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ss@6スレ(その3) - (2006/01/30 (月) 23:34:05) の1つ前との変更点
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495 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/31(日) 22:05:57 ID:???
(織屋君とのデート楽しかった・…)
七瀬はお風呂上り、髪をとかしながら思い出していた。
(好きな人と一緒に居るのがあんなに楽しいなんて考えもしなかったわ…)
「あらナナちゃん、どうしたの。ニコニコしちゃって…」
ママが七瀬に話し掛ける
「何でも無いわよ、ママ」
「そおぅ、何かとっても楽しそうだったけど」
「だから何でもないって」
「ふ~ん…」
ニコニコしているママにこれ以上見透かされるのを恐れ目をそらす。
「そう言えば…」
「何よ」
「もうキスは済ませたの? ナナちゃん」
「な!……」
ママのさりげない突っ込みに絶句し耳まで真っ赤になる七瀬。
「ちょ・ちょっと、娘に何て事を聞いてくるのよ!」
「あら~、まだやっていないの? ナナちゃんってホントマジメなのねぇ」
「そ、そんな事・・…」
「そんな事?」
(さっきだって家まで送ってもらった時にキスしたわ・…)
(織屋君の唇は柔らかかったし・…)
「…………」
「ナナちゃん、ナナちゃん?」
「・・…何でもないわ」
顔を真っ赤にしたまま七瀬はそう言うと立ち上がり居間から出て行こうとした。
「今度は家に連れていらっしゃいね♪」
母の勝利宣言が耳に入ってきたが七瀬は何も返せなかった。
834 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/07(日) 08:13:38 ID:???
(今日はデート・……)
日曜なのにいつもの時間通り起きた七瀬は昨晩迷って選んだ服を見てニコニコし
鏡を手に持ち「怒った顔」「困った顔」「泣きそうな顔」「照れた顔」「笑顔」・・…
という具合に様々な表情を取り顔を見ながら考えていた。
(織屋君を見ている時の私の表情ってどんな感じかな)
(怒ったような顔はしていないと思うけど)
(やっぱり笑顔を保っていた方が好かれるかな?)
(でもあまり笑顔でいるのもなんか媚びているようでイヤだわ)
(でも堅い女と思われ嫌われないかしら・・)
(でも不自然にニコニコなんて私には出来ない)
(自然でイイのよ、表情は自然に出てくるんだから。ウン!)
「・・…ちゃん、ナナちゃん。ナナちゃん!」
自分を呼ぶ声に気付き七瀬が顔を上げるとママがニコニコしながらドアから覗いている。
「!・・…マ、ママ。どうしたの。ドアを開ける時はノックくらい・・」
今の表情七変化をママに見られたかと思うと七瀬は急に真っ赤になり声もうわずる。
「あらノックして開けるわよ、と言って開けたのよ。朝ご飯出来ているから食べなさい」
「・…は、はい・・…」
七瀬が返事するとママの姿が消えた。
バツの悪い思いをしながら七瀬はママの後を付いていこうと立ちあがる。
「そうそう、ナナちゃん」
ママがひょことドアから顔を出す。
「な、何よ」
「笑顔がちょっと堅いわね、もっと練習した方がいいわよ」
「マ!・・…ママ!!」
「ふふふっ」
ママは笑みを浮かべながら今度こそ本当に姿を消した。
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&aname(tumuji)
502 名前:つむじまがり[sage] 投稿日:04/11/01(月) 11:38:06 ID:???
二学期開始早々 昼休み 3-C教室前廊下
浪馬「いたいた。おーい、七瀬」
七瀬「織屋君? なにか用かしら?」
(あ、あの顔はもしかして・・・)
浪馬「今度の日曜デートしないか?」
七瀬「ま、また?」
(ほら、思った通りだわ♪)
浪馬「ハートフルランドに遊びに行こうぜ」
七瀬「遊園地? あなたも随分子供っぽい場所が好きなのね」
(あう・・またそんな言い方を・・・・・)
浪馬「ダメか?」
七瀬「だいたい私はこれでも忙しい身なの。こう毎週毎週じゃ困るわ」
(嘘、嘘、嘘。週末は毎週予定空けてるくせに)
浪馬「そうか」
七瀬「あなたもフラフラ遊んでばかりいないで、たまの日曜くらい家で勉強したら?」
(ど、どうしてそんな憎まれ口を叩くの? 織屋君が可哀想でしょ?)
浪馬「入場割引券の期限が今度の日曜までなんだよ」
七瀬「じゃあ一人で行けばいいじゃない」
(本当は・・・)
浪馬「一人で行っても仕方ないだろ?」
七瀬「だからって私を誘うこともないでしょ?」
(本当は嬉しいくせに・・・)
浪馬「割引券二枚あるからさ」
七瀬「じゃあ他の人を当たってみたら? 柴門さんとか」
(どうして・・・)
浪馬「ふう・・わかったよ。時間取らせて悪かったな」
七瀬「用が済んだのならもう行くわ。それじゃね、織屋君」
(素直になれないの・・・・・)
猛烈な自己嫌悪に苛まれながら、七瀬はその場を後にした。
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&aname(cos)
512 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/01(月) 16:52:07 ID:???
執行部でお茶を飲みながら部員達がおしゃべりをしていた。
「ねぇねぇ、昨日はハロウィーンだったんだってね」
「ああ、アメリカとかで子供達が仮装してお菓子を貰う行事だろ」
「ううん、子供だけじゃなく大人も仮装してパーティをやるみたい…」
「へぇ、仮装パーティか。何か面白そうだね」
………
(仮装か・・……)
そばで話を聞いていた七瀬の頭の中で様々な光景が渦巻く
(仮装って何があるかな?)
(着物着るのは仮装じゃないし神社のアレ、そう巫女さん)
(巫女さんの衣装も様々ありそうで迷ってしまいそう)
(何処かの国の民族衣装…チャイナドレスとかサリーとか…)
(でも看護士さんやうさぎの耳や猫耳等と一緒で何となくいかがわしそうな気がするし・・)
(ダテ眼鏡にシャツ、ジーンズ姿で指示棒・教科書・出欠簿持ったら先生かな)
(……私だけ仮装するの恥ずかしいから織屋君も何かして欲しいな)
(セーラームーンとタキシード仮面…ちょっと古いかな…)
(織屋君に女装させて私が男装、変な世界になりそうね)
(アメリカのヒーローならスーパーマンにスーパーウーマンとか…)
(貴族のお姫様と王子様というのもありね)
(織屋君に化け物のカッコをさせて美女と野獣…ダメ、織屋君の評判を落としたくない)
(そういえば愛と青春の旅立ちという趣旨もいいわね)
(!結婚衣裳・…)
(和装は時間がかかるけど白無垢は綺麗・…)
(織屋君は白タキシードで私がウェディングドレスと言うのなら・…)
……
「・・…そういえば高遠先輩って仮装・コスプレって興味…って高遠先輩??」
「・……」
「ダメだよ、今は高遠先輩は人から話し掛ける気分じゃないらしい」
「そうみたいね…」
カップを持ったままうっすら頬を染めている七瀬に対し
執行部員は誰も声を掛けることが出来なかった。
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&aname(h)
559 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 01:03:31 ID:???
七瀬「あ、おかえりなさい。織屋君」
浪馬「灯りが点いてると思ったら七瀬か。何してるんだ?」
七瀬「部屋のお掃除」
浪馬「そりゃどうも。 げ? この本は・・・」
七瀬「そこ、捨てるものが置いてあるから気をつけてね」
浪馬「す、捨てちまうのか? これ」
七瀬「エッチな本なんていらないでしょ? 好きなだけ私の裸見てるくせに」
浪馬「そりゃそうだけどさあ・・・・」
(この写真集とか結構高かったんだけど)
七瀬「織屋君」
浪馬「ん?」
七瀬「そんなにガッカリしないで。掃除が終わったら」
浪馬「終わったら?」
七瀬「そんな本なんて忘れちゃうくらい、あなたを愛してあげるから」
浪馬「は?」
(七瀬のやつ、今スゲェこと言わなかったか?)
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&aname(sikkoubu)
560 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 01:51:01 ID:???
ある月曜日の放課後、執行部室
くつろいでいた部員達 突然部員が飛び込んで来る。
バタバタバタ ガラガタン
【男子部員C】 「ハァ、ハァ、ハァ‥‥」
【男子部員A】 「おいおい頼むぜ、騒がしくするなよな」
【女子部員B】 「そうですよ‥高遠先輩が居たら、大目玉ですよ‥」
【男子部員C】 「バカ野朗!そんなことより大変なんだよ」
【男子部員B】 「なんですか、副会長の大目玉より大変なことって」
【女子部員A】 「どうせくだらないことなんでしょ」
【男子部員C】 「いいか!よく聞け!昨日の日曜日、織屋先輩が副会長をデートに誘わなかったらしい」
【部員一同】 「‥‥‥‥‥へっ」
【男子部員A】 「おい‥‥言って良い冗談と、悪い冗談があるぞ」
【女子部員B】 「そうですよ‥あのバカッ‥いえあのラブラブカップルが、そんなことあるわけないじゃ
ないですか‥」
【女子部員A】 「そうよ、そうよ」
【男子部員C】 「‥聞いたんだよ‥3ーCの人に‥‥今日1日すごかったって、おまえらも気をつけろって」
【部員一同】 「なっ‥‥‥‥‥」
【男子部員A】 「うそだろ‥‥ありえないだろ‥‥なんでデートしないんだよ、織屋先輩は!
‥理由はなんだ、病気か?バイトか?なんか理由聞いてないのかよ!」
【男子部員C】 「そ、それが‥‥」
【女子部員A】 「それが!」
【男子部員C】 「同好会のマネージャーの女の子に頼まれて、撮影の手伝いがあるとか‥‥」
【部員一同】 「な、なんだってー」
【男子部員A】 「おまえバカか、バカなんだろう!」
【男子部員C】 「俺のせいじゃねーよ!」
【女子部員A】 「よりによって、女の子がらみって‥‥」
【男子部員B】 「しっ!誰かきます、あの足音は‥‥」
コツ コツ コツ ‥‥‥ ガラガラ
【七瀬】 「‥‥みなさん‥‥おはようございます‥‥」
【部員一同】 「おはようございます、副会長)
【男子部員C】 (オーラ出てる!オーラ出てるよっっっ)
【女子部員A】 (知らない、あんな表情した副会長知らない!)
【男子部員B】 (怖い、怖いよ~)
【女子部員B】 (織屋先輩‥。早く来て下さい‥早く来て下さい‥早く‥)
こうして、執行部の新しい週は始まった。
「浪馬」が現われる1時間が、部員達には5年に思えたという。
640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 23:34:59 ID:???
悪夢の月曜日から1週間がすぎた執行部室
【男子部員A】 「ハァ~しかし先週は最悪だったなぁ。」
【女子部員A】 「本当にね‥あれから毎日織屋先輩が顔を出してくれたから良かったものの
って、一番悪いのは織屋先輩じゃない!」
【男子部員A】 「おい、織屋先輩こと悪く言うなよなぁ。副会長に聞かれたら、俺知らないぞ。」
【女子部員A】 「あわわわっっっ」
【男子部員B】 「でも、今週は大丈夫なんでしょうか?先週みたいなのは、さすがに‥‥」
【男子部員A】 「執行部のまさしく黒歴史だったな。」
【女子部員B】 「たぶん大丈夫なんじゃないでしょうか‥実は土曜日の夜に高遠先輩をサンチョで
お見かけしたんですよ‥ボディーソープ買ってらしたけど‥機嫌良かったみたい
でしたけれど‥」
ガラガラ
【男子部員C】 「おはよっー。あれみんな何の話してるの?」
【男子部員A】 「何って、先週のこと忘れたのかよ。副会長のことに決まってるだろうが。」
【男子部員C】 「なーんだ、そのことね。大丈夫大丈夫、昨日ちゃんとデートしていたよ。」
【女子部員A】 「本当!嘘じゃないでしょうね!」
【男子部員C】 「本当だって、俺見たんだよ。たぶんデート帰りだと思うけど、頼津駅から二人で
歩いて行くのをね、腕なんか組んじゃってもう~ラブラブだったよ。」
【部員一同】 「おおおっ!」
【男子部員B】 「よかった‥よかったです‥‥」
【男子部員A】 「おいおい、泣くなよ。まああんな黒歴史に残るようなことが、2回も3回も起こるわけ
無いって。」
【部員一同】 「アハハハハ‥‥」
ガラガラ
【部員一同】 「あっ副会長、おはよ‥‥‥うっ‥‥‥」
【女子部員A】 『ちょっと!様子がおかしいじゃない!』
【男子部員A】 『おまえ、嘘ついたのかよ!それとも見間違えたんじゃないのか!』
【女子部員B】 『先輩‥ひどいです‥‥』
【男子部員C】 『嘘じゃねえよ!本当に見たんだよ!だいたい副会長を見間違うなんてことなんて、あり得ねえ
だろう!駅から二人で腕を組んで副会長の家の方へ歩いて行くのを、ちゃんと見たんだよ!』
【男子部員A】 『ちょっと待て、二人は副会長の家の方に向かったんだな。』
【男子部員C】 『そうだよ、きっと副会長を家まで送って行ったんだよ。完璧だろ!』
【男子部員A】 『なるほど‥‥そういうことか‥‥』
【男子部員B】 『最終目的地が違ってたんですね‥‥』
【女子部員A】 『メインイベントが無かったわけか‥‥』
【男子部員C】 『おい、どういうことだよ?ちゃんと説明してくれよ?』
【七瀬】 「‥‥あなた達‥‥何をヒソヒソ話しているのかしら‥‥」
【部員一同】 「すっすいません。副会長!!!」
【女子部員B】 『織屋先輩のバカ‥「家まで送る」なんて選択しちゃあ‥ダメじゃないですか‥‥グスン』
こうして執行部の歴史に、新たな物語が書き加えられた。
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567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 15:43:33 ID:???
執行部ではいつもと変わらぬ光景が繰り広げられていた。
「そろそろ、織屋君が来る頃だね・…」
「そうですね、じゃ私達は退散しましょうか」
執行部員が話をしていると…
「あら、いいのよ。ここにいても」
七瀬が声を掛けた。
「いえ、そう言うわけにも。織屋君は高遠さんが一人で対応する事に…」
「でも私一人だけだと変な噂が立ちそうだしやっぱりあなた達も居た方が・・」
「いいえ、私達が居ない方が直接指導しやすいでしょうし」
「そうかな・・・」
(この頃高遠さん、変だねぇ・…)
(以前はさらっと流していたのに・…)
そんな話をしていると、
「七瀬、いるか?」
浪馬が例の如く手に始末書を持って入ってくる。
「あら織屋君、ご苦労様」
七瀬が浪馬に近寄り始末書を受け取る。
「じゃ、そゆことで」
浪馬は七瀬に始末書を渡すとさっさと執行部から出て行こうとした。
「ちょ、ちょっと浪馬君。そゆことって…さっさと帰るつもりなの?」
七瀬が思わず声を掛け廊下のほうに向かう。
「悪りなー、七瀬。今日は望・刃と約束しているんだ。じゃな」
浪馬は七瀬に振り返りニコッと笑うと廊下を走って行った。
「そ・そんな……あ、織屋君! 廊下は走る所じゃ・……」
七瀬は廊下に出て走り去った浪馬を見つめていたがそのまま自分の机に戻ってくる。
「・・……」
「・……」
執行部内に奇妙な沈黙の時間が流れた。
「ちょっと休憩しましょう?」
執行部員の一人が呟く。
「私もお付き合いします」
「私も・・」
「俺も行くよ」
七瀬以外の執行部員が次々賛同し執行部から出て行き室内には七瀬一人が残った。
執行部員達は廊下を歩きながらボソボソと話し始める。
「あんな高遠さん、はじめて見たよなぁ…」
「あんなにしょんぼりしちゃって・…」
「何か雨の中棄てられた猫って感じかな」
「あ、それ上手い例え…」
「指導が上手くいっていないのを見せたくなかったのかな?」
「そうじゃないでしょ、織屋先輩が高遠先輩の誘いを断ったから…」
「そうなのか?」
・………
執行部員達のおしゃべりは部室に戻るまで止む事は無かった。
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&aname(date)
578 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 19:27:35 ID:???
学校からの帰宅途中
七瀬「明日は祝日、、なのに誘われなかったわ、、、もしかして嫌われた?」
七瀬「ううん、そんな先週のデートだって楽しかったって言ってくれた。
あんなに激しく愛してくれた、、、あーもう!」
七瀬は浪馬の部屋へ走りはじめた。
まだ時間は19時にもなってない、、、携帯に電話か、もしくは家に直接来てくれるはず。
何度もそういう事はあった、でも今日は何故か気になってしまっていた。
理由はそれなりにあった。ほんの一ヶ月前の事だった。いつもの通り、執行部でお茶を飲んでいた時、、、
浪馬「そういえばさ、タマが付き合ってた男に振られたんだ」
七瀬「そうなの?」
浪馬「あー。前から凹んでたり、頬が腫れてたりしてさ、ほら前に言ったろ」
七瀬「ええ、でも柴門さんも結果的には良かったんじゃないかしら?
前に二人で緑地公園で見たじゃない?あそこはあんな事する場所じゃないわ。常識外れよ、、、」
浪馬「まぁな。それでな、元気出るまで大変だったよ、、、家行ったりなぁ。
もちろん出てこないし。もう復活したんで結果オーライなんだけどな」
七瀬「おつかれさまでした」
浪馬「タマも凹みっぷりが尋常じゃなかったから心配したよ。
これまで付き合ってきて初めてだったからなぁ。さすがにほっておけなかったよ。
しかし今回の件で実感したよ。その、、、なんていうか、、、
俺は、、七瀬が側に居てくれるから本当心強いし、感謝してます!」
七瀬「え?」
浪馬「七瀬ならきっとこう言うんじゃないかって思って元気づけてたりしたんだ。
”説得”とか”元気づける”とか七瀬は得意だろ?
ついでにさ、実感したんだ。七瀬の存在が俺の中の全てを埋めてるって」
七瀬「そんな、、、ありがとう、すごく嬉しいわ。でもあなただけじゃないわ。
あなたの存在だって私の中全て埋めてしまってるの。もう隙間が無いの」
そんな事を思い出してる内に浪馬の部屋に着く。部屋に電気は点いて無い。
七瀬「まだ帰ってないんだ、、、」
七瀬は待つことにした。もう会いたくて話したくてしょうがなかった。
588 名前:578[sage] 投稿日:04/11/02(火) 21:24:51 ID:???
七瀬「綺麗な星ね、、、」
浪馬の部屋に着いてから何時間が経ったろうか、、、いや実は10分と経っていない。
不安な気持ちが時間感覚を狂わせていた。
七瀬「わかっていた事なのにね、、、ふふ」
七瀬は笑ってしまった。恋愛は簡単ではない、好きになればなるほど不安もやって来る。
理解はできていた、信じてもいる、でもこの不安は止められなかった。
”時”という問題の解決はできない、、、柴門さんと自分の差、、、長い時間、、、
自分でもわかってた。まるで差を埋めるようにデートで、学校で、会うたびに手を繋いで肩を並べて、、、
彼は嫌がらずに一緒に居てくれる。彼も同じ気持ちなのかな?なんて思ったり。、
この前もプリクラを一緒に撮ってくれた、プリクラなんて初めてだった。
些細な事でもすごく感動して、嬉しくて、、、こんな気持ちになるなんて考えてもなかった。
不安な思いを消すかのように過去を思い出していく。思い出してるだけで一緒に居るみたいで、、、
七瀬「早く本当に会いたいなぁ」
もう秋も終わる、、、肌寒い風が体を冷やし始めていた。
浪馬「あー七瀬ー居たー!」
その声の方向に振り向く。まだ小さい浪馬が走ってこちらに向かってくる。
自分も走って行きたくなるけど足が動かない、、、それほど体が冷えていた。
浪馬「はぁはぁ、、、こっちに来てたんだ、ごめんな用事があって執行部に行けなかったんだ。
ん?どうした?」
浪馬は七瀬の手を取る。
浪馬「うわっ手が冷たいじゃないか!何時から居たんだよ?」
七瀬「わ、、わからない、、、」
浪馬「とにかく部屋へ」
部屋に入り、二人でベットへ腰を掛ける。
浪馬「家に行ったんだけど、お母さんからまだ帰ってないって言われてさ。
明日のことは電話でって思って帰ってきたんだ」
浪馬はそう言いながら台所へ紅茶を入れに行った。
浪馬「チョットお金が必要になったんでさー土手近くの動物病院にバイトでさー
執行部に行けなかったんだ」
浪馬は台所から顔を出して様子を伺う。
浪馬「ごめんな、、、やっぱりちょっとでも執行部に顔出せばよかったよ」
両手にお揃いのマグカップを持って浪馬が横に座る。
浪馬「まだ冷たいな」
浪馬が七瀬の両手を握る。
浪馬「冷たい手でいきなり熱いカップ触ったらまずいから、少し温かくなるまで」
七瀬「うん、、、」
七瀬は泣きたいくらい嬉しかった、でも泣いたら涙で浪馬が見られなくなってしまうから堪える。
620 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 14:03:17 ID:???
》588
の続きです。間に気分転換のSSを作ってしまい遅れました。
手も温まり、二人で紅茶を飲みながら浪馬は自分の部屋の中を改めて眺める。
七瀬が勧めてくれた紅茶、お揃いのカップ、整理された部屋。
もう一人だけの空間では無くなっていた。
浪馬「さて、では明日の予定を決めましょうか?」
七瀬「うん、でもいいの?」
浪馬「?」
七瀬「ほら、バイト行ってたって、、、」
浪馬「デート資金?それなら大丈夫」
七瀬「そうじゃないの、疲れてるんじゃないかなって?」
浪馬「伊達にキックボクシングやってないってば」
七瀬「うん、、、」
何故バイトなのか、お金が必要か、それは七瀬に言えなかった。クリスマスまで2ヶ月を切っている、
それまでにプレゼントを用意しなければならない。どうしても渡したい物がある、、、
当然ビックボデーでの給料もある。でもそれには手を付けられなかった。
浪馬は今後の事を考えていた。浪人、そして大学。
七瀬とできるだけ長く居たい、そう考えた結果の事だ。
後悔も無いし辛いとも思わなかった。
七瀬「食事とか大丈夫なの?」
浪馬「あーあぁ、なんとか、微妙、、、」
七瀬「、、、、、、」
七瀬は何か考え始める、まるで執行部での仕事をしている時のような真剣な表情。
七瀬「そう、わかったわ!デートの後に必ずわたしが食事を作る。
その方が安く済むと思うの。冷凍できる物にすれば結構保つし」
嬉しそうに話を進める七瀬を見て浪馬は思う。(ついに食事も七瀬色に染まったか。)
七瀬「体力がついて!健康に良くて!あ~何作ろうかしら?
お母さんにも聞いてみるわね!」
七瀬は満面の笑みである。
浪馬「頑張らないとな」
七瀬「?」
浪馬「何でもないよ!」
浪馬は更に頑張ると心に誓うのであった。
そして数時間前の七瀬の中にあった不安の消えていた。
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&aname(inemuri)
605 名前:578[sage] 投稿日:04/11/02(火) 23:19:14 ID:???
土曜日の執行部
浪馬が執行部のドアを開けて入る。
浪馬「おーい七瀬、明日なんだけどさー。ん?寝てる?」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「よいっしょっと」
浪馬は椅子の音がたたないように引き、座った。日差しが暖かい。
偶然なのか?執行部には二人っきりな状況になっていた。
浪馬「前にもこんな事あったっけ。でも今回は違うもんなぁ七瀬ー。今は恋人同士だもんな」
寝ている七瀬に話しかける。
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「本当に寝てるのかな?実は起きてたりして」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「七瀬、愛してる」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「本当に寝てるんだな、、、受験近いし、たいへんだよな」
浪馬は疲れて寝ている七瀬に言った事を後悔する。
起きてるときに言わないとな、、、七瀬どんな顔するんだろう?
浪馬は自分の今後を考える。大学か?就職か?実際考えるのが遅い状況、、、
浪馬「七瀬に相応しい男にならないと」
今でも学校公認にはなっていない。いまだタマとの事が公認になっているのが現実。
いや執行部員には怪しがられてはいるみたいだが、、、
浪馬「七瀬、今言った事嘘じゃないよ。本心だよ」
七瀬の髪に手を振れる。
七瀬「うーん、、、」
七瀬「あぁ、、、浪、馬、、くん、、、」
そのまま七瀬が両手を浪馬の頬にあてる。
浪馬「七瀬、、、」
七瀬「す、、き、、、、」
七瀬は確実に寝ぼけている、まだ夢の中だと思っている。
七瀬「ちゅっ」
浪馬「んっ」
七瀬「んっ、ふぁ」
浪馬「んっ、ちゅ」
普段は浪馬の部屋内で起きる出来事が執行部で起きている。
当然、浪馬は興奮してしまう。
浪馬は七瀬を強く抱きしめようとする、もう何も聞こえなかった、、、
廊下
執行部員A「でさーーー困っちゃったよーー」
執行部員B「やっぱりたいへんよねーでも頑張らないとっ」
執行部員C「来年は俺たちが中心なんだからさ」
ガラッガラッガラッ
浪馬「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
執行部員一同「なんだってーーーーーーーーーーー」
七瀬「んっ、ちゅ、ふぁ」
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&aname(sirusi)
610 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 02:36:19 ID:???
ここは浪馬の部屋。
浪馬「ふぅ、よっこらせっと」
七瀬「うふふー♪」
数時間前のベル・エキップ
浪馬「どうするんだよ~七瀬、それじゃぁ帰れないよ」
七瀬「いいんらも~ん!今夜はお泊まりらも~ん!うふふ~♪」
浪馬はこうなるかなって予想はしてた。でもまた酔った七瀬と御対面したくなってしまい
誘ってしまった。
七瀬「早く行こうろ、浪馬~しゅっぱーちゅしんこ~」
ここに長く居てもラチがあかない、何より補導されたら大問題だ。
浪馬「了解しました!七瀬隊長」
部屋に着いて少し時間が経てば酔いが醒めるだろうと予想する浪馬。、
しかし甘かった。2回目だった為、気持ちの上での慣れが生じてしまい
飲み過ぎた為、回復不可になっていた。
再び浪馬の部屋
浪馬「水持ってくるよ」
七瀬「ありがとうございます~幸せです~」
浪馬「はいはい、、、」
浪馬「ほい水」
七瀬「うー」
七瀬「違~う~それじゃぁにょめない!口うちゅししなさい浪馬!」
浪馬「は?」
七瀬「あなたに拒否権無ひ!」
浪馬「はいはい、、、」
七瀬「うちゅ、、ゴクッゴクッ」
七瀬「浪馬~」
浪馬「ん?」
七瀬が浪馬のシャツを脱がし始める。
浪馬「お、おいっちょいまて」
七瀬「ちゅっ、うちゅ」
七瀬は浪馬の言葉を聞くこともなく体にキスをし始めた。
七瀬「うふふ~誰にも取られないように印~」
浪馬「何言ってるんだよ、、、学校で着替えられなくなるだろ~」
七瀬「いいの!拒否権無ひのっ!七瀬印一杯付けるの!」
浪馬「七瀬印~?なんだよそれ」
七瀬「お母さんにも渡さないんだから!」
浪馬「お、お母さん?」
七瀬「浪馬の事お気に入りだって言ってた~」
浪馬「それ意味が違う~七瀬との事認めてくれてるって事だろ~」
七瀬「そうなんだ~うふふ~公認だ~」
嬉しかったのかいきなり静かになり抱きついたまま寝てしまった、、、
611 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 02:38:47 ID:???
2時間後高遠邸前
七瀬「う~ごめんなさい、、、なにかしちゃった?」
浪馬「い、いや、、、何も、、、」
七瀬「送ってもらってしまってるし、、、本当にごめんなさい」
浪馬「誘ったの俺だし。じゃおやすみ」
七瀬「おやすみなさい」
七瀬は家のドアを閉めた。
一週間後部室
七瀬「ごめんなさい着替えてたの?」
浪馬「いいよ。で、どうした?」
七瀬「この書類なんだけど、、、」
七瀬の顔が変わった。
浪馬「?」
七瀬「本当馬鹿みたい、、、そうよね、、、あなたって噂通りだったのね。
あなたを信じちゃった、、、本当、、、馬鹿、、、」
浪馬「何が?」
七瀬「何が?じゃないわ。とぼけないで!そのアザは何?そんなに一杯!」
浪馬「は?七瀬印なんだが、、、」
七瀬「?????」
浪馬は七瀬印の説明する。
七瀬「ごめんなさい、変よね自分の付けた跡に怒るなんて、、、どうかしてるわ私、、、」
浪馬「あの時は泥酔してたもんな~でも許さないよ、七瀬。疑った罰を受けてもらうよ」
七瀬「はい」
浪馬「今ここで七瀬印をしなさい」
そう言って浪馬は自分の唇に人差し指を指した。
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&aname(aitai)
619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 12:30:03 ID:???
(明日は祭日なのに…誘ってくれなかったな…織屋くん……)
自分の部屋でうろうろと歩き回っている姿がそこにはあった。
鏡に写る自分の顔をジッと見つめたかと思うとまたうろうろ。
ぬいぐるみの頭を撫でてみたかと思うとまたうろうろろ。
(織屋くん…明日は何か用事でも在るのかな…)
(用事って…誰かと約束でも……)
(バイトがあるのかな)
(友達と約束があるのかな)
(雨堂くんと?砂吹くんと?……柴門さん…と……)
(誰か…女の子と………)
結局この日は学校で『明日の約束』は無かった。
加えて執行部に姿を見せる事のなかった浪馬。
帰り際に浪馬の部室に行ってみたがすでに戸締りがされていた。
真っ直ぐに家には帰らずに浪馬の部屋まで行きはしたものの……
部屋の前を何往復もしては見たもののチャイムを押す事が出来なかった。
もう何時間もの間、七瀬の頭の中をグルグルと妄想が駆け巡っている。
携帯を手にして『織屋浪馬』の番号を出す、そして消す。
メールを打ち込む、送信はせずに消す。
何回繰り返しただろう、ふと見ると携帯の時計が0:00になっていた。
(日付が変わっちゃった…)
携帯を置き机の上を片付け始める、結局、勉強はほとんど進まなかった。
明かりを消してベッドに入る、、、やはり思いは駆け巡る。
ふいに起き出して携帯を手にした七瀬、メールを打ち込む。
やはり送信は押さなかった、押せなかった。
[件名]
会いたい
[本文]
会いたい
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&aname(nekomimi)
624 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 18:42:46 ID:???
うたた寝イベントで、浪馬がいたずらで猫耳ヘアバンドを
こっそり装着。その後目覚めた七瀬は気づかないまま
校内をうろつき、学園中をパニックに陥れる。
625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 18:46:36 ID:???
》624
ツン時にやったら殺されるなw
634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 21:47:35 ID:???
ツン期はこんなもんでいいかな? デレ期は他の人ヨロ。
「誰よ! 私にこんな格好をさせたのは!!」
真っ赤な顔をした七瀬が執行部内に入ってくるなりいきなり罵声を上げた。
ある執行部員は机から顔を上げ、またある執行部員はパソコンを打つ手を止め、
また別の執行部員は会話を止めと、中にいた皆が七瀬の方に注目する。
「あ、あの~、どうされたんですか・…」
一番近くにいた執行部員が恐る恐ると言った感じで七瀬に聞く。
「これよ、これ! こんなモノを私につけさせ校内を歩きまわさせたのよ」
七瀬が脇に抱えていた物を執行部員の前に突き出す。
「・・…なんですか、これ?・・…」
執行部員が七瀬に聞く
「知らないわよ、何かの仮装パーティ用衣装の一部じゃないの?」
七瀬が見せたそのモノとは頭に合わせつけることの出来る猫耳だった。
「高遠先輩・…もしかしてその道具を頭につけて・…」
「ええ、歩き回ったわよ。途中で先生に注意されたるまで気付かなかったわ」
「・・…それは災難でしたね、でも付けられた事に気付かなかったんですか?」
「ちょっと居眠りしてしまったのよ、そのときだと思うけど…」
「そうなら誰が犯人か分かりませんね、先輩は寝ていたんだし」
「高遠先輩にも一抹の責任があるような・…」
部員達がボソボソと指摘し始めた。
「静まりなさい! そうはいかないわよ!」
七瀬は部員達の異論反論オブジェクションをあっさり封じた。
「これは自治会執行部に対する挑戦よ、明らかな悪意を感じるわ」
(そうかな…?)
(単に高遠先輩にふざけてみただけだったとか…)
部員達は様々な事を思ったものの烈火の如く怒る七瀬の前では黙っていた。
「各自ブラックリストを総チェック、特に3年生をね。
それにこの手のイタズラが好きな生徒のリストアップもお願いします!」
七瀬はそう命じると自分の席に座った。
パソコンを起動させチェックするその姿はまさに夜叉と言わんばかりの凄みだった。
637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 22:54:25 ID:???
》634のデレ期:
「もう、信じられないわ・…」
執行部に入ってくるなり七瀬が呟いた。
「高遠先輩、どうしたんですか?」
執行部員の一人が七瀬に声をかける。
「これよ・・」
七瀬は手に持っていたアイテムを執行部員に見せる。
「これって・…猫耳っていう道具では?」
「そう、以前同じ目に合ったけどまたやられたみたい」
「…でまた先生に言われるまで気付かなかったんですかぁ?」
「そうなの、居眠りしていたから気付かなかったとはいえコレじゃ示しがつかないわね」
執行部員は資料をあさり記録を見つけると七瀬に報告する
「以前の事件では犯人は3-Aの織屋先輩になっていますけど…」
「そうね…」
織屋と言う名前が出た瞬間、執行部内が「またあいつか!」と騒ぎ出す。
「みんな、静かに!」
七瀬が注意する声が執行部室内に響く。
「犯人は大方織屋君と思うけど本人に聞くまでは分からないわ」
「じゃ放送で呼び出しますか?」
執行部員の一人が進言する。
「えっ……いえ、必要無いわ。彼には私から聞いておくから…」
(おいおい、対応が随分違うなぁ・…)
(最初にやられた時なんか放送で呼び出し全校集会で思いっきり叱っていたのに・・)
(高遠先輩、織屋先輩に何かあるんじゃないかなぁ)
(・…それって恋って事??)
「さぁさぁみんな。無駄話をしないで仕事に戻る」
七瀬が手を叩きながら執行部員に注意した。
執行部員が席に戻るのを見届けると七瀬も自分の席についた。
(・…もう、織屋君ったら。付けて欲しいなら言ってくれればいいのに…)
(付けて欲しいと願っているのなら今度彼の部屋に行った時に付けてみようかな…)
(織屋君喜んでくれるかな・…)
七瀬はそう考えながら猫耳を自分のカバンにしまってしまった。
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&aname(fusigi)
708 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:16:21 ID:???
浪馬が部室で黙々と道具の手入れをしている。今日はたまきも夕璃もいない。
どのくらい時間が経っただろう、浪馬がふと顔を上げるとドアのところに
七瀬が立っていた。
浪馬「あれ、いつからそこにいたんだよ?」
七瀬「そうね。三十分くらい前かしら」
浪馬「声くらいかけてくれりゃいいのに。何してんだ?」
七瀬「あたなを見ていたの」
ニコリともせずに近づいてくると、七瀬はじっと浪馬の顔を見上げた。
美しい切れ長の目がすっと細められる。視線がやけに熱を帯びていた。
709 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:19:52 ID:???
浪馬「どうした? そんな目をして」
七瀬「やっぱり見るだけじゃ無理ね。織屋君、少しじっとしてて」
そう言うと七瀬は浪馬の周囲を回りながら、体のあちこちに触れ始めた。
浪馬「うひゃひゃひゃ」
七瀬「動いちゃだめ」
浪馬「くすぐったいんだよ」
七瀬「少しくらい我慢しなさい」
浪馬「一体なんのつもりだよ?」
七瀬「ちょっと黙ってて」
浪馬「・・・・」
七瀬「ふむふむ」
浪馬(あ、以前どこかで同じ光景を見たな)
七瀬「んー」
浪馬(美術館だ。たしか混沌とかいう変な彫刻)
七瀬「なるほど」
浪馬(俺を調べてるのか?)
七瀬「ふーん」
浪馬(それにしても随分と真剣な顔だぜ)
710 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:21:35 ID:???
20分近くも経ったろうか、七瀬はようやく浪馬から離れた。
七瀬「ふう・・」
浪馬「もう気が済んだか?」
七瀬「うん」
浪馬「ひょっとして俺を調べてたとか?」
七瀬「そんなところね」
浪馬「なんでまた?」
七瀬「不思議でならないのよ」
浪馬「何が?」
七瀬「どうしてこんなにあなたを好きになっちゃったのか」
浪馬「それが俺をペタペタ触ることにどう繋がるんだ?」
七瀬「あなたをもっと理解できたら、ヒントが掴めるかと思って」
浪馬「俺は彫刻かよ。で、結果は?」
七瀬は黙って手を伸ばし、浪馬の頬をそっと撫でた。
不思議なものでも見るような表情で何度か小首をかしげる。
浪馬(七瀬って時々怖いくらい可愛い仕草するよな・・)
七瀬「本当に不思議だわ」
しばらく浪馬の頬を撫でた後、七瀬はぽつりと言った。
713 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:23:36 ID:???
七瀬「ごめんね、変なことにつき合わせて」
浪馬「いや、別にいいけどさ。それよりどうなんだ?」
七瀬「どうって、何が?」
浪馬「だから結果。何かわかったのか?」
七瀬「さあ? ふふふふふ」
浪馬「さあって・・・」
七瀬「今日はもう練習終わったの?」
浪馬「終わったよ」
七瀬「じゃあ一緒に帰れるわね」
浪馬「ああ」
七瀬「あなたの部屋に寄ってもいい? 晩御飯作ってあげる」
浪馬「そりゃすまないな」
七瀬「何かリクエストはある?」
浪馬「七瀬が作ってくれるなら何でもいい」
七瀬「そう」
浪馬「ところでさっきの話だけどさ。どうなんだよ?」
七瀬「今日はパスタにしよっか? ね?」
浪馬「いや、そうじゃなくて・・・」
七瀬「ほら、早く行きましょ」
結局その日、七瀬はわかったともわからなかったとも答えなかった。
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&aname(kuroneko)
734 名前:七瀬と黒猫[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:41:53 ID:???
昼休み 執行部前 七瀬をランチに誘おうとやってきた浪馬
七瀬 「いらっしゃい、織屋君」
いつも通りの声で浪馬を迎える七瀬の胸に、一匹の黒猫が抱かれている。
浪馬 「あれ? どうしたんだ? その生意気そうな猫」
「ボウズ、久しぶりだな」
得意の軽口を飛ばす浪馬に、突然猫が話し掛けてきた。
浪馬 「わっ!? あ、ハルミじゃないか。なんでここにお前がいるんだよ?」
七瀬 「さっき廊下でへたりこんでるのを私が見つけたのよ。知ってるの?」
浪馬 「あ、ああ。二年の平沢博子ちゃんとこの猫だよ」
七瀬 「それでヒロコを呼べ、ヒロコを呼べって言ってたのね」
ハルミ「やっと理解してくれたか。ヤレヤレだぜ」
七瀬 「気がつかなくてごめんなさいね」
ハルミ「ま、いいってことよ、美人のねえちゃん」
七瀬 「くすくす、口の悪い子ね。ハルミっていうの? 私は七瀬よ」
ハルミ「ナナセか。いい名前だぜ」
七瀬 「ありがとう」
浪馬 (会話が成立してる・・って七瀬、おまえ変に思わないのか?)
735 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:45:36 ID:???
暫くして執行部員に呼ばれた博子がやってきた。
博子 「ハルミ! 何してるの?!」
ハルミ「何とはご挨拶じゃねえか。おまえが弁当忘れたから爺さんに
頼まれて届けてやったのによ」
なるほど七瀬の机の上に、可愛らしい弁当箱が置いてある。
ハルミ「こんな重いもの持たせやがって。まったく人使いが荒いぜ」
七瀬 「私が見つけた時は、完全にグロッキーだったわね」
ハルミ「この美人のねえちゃんのお陰で助かったぜ。ミルクまで貰ってよ」
博子 「高遠先輩、ハルミがご迷惑をおかけしました」
七瀬 「本来ペットの持ち込みは禁止ですけど、今日だけは大目にみます」
博子 「ペットじゃありません。家族です」
七瀬 「え? あ、家族同然ということなのね。それは失礼したわ」
ハルミ「博子、俺の恩人に向かって口の効き方に気をつけろ」
七瀬 「くすくす、本当によくしゃべる子ね。はい、平沢さん」
七瀬はハルミと弁当箱を博子に手渡した。
博子 「ありがとうございます」
ハルミ「美人のねえちゃん、世話になったな」
七瀬 「さっき名前言ったでしょ? な・な・せ」
ハルミ「そうだったぜ。世話になったな、ナナセ」
こうして二人(?)は執行部を去っていった。
736 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:47:25 ID:???
七瀬「ハルミちゃん、可愛かったわね」
浪馬「そ、そうか」
七瀬「お喋りに、お使いまでするなんて凄いわ」
浪馬「ま、まあな」
七瀬「犬や熊型はテレビや雑誌でよく見たけれど、猫型も出てたのね」
浪馬「は?」
七瀬「ペットロボットがあそこまで進化していたなんて」
浪馬「・・・・」(なるほど)
七瀬「抱いた感触も本物そっくり。ミルクまで飲むのよ。びっくりしたわ」
浪馬「・・・・」(そう来たか)
七瀬「ところで」
浪馬「ん?」
七瀬「織屋君、どうして平沢さんの猫ロボットを知ってたの?」
浪馬「研究の手伝いで、何度か家に行ったことがあるからさ」
七瀬「へー・・・随分親しい仲なのね」
浪馬「え? ち、違うぞ七瀬、それは誤解だよ」
七瀬「・・・・」
浪馬「そんな目で見るなって。俺を信じてくれよっ!」
(こ、困ったな。博子ちゃんの研究や亜希子さんをどう説明したもんだか)
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&aname(kaerimiti)
872 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/08(月) 17:06:15 ID:???
晩秋のある日、帰り道で七瀬と一緒な訳だが七瀬が黙っているので空気が重いぜ。
「なぁ、七瀬。何か考え事でもあるのか?」
「・…えっ、別に…」
「俺でよければ話を聞くぜ?」
「うん・・…」
また沈黙の時間が流れる。その空気の重さを振り払う為に俺が話し掛けようとしたら…
「ねぇ、織屋君」
七瀬がいつもと違うか細い声で話し掛けてきた。
「なんだ?」
「私達って、まだキスしかしていないわよね」
「えっ!? ……あ、ああ。そう言えばそうだな」
「私、これまで男の人と付き合ったことなんてないから分からないのだけど、
男の人って、キスだけでは満足できないのかしら?」
(そりゃ声を大にして「満足出来ねー!!」と言いたいんだけど・…)
「それは人ぞれぞれじゃ無いかな、満足できない奴もいれば満足する奴もいる」
(どうせ俺は偽善者さ、シクシク……)
「織屋君はどうなの?」
七瀬が頬をうっすら赤らめつつ聞いてきた。
「お、俺か! お・俺は満足しているぞ。七瀬と付き合えたんだからな」
(世界の中心で嘘を叫ぶ!)
「ほ、本当?」
七瀬が眼を輝かせて俺の顔を見てきた。
「もちろん。キス以上に進むのは自然の成り行きだけど無理強いはよくない・・」
「良かった・…」
七瀬は心底ほっとした感じで安堵の声を出す。
「なんだ、そんな事で悩んでいたのか?」
俺が軽いノリで突っ込みを入れると
「そんな事じゃないわ、私にとっては重要な問題よ」
とマジメに切り返されてしまった。
「ねぇ、織屋君。私まだ心の準備が出来ていないの、それまで待ってくれる?」
七瀬が真っ赤な顔をして潤んだ目を真っ直ぐ俺に向けてくる、
俺はそんなマジメな七瀬に「ああ」としか答えられなかった。
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&aname(meido)
882 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/08(月) 21:18:46 ID:???
ひさしぶりに投下。
今日は七瀬が浪馬の部屋をお掃除してくれる日。
七瀬「ねぇ、何コレ、、、」
浪馬「あ、あぁそれか。うちのクラスが文化祭で使った衣装だよ」
七瀬「それは承知しているわ。衣装確認も執行部で行なったし。でも何故男性のあなたが?」
浪馬「返す日にサンチョで仕事手伝ってなぁ。そのお礼ってさ」
七瀬「そうだったの」
浪馬「使い道が無いからその辺に適当に置いといたんだ」
七瀬「これって柴門さんも着たのよね?」
浪馬「もちろん。着てたぞ」
七瀬「、、、似合ってた?」
浪馬「まぁ、似合ってたな。タマだとHOT SHOTの制服とかも見るんだが
馬子にも衣装ってか、、、着せ替え人形みたいになんでも似合うな、奴は」
何気ない浪馬の言葉は七瀬の心に火を点けた。
七瀬「私、着てみようかな、、、?」
浪馬「なぬっ?」
七瀬「あなたの記憶ではこの衣装=柴門さんなんでしょう?」
浪馬「まぁ他の奴のは覚えてないな」(胸の谷間とパンチラがあったからなぁ)
七瀬「なんか嫌なの。全部わたしでいてほしいから」
七瀬「着替えてくるね」
そう言って七瀬は脱衣所に入っていった。
七瀬「どうかしら?」
浪馬「お~」(パチ パチ~)
浪馬は拍手する。七瀬は顔が真っ赤になった。
七瀬「そ、掃除の続きしちゃうわね」
照れ隠しか、掃除を続けようとする七瀬。
浪馬「ウエイトレスさん、パンツ見えてますよ~」
浪馬が悪ふざけする。
七瀬「嫌、、、ウエイトレスさんなんて言わないで」
七瀬は寂しそうな顔をする。
浪馬「なんで?」
七瀬「だってわたし以外の人を見て欲しくない、、、七瀬って呼んでほしい」
浪馬「あ、あぁそうか、では七瀬」
七瀬「はい!なんでございましょうか?ご主人様」
浪馬「!!!!!!!」
七瀬「そんな顔しないでよ。この衣装、見方によってはメイドぽいかなって思って」
浪馬「く~」
たまらなくなった浪馬は七瀬に抱きつく。
七瀬「もう、ご主人様ったら、あぁ~ん」
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&aname(bento)
900 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/09(火) 13:07:08 ID:???
お昼、七瀬が居るかと思い執行部に行ったら…
「あら、織屋君。何の用かしら?」
やっぱり居ました、しかもお食事中。
「七瀬は執行部で食べているんだ」
「いけないかしら? 仕事が多いからお昼休みもココに来なきゃならないし」
「いんや、にしても天気がいいのに室内でご飯というのもなんだな……」
「……何が言いたいの?」
「ちょっと不健康かな? って思ってな」
「……そうかもしれないわね、でも仕方が無いわ。で織屋君はお昼済んだの?」
「ああ、ちゃんとパンかじったからな」
「一人暮らしとは言えパンだけと言うのも不健康よ」
「大丈夫、俺はよそで栄養を取っているから」
と俺はそう言いつつ七瀬の弁当から卵焼きを一個取り上げ口に入れた。
「あっ! ……もう、子供っぽい事は止めてちょうだい」
「わりぃわりぃ……(もぐもく)……この卵焼きイケルな、七瀬が作ったのか?」
「残念ながら母よ、……あっ……」
「なんだ?」
「織屋君、もし……もしもよ。織屋君さえ良ければ弁当を作ってくるけど……」
七瀬が頬を赤らめながら聞いてくる。
(七瀬の手作り弁当か、どんなんだろう……)
「ああ、頼むぜ」
俺は期待半分、不安半分で答えた。
「じゃあ、明日のお昼にココに来てね」
七瀬は嬉しそうに俺を見ていた。
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&aname(hotshot)
903 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/09(火) 18:08:09 ID:???
ひさしぶりの投下2
ここはHOT SHOT
たまき「いらっしゃいませ~!あれ?高遠さん?」
たまきは一瞬驚く。
七瀬「こんにちは柴門さん」
たまき「いらっしゃいませでいいんだよね?」
七瀬「ええ」
たまき「高遠さんがこの店に来るなんて意外だなって思って」
七瀬「織屋君に連れられて何度か来たこともあるのよ」
たまき「ふーん」
七瀬「でもね、今日は柴門さんあなたに会いに来たの」
たまき「あたしに?」
七瀬「ええ」(正確には会いにだけじゃ無いんだけどw)
七瀬はたまきに浪馬の事について聞いていく。
性格とか好きな食べ物の事とか、これだけならば学校での会話と変わらない。
わざわざHOT SHOTに来る事も無い。
だが七瀬とってはHOT SHOTでなければいけないのだ。
たまき「高遠さんも大変よね、彼には私からも言っておくわって何してるの
高遠さん?」
七瀬はたまきのバイト服を触る。
七瀬「え?、、、いい生地だなぁって思って。高いのかしら?」
たまき「どうなんだろう?」
真剣な表情で七瀬は触り続ける。
七瀬「ふーん」
「なるほど」
「うん。やっぱりそうよね」
たまき「た、高遠さん、、、?」
七瀬「ようやくわかったわ。本当ありがとう柴門さん」
たまき「?どういたしまして、、、」
七瀬「じゃあまたね柴門さん」
たまき「うん、、、」
たまきは首を傾げたまま、スキップして店を出る七瀬を見ていた。
オーナー「彼女は友達かい?」
たまき「まぁ、クラスは違うんですが」
オーナー「そう。彼女は恋をしているね」
たまき「は、はいっ?」
オーナー「好きな人の為に何か頑張ろうとしている目だったよ。相手が羨ましいね」
たまき「一体誰なんだろう?まさかな~?」
文化祭衣装を制覇した七瀬の次の目標は当然HOT SHOTバイト服しかない。
浪馬ですら七瀬の考えは読んでなかったのだ。
まったくわからないたまき。
なんとなく感じたマスター。
目標に向け気合いをいれる七瀬。
部屋で一人、七瀬が着た衣装を抱きしめながらだらしない顔をしている浪馬。
それぞれな夜がふけていく、、、
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&aname(meido2)
909 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/10(水) 00:13:55 ID:???
19:00
土曜日の夜。浪馬はいつも通り動物病院でバイトをして、今帰宅した。
ガチャ
浪馬「ん?開いてる」
浪馬はすぐに、ドアの鍵を開けて中に入っている人物が誰なのか理解した。
この前、合い鍵をプレゼントした相手。七瀬だ。
鍵なんてって思ってたが七瀬はものすごく嬉しがっていた。
浪馬「さっそく使ってくれたか」
浪馬も嬉しくなってくる。
浪馬「おーい七瀬」
靴を脱ぎながら七瀬を呼ぶ。
七瀬「はーい」
七瀬が台所から出てくる。
七瀬「おかえりなさいご主人様」
浪馬「ただいま七瀬」
七瀬は見慣れない服に着替えていた。
浪馬(わざわざ作ったんだ、、、メイド服)
浪馬「七瀬。似合ってる」
七瀬「ありがとうございます。嬉しいです。ふふふ」
浪馬(口調も完全にメイドになっている。興奮してくるなぁ)
冷静を装い部屋に入り上着を脱ぐ。七瀬が嬉しそうに微笑む。
時計は21:00を指していた。
浪馬は先ほどまで七瀬が作ってくれた食事をおいしくいただいていた。
お風呂にも入ってさっぱりしている。明日の予定も食事をしながら決めていた。
浪馬「、、、、、、、、、」
七瀬「、、、、、、、、、」
会話が途切れる、意味無く点けていたTVの音が大きく感じる。
浪馬「なぁ、今日は何時頃帰るんだ?送っていくよ」
七瀬「、、、、、、」
七瀬はその問いに答えない。
浪馬「七瀬、、、」
浪馬が七瀬の肩に手をあてようとした時丁度七瀬が立ち上がる。
七瀬「ご、、、ご主人様、、、」
七瀬は顔を真っ赤にしてふるえている。
浪馬(あぁ、そうか)
浪馬「気づかなくてごめん」
七瀬「あっ」
浪馬「ちゅ」
七瀬「ちゅっ」
学園内では決して想像つかない七瀬。
手作りのメイド服で赤くなりながらもじもじする七瀬。
自分にいろんな形で尽くしてくれる七瀬に浪馬の興奮は最高潮になっていた。
浪馬「ななせぇ、、、」
抱きしめながら首筋にキスをする。
七瀬「ごしゅじんさまぁ、、、」
顎を上げ強く浪馬を抱きしめながらふるえる七瀬。
そのままベットへと身を投げる。
七瀬「ご主人様、もっと~」
キスをねだる七瀬。
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495 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/31(日) 22:05:57 ID:???
(織屋君とのデート楽しかった・…)
七瀬はお風呂上り、髪をとかしながら思い出していた。
(好きな人と一緒に居るのがあんなに楽しいなんて考えもしなかったわ…)
「あらナナちゃん、どうしたの。ニコニコしちゃって…」
ママが七瀬に話し掛ける
「何でも無いわよ、ママ」
「そおぅ、何かとっても楽しそうだったけど」
「だから何でもないって」
「ふ~ん…」
ニコニコしているママにこれ以上見透かされるのを恐れ目をそらす。
「そう言えば…」
「何よ」
「もうキスは済ませたの? ナナちゃん」
「な!……」
ママのさりげない突っ込みに絶句し耳まで真っ赤になる七瀬。
「ちょ・ちょっと、娘に何て事を聞いてくるのよ!」
「あら~、まだやっていないの? ナナちゃんってホントマジメなのねぇ」
「そ、そんな事・・…」
「そんな事?」
(さっきだって家まで送ってもらった時にキスしたわ・…)
(織屋君の唇は柔らかかったし・…)
「…………」
「ナナちゃん、ナナちゃん?」
「・・…何でもないわ」
顔を真っ赤にしたまま七瀬はそう言うと立ち上がり居間から出て行こうとした。
「今度は家に連れていらっしゃいね♪」
母の勝利宣言が耳に入ってきたが七瀬は何も返せなかった。
834 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/07(日) 08:13:38 ID:???
(今日はデート・……)
日曜なのにいつもの時間通り起きた七瀬は昨晩迷って選んだ服を見てニコニコし
鏡を手に持ち「怒った顔」「困った顔」「泣きそうな顔」「照れた顔」「笑顔」・・…
という具合に様々な表情を取り顔を見ながら考えていた。
(織屋君を見ている時の私の表情ってどんな感じかな)
(怒ったような顔はしていないと思うけど)
(やっぱり笑顔を保っていた方が好かれるかな?)
(でもあまり笑顔でいるのもなんか媚びているようでイヤだわ)
(でも堅い女と思われ嫌われないかしら・・)
(でも不自然にニコニコなんて私には出来ない)
(自然でイイのよ、表情は自然に出てくるんだから。ウン!)
「・・…ちゃん、ナナちゃん。ナナちゃん!」
自分を呼ぶ声に気付き七瀬が顔を上げるとママがニコニコしながらドアから覗いている。
「!・・…マ、ママ。どうしたの。ドアを開ける時はノックくらい・・」
今の表情七変化をママに見られたかと思うと七瀬は急に真っ赤になり声もうわずる。
「あらノックして開けるわよ、と言って開けたのよ。朝ご飯出来ているから食べなさい」
「・…は、はい・・…」
七瀬が返事するとママの姿が消えた。
バツの悪い思いをしながら七瀬はママの後を付いていこうと立ちあがる。
「そうそう、ナナちゃん」
ママがひょことドアから顔を出す。
「な、何よ」
「笑顔がちょっと堅いわね、もっと練習した方がいいわよ」
「マ!・・…ママ!!」
「ふふふっ」
ママは笑みを浮かべながら今度こそ本当に姿を消した。
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&aname(tumuji)
502 名前:つむじまがり[sage] 投稿日:04/11/01(月) 11:38:06 ID:???
二学期開始早々 昼休み 3-C教室前廊下
浪馬「いたいた。おーい、七瀬」
七瀬「織屋君? なにか用かしら?」
(あ、あの顔はもしかして・・・)
浪馬「今度の日曜デートしないか?」
七瀬「ま、また?」
(ほら、思った通りだわ♪)
浪馬「ハートフルランドに遊びに行こうぜ」
七瀬「遊園地? あなたも随分子供っぽい場所が好きなのね」
(あう・・またそんな言い方を・・・・・)
浪馬「ダメか?」
七瀬「だいたい私はこれでも忙しい身なの。こう毎週毎週じゃ困るわ」
(嘘、嘘、嘘。週末は毎週予定空けてるくせに)
浪馬「そうか」
七瀬「あなたもフラフラ遊んでばかりいないで、たまの日曜くらい家で勉強したら?」
(ど、どうしてそんな憎まれ口を叩くの? 織屋君が可哀想でしょ?)
浪馬「入場割引券の期限が今度の日曜までなんだよ」
七瀬「じゃあ一人で行けばいいじゃない」
(本当は・・・)
浪馬「一人で行っても仕方ないだろ?」
七瀬「だからって私を誘うこともないでしょ?」
(本当は嬉しいくせに・・・)
浪馬「割引券二枚あるからさ」
七瀬「じゃあ他の人を当たってみたら? 柴門さんとか」
(どうして・・・)
浪馬「ふう・・わかったよ。時間取らせて悪かったな」
七瀬「用が済んだのならもう行くわ。それじゃね、織屋君」
(素直になれないの・・・・・)
猛烈な自己嫌悪に苛まれながら、七瀬はその場を後にした。
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&aname(cos)
512 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/01(月) 16:52:07 ID:???
執行部でお茶を飲みながら部員達がおしゃべりをしていた。
「ねぇねぇ、昨日はハロウィーンだったんだってね」
「ああ、アメリカとかで子供達が仮装してお菓子を貰う行事だろ」
「ううん、子供だけじゃなく大人も仮装してパーティをやるみたい…」
「へぇ、仮装パーティか。何か面白そうだね」
………
(仮装か・・……)
そばで話を聞いていた七瀬の頭の中で様々な光景が渦巻く
(仮装って何があるかな?)
(着物着るのは仮装じゃないし神社のアレ、そう巫女さん)
(巫女さんの衣装も様々ありそうで迷ってしまいそう)
(何処かの国の民族衣装…チャイナドレスとかサリーとか…)
(でも看護士さんやうさぎの耳や猫耳等と一緒で何となくいかがわしそうな気がするし・・)
(ダテ眼鏡にシャツ、ジーンズ姿で指示棒・教科書・出欠簿持ったら先生かな)
(……私だけ仮装するの恥ずかしいから織屋君も何かして欲しいな)
(セーラームーンとタキシード仮面…ちょっと古いかな…)
(織屋君に女装させて私が男装、変な世界になりそうね)
(アメリカのヒーローならスーパーマンにスーパーウーマンとか…)
(貴族のお姫様と王子様というのもありね)
(織屋君に化け物のカッコをさせて美女と野獣…ダメ、織屋君の評判を落としたくない)
(そういえば愛と青春の旅立ちという趣旨もいいわね)
(!結婚衣裳・…)
(和装は時間がかかるけど白無垢は綺麗・…)
(織屋君は白タキシードで私がウェディングドレスと言うのなら・…)
……
「・・…そういえば高遠先輩って仮装・コスプレって興味…って高遠先輩??」
「・……」
「ダメだよ、今は高遠先輩は人から話し掛ける気分じゃないらしい」
「そうみたいね…」
カップを持ったままうっすら頬を染めている七瀬に対し
執行部員は誰も声を掛けることが出来なかった。
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&aname(h)
559 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 01:03:31 ID:???
七瀬「あ、おかえりなさい。織屋君」
浪馬「灯りが点いてると思ったら七瀬か。何してるんだ?」
七瀬「部屋のお掃除」
浪馬「そりゃどうも。 げ? この本は・・・」
七瀬「そこ、捨てるものが置いてあるから気をつけてね」
浪馬「す、捨てちまうのか? これ」
七瀬「エッチな本なんていらないでしょ? 好きなだけ私の裸見てるくせに」
浪馬「そりゃそうだけどさあ・・・・」
(この写真集とか結構高かったんだけど)
七瀬「織屋君」
浪馬「ん?」
七瀬「そんなにガッカリしないで。掃除が終わったら」
浪馬「終わったら?」
七瀬「そんな本なんて忘れちゃうくらい、あなたを愛してあげるから」
浪馬「は?」
(七瀬のやつ、今スゲェこと言わなかったか?)
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&aname(sikkoubu)
560 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 01:51:01 ID:???
ある月曜日の放課後、執行部室
くつろいでいた部員達 突然部員が飛び込んで来る。
バタバタバタ ガラガタン
【男子部員C】 「ハァ、ハァ、ハァ‥‥」
【男子部員A】 「おいおい頼むぜ、騒がしくするなよな」
【女子部員B】 「そうですよ‥高遠先輩が居たら、大目玉ですよ‥」
【男子部員C】 「バカ野朗!そんなことより大変なんだよ」
【男子部員B】 「なんですか、副会長の大目玉より大変なことって」
【女子部員A】 「どうせくだらないことなんでしょ」
【男子部員C】 「いいか!よく聞け!昨日の日曜日、織屋先輩が副会長をデートに誘わなかったらしい」
【部員一同】 「‥‥‥‥‥へっ」
【男子部員A】 「おい‥‥言って良い冗談と、悪い冗談があるぞ」
【女子部員B】 「そうですよ‥あのバカッ‥いえあのラブラブカップルが、そんなことあるわけないじゃ
ないですか‥」
【女子部員A】 「そうよ、そうよ」
【男子部員C】 「‥聞いたんだよ‥3ーCの人に‥‥今日1日すごかったって、おまえらも気をつけろって」
【部員一同】 「なっ‥‥‥‥‥」
【男子部員A】 「うそだろ‥‥ありえないだろ‥‥なんでデートしないんだよ、織屋先輩は!
‥理由はなんだ、病気か?バイトか?なんか理由聞いてないのかよ!」
【男子部員C】 「そ、それが‥‥」
【女子部員A】 「それが!」
【男子部員C】 「同好会のマネージャーの女の子に頼まれて、撮影の手伝いがあるとか‥‥」
【部員一同】 「な、なんだってー」
【男子部員A】 「おまえバカか、バカなんだろう!」
【男子部員C】 「俺のせいじゃねーよ!」
【女子部員A】 「よりによって、女の子がらみって‥‥」
【男子部員B】 「しっ!誰かきます、あの足音は‥‥」
コツ コツ コツ ‥‥‥ ガラガラ
【七瀬】 「‥‥みなさん‥‥おはようございます‥‥」
【部員一同】 「おはようございます、副会長)
【男子部員C】 (オーラ出てる!オーラ出てるよっっっ)
【女子部員A】 (知らない、あんな表情した副会長知らない!)
【男子部員B】 (怖い、怖いよ~)
【女子部員B】 (織屋先輩‥。早く来て下さい‥早く来て下さい‥早く‥)
こうして、執行部の新しい週は始まった。
「浪馬」が現われる1時間が、部員達には5年に思えたという。
640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 23:34:59 ID:???
悪夢の月曜日から1週間がすぎた執行部室
【男子部員A】 「ハァ~しかし先週は最悪だったなぁ。」
【女子部員A】 「本当にね‥あれから毎日織屋先輩が顔を出してくれたから良かったものの
って、一番悪いのは織屋先輩じゃない!」
【男子部員A】 「おい、織屋先輩こと悪く言うなよなぁ。副会長に聞かれたら、俺知らないぞ。」
【女子部員A】 「あわわわっっっ」
【男子部員B】 「でも、今週は大丈夫なんでしょうか?先週みたいなのは、さすがに‥‥」
【男子部員A】 「執行部のまさしく黒歴史だったな。」
【女子部員B】 「たぶん大丈夫なんじゃないでしょうか‥実は土曜日の夜に高遠先輩をサンチョで
お見かけしたんですよ‥ボディーソープ買ってらしたけど‥機嫌良かったみたい
でしたけれど‥」
ガラガラ
【男子部員C】 「おはよっー。あれみんな何の話してるの?」
【男子部員A】 「何って、先週のこと忘れたのかよ。副会長のことに決まってるだろうが。」
【男子部員C】 「なーんだ、そのことね。大丈夫大丈夫、昨日ちゃんとデートしていたよ。」
【女子部員A】 「本当!嘘じゃないでしょうね!」
【男子部員C】 「本当だって、俺見たんだよ。たぶんデート帰りだと思うけど、頼津駅から二人で
歩いて行くのをね、腕なんか組んじゃってもう~ラブラブだったよ。」
【部員一同】 「おおおっ!」
【男子部員B】 「よかった‥よかったです‥‥」
【男子部員A】 「おいおい、泣くなよ。まああんな黒歴史に残るようなことが、2回も3回も起こるわけ
無いって。」
【部員一同】 「アハハハハ‥‥」
ガラガラ
【部員一同】 「あっ副会長、おはよ‥‥‥うっ‥‥‥」
【女子部員A】 『ちょっと!様子がおかしいじゃない!』
【男子部員A】 『おまえ、嘘ついたのかよ!それとも見間違えたんじゃないのか!』
【女子部員B】 『先輩‥ひどいです‥‥』
【男子部員C】 『嘘じゃねえよ!本当に見たんだよ!だいたい副会長を見間違うなんてことなんて、あり得ねえ
だろう!駅から二人で腕を組んで副会長の家の方へ歩いて行くのを、ちゃんと見たんだよ!』
【男子部員A】 『ちょっと待て、二人は副会長の家の方に向かったんだな。』
【男子部員C】 『そうだよ、きっと副会長を家まで送って行ったんだよ。完璧だろ!』
【男子部員A】 『なるほど‥‥そういうことか‥‥』
【男子部員B】 『最終目的地が違ってたんですね‥‥』
【女子部員A】 『メインイベントが無かったわけか‥‥』
【男子部員C】 『おい、どういうことだよ?ちゃんと説明してくれよ?』
【七瀬】 「‥‥あなた達‥‥何をヒソヒソ話しているのかしら‥‥」
【部員一同】 「すっすいません。副会長!!!」
【女子部員B】 『織屋先輩のバカ‥「家まで送る」なんて選択しちゃあ‥ダメじゃないですか‥‥グスン』
こうして執行部の歴史に、新たな物語が書き加えられた。
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567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 15:43:33 ID:???
執行部ではいつもと変わらぬ光景が繰り広げられていた。
「そろそろ、織屋君が来る頃だね・…」
「そうですね、じゃ私達は退散しましょうか」
執行部員が話をしていると…
「あら、いいのよ。ここにいても」
七瀬が声を掛けた。
「いえ、そう言うわけにも。織屋君は高遠さんが一人で対応する事に…」
「でも私一人だけだと変な噂が立ちそうだしやっぱりあなた達も居た方が・・」
「いいえ、私達が居ない方が直接指導しやすいでしょうし」
「そうかな・・・」
(この頃高遠さん、変だねぇ・…)
(以前はさらっと流していたのに・…)
そんな話をしていると、
「七瀬、いるか?」
浪馬が例の如く手に始末書を持って入ってくる。
「あら織屋君、ご苦労様」
七瀬が浪馬に近寄り始末書を受け取る。
「じゃ、そゆことで」
浪馬は七瀬に始末書を渡すとさっさと執行部から出て行こうとした。
「ちょ、ちょっと浪馬君。そゆことって…さっさと帰るつもりなの?」
七瀬が思わず声を掛け廊下のほうに向かう。
「悪りなー、七瀬。今日は望・刃と約束しているんだ。じゃな」
浪馬は七瀬に振り返りニコッと笑うと廊下を走って行った。
「そ・そんな……あ、織屋君! 廊下は走る所じゃ・……」
七瀬は廊下に出て走り去った浪馬を見つめていたがそのまま自分の机に戻ってくる。
「・・……」
「・……」
執行部内に奇妙な沈黙の時間が流れた。
「ちょっと休憩しましょう?」
執行部員の一人が呟く。
「私もお付き合いします」
「私も・・」
「俺も行くよ」
七瀬以外の執行部員が次々賛同し執行部から出て行き室内には七瀬一人が残った。
執行部員達は廊下を歩きながらボソボソと話し始める。
「あんな高遠さん、はじめて見たよなぁ…」
「あんなにしょんぼりしちゃって・…」
「何か雨の中棄てられた猫って感じかな」
「あ、それ上手い例え…」
「指導が上手くいっていないのを見せたくなかったのかな?」
「そうじゃないでしょ、織屋先輩が高遠先輩の誘いを断ったから…」
「そうなのか?」
・………
執行部員達のおしゃべりは部室に戻るまで止む事は無かった。
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&aname(date)
578 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/02(火) 19:27:35 ID:???
学校からの帰宅途中
七瀬「明日は祝日、、なのに誘われなかったわ、、、もしかして嫌われた?」
七瀬「ううん、そんな先週のデートだって楽しかったって言ってくれた。
あんなに激しく愛してくれた、、、あーもう!」
七瀬は浪馬の部屋へ走りはじめた。
まだ時間は19時にもなってない、、、携帯に電話か、もしくは家に直接来てくれるはず。
何度もそういう事はあった、でも今日は何故か気になってしまっていた。
理由はそれなりにあった。ほんの一ヶ月前の事だった。いつもの通り、執行部でお茶を飲んでいた時、、、
浪馬「そういえばさ、タマが付き合ってた男に振られたんだ」
七瀬「そうなの?」
浪馬「あー。前から凹んでたり、頬が腫れてたりしてさ、ほら前に言ったろ」
七瀬「ええ、でも柴門さんも結果的には良かったんじゃないかしら?
前に二人で緑地公園で見たじゃない?あそこはあんな事する場所じゃないわ。常識外れよ、、、」
浪馬「まぁな。それでな、元気出るまで大変だったよ、、、家行ったりなぁ。
もちろん出てこないし。もう復活したんで結果オーライなんだけどな」
七瀬「おつかれさまでした」
浪馬「タマも凹みっぷりが尋常じゃなかったから心配したよ。
これまで付き合ってきて初めてだったからなぁ。さすがにほっておけなかったよ。
しかし今回の件で実感したよ。その、、、なんていうか、、、
俺は、、七瀬が側に居てくれるから本当心強いし、感謝してます!」
七瀬「え?」
浪馬「七瀬ならきっとこう言うんじゃないかって思って元気づけてたりしたんだ。
”説得”とか”元気づける”とか七瀬は得意だろ?
ついでにさ、実感したんだ。七瀬の存在が俺の中の全てを埋めてるって」
七瀬「そんな、、、ありがとう、すごく嬉しいわ。でもあなただけじゃないわ。
あなたの存在だって私の中全て埋めてしまってるの。もう隙間が無いの」
そんな事を思い出してる内に浪馬の部屋に着く。部屋に電気は点いて無い。
七瀬「まだ帰ってないんだ、、、」
七瀬は待つことにした。もう会いたくて話したくてしょうがなかった。
588 名前:578[sage] 投稿日:04/11/02(火) 21:24:51 ID:???
七瀬「綺麗な星ね、、、」
浪馬の部屋に着いてから何時間が経ったろうか、、、いや実は10分と経っていない。
不安な気持ちが時間感覚を狂わせていた。
七瀬「わかっていた事なのにね、、、ふふ」
七瀬は笑ってしまった。恋愛は簡単ではない、好きになればなるほど不安もやって来る。
理解はできていた、信じてもいる、でもこの不安は止められなかった。
”時”という問題の解決はできない、、、柴門さんと自分の差、、、長い時間、、、
自分でもわかってた。まるで差を埋めるようにデートで、学校で、会うたびに手を繋いで肩を並べて、、、
彼は嫌がらずに一緒に居てくれる。彼も同じ気持ちなのかな?なんて思ったり。、
この前もプリクラを一緒に撮ってくれた、プリクラなんて初めてだった。
些細な事でもすごく感動して、嬉しくて、、、こんな気持ちになるなんて考えてもなかった。
不安な思いを消すかのように過去を思い出していく。思い出してるだけで一緒に居るみたいで、、、
七瀬「早く本当に会いたいなぁ」
もう秋も終わる、、、肌寒い風が体を冷やし始めていた。
浪馬「あー七瀬ー居たー!」
その声の方向に振り向く。まだ小さい浪馬が走ってこちらに向かってくる。
自分も走って行きたくなるけど足が動かない、、、それほど体が冷えていた。
浪馬「はぁはぁ、、、こっちに来てたんだ、ごめんな用事があって執行部に行けなかったんだ。
ん?どうした?」
浪馬は七瀬の手を取る。
浪馬「うわっ手が冷たいじゃないか!何時から居たんだよ?」
七瀬「わ、、わからない、、、」
浪馬「とにかく部屋へ」
部屋に入り、二人でベットへ腰を掛ける。
浪馬「家に行ったんだけど、お母さんからまだ帰ってないって言われてさ。
明日のことは電話でって思って帰ってきたんだ」
浪馬はそう言いながら台所へ紅茶を入れに行った。
浪馬「チョットお金が必要になったんでさー土手近くの動物病院にバイトでさー
執行部に行けなかったんだ」
浪馬は台所から顔を出して様子を伺う。
浪馬「ごめんな、、、やっぱりちょっとでも執行部に顔出せばよかったよ」
両手にお揃いのマグカップを持って浪馬が横に座る。
浪馬「まだ冷たいな」
浪馬が七瀬の両手を握る。
浪馬「冷たい手でいきなり熱いカップ触ったらまずいから、少し温かくなるまで」
七瀬「うん、、、」
七瀬は泣きたいくらい嬉しかった、でも泣いたら涙で浪馬が見られなくなってしまうから堪える。
620 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 14:03:17 ID:???
》588
の続きです。間に気分転換のSSを作ってしまい遅れました。
手も温まり、二人で紅茶を飲みながら浪馬は自分の部屋の中を改めて眺める。
七瀬が勧めてくれた紅茶、お揃いのカップ、整理された部屋。
もう一人だけの空間では無くなっていた。
浪馬「さて、では明日の予定を決めましょうか?」
七瀬「うん、でもいいの?」
浪馬「?」
七瀬「ほら、バイト行ってたって、、、」
浪馬「デート資金?それなら大丈夫」
七瀬「そうじゃないの、疲れてるんじゃないかなって?」
浪馬「伊達にキックボクシングやってないってば」
七瀬「うん、、、」
何故バイトなのか、お金が必要か、それは七瀬に言えなかった。クリスマスまで2ヶ月を切っている、
それまでにプレゼントを用意しなければならない。どうしても渡したい物がある、、、
当然ビックボデーでの給料もある。でもそれには手を付けられなかった。
浪馬は今後の事を考えていた。浪人、そして大学。
七瀬とできるだけ長く居たい、そう考えた結果の事だ。
後悔も無いし辛いとも思わなかった。
七瀬「食事とか大丈夫なの?」
浪馬「あーあぁ、なんとか、微妙、、、」
七瀬「、、、、、、」
七瀬は何か考え始める、まるで執行部での仕事をしている時のような真剣な表情。
七瀬「そう、わかったわ!デートの後に必ずわたしが食事を作る。
その方が安く済むと思うの。冷凍できる物にすれば結構保つし」
嬉しそうに話を進める七瀬を見て浪馬は思う。(ついに食事も七瀬色に染まったか。)
七瀬「体力がついて!健康に良くて!あ~何作ろうかしら?
お母さんにも聞いてみるわね!」
七瀬は満面の笑みである。
浪馬「頑張らないとな」
七瀬「?」
浪馬「何でもないよ!」
浪馬は更に頑張ると心に誓うのであった。
そして数時間前の七瀬の中にあった不安の消えていた。
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&aname(inemuri)
605 名前:578[sage] 投稿日:04/11/02(火) 23:19:14 ID:???
土曜日の執行部
浪馬が執行部のドアを開けて入る。
浪馬「おーい七瀬、明日なんだけどさー。ん?寝てる?」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「よいっしょっと」
浪馬は椅子の音がたたないように引き、座った。日差しが暖かい。
偶然なのか?執行部には二人っきりな状況になっていた。
浪馬「前にもこんな事あったっけ。でも今回は違うもんなぁ七瀬ー。今は恋人同士だもんな」
寝ている七瀬に話しかける。
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「本当に寝てるのかな?実は起きてたりして」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「七瀬、愛してる」
七瀬「すーー、すーー、」
浪馬「本当に寝てるんだな、、、受験近いし、たいへんだよな」
浪馬は疲れて寝ている七瀬に言った事を後悔する。
起きてるときに言わないとな、、、七瀬どんな顔するんだろう?
浪馬は自分の今後を考える。大学か?就職か?実際考えるのが遅い状況、、、
浪馬「七瀬に相応しい男にならないと」
今でも学校公認にはなっていない。いまだタマとの事が公認になっているのが現実。
いや執行部員には怪しがられてはいるみたいだが、、、
浪馬「七瀬、今言った事嘘じゃないよ。本心だよ」
七瀬の髪に手を振れる。
七瀬「うーん、、、」
七瀬「あぁ、、、浪、馬、、くん、、、」
そのまま七瀬が両手を浪馬の頬にあてる。
浪馬「七瀬、、、」
七瀬「す、、き、、、、」
七瀬は確実に寝ぼけている、まだ夢の中だと思っている。
七瀬「ちゅっ」
浪馬「んっ」
七瀬「んっ、ふぁ」
浪馬「んっ、ちゅ」
普段は浪馬の部屋内で起きる出来事が執行部で起きている。
当然、浪馬は興奮してしまう。
浪馬は七瀬を強く抱きしめようとする、もう何も聞こえなかった、、、
廊下
執行部員A「でさーーー困っちゃったよーー」
執行部員B「やっぱりたいへんよねーでも頑張らないとっ」
執行部員C「来年は俺たちが中心なんだからさ」
ガラッガラッガラッ
浪馬「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
執行部員一同「なんだってーーーーーーーーーーー」
七瀬「んっ、ちゅ、ふぁ」
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&aname(sirusi)
610 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 02:36:19 ID:???
ここは浪馬の部屋。
浪馬「ふぅ、よっこらせっと」
七瀬「うふふー♪」
数時間前のベル・エキップ
浪馬「どうするんだよ~七瀬、それじゃぁ帰れないよ」
七瀬「いいんらも~ん!今夜はお泊まりらも~ん!うふふ~♪」
浪馬はこうなるかなって予想はしてた。でもまた酔った七瀬と御対面したくなってしまい
誘ってしまった。
七瀬「早く行こうろ、浪馬~しゅっぱーちゅしんこ~」
ここに長く居てもラチがあかない、何より補導されたら大問題だ。
浪馬「了解しました!七瀬隊長」
部屋に着いて少し時間が経てば酔いが醒めるだろうと予想する浪馬。、
しかし甘かった。2回目だった為、気持ちの上での慣れが生じてしまい
飲み過ぎた為、回復不可になっていた。
再び浪馬の部屋
浪馬「水持ってくるよ」
七瀬「ありがとうございます~幸せです~」
浪馬「はいはい、、、」
浪馬「ほい水」
七瀬「うー」
七瀬「違~う~それじゃぁにょめない!口うちゅししなさい浪馬!」
浪馬「は?」
七瀬「あなたに拒否権無ひ!」
浪馬「はいはい、、、」
七瀬「うちゅ、、ゴクッゴクッ」
七瀬「浪馬~」
浪馬「ん?」
七瀬が浪馬のシャツを脱がし始める。
浪馬「お、おいっちょいまて」
七瀬「ちゅっ、うちゅ」
七瀬は浪馬の言葉を聞くこともなく体にキスをし始めた。
七瀬「うふふ~誰にも取られないように印~」
浪馬「何言ってるんだよ、、、学校で着替えられなくなるだろ~」
七瀬「いいの!拒否権無ひのっ!七瀬印一杯付けるの!」
浪馬「七瀬印~?なんだよそれ」
七瀬「お母さんにも渡さないんだから!」
浪馬「お、お母さん?」
七瀬「浪馬の事お気に入りだって言ってた~」
浪馬「それ意味が違う~七瀬との事認めてくれてるって事だろ~」
七瀬「そうなんだ~うふふ~公認だ~」
嬉しかったのかいきなり静かになり抱きついたまま寝てしまった、、、
611 名前:578[sage] 投稿日:04/11/03(水) 02:38:47 ID:???
2時間後高遠邸前
七瀬「う~ごめんなさい、、、なにかしちゃった?」
浪馬「い、いや、、、何も、、、」
七瀬「送ってもらってしまってるし、、、本当にごめんなさい」
浪馬「誘ったの俺だし。じゃおやすみ」
七瀬「おやすみなさい」
七瀬は家のドアを閉めた。
一週間後部室
七瀬「ごめんなさい着替えてたの?」
浪馬「いいよ。で、どうした?」
七瀬「この書類なんだけど、、、」
七瀬の顔が変わった。
浪馬「?」
七瀬「本当馬鹿みたい、、、そうよね、、、あなたって噂通りだったのね。
あなたを信じちゃった、、、本当、、、馬鹿、、、」
浪馬「何が?」
七瀬「何が?じゃないわ。とぼけないで!そのアザは何?そんなに一杯!」
浪馬「は?七瀬印なんだが、、、」
七瀬「?????」
浪馬は七瀬印の説明する。
七瀬「ごめんなさい、変よね自分の付けた跡に怒るなんて、、、どうかしてるわ私、、、」
浪馬「あの時は泥酔してたもんな~でも許さないよ、七瀬。疑った罰を受けてもらうよ」
七瀬「はい」
浪馬「今ここで七瀬印をしなさい」
そう言って浪馬は自分の唇に人差し指を指した。
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&aname(aitai)
619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 12:30:03 ID:???
(明日は祭日なのに…誘ってくれなかったな…織屋くん……)
自分の部屋でうろうろと歩き回っている姿がそこにはあった。
鏡に写る自分の顔をジッと見つめたかと思うとまたうろうろ。
ぬいぐるみの頭を撫でてみたかと思うとまたうろうろろ。
(織屋くん…明日は何か用事でも在るのかな…)
(用事って…誰かと約束でも……)
(バイトがあるのかな)
(友達と約束があるのかな)
(雨堂くんと?砂吹くんと?……柴門さん…と……)
(誰か…女の子と………)
結局この日は学校で『明日の約束』は無かった。
加えて執行部に姿を見せる事のなかった浪馬。
帰り際に浪馬の部室に行ってみたがすでに戸締りがされていた。
真っ直ぐに家には帰らずに浪馬の部屋まで行きはしたものの……
部屋の前を何往復もしては見たもののチャイムを押す事が出来なかった。
もう何時間もの間、七瀬の頭の中をグルグルと妄想が駆け巡っている。
携帯を手にして『織屋浪馬』の番号を出す、そして消す。
メールを打ち込む、送信はせずに消す。
何回繰り返しただろう、ふと見ると携帯の時計が0:00になっていた。
(日付が変わっちゃった…)
携帯を置き机の上を片付け始める、結局、勉強はほとんど進まなかった。
明かりを消してベッドに入る、、、やはり思いは駆け巡る。
ふいに起き出して携帯を手にした七瀬、メールを打ち込む。
やはり送信は押さなかった、押せなかった。
[件名]
会いたい
[本文]
会いたい
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&aname(nekomimi)
624 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 18:42:46 ID:???
うたた寝イベントで、浪馬がいたずらで猫耳ヘアバンドを
こっそり装着。その後目覚めた七瀬は気づかないまま
校内をうろつき、学園中をパニックに陥れる。
625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 18:46:36 ID:???
》624
ツン時にやったら殺されるなw
634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 21:47:35 ID:???
ツン期はこんなもんでいいかな? デレ期は他の人ヨロ。
「誰よ! 私にこんな格好をさせたのは!!」
真っ赤な顔をした七瀬が執行部内に入ってくるなりいきなり罵声を上げた。
ある執行部員は机から顔を上げ、またある執行部員はパソコンを打つ手を止め、
また別の執行部員は会話を止めと、中にいた皆が七瀬の方に注目する。
「あ、あの~、どうされたんですか・…」
一番近くにいた執行部員が恐る恐ると言った感じで七瀬に聞く。
「これよ、これ! こんなモノを私につけさせ校内を歩きまわさせたのよ」
七瀬が脇に抱えていた物を執行部員の前に突き出す。
「・・…なんですか、これ?・・…」
執行部員が七瀬に聞く
「知らないわよ、何かの仮装パーティ用衣装の一部じゃないの?」
七瀬が見せたそのモノとは頭に合わせつけることの出来る猫耳だった。
「高遠先輩・…もしかしてその道具を頭につけて・…」
「ええ、歩き回ったわよ。途中で先生に注意されたるまで気付かなかったわ」
「・・…それは災難でしたね、でも付けられた事に気付かなかったんですか?」
「ちょっと居眠りしてしまったのよ、そのときだと思うけど…」
「そうなら誰が犯人か分かりませんね、先輩は寝ていたんだし」
「高遠先輩にも一抹の責任があるような・…」
部員達がボソボソと指摘し始めた。
「静まりなさい! そうはいかないわよ!」
七瀬は部員達の異論反論オブジェクションをあっさり封じた。
「これは自治会執行部に対する挑戦よ、明らかな悪意を感じるわ」
(そうかな…?)
(単に高遠先輩にふざけてみただけだったとか…)
部員達は様々な事を思ったものの烈火の如く怒る七瀬の前では黙っていた。
「各自ブラックリストを総チェック、特に3年生をね。
それにこの手のイタズラが好きな生徒のリストアップもお願いします!」
七瀬はそう命じると自分の席に座った。
パソコンを起動させチェックするその姿はまさに夜叉と言わんばかりの凄みだった。
637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/03(水) 22:54:25 ID:???
》634のデレ期:
「もう、信じられないわ・…」
執行部に入ってくるなり七瀬が呟いた。
「高遠先輩、どうしたんですか?」
執行部員の一人が七瀬に声をかける。
「これよ・・」
七瀬は手に持っていたアイテムを執行部員に見せる。
「これって・…猫耳っていう道具では?」
「そう、以前同じ目に合ったけどまたやられたみたい」
「…でまた先生に言われるまで気付かなかったんですかぁ?」
「そうなの、居眠りしていたから気付かなかったとはいえコレじゃ示しがつかないわね」
執行部員は資料をあさり記録を見つけると七瀬に報告する
「以前の事件では犯人は3-Aの織屋先輩になっていますけど…」
「そうね…」
織屋と言う名前が出た瞬間、執行部内が「またあいつか!」と騒ぎ出す。
「みんな、静かに!」
七瀬が注意する声が執行部室内に響く。
「犯人は大方織屋君と思うけど本人に聞くまでは分からないわ」
「じゃ放送で呼び出しますか?」
執行部員の一人が進言する。
「えっ……いえ、必要無いわ。彼には私から聞いておくから…」
(おいおい、対応が随分違うなぁ・…)
(最初にやられた時なんか放送で呼び出し全校集会で思いっきり叱っていたのに・・)
(高遠先輩、織屋先輩に何かあるんじゃないかなぁ)
(・…それって恋って事??)
「さぁさぁみんな。無駄話をしないで仕事に戻る」
七瀬が手を叩きながら執行部員に注意した。
執行部員が席に戻るのを見届けると七瀬も自分の席についた。
(・…もう、織屋君ったら。付けて欲しいなら言ってくれればいいのに…)
(付けて欲しいと願っているのなら今度彼の部屋に行った時に付けてみようかな…)
(織屋君喜んでくれるかな・…)
七瀬はそう考えながら猫耳を自分のカバンにしまってしまった。
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&aname(fusigi)
708 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:16:21 ID:???
浪馬が部室で黙々と道具の手入れをしている。今日はたまきも夕璃もいない。
どのくらい時間が経っただろう、浪馬がふと顔を上げるとドアのところに
七瀬が立っていた。
浪馬「あれ、いつからそこにいたんだよ?」
七瀬「そうね。三十分くらい前かしら」
浪馬「声くらいかけてくれりゃいいのに。何してんだ?」
七瀬「あたなを見ていたの」
ニコリともせずに近づいてくると、七瀬はじっと浪馬の顔を見上げた。
美しい切れ長の目がすっと細められる。視線がやけに熱を帯びていた。
709 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:19:52 ID:???
浪馬「どうした? そんな目をして」
七瀬「やっぱり見るだけじゃ無理ね。織屋君、少しじっとしてて」
そう言うと七瀬は浪馬の周囲を回りながら、体のあちこちに触れ始めた。
浪馬「うひゃひゃひゃ」
七瀬「動いちゃだめ」
浪馬「くすぐったいんだよ」
七瀬「少しくらい我慢しなさい」
浪馬「一体なんのつもりだよ?」
七瀬「ちょっと黙ってて」
浪馬「・・・・」
七瀬「ふむふむ」
浪馬(あ、以前どこかで同じ光景を見たな)
七瀬「んー」
浪馬(美術館だ。たしか混沌とかいう変な彫刻)
七瀬「なるほど」
浪馬(俺を調べてるのか?)
七瀬「ふーん」
浪馬(それにしても随分と真剣な顔だぜ)
710 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:21:35 ID:???
20分近くも経ったろうか、七瀬はようやく浪馬から離れた。
七瀬「ふう・・」
浪馬「もう気が済んだか?」
七瀬「うん」
浪馬「ひょっとして俺を調べてたとか?」
七瀬「そんなところね」
浪馬「なんでまた?」
七瀬「不思議でならないのよ」
浪馬「何が?」
七瀬「どうしてこんなにあなたを好きになっちゃったのか」
浪馬「それが俺をペタペタ触ることにどう繋がるんだ?」
七瀬「あなたをもっと理解できたら、ヒントが掴めるかと思って」
浪馬「俺は彫刻かよ。で、結果は?」
七瀬は黙って手を伸ばし、浪馬の頬をそっと撫でた。
不思議なものでも見るような表情で何度か小首をかしげる。
浪馬(七瀬って時々怖いくらい可愛い仕草するよな・・)
七瀬「本当に不思議だわ」
しばらく浪馬の頬を撫でた後、七瀬はぽつりと言った。
713 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 18:23:36 ID:???
七瀬「ごめんね、変なことにつき合わせて」
浪馬「いや、別にいいけどさ。それよりどうなんだ?」
七瀬「どうって、何が?」
浪馬「だから結果。何かわかったのか?」
七瀬「さあ? ふふふふふ」
浪馬「さあって・・・」
七瀬「今日はもう練習終わったの?」
浪馬「終わったよ」
七瀬「じゃあ一緒に帰れるわね」
浪馬「ああ」
七瀬「あなたの部屋に寄ってもいい? 晩御飯作ってあげる」
浪馬「そりゃすまないな」
七瀬「何かリクエストはある?」
浪馬「七瀬が作ってくれるなら何でもいい」
七瀬「そう」
浪馬「ところでさっきの話だけどさ。どうなんだよ?」
七瀬「今日はパスタにしよっか? ね?」
浪馬「いや、そうじゃなくて・・・」
七瀬「ほら、早く行きましょ」
結局その日、七瀬はわかったともわからなかったとも答えなかった。
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&aname(kuroneko)
734 名前:七瀬と黒猫[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:41:53 ID:???
昼休み 執行部前 七瀬をランチに誘おうとやってきた浪馬
七瀬 「いらっしゃい、織屋君」
いつも通りの声で浪馬を迎える七瀬の胸に、一匹の黒猫が抱かれている。
浪馬 「あれ? どうしたんだ? その生意気そうな猫」
「ボウズ、久しぶりだな」
得意の軽口を飛ばす浪馬に、突然猫が話し掛けてきた。
浪馬 「わっ!? あ、ハルミじゃないか。なんでここにお前がいるんだよ?」
七瀬 「さっき廊下でへたりこんでるのを私が見つけたのよ。知ってるの?」
浪馬 「あ、ああ。二年の平沢博子ちゃんとこの猫だよ」
七瀬 「それでヒロコを呼べ、ヒロコを呼べって言ってたのね」
ハルミ「やっと理解してくれたか。ヤレヤレだぜ」
七瀬 「気がつかなくてごめんなさいね」
ハルミ「ま、いいってことよ、美人のねえちゃん」
七瀬 「くすくす、口の悪い子ね。ハルミっていうの? 私は七瀬よ」
ハルミ「ナナセか。いい名前だぜ」
七瀬 「ありがとう」
浪馬 (会話が成立してる・・って七瀬、おまえ変に思わないのか?)
735 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:45:36 ID:???
暫くして執行部員に呼ばれた博子がやってきた。
博子 「ハルミ! 何してるの?!」
ハルミ「何とはご挨拶じゃねえか。おまえが弁当忘れたから爺さんに
頼まれて届けてやったのによ」
なるほど七瀬の机の上に、可愛らしい弁当箱が置いてある。
ハルミ「こんな重いもの持たせやがって。まったく人使いが荒いぜ」
七瀬 「私が見つけた時は、完全にグロッキーだったわね」
ハルミ「この美人のねえちゃんのお陰で助かったぜ。ミルクまで貰ってよ」
博子 「高遠先輩、ハルミがご迷惑をおかけしました」
七瀬 「本来ペットの持ち込みは禁止ですけど、今日だけは大目にみます」
博子 「ペットじゃありません。家族です」
七瀬 「え? あ、家族同然ということなのね。それは失礼したわ」
ハルミ「博子、俺の恩人に向かって口の効き方に気をつけろ」
七瀬 「くすくす、本当によくしゃべる子ね。はい、平沢さん」
七瀬はハルミと弁当箱を博子に手渡した。
博子 「ありがとうございます」
ハルミ「美人のねえちゃん、世話になったな」
七瀬 「さっき名前言ったでしょ? な・な・せ」
ハルミ「そうだったぜ。世話になったな、ナナセ」
こうして二人(?)は執行部を去っていった。
736 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/05(金) 23:47:25 ID:???
七瀬「ハルミちゃん、可愛かったわね」
浪馬「そ、そうか」
七瀬「お喋りに、お使いまでするなんて凄いわ」
浪馬「ま、まあな」
七瀬「犬や熊型はテレビや雑誌でよく見たけれど、猫型も出てたのね」
浪馬「は?」
七瀬「ペットロボットがあそこまで進化していたなんて」
浪馬「・・・・」(なるほど)
七瀬「抱いた感触も本物そっくり。ミルクまで飲むのよ。びっくりしたわ」
浪馬「・・・・」(そう来たか)
七瀬「ところで」
浪馬「ん?」
七瀬「織屋君、どうして平沢さんの猫ロボットを知ってたの?」
浪馬「研究の手伝いで、何度か家に行ったことがあるからさ」
七瀬「へー・・・随分親しい仲なのね」
浪馬「え? ち、違うぞ七瀬、それは誤解だよ」
七瀬「・・・・」
浪馬「そんな目で見るなって。俺を信じてくれよっ!」
(こ、困ったな。博子ちゃんの研究や亜希子さんをどう説明したもんだか)
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&aname(kaerimiti)
872 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/08(月) 17:06:15 ID:???
晩秋のある日、帰り道で七瀬と一緒な訳だが七瀬が黙っているので空気が重いぜ。
「なぁ、七瀬。何か考え事でもあるのか?」
「・…えっ、別に…」
「俺でよければ話を聞くぜ?」
「うん・・…」
また沈黙の時間が流れる。その空気の重さを振り払う為に俺が話し掛けようとしたら…
「ねぇ、織屋君」
七瀬がいつもと違うか細い声で話し掛けてきた。
「なんだ?」
「私達って、まだキスしかしていないわよね」
「えっ!? ……あ、ああ。そう言えばそうだな」
「私、これまで男の人と付き合ったことなんてないから分からないのだけど、
男の人って、キスだけでは満足できないのかしら?」
(そりゃ声を大にして「満足出来ねー!!」と言いたいんだけど・…)
「それは人ぞれぞれじゃ無いかな、満足できない奴もいれば満足する奴もいる」
(どうせ俺は偽善者さ、シクシク……)
「織屋君はどうなの?」
七瀬が頬をうっすら赤らめつつ聞いてきた。
「お、俺か! お・俺は満足しているぞ。七瀬と付き合えたんだからな」
(世界の中心で嘘を叫ぶ!)
「ほ、本当?」
七瀬が眼を輝かせて俺の顔を見てきた。
「もちろん。キス以上に進むのは自然の成り行きだけど無理強いはよくない・・」
「良かった・…」
七瀬は心底ほっとした感じで安堵の声を出す。
「なんだ、そんな事で悩んでいたのか?」
俺が軽いノリで突っ込みを入れると
「そんな事じゃないわ、私にとっては重要な問題よ」
とマジメに切り返されてしまった。
「ねぇ、織屋君。私まだ心の準備が出来ていないの、それまで待ってくれる?」
七瀬が真っ赤な顔をして潤んだ目を真っ直ぐ俺に向けてくる、
俺はそんなマジメな七瀬に「ああ」としか答えられなかった。
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&aname(meido)
882 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/08(月) 21:18:46 ID:???
ひさしぶりに投下。
今日は七瀬が浪馬の部屋をお掃除してくれる日。
七瀬「ねぇ、何コレ、、、」
浪馬「あ、あぁそれか。うちのクラスが文化祭で使った衣装だよ」
七瀬「それは承知しているわ。衣装確認も執行部で行なったし。でも何故男性のあなたが?」
浪馬「返す日にサンチョで仕事手伝ってなぁ。そのお礼ってさ」
七瀬「そうだったの」
浪馬「使い道が無いからその辺に適当に置いといたんだ」
七瀬「これって柴門さんも着たのよね?」
浪馬「もちろん。着てたぞ」
七瀬「、、、似合ってた?」
浪馬「まぁ、似合ってたな。タマだとHOT SHOTの制服とかも見るんだが
馬子にも衣装ってか、、、着せ替え人形みたいになんでも似合うな、奴は」
何気ない浪馬の言葉は七瀬の心に火を点けた。
七瀬「私、着てみようかな、、、?」
浪馬「なぬっ?」
七瀬「あなたの記憶ではこの衣装=柴門さんなんでしょう?」
浪馬「まぁ他の奴のは覚えてないな」(胸の谷間とパンチラがあったからなぁ)
七瀬「なんか嫌なの。全部わたしでいてほしいから」
七瀬「着替えてくるね」
そう言って七瀬は脱衣所に入っていった。
七瀬「どうかしら?」
浪馬「お~」(パチ パチ~)
浪馬は拍手する。七瀬は顔が真っ赤になった。
七瀬「そ、掃除の続きしちゃうわね」
照れ隠しか、掃除を続けようとする七瀬。
浪馬「ウエイトレスさん、パンツ見えてますよ~」
浪馬が悪ふざけする。
七瀬「嫌、、、ウエイトレスさんなんて言わないで」
七瀬は寂しそうな顔をする。
浪馬「なんで?」
七瀬「だってわたし以外の人を見て欲しくない、、、七瀬って呼んでほしい」
浪馬「あ、あぁそうか、では七瀬」
七瀬「はい!なんでございましょうか?ご主人様」
浪馬「!!!!!!!」
七瀬「そんな顔しないでよ。この衣装、見方によってはメイドぽいかなって思って」
浪馬「く~」
たまらなくなった浪馬は七瀬に抱きつく。
七瀬「もう、ご主人様ったら、あぁ~ん」
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&aname(bento)
900 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/09(火) 13:07:08 ID:???
お昼、七瀬が居るかと思い執行部に行ったら…
「あら、織屋君。何の用かしら?」
やっぱり居ました、しかもお食事中。
「七瀬は執行部で食べているんだ」
「いけないかしら? 仕事が多いからお昼休みもココに来なきゃならないし」
「いんや、にしても天気がいいのに室内でご飯というのもなんだな……」
「……何が言いたいの?」
「ちょっと不健康かな? って思ってな」
「……そうかもしれないわね、でも仕方が無いわ。で織屋君はお昼済んだの?」
「ああ、ちゃんとパンかじったからな」
「一人暮らしとは言えパンだけと言うのも不健康よ」
「大丈夫、俺はよそで栄養を取っているから」
と俺はそう言いつつ七瀬の弁当から卵焼きを一個取り上げ口に入れた。
「あっ! ……もう、子供っぽい事は止めてちょうだい」
「わりぃわりぃ……(もぐもく)……この卵焼きイケルな、七瀬が作ったのか?」
「残念ながら母よ、……あっ……」
「なんだ?」
「織屋君、もし……もしもよ。織屋君さえ良ければ弁当を作ってくるけど……」
七瀬が頬を赤らめながら聞いてくる。
(七瀬の手作り弁当か、どんなんだろう……)
「ああ、頼むぜ」
俺は期待半分、不安半分で答えた。
「じゃあ、明日のお昼にココに来てね」
七瀬は嬉しそうに俺を見ていた。
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&aname(hotshot)
903 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/09(火) 18:08:09 ID:???
ひさしぶりの投下2
ここはHOT SHOT
たまき「いらっしゃいませ~!あれ?高遠さん?」
たまきは一瞬驚く。
七瀬「こんにちは柴門さん」
たまき「いらっしゃいませでいいんだよね?」
七瀬「ええ」
たまき「高遠さんがこの店に来るなんて意外だなって思って」
七瀬「織屋君に連れられて何度か来たこともあるのよ」
たまき「ふーん」
七瀬「でもね、今日は柴門さんあなたに会いに来たの」
たまき「あたしに?」
七瀬「ええ」(正確には会いにだけじゃ無いんだけどw)
七瀬はたまきに浪馬の事について聞いていく。
性格とか好きな食べ物の事とか、これだけならば学校での会話と変わらない。
わざわざHOT SHOTに来る事も無い。
だが七瀬とってはHOT SHOTでなければいけないのだ。
たまき「高遠さんも大変よね、彼には私からも言っておくわって何してるの
高遠さん?」
七瀬はたまきのバイト服を触る。
七瀬「え?、、、いい生地だなぁって思って。高いのかしら?」
たまき「どうなんだろう?」
真剣な表情で七瀬は触り続ける。
七瀬「ふーん」
「なるほど」
「うん。やっぱりそうよね」
たまき「た、高遠さん、、、?」
七瀬「ようやくわかったわ。本当ありがとう柴門さん」
たまき「?どういたしまして、、、」
七瀬「じゃあまたね柴門さん」
たまき「うん、、、」
たまきは首を傾げたまま、スキップして店を出る七瀬を見ていた。
オーナー「彼女は友達かい?」
たまき「まぁ、クラスは違うんですが」
オーナー「そう。彼女は恋をしているね」
たまき「は、はいっ?」
オーナー「好きな人の為に何か頑張ろうとしている目だったよ。相手が羨ましいね」
たまき「一体誰なんだろう?まさかな~?」
文化祭衣装を制覇した七瀬の次の目標は当然HOT SHOTバイト服しかない。
浪馬ですら七瀬の考えは読んでなかったのだ。
まったくわからないたまき。
なんとなく感じたマスター。
目標に向け気合いをいれる七瀬。
部屋で一人、七瀬が着た衣装を抱きしめながらだらしない顔をしている浪馬。
それぞれな夜がふけていく、、、
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&aname(meido2)
909 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/11/10(水) 00:13:55 ID:???
19:00
土曜日の夜。浪馬はいつも通り動物病院でバイトをして、今帰宅した。
ガチャ
浪馬「ん?開いてる」
浪馬はすぐに、ドアの鍵を開けて中に入っている人物が誰なのか理解した。
この前、合い鍵をプレゼントした相手。七瀬だ。
鍵なんてって思ってたが七瀬はものすごく嬉しがっていた。
浪馬「さっそく使ってくれたか」
浪馬も嬉しくなってくる。
浪馬「おーい七瀬」
靴を脱ぎながら七瀬を呼ぶ。
七瀬「はーい」
七瀬が台所から出てくる。
七瀬「おかえりなさいご主人様」
浪馬「ただいま七瀬」
七瀬は見慣れない服に着替えていた。
浪馬(わざわざ作ったんだ、、、メイド服)
浪馬「七瀬。似合ってる」
七瀬「ありがとうございます。嬉しいです。ふふふ」
浪馬(口調も完全にメイドになっている。興奮してくるなぁ)
冷静を装い部屋に入り上着を脱ぐ。七瀬が嬉しそうに微笑む。
時計は21:00を指していた。
浪馬は先ほどまで七瀬が作ってくれた食事をおいしくいただいていた。
お風呂にも入ってさっぱりしている。明日の予定も食事をしながら決めていた。
浪馬「、、、、、、、、、」
七瀬「、、、、、、、、、」
会話が途切れる、意味無く点けていたTVの音が大きく感じる。
浪馬「なぁ、今日は何時頃帰るんだ?送っていくよ」
七瀬「、、、、、、」
七瀬はその問いに答えない。
浪馬「七瀬、、、」
浪馬が七瀬の肩に手をあてようとした時丁度七瀬が立ち上がる。
七瀬「ご、、、ご主人様、、、」
七瀬は顔を真っ赤にしてふるえている。
浪馬(あぁ、そうか)
浪馬「気づかなくてごめん」
七瀬「あっ」
浪馬「ちゅ」
七瀬「ちゅっ」
学園内では決して想像つかない七瀬。
手作りのメイド服で赤くなりながらもじもじする七瀬。
自分にいろんな形で尽くしてくれる七瀬に浪馬の興奮は最高潮になっていた。
浪馬「ななせぇ、、、」
抱きしめながら首筋にキスをする。
七瀬「ごしゅじんさまぁ、、、」
顎を上げ強く浪馬を抱きしめながらふるえる七瀬。
そのままベットへと身を投げる。
七瀬「ご主人様、もっと~」
キスをねだる七瀬。
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