部買ったら連れて行ってくれる?」
「それも駄目だ。仮に金があったとしても嬢ちゃん一人で食べきれる量じゃねえだろ。買ったは良いが捨てるってんなら、俺は売らねえよ」
「大丈夫、ちゃんと食べきれるよ。じゃあ付いてきてくれるのね?」
藻女はにこにことしながら、コロッケ屋を見つめる。
「だいたい嬢ちゃん一人でどうやって食べきるんだ? どう見てもそんな大食いには見えねえぞ?」
「うん、大丈夫。ダンジョンで遭難した人を救助する人達が今集まってるんだって。だからそこに差し入れするの。腹が減っては戦はできぬって言うでしょ。それにね、もしかしたら見たことのない生き物とかに会うかもしれないじゃない。そう言った人達と一緒にこのおいしいコロッケ食べてもらって仲良くなりたいの」
藻女は、とびきりの笑顔をして、コロッケ屋をまっすぐ見つめた。
「ね、だからコロッケ全部ちょうだい。それでおじさんも見知らぬ人と仲良くなりにいこ」
【RP】
藻女@神聖巫連盟「和平を結べたらいいな、遺跡に住んでいる人がいるのかさえよくわからないけれど」
最終更新:2007年06月30日 21:37