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地震ネタいろいろ
860 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 18:37:50 ID:???
「キャー!!! じ地震です!!!」
「頭を守れ!」
「早く机の下にふせろ!!」
執行部内で悲鳴が上がった。10秒もしない内に
地震は収まったがカーテンや頭上の蛍光灯はまだ左右に揺れている。
揺れが収まると皆が立ち上がり周りを見渡したり呆然としているそんな中・…
「みんな、学校中を見てちょうだい。壊れた所が無いか確認して!
それに非常口の点検! ドアや窓がきちんと開くか確認する事、
さらに家庭科室等の火器の点検もお願いね。」
七瀬が執行部員に指示する声が執行部内に響いた。
我に返った執行部員は校内点検の為執行部から飛び出していった。
七瀬は一人執行部内に残り散らばった書類を集めたり倒れた本を元に戻し始めた。
その時廊下を執行部に向かい走る音がし始めた、
七瀬が顔を上げるとそこに立っていたのは……俺だ。
(七瀬が気になって学校に入ってしまったぜ)
「お、織屋君。ど、どうして・・……」
「七瀬が心配で…大丈夫なのか? 怪我は??」
「なんで織屋君が…もう帰ったんじゃ・…」
「七瀬が心配で校門で待っていたんだけどこの地震だろ、心配でな」
七瀬の顔がどんどん涙ぐんでいくのが俺にも分かる
「…あ・ありがとう、織屋君・…何でも…ないから…」
「なぁ七瀬、本当に大丈夫なのか?」
俺は七瀬に近寄り肩に手を添える・…七瀬は震えていた。
俺は七瀬を思わず抱きしめた。
「・…ご、ごめんなさい。緊張感が解けちゃって・・…」
涙ぐんだ七瀬がささやく
「いいよ、七瀬が落ち着くまでこのままでいるから」
「あ、ありがとう。織屋君」
・・…
俺は七瀬の震えが収まるまで彼女を胸に抱いていた。
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861 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 18:38:42 ID:???
ぐらぐらぐら…
七瀬「きゃっ! な、なに!?」
漏れ「んぁ? 地震か?」
七瀬「きゃぁぁぁぁぁ!」
漏れ「ちょっと大きいな。おい七瀬…七瀬?」
七瀬「いやぁぁぁぁぁ!」
漏れ「おい七瀬ってば」
七瀬「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
漏れ「おい七瀬、落ち着け。こういう時はまず落ち…うがっ!?」
突然の地震で取り乱した七瀬は、ものすごい力で漏れにしがみついてきた
漏れ「おい七瀬、七瀬ってば,おい!」
七瀬「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
漏れ「七瀬落ち着け。ちょっと冷静になれ。普段のおまえらしくないぞ」
七瀬「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
漏れ「そんなに怖がらなくても大丈夫だから、そろそろ収まってきたし、な? だから落ち着け。おい七瀬」
七瀬「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
漏れ「おいしっかりしろ。七瀬、七瀬、ナナちゃん」
七瀬「ナナちゃんはやめて!!」
漏れ「おまえスゲー冷静じゃん…」
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863 名前:SSに初挑戦してみた[sage] 投稿日:04/10/23(土) 18:48:44 ID:???
こういうとき意外と冷静な七瀬と、意外とおたおたする浪馬とか・・・
浪「うわ、今ユラユラ揺れたぞ! 地震だ!」
七「そうね。意外と大きいようだわ」
浪「Σ(゚д゚lll)ちょっと待て。火の元を確認しないと!ガスの元栓は!」
七「ちょっと、織屋君、落ち着きなさいよ」
浪「うわ!ロッカーの上のものが落ちてきた!」
七「ねぇ!落ち着きなさいってば!」
浪「あqwせdrftgyふじこlp;ーーーーーっ!」
七「・・・(もう、しょうがない人ね)」
パフッ・・・
パニックに陥った浪馬をやさしく抱き寄せる七瀬
浪「え?七瀬?」
七「・・・どう?落ち着いた?」
浪「・・・あ、あぁ、お陰で落ち着いたぜ」
七「そう、よかった。暫くこうしててあげる」
浪「・・・(七瀬の胸が柔らかくていい気分だ。ちょっと得した気分だぜ)」
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864 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 18:50:33 ID:???
浪馬「う~ん、今日のお茶もうまいぜ七瀬」
七瀬「フフ、本当にお味の方は分かってるのかしら?」
グラグラグラ、、、
浪馬「お?地震だ、って、ありゃ、でけえ!」
七瀬「!」
ヒシッ!
浪馬「七瀬?怖いのか?」
七瀬「……」
浪馬「もう収まったぞ」
七瀬「……」
浪馬「おーい、七瀬?」
七瀬「……」
浪馬「七瀬?」
七瀬「……」
浪馬「ナナちゃ~ん?」
七瀬「……」
浪馬の胸に顔を埋めて離れようとしない七瀬、目を閉じて小さく震えている。
浪馬「なあ、もう終わったぞ?」
七瀬「……」
浪馬「…せめて腕だけでも外させてくれないか」
七瀬「…あ……」
腕ごと抱きつかれた浪馬だったがどうにか右腕を外す。
自由になった手で優しく頭を撫で上げる。
浪馬「大丈夫だから、な?」
七瀬「うん…」
浪馬「そんなに地震が苦手なのか、ま、俺がこうしてやるから安心しろよ」
七瀬を落ち着かせて同好会に向かった浪馬、
トレーニングに励んでいるとまたもや揺れが。
浪馬「ありゃ、さっきよりデカイかな」
バタバタバタバタ、バタン!
浪馬「七瀬?」
ヒシッ!
浪馬「お、おまえ、執行部からここまでわざわざ来たのか?」
七瀬「……」
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916 名前:七瀬の落ち着き1/5[sage] 投稿日:04/10/23(土) 22:46:00 ID:???
午後6時、ついこの間まではまだ明るかったが今は10月下旬、あたりは当然真っ暗だ。
頼津学園にも人影の少なくなってきている。
体育館の横の簡単な作りの部屋には、まだ一人練習に励んでいる生徒がいた。
浪「ふぅ~、練習終了!!あ~あ、今日もよくやった!!」
ふと窓を眺める浪馬
浪『もう外は真っ暗だな、そろそろ帰るとするか・・・。』
部室の鍵を閉め校門にまで歩き出した浪馬
浪「あ~あ、最近同学年の奴がいなくてなんだかちょっと寂しいぜ・・・。」
他の同級生は受験勉強のため、部活はとっくに引退している。
浪馬はというと、これといった進路が決まらず、それを紛らわすように部活にいそしんでいるのだ。
浪「・・・。そうだ!!俺と同じように学校に残っている奴がもうひとりいたたんだった。」
そう、それは七瀬。
彼女はというと、浪馬とは対称的に進路がすでに決まっており、
家に帰ってそれはそれでしっかりとすることができる。
それに元々後輩からの信頼も厚く、頼りにされている分残ることに誰もが歓迎である。
浪「今日は七瀬と一緒に帰ってみるか。最近、あいつも良くはなせるようになってきたし。」
別に急いでるわけでもないのでゆっくりと向かう浪馬。
しかしちょうど入り口付近に差し掛かかると・・・。
グラグラ・・・・。
急に目の前がゆれ、地面にしゃがみ込む浪馬。
浪「あれ・・・?変だな・・・、眩暈かな・・・。」
しばらく、頭をおさえる浪馬
浪「いや、違う・・・。これは・・・、地震だ!!!」
その影響か、学校を照らしていた電気も、消え失せた。
生「キャー!!!」
突如、布を裂くような悲鳴が・・・。
浪「あの方向は執行部・・・。七瀬ーーーー!!!」
体にまだ揺れは残っているが、それにかまわず浪馬は走った。
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918 名前:七瀬の落ち着き2/5[sage] 投稿日:04/10/23(土) 22:46:36 ID:???
その頃執行部では。
生A「揺れてる・・・。地震よ!!!」
生B「ほんとだわ・・・!キャー!!助けて!!!」
生C「停電もしたわ、誰か助けて!!!!」
生D「誰でもいいから助けて~~!!!!」
あたりは混沌とした空気に包まれていた。
するとそこに
???「貴方たち、落ち着きなさい!!!」
突如、凛とした声が上がった。
黙る部員たち。
その声の主は、七瀬であった。
七「貴方たち、なに情けない声だしてるの??
それに、防災訓練を取り仕切っていたのは私たちだったはずよ!?」
七「訓練を取り仕切るものがこんな調子じゃ、皆の笑いものになってしまうわね。」
その声を聞き、ようやく普段の落ち着きを取り戻す、部員たち。
生A「そうですよね・・・。先輩の言う通りです。」
生B「突然のことだったんで、取り乱してしまいました・・・。」
生C「すみません先輩、恥ずかしいところを見せてしまいまして・・・。」
謝る部員たち。
七「いいのよ、気持ちは分かるわ。わたしも大きな声出してしまってごめんなさい・・・。」
七「それじゃぁ、私は職員室に行って懐中電灯を取ってくるわ・・・。」
生D「すみません・・・。腰がぬけてしまいまして・・・。」
七「いいわ、皆。そこにいなさい。」
執行部から少し歩いたはずだが
まったく距離感がつかめない。
明るいところにいたため、よりいっそう真っ暗に見える。
まるで自分が盲目になった感覚である。
七『まっくらで何も見えない・・・。でも、部員たちが待っているわ。』
不安を残したまま足を踏み出す七瀬。
すると
???「おーい、大丈夫か!?」
前から急に声がする。
七「誰!?」
驚きながら問う七瀬。
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920 名前:七瀬の落ち着き3/5[sage] 投稿日:04/10/23(土) 22:47:02 ID:???
???「おいおい、俺の声も忘れちまったのかよ・・・。浪馬だよ。お・り・や・ろ・う・ま。」
七「浪馬クン・・・。あなた、なんでまだ残っているの?」
浪「俺か?俺は練習してたんだ。帰ってもどうせすることないし・・・。」
七「ああ、そううだったの。」
浪「大丈夫か?そっちは。」
七「ええ、なんとか・・・。」
浪「だろうな、あの声からすると全然平気そうだ。」
七「!!!もしかして、聞いていたの・・・!?」
浪「ああ、この耳ではきっきりと聞いちまったぜ。」
七「・・・。」
浪『あれ・・・、七瀬の奴急に黙り込んじまったぞ。何か悪いこと言っちまったか・・・?』
浪「とりあえず、部員も大変なんだろ??早いとこ懐中電灯取ってこようぜ。」
七「貴方が言って頂戴。」
浪「へ??」
思わぬ答えに思わず聞き返す浪馬
七「貴方のほうが目が慣れてるだろうし、簡単でしょう?」
浪「えっ?でも・・・。」
七「いいから行って頂戴!!!!」
怒鳴る七瀬。
浪「は、はい!ただいま!!」
その声に押され走る浪馬
浪『うわ~~~、ほんとに怒らせちまったみたいだ・・・。ていうか地震よりもこっちが怖いぜ・・・。』
職員室に着くと、浪馬は事情を話し懐中電灯を分けてもらった。
職員室の中には、明らかに不安でないてしまった女性教員もいた。
浪『先生も大変だな・・・。はっ!そんなことより七瀬だ・・・。』
執行部にむけて走り出す浪馬
七瀬は執行部の中
ではなく
廊下にまだ座り込んでいた。
浪「おい、七瀬。何そこで座り込んでんだよ??」
七「・・・。」
浪「懐中電灯持ってきたから、さっさと執行部へ行こうぜ?」
七「・・・。」
黙りこくる七瀬
921 名前:七瀬の落ち着き4/5[sage] 投稿日:04/10/23(土) 22:47:28 ID:???
浪「おいおい!黙ってないで立ってくれよ・・・。」
手をつかみ七瀬を起こそうと七瀬の手に触れた浪馬
手が震えていた・・・。
浪「七瀬、お前・・・。」
七「・・・。怖かった・・・。」
浪「え??」
七「怖かった、怖かった、怖かった、怖かった!!!」
七瀬がしがみつく
浪「お、おい七瀬・・・。」
七「怖かった・・・。怖かったの浪馬クン!!!」
浪「おいおい・・・。わかった、分かったからちょっとは離れようぜ・・・。」
七「いや、イヤイヤイヤ絶対に、離さない!!」
浪「いや、さ。俺はべつにいいんだが、その・・・、部員がさ。」
七「・・・。あ・・・。」
浪馬の懐中電灯の先には
「信じられない」といった表情で見つめる部員たちがいた。
七「い、イヤ~~~~~!!!!」
思わず浪馬は跳ね返す七瀬。
浪『はぅ!!!ぶつけちまったじゃねぇか。これはコブになるな。
しかし、七瀬も無茶しやがる・・・。』
目の前の出来事をを信じられないままでいる部員たちを何とか帰し。
浪馬と七瀬もかえることにした。
七「・・・。」
浪「・・・。」
浪『おい、おい、何か話そうぜ!!気まずいじゃねぇかよ!!!』
七「ねぇ、浪馬くん。」
その思いが通じてかどうか分からぬが七瀬が口を開く。
浪「ん??」
七「その・・・。ごめんなさい。」
浪「ああ、頭のことか?大丈夫だ。コブはできちゃぁいるが平気だ。」
七「それもあるけど・・・。」
浪「ん?」
七「来てくれて、有難う・・・。」
浪「ああ・・・。」
浪『あれ、七瀬はなんだかしおらしいぞ・・・。』
七「わたし・・・。怖くてたまらなかった。」
浪「だろうな。」
七「ほんとは、私も泣き叫びたかった。」
七瀬がつぶやいた。
七「でも、私は先輩。私がしっかりしないといけなかった・・・。」
七瀬は震えている。浪馬は七瀬を引き寄せた。
七「そうは思っていても、私はやっぱり怖かった・・・。怖かったの・・・。」
浪「なにをそんなに考え込んでんだ?らしくないぞ。」
七「浪馬クン・・・。」
922 名前:七瀬の落ち着き5/5[sage] 投稿日:04/10/23(土) 22:47:55 ID:???
浪「先輩かなんだかしらねぇが、なによりお前もただの女の子なんだぜ?
怖いものは怖いって開き直っちまって良いんだよ。」
七「でも・・・。」
浪「お前だけが全部抱え込まなくてもいいんだぜ?」
七「・・・。」
浪「誰にだって怖いものはある。勿論俺にだってあるさ!」
七「浪馬クン・・・。。」
浪「だから、きにするのやめれ?」
しばらくの沈黙
七「浪馬クンの怖いものって・・・?」
浪「うーん、そうだな・・・。」
浪馬が考える。
浪「怖いのは怒った七瀬、かな・・・。」
言ったとたんに、七瀬が突っ込む。
七「それ、どうゆう意味なのよ??」
浪「イテテ・・・。なにってそういう意味だよ・・・。」
七「なんですって!!」
怒り出す七瀬
浪『とにかく七瀬が元気になってよかったぜ・・・。』
浪「でもさ、大丈夫なのか??」
七「大丈夫って、何が?」
浪「何って、部員だよ、部員。」
七「あ・・・。」
浪「あいつらの驚きよう・・・。すごかったぜ。」
七「確かに・・・。」
浪「下手したら、俺たち噂になっちまったりして・・・。七瀬先輩に彼氏ができた、ってな!!」
笑いながら話す浪馬。
七「・・・。私、浪馬くんとだったらいいかも・・・。」
浪「ん?何か言ったか??」
七「う、ううん、なんでもないの。」
あわてて首を振る七瀬。
浪「そうか・・・。」
浪『あれ・・・。七瀬の奴黙り込んで下を向いちまったぞ。
しかもなんか様子がおかしいぞ・・・。なにか俺悪いいこといったのかな・・・。』
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721 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:35:38 ID:???
放課後 部室
浪馬「七瀬、もういいだろ? 何も出てこないって」
七瀬「まだ全部調べ終わってないわ」
浪馬「ちぇ」
不定期に行われる執行部による部室チェック。問題児の浪馬属する
キックボクシング同好会は、副会長七瀬直々の検分を受けていた。
七瀬「あとはロッカーの上ね」
浪馬「その椅子ボロイから、足場にするのは止めておいた方がいいぞ」
七瀬「奥がよく見えないわ・・・うーん・・」
浪馬「おい、椅子の上でそんなに無理な姿勢すると・・」
七瀬「あ? ひゃっ!」
浪馬「危ないっ!」
がたつく椅子を慌てて押える浪馬
浪馬「ふー、やばかった・・・」
七瀬「・・・び、びっくりしたわ」
浪馬「七瀬気をつけろよ。なあ、もう検査はいいだろ?」
七瀬「お、織屋君っ! そ、そんなところに立たないでっ!」
浪馬「え? うわっ!?」(おお! 見上げれば七瀬のぱんつ)
七瀬「こ、こっち向かないで! スカートの中見えちゃうじゃない!」
浪馬「ははははは・・これは事故ってことで・・・ガッ?!」
七瀬「いやぁぁっ! 見ないでっ! 見ないでったらっ!」
浪馬「イデェ! 蹴るやつがあるかっ! バ、バカ、そんなに動いたら・・・」
七瀬「えっ? あ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
浪馬「く、くそっ!」
722 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:37:06 ID:???
浪馬「・・・・・ぐはっ・・・・・・・」
七瀬「アイタタタタ・・・もう・・・なんなのよぉ・・・」
浪馬「な、何なのよ、じゃねえ。蹴り入れる前に状況を・・・おおっ?!」
落ちてきた七瀬が丁度浪馬の腹の上で尻持ちを着いた形になっため、
顔をあげた浪馬の眼前で、彼女は大股開き全開だった。(ぜ、絶景すぎる)
七瀬「ごめんなさい。あなたをクッション代わりにしちゃったわ。すぐ退くから」
浪馬「いや、しばらくこのままでもいいぞ」
七瀬「そんなわけには・・あ? いやぁぁぁぁぁぁっ! どこ見てるのよっ!」
浪馬「ぐげっ・・また蹴りかよっ・・って、ガッ・・!」
七瀬「バカっ! 変態っ! いやぁぁぁぁっ!」
浪馬「おまえが退けばいいじゃ・・イテっ! マウントポジション取られてる俺は
動くに動け・・かはっ!」
浪馬「イテテテテテテ。七瀬、おまえ足癖悪すぎるぞ」
七瀬「スカートを覗こうとするあなたがいけないんでしょ!」
浪馬「わざとじゃねえだろ? お前を助けようとしてあんな体勢になったんだし」
七瀬「そ、その前にも覗いたじゃないの!」
浪馬「あれも椅子を押えただけだ」
七瀬「う・・・」
浪馬「まあ、いいか。怪我がなくて良かったな」
(七瀬の尻の感触味わえたし、ぱんつ拝めたし)
七瀬「・・・・」
浪馬「あうつつつ、こりゃアザになるかもな」
七瀬「・・・・」
浪馬「しかしイイ蹴り持ってるな。うちの同好会入らないか? はははは」
七瀬「・・・・」
浪馬「女であそこまで重い蹴りはなかなか出せるもんじゃないぜ?」
723 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:38:50 ID:???
七瀬「・・・あっ!?・・・・・・・」
浪馬「ん? なんだよ? いきなり大声出して」
七瀬「ち、ち、血が出てるわ」
浪馬「そりゃあんだけ力一杯蹴ったら血ぐらい出るだろ。ん・・ああ、ちょっと
滲んでるな。まったくいい蹴りだったぜ? 副会長」
七瀬「は、早く保健室に行きましょう!」
浪馬「んー、面倒だからいいよ」
七瀬「で、でも」
浪馬「この程度で一々騒いでたらキックボクシングなんてやれないぜ」
七瀬「そんな・・もしばい菌でも入ったら・・」
浪馬「平気だよ。えーっと、ティッシュティッシュ」
七瀬「お、織屋君、これ使って」
浪馬「ハンカチ? いらないよ、血が着くと取れなくなっちまうぜ」
七瀬「い、いいから使いなさいっ!」
浪馬「何怒ってるんだよ? おまえのハンカチ汚したくないから言ってるのに」
七瀬「わ、私のハンカチをどう使おうと私の勝手でしょ!」
浪馬「そ、そりゃそうだけど」
七瀬「絶対使って! 使わなかったら許さないんだからっ!」
浪馬「あ!っ・・・行っちまった。でもこれで部室検査は終了ってことだな、はははは」
(本当にすぐ怒るよな。カルシウムでも足りないんじゃないか?)
(すごく可愛いハンカチだ。七瀬のヤツこんなのを使うのか。さてどうするんだ?)
>ハンカチを使う
使わない
匂いを嗅いでみよう
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&aname(hoken)
733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/22(金) 05:59:01 ID:???
浪馬「邪魔するぞ。始末書持ってきたからハンコくれって・・・あれ?」
部員「副会長、大丈夫ですか?」
七瀬「・・・・う・・・・・」
浪馬「おい、どうした?」
部員「そ、それが急に倒れこんで・・・」
浪馬「じゃあグズグズしてないで、早く保健室に連れて行ってやれよ」
部員「い、今男の人が一人もいなくて」
浪馬「わかった。俺がやる。ほら七瀬、大丈夫か?」
七瀬「・・・・・・・・一人で・・・・歩け・・・・る・・・から・・・・・」
浪馬「真っ青な顔してよく言うぜ。よいしょっと・・・さ、行くぞ」
七瀬「・・・・・あ・・・・・」
保健室
浪馬「貧血だってさ。しばらくベッドで休んでろよ」
七瀬「・・・・そう」
浪馬「おまえちゃんと寝てんのか?」
七瀬「・・・・・・・・・・」
浪馬「執行部の仕事が忙しすぎるんじゃないのか?」
七瀬「余計な仕事を増やしてくれるのは、あなたでしょう?」
浪馬「はははは、それだけ憎まれ口叩けるなら大丈夫だな」
七瀬「事実だもの」
浪馬「これ以上やぶ蛇にならないうちに退散するよ。じゃあな」
七瀬「あ・・・・織屋君・・・・・一応ありがとうと言っておくわ」
浪馬「無理して礼言わなくていいぞ。お前軽いから運ぶの楽だったし」
七瀬「本当は重いと思ったんでしょ?」
浪馬「そんなことないさ。思ったより軽いんで驚いたくらいだ」
七瀬「・・・・嘘ばっかり」
浪馬「信じる信じないは七瀬の勝手だけどな。それじゃあ」
(七瀬をお姫様抱っこする機会があるとは・・本当にきゃしゃな体だったなあ)
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&aname(mission)
760 名前:ミッションG 1/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:15:45 ID:???
今日も今日とて執行部に来たぜ。七瀬はいるかな……って、
浪馬「うわっ……げほっ、げほげほっ、何だこの煙!火事か!?」
七瀬「あっ!ちょっと織屋君!今開けちゃだめ!」
浪馬「七瀬店…外に出てたのか。何だよこの煙?」
七瀬「……出たのよ」
浪馬「出た?何が?」
七瀬「出たのよ!アレがっ!」
浪馬「?幽霊でも出たのか?」
七瀬「もっと恐ろしいものよ!!」
浪馬「……?あ、この煙、バルサンか何かか。じゃ、出たのってゴ……」
七瀬「言わないでっ!!」
浪馬「もがっ…!」
七瀬に口を押さえられてしまった。
七瀬「名前を聞くのもおぞましいわ……
どうして地球上にあんなものが存在していて許されるのかしら」
浪馬「ぷはっ、そうか、七瀬は嫌いなのか、ゴキ……」
七瀬「だから言わないでっ!!!」
浪馬「もががっ…!」
また抑えられる。窒息しちまうっての。しかし、面白いこと聞いたな。七瀬の弱点発見だ。
七瀬「そろそろ終わったみたいね……」
浪馬「だな。じゃ、入るか」
七瀬「……あなた、悪いけど先に入ってみてくれないかしら?」
浪馬「ん?あ、そうか。死体とか転がってるかもしれないもんな。ゴキブ……」
七瀬「わざと言ってるの!?」
浪馬「もがががっ……!?」
人に物を頼むのになんて態度だ。
761 名前:ミッションG 2/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:16:27 ID:???
浪馬「わーったよ。俺が先に見てやるっての」
七瀬「ありがとう……」
妙にしおらしいぞ、七瀬の奴。
七瀬「どう……?」
浪馬「ああ、ターゲットの死骸は確認できずだ」
七瀬「良かった……もう、入ってもいいわよね?」
七瀬がおっかなびっくり室内に入ってくる。しかし、こうもびくびくしてると悪戯の一つもしてやりたくなるな。
七瀬「これで一安心かしら……」
浪馬「……お、机の影に一つ転がってるぞ」
七瀬「えっ!?嘘っ!?嫌ぁっ!」
浪馬「死体に騒ぐなよ……俺が捨ててやるから」
ティッシュを取って、摘み取る。
浪馬「そこのゴミ箱に捨てていいか?」
七瀬「絶対ダメっ!!外に捨ててきてっ!!」
浪馬「はいはい……」
礼儀も何もあったもんじゃねえな。そのまま、腰が引けてる七瀬の横を通って外に出ようとする。
浪馬「七瀬」
七瀬「えっ?」
そこで、七瀬の方を向き、手に持った丸めたティッシュをひょいと投げ渡す。
反射的に両手で受け取り、固まる七瀬。
762 名前:ミッションG 3/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:17:36 ID:???
七瀬「………」
浪馬「………」
七瀬「………き……」
浪馬「き?」
七瀬「きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!嫌っ!!嫌あぁぁぁぁっ!!!」
浪馬「うわっ!」
渡された物を投げ捨てることも出来ずに、半狂乱になって髪を振り乱す七瀬。そこまで嫌がるとは……。
七瀬「ひやぁぁぁぁあああぁぁぁあwsrftgyふじこlp;@」
浪馬「ちょっと!待て!落ち着け!嘘だ!それ、中に何も入ってないぞ!ただのティッシュだ!!」
七瀬「ひ、やぁあぁ……ふぇっ……?」
浪馬「ほれ」
七瀬の手からティッシュを取り、目の前で広げる。死体があったってことからしてただの演技だ。
七瀬「………」
浪馬「な?」
七瀬「………」
浪馬「ん?どうした?」
七瀬「……何が、『な?』よ……」
さっきまで半泣きだった七瀬の背後に、恐ろしい黒い影が立ちこめている。ひょっとして、ヤバい?
浪馬「あ……その、さ。なんつーか?気の利いたジョークって言うか……」
七瀬「………………」
俺は、初めて他人の殺気に恐怖した。
浪馬「その……慌てふためく七瀬ちゃんも可愛かったかなーなんて……
……その、あ、ちょっ、話せばわかqxtcふじjこl@:」
……その後俺が七瀬から受けた仕打ちはとても文字では表せないものだった。
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819 名前:いざ行かん、温泉へ[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:51:58 ID:???
教室にて、何かカードのようなものを手に持つ浪馬。
浪馬「さて、ようやく合法になったんだし、七瀬を誘って出かけるとしようか」
執行部に向かう浪馬。そこでは七瀬が書類の整理に追われていた。
浪馬「ナナちゃーん、遊びに来たよー」
七瀬「お・り・や・くーん(怒)ナナちゃんは禁句、って言わなかったかしら」
浪馬「まぁそう怒るなって。せっかくの綺麗な顔が、魅力半減だぜ」
七瀬「綺麗だなんて…でも,ナナちゃんはダメだからね。で、今日はどうしたの?」
浪馬「来週の土曜日はヒマか?ちょっと変わったところに行こうと思ってるんだけど」
七瀬「ええ、今のところ予定はないわ。でも変わったところって?」
浪馬「ふふふ、それはな…まずはこれを見ろ!」
浪馬の手には先ほど教室で手に持っていたカードのようなものが。
七瀬「そ、それって免許証じゃない」
浪馬「その通り」
七瀬「その通りって。織屋君、免許の取得は校則で禁止されているのよ」
浪馬「校則なんて関係ないって。校則には法的拘束力なんか全くないんだし」
七瀬「らしくない言葉を使ってごまかそうとしてもダメよ。とはいっても
取ってしまったものはしょうがないわよね。でも、良くそんなお金が
あったわね。教習所って結構高いんでしょう」
浪馬「教習所には行ってないぜ」
七瀬「え、じゃあどうやって?」
浪馬「免許センターに行って一発取得」
七瀬「へぇ。でも、いきなり乗って取れるものなの?」
浪馬「まさか」
七瀬「じゃあどうして…まさかとは思うけど」
浪馬「たぶんビンゴ」
七瀬「ビッグのおっちゃんに頼んだって訳ね」
浪馬「うーん、惜しい。実は前から乗ってたのよ。まぁ、そうはいっても
ビッグの仕事で荷物を運ぶ時に高速で運転してただけなんだけど。
サービスエリアの間なら免許見せてって言われることもないから
大丈夫って言われて、何度かね」
820 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:52:26 ID:???
七瀬「はぁ。思ったとおりだったとはいえ、なんだか頭が痛くなってきたわ。
本当に怖いもの知らずなんだから。私が一緒に居たら絶対にそんなこと
させなかったのに」
浪馬「まぁいいじゃないか。こうして無事なんだし」
七瀬「いいわけないじゃない、って言いたいところなんだけどあなたには
言うだけ無駄ってものよね」
浪馬「さすが我が麗しの君。よーくわかっていらっしゃる」
七瀬「茶化さないの。それで、変わったところっていうのは車で行くのね?」
浪馬「ご名答。紅葉でも見ながら、温泉につかってこようかという計画なんだけど」
七瀬「うーん、織屋君にしては素敵な考えね」
浪馬「俺にしては、は余計だって」
七瀬「あら、そうかしら。ふふふ。あ、でも温泉に行ってもしょうがないんじゃない?
結局お風呂は別々なんだし」
浪馬「心配ご無用。その辺はちゃんと考えてあるからさ」
七瀬「考えてあるってどういうこと?」
浪馬「まぁ当日のお楽しみ、ってね。じゃあ決定って事でいいよな?」
七瀬「なんだか信用ならないんだけど。でもいいわ、楽しみにしてる」
浪馬「期待は裏切らないぜ。じゃあ土曜に」
七瀬「ええ」
デート当日。
七瀬(タオルと、着替え。それにお財布、と。これでばっちりね。あ、か、替えの
下着も持ったほうが…って何考えてるの私)
七瀬ママ「ナナちゃーん、浪馬君が来てるわよー」
七瀬「はーい。今行きます」
七瀬(もういいわ。一応バッグに詰めちゃおう。あって困ることはないんだし)
浪馬「よう。おはよう」
七瀬「おはよう、織屋君」
浪馬「さて、それじゃ出かけようか」
七瀬「そうね。お母さん行ってきます」
浪馬「七瀬さんをお借りします」
821 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:52:49 ID:???
ママ「はい。行ってらっしゃい。事故には気をつけてね。そうだ、ナナちゃん」
七瀬「なぁに?お母さん」
ママ「泊まるんだったらちゃんと連絡してね」
七瀬「お、お母さん!!」
ママ「ふふふ。それじゃあね。浪馬君、ナナちゃんをよろしくお願いしますね」
浪馬「はい」
出発後の車内
七瀬「もう、お母さんたらいつもあの調子なんだから」
浪馬「確かにちょっと珍しいよな。でも、いいお母さんじゃないか」
七瀬「それはそうなんだけどね…」
浪馬「考えても見ろよ。七瀬そっくりだったらこうして二人で出かけるどころか、
彼氏が出来たってことでひと悶着どころじゃすまない騒ぎになってるぜ」
七瀬「それは…そうかもしれないわね」
浪馬「なら、それでよかったってことにしとこうぜ」
七瀬「そうね」
浪馬「お、そろそろ目的地の近くに来たかな。紅葉が見えてきたぞ」
七瀬「綺麗ねぇ。こういう風景を見ていると日本人で良かったって思わない?」
浪馬「またずいぶん大袈裟だな。でもまぁ大筋は同意するよ。四季のある
日本ならではの風物詩だし」
七瀬「ふふ、ちょっとビックリしたわ。織屋君ってもっと花より団子タイプの
人だと思ってたから」
浪馬「そりゃーないだろ。こういうところにくればそれなりの楽しみ方は
知ってるって。そうじゃなきゃ紅葉狩りになんて誘わないって」
七瀬「そうよね。ごめんなさい」
浪馬「いや、別に謝られる事ではないけどさ。普段が花より団子なのは
否定しがたいしな。そういえば、何で紅葉見物や紅葉見じゃなくて
紅葉狩りなんだ?別に何か取れる訳じゃないよな」
822 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:53:29 ID:???
七瀬「それはね、本来、獣を捕まえる狭い意味で使われていた狩りって言葉が
野鳥や小動物を捕まえるに意味に広がって、果物を採ったりすることにも
使われるようになったってことらしいわ」
浪馬「さすが七瀬。博識だな」
七瀬「たまたま興味があって調べたことがあっただけよ。そうじゃなければ
今みたいに辞書を引いたようには出てこないわよ」
浪馬「それにしたって俺だったら一瞬で忘れちまいそうだ」
七瀬「何に興味を持つかは人それぞれだからね」
浪馬「違いない。そろそろ温泉に行くか」
七瀬「ええ」
温泉に到着
浪馬「それじゃあ七瀬、水着に着替えて集合な」
七瀬「え、水着?」
浪馬「そりゃそうだろ。混浴なんだし」
七瀬「ちょ、ちょっと待ってよ。混浴なんだろうって言うのは予想がついてたけど
水着がいるなんて聞いてないわよ」
浪馬「…そういえば水着がいるって伝えてなかったっけ」
七瀬「だから聞いてないわよ、そんなこと。どうするのよ、織屋君」
浪馬「困ったなぁ。っていうか七瀬はどういうつもりだったんだ?」
七瀬「そ、それは」
七瀬(雑誌で「二人で入る貸し切り露天風呂」なんていうのを見たなんて
口が裂けてもいえないわ)
浪馬「ひょっとして貸し切りの露天風呂に入るって思ってたのか?」
七瀬「な、何でそれを知って…」
浪馬「いやー、七瀬はいろいろ勉強熱心だからそれくらい調べてるかな、
と思ってね。当たりって訳だ」
七瀬「い、いいじゃない。ふ、二人で入りたかったんだから」
浪馬「うーん。素直な七瀬はいつもよりもっとかわいいぜ」
823 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:03 ID:???
七瀬「やだ、からかわないでよ」
浪馬「おいおい、こんなことは冗談で言わないぞ、俺は。さて、ここで
あきらめたんちゃ男が廃るし、二人で温泉につかってまったり
することが出来なくなっちまう。観光局に行って入れそうなところがないか
聞いてみようぜ」
七瀬「そうね」
浪馬「いやー、あっさり見つかってよかったな」
七瀬「でも、大丈夫なの?値段とか聞いてなかったみたいだけど」
浪馬「一軒しかなかったんだし、いまさら普通のところに入るだけ、
って訳にもいかないからな。まぁ気にするなって」
七瀬「あ、この辺りじゃない?ほら、嶺輝楼って。それにしても…なんだか
ずいぶん立派な門構えね」
浪馬「そうだな。ちょっと不安になってきたぞ。バイト代が入った
ばかりだから大丈夫だとは思うけど」
旅館へ入る七瀬&浪馬
仲居「ようこそいらっしゃいました。ご予約の名前をお伺いしてよろしいでしょうか」
浪馬「あ、はい。織屋です」
仲居「はい。日帰りプランでご予約の織屋様ですね。かしこまりました。
お風呂はこちらになります」
七瀬「それじゃあお風呂でね」
浪馬「ちぇっ、脱衣所は別々なのか。つまらないな」
七瀬「当たり前じゃない。馬鹿な事言わないの」
浪馬「ふー、いい湯だな。七瀬はまだ来ないのかな」
七瀬「お待たせ、織屋君」
浪馬「おう。ってなんでバスタオル巻いてるんだよ。二人しかいないんだし」
七瀬「そういう問題じゃないでしょ。ほら、入るからあっち向いてて」
浪馬「やだ」
824 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:27 ID:???
七瀬「さて、上がるときになったら声かけてね」
浪馬「ちょっと待てって。ジョークだから。ほら、これでいいんだろ」
七瀬「私はそういうジョークは嫌いなの。・・・・・・んー、あたたかくて
気持ちいい。それにとってもいい眺めね」
浪馬「おう、最高の眺めだぜ」
七瀬「お・り・や・くーん。ど・こ・を・見て言ってるのかしら。次にそんなこと
したら、本当に出て行くからね」
浪馬「なんかキャラが違うぞ、七瀬」
七瀬「どこぞのどなたが、私の神経を逆撫でするようなことばかり仰っているせい
だと思うのだけれど」
浪馬「悪かったよ」
七瀬「罰としてしばらくは背中合わせの刑ね」
浪馬「何かこれはこれで妄想をかきたてられ…」
パカーン
浪馬「いたっ。なにすんだよ。桶で人の頭をはたくなんて」
七瀬「最終警告」
浪馬(これはこの辺でやめておかないと危険なだな。気のせいか殺気を感じたぞ)
浪馬「警告、肝に銘じておきます」
七瀬「よろしい。始末書は免除してあげるわ」
浪馬「へへぇ。でも、確かにいい眺めだな。ここは。騒がしくないし、
俺が選んだところよりずっといいかも」
七瀬「そうね。雪でも降っていたらもっと風情があっていいんだけど」
浪馬「今日は珍しくあったかかったからな。流石にそれは無理だろう」
七瀬「それじゃあ、そのうちまた来ましょう。二人が大学に入った後にでも」
浪馬「その時は泊まりでな」
七瀬「ふふ、考えておくわ」
浪馬「さて、そろそろ時間だな。上がるとするか」
七瀬「じゃあ外で」
浪馬「おう」
825 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:52 ID:???
帰宅途中の車内
浪馬「いやー、風呂は良かったし、飯も旨かったし。満足満足」
七瀬「織屋君、なんだかオヤジくさいわよ」
浪馬「まぁ細かい事を気にするなって。事実なんだし」
七瀬「でも本当にみんな出してもらっちゃってよかったの?お風呂とお食事
合わせたら馬鹿にならないでしょう」
浪馬「今日のところは気にしないでおけって。そのうち何かの機会に返してもらう
ことにするから」
七瀬「そう?それじゃあ次のデートは私のおごりね」
浪馬「それも魅力的だけど、七瀬に何か料理を作って欲しいな」
七瀬「料理?いいわよ。そのうちね」
七瀬(ご馳走できそうな料理なんてないし…お母さんに聞いて何かつくれるように
しないと…だめよね、なんにしよ…)
浪馬「それにしても今日は一日遊び倒した、って感じだな。つかれてないか?」
七瀬「・・・・・・」
浪馬「おーい?七瀬?」
七瀬「・・・・・・」
浪馬「寝ちまったのか?ったく助手席の人間は寝ちゃいけないんだぞ」
浪馬(ま、寝顔がかわいいから帳消しだな)
七瀬「ろうまくん、またどこかつれていってね」
浪馬「起きてたのか?って寝言か。あぁ、どこでも連れてってやるよ。まだまだ
一緒に過ごす時間はあるんだから」
七瀬「やくそくだよ」
七瀬(ずーっといっしょだからね。いっぱい、いろんなところにいくんだから
ね、ろうまくん)
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&aname(sorekara)
842 名前:それから ~10月18日以降の七瀬と浪馬~[sage] 投稿日:04/10/23(土) 14:02:00 ID:???
放課後 部室 練習中
夕璃「先輩っ! お客様ですよー」
七瀬「あ、いいのよ、白井さん」
浪馬「七瀬? どうしたんだ? 何か用か?」
七瀬「練習の邪魔してごめんなさい、織屋君。ただの見学だから気にしないで続けて」
浪馬「物好きなヤツだな。まあ、その辺で好きにしててくれ」
部室の中を見て回る七瀬
七瀬「ねえ白井さん、これ何かしら?」
夕璃「メディスンボールって言うそうです。
先輩はこれをお腹の上に落としたりするんですよ」
七瀬「こんなに重いのに? 痛くないの? あ、これがサンドバックね」
夕璃「先輩があんまり強く叩くから時々破けちゃうんです」
七瀬「よく見ると繕い跡がいっぱいあるわね。新しいの買わないの?」
夕璃「うちの部は貧乏さんですから」
七瀬「そういえば、ほとんど予算を回した覚えはないわね、ふふふっ」
夕璃「先輩いつもお金がないって溜息ついてます、クスクスクスっ」
浪馬「自慢じゃないが、学園で一、二を争う貧乏同好会だからな」
七瀬「あら? もう練習はいいの?」
浪馬「休憩だよ」
843 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 14:05:01 ID:???
夕璃「先輩っ はい、タオルです」
浪馬「サンキュー」
七瀬「もう寒くなってきたのにすごい汗。ねえ・・・・織屋君、私が拭いてあげようか?」
浪馬「はあ? い、いきなり何言い出すんだよ?」
七瀬「背中とか、自分で拭きにくいでしょ?」
浪馬「い、いいって!」
七瀬「遠慮することないのに。白井さんにはして貰うんじゃないの?」
浪馬「ないないっ! そんなことないって、ね、夕璃チャン?」
夕璃「はいっ、先輩に頼まれたことはありません」
浪馬「ほら」
七瀬「そうなんだ、ふふふふっ」
浪馬「いきなり変なこと言うなよ。汗拭いてるそばから、冷や汗が出ちまう」
休憩中
「と、いったわけなのよ」
「そりゃ最高だな、はっはっはっはっ」
「でしょ? でもね、まだ先があるのよ、くすくすくす」
「そうなのか? おい、早く教えろよ」
以前の二人を知る者なら、驚いて目を白黒させそうなほど弾む七瀬と浪馬の会話。
夕璃は黙って聞いている。彼女のチャームポイントの大きな目が更に一回り大き
くなっていた。彼女は可愛らしく何度も首を傾げていたが、やがて頷いた。
夕璃「そういうことだったんですね」
849 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:35:07 ID:???
浪馬「なにがそういう事なんだい? 夕璃チャン」
夕璃「はい、先輩達がお付き合いしてたなんて知りませんでした」
浪馬「ぐ・・・ゆ、夕璃チャン、なんでいきなりそんな話に・・・」
七瀬「あら白井さん、どうしてそう思ったの?」
夕璃「とっても仲良さそうです」
浪馬「夕璃チャン、それは君の思い過ご・・・・・」
七瀬「恋人同士に見えるかしら?」
夕璃「はいっ、すっご~く見えます」
七瀬「そう? うふふふ」
浪馬「ちょっと待・・・・」
夕璃「少しビックリしちゃいました」
七瀬「意外だった?」
浪馬「もしもし? お二人さん?」
夕璃「はい。でもお似合いだと思います」
七瀬「ありがとう、白井さん」
浪馬「俺をおきざりにして話を進めるなぁぁぁぁっ!」
10分後 休憩終了
七瀬「自治会の仕事があるから、そろそろ戻るわ」
浪馬「あ、ああ・・・」
夕璃「高遠先輩っ、また来てくださいね」
七瀬「ええ、今度はお茶とお菓子も用意して来ようかしら」
夕璃「楽しみにしてます、クスクスっ」
七瀬「織屋君、今日はありがとう。それじゃ」
浪馬「おう」
七瀬は帰っていった。
850 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:38:04 ID:???
浪馬「しかし珍しいこともあるもんだな。七瀬がうちの部を見学なんてさ」
夕璃「ひょっとして高遠先輩もマネージャーになってくれるんでしょうか?」
浪馬「まさか。そんなことありえないって」
夕璃「そうですよね! 愛し合う二人はいつも一緒ですよね」
浪馬「は? 一緒? だ、だから俺たち付き合うとかじゃ・・・」
夕璃「さっきもすっごく絵になってました」
浪馬「あの、夕璃チャン、俺の話聞いてる?」
夕璃「あんな風に話せるお二人・・・本当に素敵です。映画に出てくる恋人の会話シーン
みたいで、私すごく感激しちゃいました。あ、そうだ。監督さんがいたら、きっと撮影
したいって大騒ぎしたと思います。高遠先輩って笑顔が素敵ですよね? あ、もち
ろん先輩もですけど。それでお二人の視線が優しく絡み合って、まるで・・・・・・」
浪馬「・・・ダメだ。完全にトリップしてる」
タマ「やっほー!」
浪馬「お、なんだよ、タマ。今日はまだバイト大丈夫なのか?」
タマ「うん。ところでさっき高遠さん来てた?」
浪馬「ああ、会ったのか?」
タマ「部室から出てくるの見ただけだよ。でも・・・・・」
浪馬「でも?」
タマ「あれ本当に高遠さんだったのかなあ?」
浪馬「間違いないぞ、な?夕璃チャン」
夕璃「はいっ さっきまで三人でおしゃべりしてました」
タマ「そうなんだ」
浪馬「何かあったのか?」
851 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:41:14 ID:???
タマ「だって・・・部室から出てくるなり嬉しそうに頬に両手当てて、くるりんと回って」
浪馬「え?」
タマ「ニッコニコしながら行っちゃった。もうスキップしかねない勢い」
浪馬「な、七瀬が?」
タマ「あんまり普段の高遠さんのイメージと違うから、私見間違いかと思った」
浪馬「・・・・・」(俺も想像つかねえぜ)
夕璃「先輩とお話してよっぽど嬉しかったんですね♪」
浪馬「ゆ、夕璃ちゃん、その話はまた今度に・・・・」
タマ「嬉しい?・・・ははぁ、キミにもやっと春が来たのかな? どれどれ、話してごらん?」
浪馬「う、うるせーな、お前には関係ないだろ? 彼氏の面倒だけみてろって」
タマ「いいじゃないの。恋愛の先輩である私がアドバイスしてあげるよ?」
浪馬「よ、余計なお世話だ」
タマ「ったく可愛げのない・・・いいよ、夕璃ちゃんに聞くから。で、どうなの?」
夕璃「クスクスクスっ それがですね・・・」
浪馬「だーっ! 夕璃チャン、ストーップ!」
タマ「うるさいなあ。夕璃ちゃん、他の場所で続きは聞くから。ほら行こうよ」
夕璃「はいっ!」
浪馬「こら、待て二人とも・・・・あ、くそっ!」
二人はきゃあきゃあ笑いながら出て行った。
浪馬「完全にオモチャだな。しかし参った・・・こりゃ噂が立っちまうかもな」
(七瀬が可哀想だ。しかしさっき恋人扱いされても平気で、いやむしろ嬉しそうで・・あれ?)
浪馬「う・・・・なんか急にドキドキしてきたぞ」
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