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&aname(birthday3)
454 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/18(月) 12:34:27 ID:???
さて七瀬は大丈夫かな、先週の件が心配だし執行部へGO!
「七瀬、いるかぁ?」
「あ、・…織屋君…」
(なんか元気が無いぞ。俺を見てくれないし)
「七瀬、大丈夫だったか?」
「う・うん。ありがとう・…」
「そりゃ良かった。電話しても出てくれないし」
「あ、御免なさい。ちょっと忙しかったから・・」
「まぁいいや、それより今日誕生日だろ。ほらプレゼント」
俺は七瀬に包みを差し出した。
「えっ、私に?」
七瀬は意外そうな顔をしながら包みを受け取り開け始める。
「こ・これ、リチャード・ジノリのティーカップじゃない! 高かったでしょ?」
「そ、そうでもないぞ。(15000円したのは内緒だ…シクシク)」
「ありがとう、織屋君。・…でもこれって校則違反じゃない?」
「な、何が?」
「これは学校に関係の無い物じゃないかしら?」
俺を見る七瀬はいつのまにか元気を取り戻しいたずらっ子の目をしていた。
「そうでもないぞ。その2客のカップの内1つは俺のお茶会用のカップでもある」
「あら、織屋君もお茶会に参加したいの?」
「じゃなきゃペアのティーカップは買ってこないぞ」
「・…分かったわ、これは校則違反じゃない。それでいいでしょ?」
「七瀬、随分変わったなぁ…」
「貴方のせいよ…大好きな貴方の・・…」
「えっ?」
「ううん、何でも無いわ。ありがとう織屋君・…」
その時の七瀬は咲き誇らんばかりの笑みを浮かべていた。
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&aname(nuigurumi)
468 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 18:53:33 ID:???
昼休み プール脇 七瀬と男子生徒
男 「高遠さん、お誕生日おめでとう。こ、これを受け取って下さい」
七瀬「・・・・・どうも・・・ありがとう」
男 「た、高遠さん、それで、もしよかったら今度の日曜僕と・・・」
七瀬「ごめんなさい。自治会の仕事があるから、もう行かなくてはならないの」
男 「そうですか・・・・」
七瀬「それじゃあ」
男 「・・・・・・・・・」
まだ何か言いたげな男子生徒を残し、七瀬は校舎に向かって歩き出した。
(断りたいところだけどど、同じクラスの人だから、突き返したら角が立つわよね)
お堅いので有名な執行部副会長とはいえ、彼女ほどの美少女を学園の男達が放って
おくわけもなく、七瀬は誕生日やクリスマスになると何人もの男からプレゼントを渡される。
よく知らない相手には「貰う理由がないと」キッパリ断るのだが、そうでない場合は、
彼女もむげにするわけにもいかない。それが少々重荷だった。
(私にこんなもの渡しても仕方ないのに)
七瀬はふと立ち止まり、男から渡されたプレゼントを眺めた。
高級そうな包装紙に包まれている。
(何かしら? こんな時は中身がすぐわからないと困るわね。去年はリングなんか持って
きた男もいたわ。あんな高価なもの、あかの他人から受け取れるわけないじゃない・・・・・)
中身を見て慌てて返しに行き、相手の男と揉めた嫌な記憶が蘇る。
(本当・・・毎年この日は憂鬱だわ)
七瀬は一つ溜息をついた。
469 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 18:55:12 ID:???
校舎玄関前
「いたいた。おーい、七瀬」
校舎玄関のところまで戻って来た時、七瀬を呼び止める声があった。
七瀬「あら、織屋君」
浪馬「探したぜ? 珍しいな。おまえが昼休みうろつくなんて」
七瀬「私を? 織屋君が?」
浪馬「そうだ。ほら、これ。七瀬にやるよ」
七瀬「なんなの?」
浪馬「こいつと・・・」
浪馬が無造作に上着のポケットから出したもの。それはちっちゃなクマの
ぬいぐるみだった。
浪馬「まだあるぞ」
反対のポケットからはペンギンのぬいぐるみが出てきた。
七瀬「あら、可愛いわね」
浪馬「だろ? ほら」
片手に男のプレゼントを持っていたので、七瀬はもう一方の手で胸に抱え込むようにして
二匹のぬいぐるみを受け取った。
七瀬「ふふふふっ、でもどういう風の吹き回しかしら?」
浪馬「風も嵐も何も、おまえ今日は誕生日なんだろ?」
470 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 18:56:21 ID:???
七瀬「!・・・・お、織屋君・・・まさかこれって・・・」
浪馬「ああ、俺からの誕生日プレゼント」
七瀬「う、うそ・・・・」
七瀬は一瞬頭の中が真っ白になった。
浪馬「嘘なもんか。なんだよ、俺なんかから貰っても嬉しくないってか?」
七瀬「そ、そうじゃないの! でもまさか織屋君が私の誕生日を覚えてるなんて・・・・」
浪馬「あのな、何度も一緒に遊びに行った仲じゃないか。いくら俺でもそのくらい覚え
てるぞ」
七瀬「・・・・・・・」
(お、織屋君が・・・織屋君が・・・私に・・・・・?)
浪馬「七瀬? 何ぼんやりしてるんだよ?」
七瀬「あっ!? う、ううん、別に何でも・・何でもないの・・・・」)
(ど、どうしたの私・・? 急に体が熱くなって・・・・・)
浪馬「おまえちょっと顔が赤いぞ? 風邪でもひいてんじゃないか?」
七瀬「そ、そんなことないわ。だ、大丈夫だから」
浪馬「そうか? まあ、いいけど無理するなよ?」
471 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 18:57:36 ID:???
浪馬「昼休み終わるな。そろそろ戻ろうぜ」
七瀬「待って織屋君!」
浪馬「なんだよ?」
七瀬「プレゼント・・・・・あ、ありがとう・・・私・・・すごく嬉しい・・・・」
七瀬はますます顔を赤くしながら、やっとのことで言った。
浪馬「おいおい、何もそんな大げさに考えることないって。そいつみたいに、
綺麗にラッピングしたもんでもねえし・・・な」
浪馬は七瀬が手にしている男からのプレゼントを指差しながら苦笑した。
七瀬「あ・・・これは・・・・」
浪馬「あんまり比べないでくれよ? 俺のプレゼントが見劣りしちまうから」
七瀬「そんなことは・・・・」
浪馬「本当はもっと豪華な物にしたかったんだけど、今月は生活費に余裕
なくてさ・・・・はははははっ・・・それでせめて七瀬の好きなぬいぐるみをと
思ったんだ。でもゴメンな、甲斐性なしで」
すまなそうに頭をかく浪馬の姿に、七瀬は胸がギュッと締め付けられた。
七瀬「お、織屋君・・・・」
浪馬「ん?」
七瀬「私がぬいるぐみが好きだって覚えてくれてたのね?」
浪馬「うん、まあ・・・・・・」
七瀬「あ、ありがとう。このぬいぐるみ、私一生大切にするから」
浪馬「いや、そんな大げさな。たかがゲーセンで取ってきたモノだぜ」
七瀬「金額の問題じゃないわ。織屋君の気持ちが嬉しいの」
浪馬「七瀬・・・・・」
七瀬のあまりの喜び様に浪馬は少し照れた。
472 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 19:01:06 ID:???
階段 四階の三年教室へと向かう二人
浪馬「しかし・・・こんなに喜んで貰えるとは思わなかった」
七瀬「そうなの?」
浪馬「ほとんどオモチャだからな。実は渡そうかどうか迷った」
七瀬「うふふふっ 織屋君がくれるならいくらでも欲しいわよ?」
いたずらっぽく笑う七瀬に、浪馬は少し戸惑った表情を見せた。
浪馬「思わせぶりな笑い方だな。おまえってこんな性格だっけ?」
七瀬「さあ、どうだったかしら? くすくすくす」
浪馬「うぅ、なんか調子狂っちまう。うーん・・・・なあ、七瀬?」
浪馬は立ち止まると七瀬を振り向いた。
七瀬「なあに?」
浪馬「今度の日曜日一緒にファイトクラブへ行かないか? もっとぬいぐるみ取って
やれるぞ?」
七瀬「ファイトクラブ・・・」
浪馬「おっと、七瀬はああいう場所は苦手だったか。忘れてた」
473 名前:ぬいぐるみ[sage] 投稿日:04/10/18(月) 19:03:05 ID:???
七瀬「・・・・・・ううん、行く」
浪馬「いいのか?」
七瀬「「たまには騒がしい場所もいいかも知れないわ」
浪馬「よしっ! それなら七瀬の部屋がぬいぐるみで溢れるくらい取るぞ」
七瀬「そんな約束して大丈夫なのかしら? うふふふふっ」
浪馬「任せろ! 俺の腕前を見せてやるから」
七瀬「それは楽しみだわ」
浪馬「はっはっはっはっ、七瀬に失望はさせない・・・・げっ?」
その時予鈴が鳴り響いた。
浪馬「ヤバイ! 七瀬、急ごう!」
七瀬「ええ!」
二人は慌てて階段を駆け上がる。
「あ、でも織屋君、生活費ピンチなんでしょ?」
「うっ!・・・いや、日曜までに臨時バイトするから平気だ」
「私もお金出すわよ?」
「いーからっ! 金の心配なんかすんなって」
「でも・・・」
楽しそうな二人の声が遠ざかっていった。
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&aname(umare)
477 名前:七瀬の生まれた日その1[sage56虫] 投稿日:04/10/18(月) 20:07:29 ID:???
「おかあさ~ん、もっと大きなボールないの~?」
台所から響く七瀬の声。
「下の棚にあるわよ~」
笑顔で七瀬に返事をする七瀬ママ
「ごめんなさいね。せっかく来ていただいたのに待たせてしまって」
「いえ、気を遣わないで下さい」
紅茶を飲みながら浪馬が答える。
「あの子ったら、やけにはりきっちゃって・・・」
「そうみたいですね」
「お誕生日にケーキを自分で作るなんて言い出すから」
「女の子らしくていいじゃないですか」
「あら、浪馬さんは七瀬のそういうところを気に入ってくれたの?」
「い、いや、その・・・」
「うふふっ、母親としてとても嬉しいわ」
「そ、そうですか・・・」
「貴方のような素敵な彼氏を誕生日につれてくるなんて、本当に親孝行な子だわ」
「恥ずかしい事をさらっと言われると、余計に照れますよ・・・」
七瀬ママのペースにどっぷりはまってる浪馬。
「そうそう、ナナちゃんのアルバムでも見る?」
「あ、アルバムですか?」
七瀬ママは、隣の部屋からアルバムを持ってくる。
そして1冊目を広げてクスリと笑うと、浪馬に向けて開いて見せた。
「ほら、七瀬のヌード写真」
とたんにむせる浪馬。
「ぐほっ、げほっ・・・お、お母さん!」
「あらやだ、もうお母さんなんて呼んでくれるの?」
「あ、いや・・・すみません・・・」
「うふふっ、いいわよ?お母さんで」
「は、はい・・・」
照れながらアルバムを見る浪馬。
確かに生まれたままの姿の七瀬が写っている。
正確には、生まれた直後の七瀬の姿なのだが。
「この時はね、お父さんなんかもうめろめろだったのよ」
「それはそうでしょう。かわいい自分の初めての子供ですから」
「生まれたって聞いて、慌てて病院にきたのよ。そして、お医者さんにお礼を言ったのね。
でも、そのお礼の言葉が面白いのよ」
「なんて言ったんですか?」
「そうとう慌ててきたのね。『ごちそうさま』ですって」
クスクスと七瀬ママが笑う。
この天然両親からあの完璧主義の七瀬が生まれた事は奇跡に違いない、浪馬はそう思った。
478 名前:七瀬の生まれた日その2[sage] 投稿日:04/10/18(月) 20:08:09 ID:???
「生まれてからしばらく、わたしは妊娠中毒症というのにかかって、2ヶ月ほど入院しなければ
ならなかったのよ」
「大変だったんですね」
「でもね、七瀬が生まれてくれた事が本当に嬉しかったから、辛くはなかったのよ。
それに、お父さんも忙しい中、ちゃんと家事や七瀬の退院の準備をしてくれたの」
「立派ですね」
「それがそうでもないのよ」
「え?」
「お父さんたらね、わたしが入院してる時に病室に来て、こう言ったのよ」
「・・・・・」
「ちゃんと七瀬が退院して家に来ても困らないように買い物は全部してあるからって」
「すごいじゃないですか」
「全然」
七瀬ママが笑いながら首を横に振った。
「お父さん、ランドセルまで買っていたのよ?」
「ははははは・・・・・」
「気が早すぎよってい言ったらね、『子供が育つのは早いんだよ』だって」
「それだけ、七瀬さんの成長が楽しみだったんじゃないですか?」
「・・・そうね。本当にあっという間だったわ」
「・・・・・」
「何をするにも、七瀬と一緒だったのよ。一人っ子だから余計に愛情があったのよね」
「そりゃあそうですよ」
ティーカップの紅茶を一気に飲み干して、浪馬が答えた。
「嬉しい事に、七瀬はお父さんにもお母さんにもなついてくれたから」
優しい目つきで浪馬のティーカップに紅茶を注ぐ七瀬ママ。
「どこへ行くにも、何をするにも、家族3人でっていうのが当たり前なのよ」
「羨ましいですね」
「あら、どうして?」
「うちは、親父もおふくろも仕事で遠くに行っていますから」
「でもそれは、貴方を養って行く為のことなのよ?」
「それはわかっていますけど、やっぱり子供としては寂しいですよ」
「確かにそうかもね・・・」
「だから、七瀬さんの家庭が羨ましいです」
「それなら、今日からでもうちに住めばいいじゃない」
「あちっ!・・・と、とんでもないこと言わないで下さいよ・・・」
突拍子も無い事を言われて、思わずやけどしそうになる浪馬。
「うちはあまり大きくないから、お部屋はナナちゃんと一緒でもいいわね」
「やばいっすよ、歳も歳なんですから」
「あら、歳じゃなきゃいいってことかしら?」
七瀬ママが浪馬をからかう。
「そ、そういう意味じゃ・・・」
「うふふふっ、ナナちゃん、大事にされてるみたいで安心したわ」
「・・・・・」
たじたじの浪馬である。
「ちなみに、ナナちゃんは月の終わり頃が生理だからね」
「ぶーーーーっ!」
浪馬が紅茶を噴出す。
「お母さんっ!何を話しているのよっ!」
台所から来た七瀬が顔を真っ赤にして怒鳴った。
「あらナナちゃん、いたの?」
「いたの?じゃないわよっ!・・・もう・・・」
「す、すみません、布巾を・・・」
「織屋君もそんな話聞かないでよっ」
「すまん・・・」
七瀬ママがニコニコしながら布巾でテーブルを拭いた。
そして七瀬が浪馬の横に並んで座る。
七瀬ママは七瀬に紅茶を注いだ。
ふとテーブルのアルバムに気付く七瀬。
479 名前:七瀬の生まれた日その3[sage] 投稿日:04/10/18(月) 20:08:41 ID:???
「なつかしい写真見ているわね」
「ええ。浪馬さんにナナちゃんのヌードを見せていたところよ」
「なっ!?」
あわててアルバムを取って横に置く七瀬。
「なんてものを見せるのよっ!」
「だって、浪馬さんも見たいと思って」
「織屋君!!」
「お、オレ知らないよ・・・」
「うふふっ、照れない照れない」
完全に七瀬ママのペースである。
「ところでナナちゃん、お台所のお仕事はもういいの?」
「・・・ええ、あとは焼きあがるのを待つだけだから」
「じゃあお母さんが今度はお台所を遣わせてもらうわね」
「ええ、いいわよ」
「必要だったら、お母さん出かけるわよ?」
「な、何の必要があって出かけなきゃいけないのよっ!」
「うふふっ、それはナナちゃんが一番知ってるんじゃないの?」
「お母さんっ!」
浪馬は唖然としている。
怒りまくっている七瀬にかまいもせず、七瀬ママはふふふと笑いながら台所へと消えていった。
「もう・・・」
「お前の家庭って、なんか不思議だな」
「お母さんは余計なのよ・・・ほんとにもう・・・」
「それより七瀬、お前の写真っていつも家族と写ってるんだな」
「ええ」
「なんか、いい家庭だな」
「そう・・・かな・・・」
「ああ。人に自慢できると思うぞ?」
「別に自慢なんかしないわよ」
「もののたとえだ。それくらいいい家庭だって褒めてるんだぜ?」
「ありがとう・・・・」
480 名前:七瀬の生まれた日その4[sage] 投稿日:04/10/18(月) 20:09:06 ID:???
照れながら紅茶を飲む七瀬。
「一人っ子で大事にされてるんだ、親孝行しろよ?」
「あなたに言われなくてもちゃんとしてるわよ」
「うむ。っていうか、オレといると親不孝にならないか?」
「あら、どうして?」
「だって、オレは学園では問題児なわけだし、迷惑かからないか?」
「迷惑なんて思っていないわよ?」
「そうか?」
「ええ。しおらしいこと言うのね。どうかしたの?」
「オレ、紅茶に塩なんて入れてないぞ?」
「あたりまえよ!そうじゃなくて、急にもっともらしい事言うから・・・」
「お前のアルバム見たり、お父さんの話聞いたりして、お前の生まれた日の事を考えたらさ
なんかそう思った」」
「大丈夫よ。わたしがちゃんとあなたを監視しているから」
「それもなんか嫌だな」
「わたしといるのが嫌なの?」
「そうじゃないよ」
「嫌なの?」
「だから嫌じゃないよ」
「嫌じゃないならどうなの?」
「そ、それは・・・」
「言いなさいよ」
「こ、この紅茶うめーな!」
「もう、誤魔化さないでよ」
ズズズズズー
「音を立てて飲まないで!」
「はいはい」
「なんなのよ、もう・・・」
納得の行かない表情で紅茶を飲む七瀬。
「でもまぁ、あれだ。お前に監視されるのも悪くはない」
「え?」
「ちゃんと見ててくれるんだったらな」
「あ、当たり前じゃない・・・」
「まぁ、よろしく頼む」
「こちらこそ・・・」
照れながら会話する2人。
とても甘いムードである。
「お布団敷くの面倒だから、必要ならナナちゃんのベッド使ってよね」
「お母さんっ!」
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&aname(arue)
546 名前:524[sage] 投稿日:04/10/19(火) 00:29:08 ID:???
白いブラウス似合う女の子 何故いつもキレそうなの
窓ぎわに置いたぬいぐるみ かわいい顔うなだれてる
白いスカート似合う女の子 自分の美貌を知らないの
窓際に置いたぬいぐるみ お似合いだって知らないの
いつか君は公園に現れて いたいけな目を少しふせて
優しい顔で諭した 「食べながら歩いてはいけません」
ハートにかけた南京錠 僕が必ず開けるから
日なたぼっこして ゆっくり眠っておいで
哀しい時は目の前で 大声出して泣いてよ
天の岩戸から今すぐ出ておいで 七瀬・
僕の大切な七瀬 今年最後の学園祭
僕も一緒に見ていいかい 僕も一緒に居ていいかい
僕の大切な七瀬 クレープは自分のなんだろう
僕はいつでも側に居る 僕がこれから側に居る
君は人より少しだけ 無器用なだけの女の子
「まだよくわからないけど あなたがのぞむのなら・・・」
ハートにかけた南京錠 僕が必ず開けるから
写真を飾るフレームの準備しといて
嬉しい時は目の前で 両手叩いて笑ってよ
お赤飯炊いても恥ずかしがらないで ナナちゃん
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&aname(kawaranu)
562 名前:変わらぬ二人[sage] 投稿日:04/10/19(火) 13:56:36 ID:???
一年前 3-A教室 放課後
七瀬「柴門さん、織屋君はどこかしら?」
タマ「さあ、さっきまでそこに居たけど。また、何かやったのかな?」
七瀬「もし合ったら執行部に出頭するように伝えておいて頂戴」
体育館横
刃 「お、高遠、誰か探してるのか?・・・って、またあいつか?」
七瀬「御推察の通りよ」
刃 「ははははは、しょうがないヤツだな」
七瀬「まったく、どこに逃げたのかしら?」
校庭
七瀬「砂吹君、ちょっといいかしら?」
望 「ん? あ、もしかしてまた浪馬?」
七瀬「どこにいるか心当たりないかしら?」
望 「さっき階段を上がっていったから、たぶん屋上じゃないかな」
屋上
七瀬「見つけたわ。織屋浪馬!」
浪馬「げっ 七瀬!」
七瀬「さあ、執行部に来てもらうわ。始末書20枚、今日が期限なんですからね!」
浪馬「おいおい、そんなに手を引っ張るなよっ!」
七瀬「手を離したらまた逃げるつもりでしょ? あなたが始末書提出しないと、
執行部の業務が滞ってみんな迷惑するの!」
浪馬「だからって腕に爪立てることはないだろ? イデデデデッ」
563 名前:変わらぬ二人[sage] 投稿日:04/10/19(火) 13:58:08 ID:???
そして今 3-A教室 放課後
七瀬「柴門さん、織屋君はどこかしら?」
タマ「さあ、さっきまで居たけど。また、何かやった?」
七瀬「もし合ったら執行部に来るよう伝えてくれないかしら? お願いね」
体育館横
刃 「よお、高遠、誰か探してるのか?・・・って、またあいつか?」
七瀬「ええ・・・・」
刃 「卒業も近いのにちっとも直らないな」
七瀬「目を離すとすぐいなくなるのよ。困った人だわ」
校庭
七瀬「砂吹君、ちょっといいかしら?」
望 「また浪馬なの?」
七瀬「う、うん、そうなの。どこか心当たりないかしら?」
望 「さっき階段のところで見たよ。また屋上じゃないかな」
屋上
七瀬「見つけたわ。織屋君!」
浪馬「よお 七瀬」
七瀬「もう! 探したのよ? ほら早く早く! 今日もお茶いれたからね」
浪馬「おいおい、そんなに腕を引っ張るなよ」
七瀬「だってお茶が冷めちゃうもの。執行部で織屋君と美味しいお茶を
飲むのが私の日課なんですからね」
浪馬「だからってそんなにしがみ付かなくても。ちょっと歩きにくいぞ」
二人が深い中になった後も、日常の基本パターンが変わらないので、
周囲は気づかなかったと言う。
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&aname(taifu)
636 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/20(水) 18:44:41 ID:???
七瀬「はぁ…せっかくのデートも中止か……」
くまさんぬいぐるみを抱き締めて一人語ちる七瀬
♪タンタカターンタン、タンタカターンターン
七瀬「あら、織屋くん、どうしたの?」
浪馬「おう、七瀬、今そっちに向かってるんだけどさ」
七瀬「この台風の中!?」
浪馬「もう少しで着くんだけどな、ちょっと雨が強くなってきて雨宿り中だ」
七瀬「今日は中止だって昨日話したじゃないの!」
浪馬「ハッハッハッ、台風ごときに負けるオレサマではない!」
七瀬「台風相手に勝負してどうするの!!」
浪馬「お前に会いたくてがんばってるんだぞ、少しはいたわれよ」
七瀬「ああ、もう!なんであなたはそんなに無茶をするのよ」
浪馬「このぐらいなんともねーよ、、、よし、雨も弱くなってきたし行くな、一旦切るぞ」
七瀬「ねえ、引き返してよ、また来週で良いでしょ?」
浪馬「いやもうお前の家の方が近いからさ、って、うわ、あわ、わ、わ、あ、ア、アアァアーッ~……」
七瀬「お、織屋くん?織屋くん!?ねえ、織屋くん!?」
637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/20(水) 18:47:06 ID:???
バタバタバタバタ…ガチャ
七瀬「凄い風…織屋くんどうなっちゃったの…」
ママ「あらどうしたのナナちゃん、今からお出かけ?」
七瀬「そうじゃないけど」
ママ「フフフ、織屋くんに会いに行くのかしら?恋する乙女は台風よりも強いのね」
七瀬「違うってば!その織屋くんがこっちに向かってたんだけど、何かあったみたいなの!」
ママ「あら、この嵐の中を??ナナちゃんも凄い彼氏を作ったわね」
七瀬「何言ってるの!って、あぁ、織屋くんどうしちゃったのよ…」
ママ「あら?あそこを歩いているのがその織屋くんじゃない?」
七瀬「あっ…織屋くん!!」
浪馬「おう、七瀬、着いたぞ~、って家で待ってろよ、おまえも濡れちまうぞ」
七瀬「ズブ濡れじゃないのよ!なんでこんなにしてまで来るのよ!」
浪馬「おまえに会いたくなってな、俺は自分の欲望に正直なだけだ」
七瀬「ほんっとうにバカね!!」
浪馬「笑顔で迎えてくれると思ってたんだけどな…外したか?」
七瀬「そういう問題じゃないでしょ!!」
ママ「いらっしゃい織屋くん」
浪馬「あっ、すみませんこんな格好で、こんにちは初めまして、お邪魔します」
ママ「フフ、今オフロの用意するわね、少し待っていてね、はい、タオルよ」
浪馬「どうもすみません」
ママ「ナナちゃん、織屋くんにあったかいお茶でも差し上げたらどうかしら?」
七瀬「え、ええ、分かったわ、こっちよ織屋くん」
……………
638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/20(水) 18:48:19 ID:???
ママ「この台風の中を来てくれるなんて本当に凄い彼氏をつくっちゃたわねぇ」
七瀬「あんな人彼氏なんかじゃありません!」
ママ「あらそうなの?」
七瀬「『来たいから来た』だなんてなに考えてるのよ」
ママ「乙女心は複雑よね、ナナちゃんも大変ね」
七瀬「お母さん!織屋くんはただの友達なの!!」
ママ「嵐の中を会いに来てくれるなんて良い友達を持ったわね」
七瀬「迷惑なだけよ!」
ママ「きっと彼ならナナちゃんが困っている時にはすべてを懸けてでも駆けつけてくれるわね」
七瀬「えっ…」
ママ「ただの友達なのに嵐の中でさえオッケーなんでしょ?たとえ火の中水の中、って寸法ね」
七瀬「……私が来て欲しいって頼んだ訳じゃないわよ…」
ママ「頼めば何でも答えてくれそうね」
七瀬「…そうかしら……」
ママ「ナナちゃんももう少し素直にならなくちゃダメね」
七瀬「……」
ママ「お母さんは織屋くんの事気に入ったわよ?」
七瀬「本当?」
ママ「ええ、素敵な恋人を持ったわね、ナナちゃん」
七瀬「…ありがとう、お母さん」
浪馬「ハァ~、いいオフロだったぜ、あ、お母さん、どうもありがとうございました」
ママ「いいえ、どういたしまして」
浪馬「着替えまで用意していただいてすみません」
ママ「お父さんの服で大丈夫だったみたいね、良かったわ」
浪馬「へ~、七瀬の親父さんの服か、なんか申し訳ないな、って、お?どうした七瀬、顔が赤いぞ?」
七瀬「……全部あなたのせいよ」
浪馬「あ!ひょっとしてさっきのでカゼひいちまったか?」
ママ「そうね、どうもナナちゃんは病気にかかっているみたいね」
浪馬「え…すまん、七瀬!」
ママ「大丈夫よ織屋くん、あなたのせいには違いないけどもっと前からだから」
七瀬「お母さん!!」
浪馬「???」
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648 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/20(水) 23:04:26 ID:???
お、携帯に電話だ。七瀬からか・…
ピッ「おかけになった電話番号は現在・・」
「…織屋君・・…ふ、ふざけている場合じゃないでしょ!! バカァ!!!!」
「うぉわ、何だ?」
「人が心配してやっとの思いで電話してみれば・・」
「すまん、すまん。いや~台風の夜は何もする事が無いから退屈で・・」
「一人暮らしと聞いていたから本当に心配で・・心配で…」
(七瀬の声が涙声になってしまった。今回ばかりは海より深く反省だな)
「本当に御免な、七瀬」
「しっかり反省しなさい!・・…で本当に大丈夫なの?」
「ああ、一人暮らしに慣れているからな」
「強いわね、織屋君は」
「…そうだ!」
「ど、どうしたの?」
「七瀬が心配してくれたお礼に日曜のデートで何かプレゼントするよ」
「いらないわ、この間誕生日プレゼント貰ったばかりだし」
「まぁ、そう言うなよ。何かは秘密だけどな」
「まだ考えていないんでしょ、でも楽しみにしておくわ」
「ああ、じゃな」
「お休みなさい、織屋君」ピッ……
さて日曜のプレゼント、本当にどうしようか・…。
----
653 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/21(木) 00:42:36 ID:???
七瀬「きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
浪馬「なんだ、おまえ雷が怖いのか?」
七瀬「こ、こ、こ、怖くなんかないわよ」
浪馬「その割には俺の腕にしがみ付いてるじゃないか」
七瀬「え? あっ!」
浪馬「慌てて離れることないだろ? 俺は構わないぞ?」
七瀬「け、結構よ。あなたに触れるくらいなら・・きゃぁぁぁぁっ!」
浪馬「はははっ、おかえり」
七瀬「す、好きで戻ってきたわけじゃないんだから」
浪馬「無理すんなよ。別に何もしやしないから遠慮なくしがみ付けよ」
七瀬「む、無理なんて、きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
浪馬「本当にダメなんだな? なあ、なんだったら肩でも抱いてやろうか?」
七瀬「だ、だめ! 私があなたに触れるのはいいけど、あなたが私に触れる
のは禁止! 絶対に許さ・・・きゃぁぁぁぁぁぁっ!」
(意地っ張りなヤツだなあ。でも雷が苦手なんて可愛いところあるじゃん)
ってな感じ?
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659 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/21(木) 11:16:39 ID:???
デレ期
浪馬「風も雨もやまねーなー さすが台風だ」
七瀬「関心してる場合じゃないでしょ…帰れないわ。」
浪馬「泊まればいいだろ」
七瀬「もう、簡単に言わないで」
浪馬「ママさんにからかわれちゃうもんな」
七瀬「…」
浪馬「ん?どうした七瀬?」
七瀬「ずっと台風だったらいいのに…」
七瀬「そうすればずっとあなたと一緒にいられるもの」
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&aname(sikkoubu)
672 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/21(木) 15:03:07 ID:???
執行部にて…
「そういえばもうすぐ織屋先輩が来る時間ですね」
執行部員の一人が七瀬に話し掛ける
「そうね」
七瀬は書類から目を離さないまま答えた。
「織屋君も高遠さんに毎日始末書を持ってくるよう言われたら
少しは落ち着くと思ったのだが、遅刻は相変わらずですし…」
「そうでもないですよ。織屋先輩の月別の始末書全体数は減っていますし…」
「かと言って他に有効な方法も無いしなぁ…」
七瀬は顔を上げ
「とりあえず全体数が減っているのなら問題無いわ、このまま様子を見ましょう」
と言うと手に持っていた書類を脇に置き次の書類を読み始めた。
「それにしても織屋君、妙な所は律儀だよなぁ」
「そうですねぇ。持ってくるように、と言われたら毎日……」
(そう言えば織屋君、日曜のデートでプレゼントとか言っていたっけ)
(この間プレゼントを貰ったからもうお金は無いはずだし…)
(じゃ何を…!!まさか、キスとか? そんなのダメ、私だってまだ・…経験無いし)
(でも断ったら固い女だと嫌われちゃうかも…)
(ううん、それでいいのよ。何で私が織屋君にキスなんて・・彼にそんな権利は…)
(では私から求める・… !!イヤよ、私はそんなはしたなくエッチな娘じゃない)
・……
「………先輩! 高遠先輩!!」
「…えっ?」
「どうしたんです? ボーっとしちゃって。風邪でも引いているんですか?」
「そう言えば顔も赤いなぁ、高遠君」
「いいえ、何でも無いわ」
「そろそろ織屋先輩が来るのでよろしくお願いしますね」
2人の執行部員は出て行った。
(・・…ふぅ、学校で彼の事を考えないようにしなきゃ)
七瀬は自分自身の気を引き締めた。
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[[ツン七瀬とスキンシップ>ss@5スレ(その3)#skinship]] [[保健室で>ss@5スレ(その3)#hoken]] [[ミッションG>ss@5スレ(その3)#mission]] [[いざ行かん温泉へ>ss@5スレ(その3)#onsen]] [[それから ~10月18日以降の七瀬と浪馬~>ss@5スレ(その3)#sorekara]]
&aname(skinship)
721 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:35:38 ID:???
放課後 部室
浪馬「七瀬、もういいだろ? 何も出てこないって」
七瀬「まだ全部調べ終わってないわ」
浪馬「ちぇ」
不定期に行われる執行部による部室チェック。問題児の浪馬属する
キックボクシング同好会は、副会長七瀬直々の検分を受けていた。
七瀬「あとはロッカーの上ね」
浪馬「その椅子ボロイから、足場にするのは止めておいた方がいいぞ」
七瀬「奥がよく見えないわ・・・うーん・・」
浪馬「おい、椅子の上でそんなに無理な姿勢すると・・」
七瀬「あ? ひゃっ!」
浪馬「危ないっ!」
がたつく椅子を慌てて押える浪馬
浪馬「ふー、やばかった・・・」
七瀬「・・・び、びっくりしたわ」
浪馬「七瀬気をつけろよ。なあ、もう検査はいいだろ?」
七瀬「お、織屋君っ! そ、そんなところに立たないでっ!」
浪馬「え? うわっ!?」(おお! 見上げれば七瀬のぱんつ)
七瀬「こ、こっち向かないで! スカートの中見えちゃうじゃない!」
浪馬「ははははは・・これは事故ってことで・・・ガッ?!」
七瀬「いやぁぁっ! 見ないでっ! 見ないでったらっ!」
浪馬「イデェ! 蹴るやつがあるかっ! バ、バカ、そんなに動いたら・・・」
七瀬「えっ? あ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
浪馬「く、くそっ!」
722 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:37:06 ID:???
浪馬「・・・・・ぐはっ・・・・・・・」
七瀬「アイタタタタ・・・もう・・・なんなのよぉ・・・」
浪馬「な、何なのよ、じゃねえ。蹴り入れる前に状況を・・・おおっ?!」
落ちてきた七瀬が丁度浪馬の腹の上で尻持ちを着いた形になっため、
顔をあげた浪馬の眼前で、彼女は大股開き全開だった。(ぜ、絶景すぎる)
七瀬「ごめんなさい。あなたをクッション代わりにしちゃったわ。すぐ退くから」
浪馬「いや、しばらくこのままでもいいぞ」
七瀬「そんなわけには・・あ? いやぁぁぁぁぁぁっ! どこ見てるのよっ!」
浪馬「ぐげっ・・また蹴りかよっ・・って、ガッ・・!」
七瀬「バカっ! 変態っ! いやぁぁぁぁっ!」
浪馬「おまえが退けばいいじゃ・・イテっ! マウントポジション取られてる俺は
動くに動け・・かはっ!」
浪馬「イテテテテテテ。七瀬、おまえ足癖悪すぎるぞ」
七瀬「スカートを覗こうとするあなたがいけないんでしょ!」
浪馬「わざとじゃねえだろ? お前を助けようとしてあんな体勢になったんだし」
七瀬「そ、その前にも覗いたじゃないの!」
浪馬「あれも椅子を押えただけだ」
七瀬「う・・・」
浪馬「まあ、いいか。怪我がなくて良かったな」
(七瀬の尻の感触味わえたし、ぱんつ拝めたし)
七瀬「・・・・」
浪馬「あうつつつ、こりゃアザになるかもな」
七瀬「・・・・」
浪馬「しかしイイ蹴り持ってるな。うちの同好会入らないか? はははは」
七瀬「・・・・」
浪馬「女であそこまで重い蹴りはなかなか出せるもんじゃないぜ?」
723 名前:ツン七瀬とスキンシップ[sage] 投稿日:04/10/22(金) 00:38:50 ID:???
七瀬「・・・あっ!?・・・・・・・」
浪馬「ん? なんだよ? いきなり大声出して」
七瀬「ち、ち、血が出てるわ」
浪馬「そりゃあんだけ力一杯蹴ったら血ぐらい出るだろ。ん・・ああ、ちょっと
滲んでるな。まったくいい蹴りだったぜ? 副会長」
七瀬「は、早く保健室に行きましょう!」
浪馬「んー、面倒だからいいよ」
七瀬「で、でも」
浪馬「この程度で一々騒いでたらキックボクシングなんてやれないぜ」
七瀬「そんな・・もしばい菌でも入ったら・・」
浪馬「平気だよ。えーっと、ティッシュティッシュ」
七瀬「お、織屋君、これ使って」
浪馬「ハンカチ? いらないよ、血が着くと取れなくなっちまうぜ」
七瀬「い、いいから使いなさいっ!」
浪馬「何怒ってるんだよ? おまえのハンカチ汚したくないから言ってるのに」
七瀬「わ、私のハンカチをどう使おうと私の勝手でしょ!」
浪馬「そ、そりゃそうだけど」
七瀬「絶対使って! 使わなかったら許さないんだからっ!」
浪馬「あ!っ・・・行っちまった。でもこれで部室検査は終了ってことだな、はははは」
(本当にすぐ怒るよな。カルシウムでも足りないんじゃないか?)
(すごく可愛いハンカチだ。七瀬のヤツこんなのを使うのか。さてどうするんだ?)
>ハンカチを使う
使わない
匂いを嗅いでみよう
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&aname(hoken)
733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/22(金) 05:59:01 ID:???
浪馬「邪魔するぞ。始末書持ってきたからハンコくれって・・・あれ?」
部員「副会長、大丈夫ですか?」
七瀬「・・・・う・・・・・」
浪馬「おい、どうした?」
部員「そ、それが急に倒れこんで・・・」
浪馬「じゃあグズグズしてないで、早く保健室に連れて行ってやれよ」
部員「い、今男の人が一人もいなくて」
浪馬「わかった。俺がやる。ほら七瀬、大丈夫か?」
七瀬「・・・・・・・・一人で・・・・歩け・・・・る・・・から・・・・・」
浪馬「真っ青な顔してよく言うぜ。よいしょっと・・・さ、行くぞ」
七瀬「・・・・・あ・・・・・」
保健室
浪馬「貧血だってさ。しばらくベッドで休んでろよ」
七瀬「・・・・そう」
浪馬「おまえちゃんと寝てんのか?」
七瀬「・・・・・・・・・・」
浪馬「執行部の仕事が忙しすぎるんじゃないのか?」
七瀬「余計な仕事を増やしてくれるのは、あなたでしょう?」
浪馬「はははは、それだけ憎まれ口叩けるなら大丈夫だな」
七瀬「事実だもの」
浪馬「これ以上やぶ蛇にならないうちに退散するよ。じゃあな」
七瀬「あ・・・・織屋君・・・・・一応ありがとうと言っておくわ」
浪馬「無理して礼言わなくていいぞ。お前軽いから運ぶの楽だったし」
七瀬「本当は重いと思ったんでしょ?」
浪馬「そんなことないさ。思ったより軽いんで驚いたくらいだ」
七瀬「・・・・嘘ばっかり」
浪馬「信じる信じないは七瀬の勝手だけどな。それじゃあ」
(七瀬をお姫様抱っこする機会があるとは・・本当にきゃしゃな体だったなあ)
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&aname(mission)
760 名前:ミッションG 1/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:15:45 ID:???
今日も今日とて執行部に来たぜ。七瀬はいるかな……って、
浪馬「うわっ……げほっ、げほげほっ、何だこの煙!火事か!?」
七瀬「あっ!ちょっと織屋君!今開けちゃだめ!」
浪馬「七瀬店…外に出てたのか。何だよこの煙?」
七瀬「……出たのよ」
浪馬「出た?何が?」
七瀬「出たのよ!アレがっ!」
浪馬「?幽霊でも出たのか?」
七瀬「もっと恐ろしいものよ!!」
浪馬「……?あ、この煙、バルサンか何かか。じゃ、出たのってゴ……」
七瀬「言わないでっ!!」
浪馬「もがっ…!」
七瀬に口を押さえられてしまった。
七瀬「名前を聞くのもおぞましいわ……
どうして地球上にあんなものが存在していて許されるのかしら」
浪馬「ぷはっ、そうか、七瀬は嫌いなのか、ゴキ……」
七瀬「だから言わないでっ!!!」
浪馬「もががっ…!」
また抑えられる。窒息しちまうっての。しかし、面白いこと聞いたな。七瀬の弱点発見だ。
七瀬「そろそろ終わったみたいね……」
浪馬「だな。じゃ、入るか」
七瀬「……あなた、悪いけど先に入ってみてくれないかしら?」
浪馬「ん?あ、そうか。死体とか転がってるかもしれないもんな。ゴキブ……」
七瀬「わざと言ってるの!?」
浪馬「もがががっ……!?」
人に物を頼むのになんて態度だ。
761 名前:ミッションG 2/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:16:27 ID:???
浪馬「わーったよ。俺が先に見てやるっての」
七瀬「ありがとう……」
妙にしおらしいぞ、七瀬の奴。
七瀬「どう……?」
浪馬「ああ、ターゲットの死骸は確認できずだ」
七瀬「良かった……もう、入ってもいいわよね?」
七瀬がおっかなびっくり室内に入ってくる。しかし、こうもびくびくしてると悪戯の一つもしてやりたくなるな。
七瀬「これで一安心かしら……」
浪馬「……お、机の影に一つ転がってるぞ」
七瀬「えっ!?嘘っ!?嫌ぁっ!」
浪馬「死体に騒ぐなよ……俺が捨ててやるから」
ティッシュを取って、摘み取る。
浪馬「そこのゴミ箱に捨てていいか?」
七瀬「絶対ダメっ!!外に捨ててきてっ!!」
浪馬「はいはい……」
礼儀も何もあったもんじゃねえな。そのまま、腰が引けてる七瀬の横を通って外に出ようとする。
浪馬「七瀬」
七瀬「えっ?」
そこで、七瀬の方を向き、手に持った丸めたティッシュをひょいと投げ渡す。
反射的に両手で受け取り、固まる七瀬。
762 名前:ミッションG 3/3[sage] 投稿日:04/10/22(金) 15:17:36 ID:???
七瀬「………」
浪馬「………」
七瀬「………き……」
浪馬「き?」
七瀬「きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!嫌っ!!嫌あぁぁぁぁっ!!!」
浪馬「うわっ!」
渡された物を投げ捨てることも出来ずに、半狂乱になって髪を振り乱す七瀬。そこまで嫌がるとは……。
七瀬「ひやぁぁぁぁあああぁぁぁあwsrftgyふじこlp;@」
浪馬「ちょっと!待て!落ち着け!嘘だ!それ、中に何も入ってないぞ!ただのティッシュだ!!」
七瀬「ひ、やぁあぁ……ふぇっ……?」
浪馬「ほれ」
七瀬の手からティッシュを取り、目の前で広げる。死体があったってことからしてただの演技だ。
七瀬「………」
浪馬「な?」
七瀬「………」
浪馬「ん?どうした?」
七瀬「……何が、『な?』よ……」
さっきまで半泣きだった七瀬の背後に、恐ろしい黒い影が立ちこめている。ひょっとして、ヤバい?
浪馬「あ……その、さ。なんつーか?気の利いたジョークって言うか……」
七瀬「………………」
俺は、初めて他人の殺気に恐怖した。
浪馬「その……慌てふためく七瀬ちゃんも可愛かったかなーなんて……
……その、あ、ちょっ、話せばわかqxtcふじjこl@:」
……その後俺が七瀬から受けた仕打ちはとても文字では表せないものだった。
[[TOPへ戻る>ss@5スレ(その3)#top]]
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&aname(onsen)
819 名前:いざ行かん、温泉へ[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:51:58 ID:???
教室にて、何かカードのようなものを手に持つ浪馬。
浪馬「さて、ようやく合法になったんだし、七瀬を誘って出かけるとしようか」
執行部に向かう浪馬。そこでは七瀬が書類の整理に追われていた。
浪馬「ナナちゃーん、遊びに来たよー」
七瀬「お・り・や・くーん(怒)ナナちゃんは禁句、って言わなかったかしら」
浪馬「まぁそう怒るなって。せっかくの綺麗な顔が、魅力半減だぜ」
七瀬「綺麗だなんて…でも,ナナちゃんはダメだからね。で、今日はどうしたの?」
浪馬「来週の土曜日はヒマか?ちょっと変わったところに行こうと思ってるんだけど」
七瀬「ええ、今のところ予定はないわ。でも変わったところって?」
浪馬「ふふふ、それはな…まずはこれを見ろ!」
浪馬の手には先ほど教室で手に持っていたカードのようなものが。
七瀬「そ、それって免許証じゃない」
浪馬「その通り」
七瀬「その通りって。織屋君、免許の取得は校則で禁止されているのよ」
浪馬「校則なんて関係ないって。校則には法的拘束力なんか全くないんだし」
七瀬「らしくない言葉を使ってごまかそうとしてもダメよ。とはいっても
取ってしまったものはしょうがないわよね。でも、良くそんなお金が
あったわね。教習所って結構高いんでしょう」
浪馬「教習所には行ってないぜ」
七瀬「え、じゃあどうやって?」
浪馬「免許センターに行って一発取得」
七瀬「へぇ。でも、いきなり乗って取れるものなの?」
浪馬「まさか」
七瀬「じゃあどうして…まさかとは思うけど」
浪馬「たぶんビンゴ」
七瀬「ビッグのおっちゃんに頼んだって訳ね」
浪馬「うーん、惜しい。実は前から乗ってたのよ。まぁ、そうはいっても
ビッグの仕事で荷物を運ぶ時に高速で運転してただけなんだけど。
サービスエリアの間なら免許見せてって言われることもないから
大丈夫って言われて、何度かね」
820 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:52:26 ID:???
七瀬「はぁ。思ったとおりだったとはいえ、なんだか頭が痛くなってきたわ。
本当に怖いもの知らずなんだから。私が一緒に居たら絶対にそんなこと
させなかったのに」
浪馬「まぁいいじゃないか。こうして無事なんだし」
七瀬「いいわけないじゃない、って言いたいところなんだけどあなたには
言うだけ無駄ってものよね」
浪馬「さすが我が麗しの君。よーくわかっていらっしゃる」
七瀬「茶化さないの。それで、変わったところっていうのは車で行くのね?」
浪馬「ご名答。紅葉でも見ながら、温泉につかってこようかという計画なんだけど」
七瀬「うーん、織屋君にしては素敵な考えね」
浪馬「俺にしては、は余計だって」
七瀬「あら、そうかしら。ふふふ。あ、でも温泉に行ってもしょうがないんじゃない?
結局お風呂は別々なんだし」
浪馬「心配ご無用。その辺はちゃんと考えてあるからさ」
七瀬「考えてあるってどういうこと?」
浪馬「まぁ当日のお楽しみ、ってね。じゃあ決定って事でいいよな?」
七瀬「なんだか信用ならないんだけど。でもいいわ、楽しみにしてる」
浪馬「期待は裏切らないぜ。じゃあ土曜に」
七瀬「ええ」
デート当日。
七瀬(タオルと、着替え。それにお財布、と。これでばっちりね。あ、か、替えの
下着も持ったほうが…って何考えてるの私)
七瀬ママ「ナナちゃーん、浪馬君が来てるわよー」
七瀬「はーい。今行きます」
七瀬(もういいわ。一応バッグに詰めちゃおう。あって困ることはないんだし)
浪馬「よう。おはよう」
七瀬「おはよう、織屋君」
浪馬「さて、それじゃ出かけようか」
七瀬「そうね。お母さん行ってきます」
浪馬「七瀬さんをお借りします」
821 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:52:49 ID:???
ママ「はい。行ってらっしゃい。事故には気をつけてね。そうだ、ナナちゃん」
七瀬「なぁに?お母さん」
ママ「泊まるんだったらちゃんと連絡してね」
七瀬「お、お母さん!!」
ママ「ふふふ。それじゃあね。浪馬君、ナナちゃんをよろしくお願いしますね」
浪馬「はい」
出発後の車内
七瀬「もう、お母さんたらいつもあの調子なんだから」
浪馬「確かにちょっと珍しいよな。でも、いいお母さんじゃないか」
七瀬「それはそうなんだけどね…」
浪馬「考えても見ろよ。七瀬そっくりだったらこうして二人で出かけるどころか、
彼氏が出来たってことでひと悶着どころじゃすまない騒ぎになってるぜ」
七瀬「それは…そうかもしれないわね」
浪馬「なら、それでよかったってことにしとこうぜ」
七瀬「そうね」
浪馬「お、そろそろ目的地の近くに来たかな。紅葉が見えてきたぞ」
七瀬「綺麗ねぇ。こういう風景を見ていると日本人で良かったって思わない?」
浪馬「またずいぶん大袈裟だな。でもまぁ大筋は同意するよ。四季のある
日本ならではの風物詩だし」
七瀬「ふふ、ちょっとビックリしたわ。織屋君ってもっと花より団子タイプの
人だと思ってたから」
浪馬「そりゃーないだろ。こういうところにくればそれなりの楽しみ方は
知ってるって。そうじゃなきゃ紅葉狩りになんて誘わないって」
七瀬「そうよね。ごめんなさい」
浪馬「いや、別に謝られる事ではないけどさ。普段が花より団子なのは
否定しがたいしな。そういえば、何で紅葉見物や紅葉見じゃなくて
紅葉狩りなんだ?別に何か取れる訳じゃないよな」
822 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:53:29 ID:???
七瀬「それはね、本来、獣を捕まえる狭い意味で使われていた狩りって言葉が
野鳥や小動物を捕まえるに意味に広がって、果物を採ったりすることにも
使われるようになったってことらしいわ」
浪馬「さすが七瀬。博識だな」
七瀬「たまたま興味があって調べたことがあっただけよ。そうじゃなければ
今みたいに辞書を引いたようには出てこないわよ」
浪馬「それにしたって俺だったら一瞬で忘れちまいそうだ」
七瀬「何に興味を持つかは人それぞれだからね」
浪馬「違いない。そろそろ温泉に行くか」
七瀬「ええ」
温泉に到着
浪馬「それじゃあ七瀬、水着に着替えて集合な」
七瀬「え、水着?」
浪馬「そりゃそうだろ。混浴なんだし」
七瀬「ちょ、ちょっと待ってよ。混浴なんだろうって言うのは予想がついてたけど
水着がいるなんて聞いてないわよ」
浪馬「…そういえば水着がいるって伝えてなかったっけ」
七瀬「だから聞いてないわよ、そんなこと。どうするのよ、織屋君」
浪馬「困ったなぁ。っていうか七瀬はどういうつもりだったんだ?」
七瀬「そ、それは」
七瀬(雑誌で「二人で入る貸し切り露天風呂」なんていうのを見たなんて
口が裂けてもいえないわ)
浪馬「ひょっとして貸し切りの露天風呂に入るって思ってたのか?」
七瀬「な、何でそれを知って…」
浪馬「いやー、七瀬はいろいろ勉強熱心だからそれくらい調べてるかな、
と思ってね。当たりって訳だ」
七瀬「い、いいじゃない。ふ、二人で入りたかったんだから」
浪馬「うーん。素直な七瀬はいつもよりもっとかわいいぜ」
823 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:03 ID:???
七瀬「やだ、からかわないでよ」
浪馬「おいおい、こんなことは冗談で言わないぞ、俺は。さて、ここで
あきらめたんちゃ男が廃るし、二人で温泉につかってまったり
することが出来なくなっちまう。観光局に行って入れそうなところがないか
聞いてみようぜ」
七瀬「そうね」
浪馬「いやー、あっさり見つかってよかったな」
七瀬「でも、大丈夫なの?値段とか聞いてなかったみたいだけど」
浪馬「一軒しかなかったんだし、いまさら普通のところに入るだけ、
って訳にもいかないからな。まぁ気にするなって」
七瀬「あ、この辺りじゃない?ほら、嶺輝楼って。それにしても…なんだか
ずいぶん立派な門構えね」
浪馬「そうだな。ちょっと不安になってきたぞ。バイト代が入った
ばかりだから大丈夫だとは思うけど」
旅館へ入る七瀬&浪馬
仲居「ようこそいらっしゃいました。ご予約の名前をお伺いしてよろしいでしょうか」
浪馬「あ、はい。織屋です」
仲居「はい。日帰りプランでご予約の織屋様ですね。かしこまりました。
お風呂はこちらになります」
七瀬「それじゃあお風呂でね」
浪馬「ちぇっ、脱衣所は別々なのか。つまらないな」
七瀬「当たり前じゃない。馬鹿な事言わないの」
浪馬「ふー、いい湯だな。七瀬はまだ来ないのかな」
七瀬「お待たせ、織屋君」
浪馬「おう。ってなんでバスタオル巻いてるんだよ。二人しかいないんだし」
七瀬「そういう問題じゃないでしょ。ほら、入るからあっち向いてて」
浪馬「やだ」
824 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:27 ID:???
七瀬「さて、上がるときになったら声かけてね」
浪馬「ちょっと待てって。ジョークだから。ほら、これでいいんだろ」
七瀬「私はそういうジョークは嫌いなの。・・・・・・んー、あたたかくて
気持ちいい。それにとってもいい眺めね」
浪馬「おう、最高の眺めだぜ」
七瀬「お・り・や・くーん。ど・こ・を・見て言ってるのかしら。次にそんなこと
したら、本当に出て行くからね」
浪馬「なんかキャラが違うぞ、七瀬」
七瀬「どこぞのどなたが、私の神経を逆撫でするようなことばかり仰っているせい
だと思うのだけれど」
浪馬「悪かったよ」
七瀬「罰としてしばらくは背中合わせの刑ね」
浪馬「何かこれはこれで妄想をかきたてられ…」
パカーン
浪馬「いたっ。なにすんだよ。桶で人の頭をはたくなんて」
七瀬「最終警告」
浪馬(これはこの辺でやめておかないと危険なだな。気のせいか殺気を感じたぞ)
浪馬「警告、肝に銘じておきます」
七瀬「よろしい。始末書は免除してあげるわ」
浪馬「へへぇ。でも、確かにいい眺めだな。ここは。騒がしくないし、
俺が選んだところよりずっといいかも」
七瀬「そうね。雪でも降っていたらもっと風情があっていいんだけど」
浪馬「今日は珍しくあったかかったからな。流石にそれは無理だろう」
七瀬「それじゃあ、そのうちまた来ましょう。二人が大学に入った後にでも」
浪馬「その時は泊まりでな」
七瀬「ふふ、考えておくわ」
浪馬「さて、そろそろ時間だな。上がるとするか」
七瀬「じゃあ外で」
浪馬「おう」
825 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:04/10/23(土) 09:54:52 ID:???
帰宅途中の車内
浪馬「いやー、風呂は良かったし、飯も旨かったし。満足満足」
七瀬「織屋君、なんだかオヤジくさいわよ」
浪馬「まぁ細かい事を気にするなって。事実なんだし」
七瀬「でも本当にみんな出してもらっちゃってよかったの?お風呂とお食事
合わせたら馬鹿にならないでしょう」
浪馬「今日のところは気にしないでおけって。そのうち何かの機会に返してもらう
ことにするから」
七瀬「そう?それじゃあ次のデートは私のおごりね」
浪馬「それも魅力的だけど、七瀬に何か料理を作って欲しいな」
七瀬「料理?いいわよ。そのうちね」
七瀬(ご馳走できそうな料理なんてないし…お母さんに聞いて何かつくれるように
しないと…だめよね、なんにしよ…)
浪馬「それにしても今日は一日遊び倒した、って感じだな。つかれてないか?」
七瀬「・・・・・・」
浪馬「おーい?七瀬?」
七瀬「・・・・・・」
浪馬「寝ちまったのか?ったく助手席の人間は寝ちゃいけないんだぞ」
浪馬(ま、寝顔がかわいいから帳消しだな)
七瀬「ろうまくん、またどこかつれていってね」
浪馬「起きてたのか?って寝言か。あぁ、どこでも連れてってやるよ。まだまだ
一緒に過ごす時間はあるんだから」
七瀬「やくそくだよ」
七瀬(ずーっといっしょだからね。いっぱい、いろんなところにいくんだから
ね、ろうまくん)
[[TOPへ戻る>ss@5スレ(その3)#top]]
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&aname(sorekara)
842 名前:それから ~10月18日以降の七瀬と浪馬~[sage] 投稿日:04/10/23(土) 14:02:00 ID:???
放課後 部室 練習中
夕璃「先輩っ! お客様ですよー」
七瀬「あ、いいのよ、白井さん」
浪馬「七瀬? どうしたんだ? 何か用か?」
七瀬「練習の邪魔してごめんなさい、織屋君。ただの見学だから気にしないで続けて」
浪馬「物好きなヤツだな。まあ、その辺で好きにしててくれ」
部室の中を見て回る七瀬
七瀬「ねえ白井さん、これ何かしら?」
夕璃「メディスンボールって言うそうです。
先輩はこれをお腹の上に落としたりするんですよ」
七瀬「こんなに重いのに? 痛くないの? あ、これがサンドバックね」
夕璃「先輩があんまり強く叩くから時々破けちゃうんです」
七瀬「よく見ると繕い跡がいっぱいあるわね。新しいの買わないの?」
夕璃「うちの部は貧乏さんですから」
七瀬「そういえば、ほとんど予算を回した覚えはないわね、ふふふっ」
夕璃「先輩いつもお金がないって溜息ついてます、クスクスクスっ」
浪馬「自慢じゃないが、学園で一、二を争う貧乏同好会だからな」
七瀬「あら? もう練習はいいの?」
浪馬「休憩だよ」
843 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 14:05:01 ID:???
夕璃「先輩っ はい、タオルです」
浪馬「サンキュー」
七瀬「もう寒くなってきたのにすごい汗。ねえ・・・・織屋君、私が拭いてあげようか?」
浪馬「はあ? い、いきなり何言い出すんだよ?」
七瀬「背中とか、自分で拭きにくいでしょ?」
浪馬「い、いいって!」
七瀬「遠慮することないのに。白井さんにはして貰うんじゃないの?」
浪馬「ないないっ! そんなことないって、ね、夕璃チャン?」
夕璃「はいっ、先輩に頼まれたことはありません」
浪馬「ほら」
七瀬「そうなんだ、ふふふふっ」
浪馬「いきなり変なこと言うなよ。汗拭いてるそばから、冷や汗が出ちまう」
休憩中
「と、いったわけなのよ」
「そりゃ最高だな、はっはっはっはっ」
「でしょ? でもね、まだ先があるのよ、くすくすくす」
「そうなのか? おい、早く教えろよ」
以前の二人を知る者なら、驚いて目を白黒させそうなほど弾む七瀬と浪馬の会話。
夕璃は黙って聞いている。彼女のチャームポイントの大きな目が更に一回り大き
くなっていた。彼女は可愛らしく何度も首を傾げていたが、やがて頷いた。
夕璃「そういうことだったんですね」
849 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:35:07 ID:???
浪馬「なにがそういう事なんだい? 夕璃チャン」
夕璃「はい、先輩達がお付き合いしてたなんて知りませんでした」
浪馬「ぐ・・・ゆ、夕璃チャン、なんでいきなりそんな話に・・・」
七瀬「あら白井さん、どうしてそう思ったの?」
夕璃「とっても仲良さそうです」
浪馬「夕璃チャン、それは君の思い過ご・・・・・」
七瀬「恋人同士に見えるかしら?」
夕璃「はいっ、すっご~く見えます」
七瀬「そう? うふふふ」
浪馬「ちょっと待・・・・」
夕璃「少しビックリしちゃいました」
七瀬「意外だった?」
浪馬「もしもし? お二人さん?」
夕璃「はい。でもお似合いだと思います」
七瀬「ありがとう、白井さん」
浪馬「俺をおきざりにして話を進めるなぁぁぁぁっ!」
10分後 休憩終了
七瀬「自治会の仕事があるから、そろそろ戻るわ」
浪馬「あ、ああ・・・」
夕璃「高遠先輩っ、また来てくださいね」
七瀬「ええ、今度はお茶とお菓子も用意して来ようかしら」
夕璃「楽しみにしてます、クスクスっ」
七瀬「織屋君、今日はありがとう。それじゃ」
浪馬「おう」
七瀬は帰っていった。
850 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:38:04 ID:???
浪馬「しかし珍しいこともあるもんだな。七瀬がうちの部を見学なんてさ」
夕璃「ひょっとして高遠先輩もマネージャーになってくれるんでしょうか?」
浪馬「まさか。そんなことありえないって」
夕璃「そうですよね! 愛し合う二人はいつも一緒ですよね」
浪馬「は? 一緒? だ、だから俺たち付き合うとかじゃ・・・」
夕璃「さっきもすっごく絵になってました」
浪馬「あの、夕璃チャン、俺の話聞いてる?」
夕璃「あんな風に話せるお二人・・・本当に素敵です。映画に出てくる恋人の会話シーン
みたいで、私すごく感激しちゃいました。あ、そうだ。監督さんがいたら、きっと撮影
したいって大騒ぎしたと思います。高遠先輩って笑顔が素敵ですよね? あ、もち
ろん先輩もですけど。それでお二人の視線が優しく絡み合って、まるで・・・・・・」
浪馬「・・・ダメだ。完全にトリップしてる」
タマ「やっほー!」
浪馬「お、なんだよ、タマ。今日はまだバイト大丈夫なのか?」
タマ「うん。ところでさっき高遠さん来てた?」
浪馬「ああ、会ったのか?」
タマ「部室から出てくるの見ただけだよ。でも・・・・・」
浪馬「でも?」
タマ「あれ本当に高遠さんだったのかなあ?」
浪馬「間違いないぞ、な?夕璃チャン」
夕璃「はいっ さっきまで三人でおしゃべりしてました」
タマ「そうなんだ」
浪馬「何かあったのか?」
851 名前:それから[sage] 投稿日:04/10/23(土) 17:41:14 ID:???
タマ「だって・・・部室から出てくるなり嬉しそうに頬に両手当てて、くるりんと回って」
浪馬「え?」
タマ「ニッコニコしながら行っちゃった。もうスキップしかねない勢い」
浪馬「な、七瀬が?」
タマ「あんまり普段の高遠さんのイメージと違うから、私見間違いかと思った」
浪馬「・・・・・」(俺も想像つかねえぜ)
夕璃「先輩とお話してよっぽど嬉しかったんですね♪」
浪馬「ゆ、夕璃ちゃん、その話はまた今度に・・・・」
タマ「嬉しい?・・・ははぁ、キミにもやっと春が来たのかな? どれどれ、話してごらん?」
浪馬「う、うるせーな、お前には関係ないだろ? 彼氏の面倒だけみてろって」
タマ「いいじゃないの。恋愛の先輩である私がアドバイスしてあげるよ?」
浪馬「よ、余計なお世話だ」
タマ「ったく可愛げのない・・・いいよ、夕璃ちゃんに聞くから。で、どうなの?」
夕璃「クスクスクスっ それがですね・・・」
浪馬「だーっ! 夕璃チャン、ストーップ!」
タマ「うるさいなあ。夕璃ちゃん、他の場所で続きは聞くから。ほら行こうよ」
夕璃「はいっ!」
浪馬「こら、待て二人とも・・・・あ、くそっ!」
二人はきゃあきゃあ笑いながら出て行った。
浪馬「完全にオモチャだな。しかし参った・・・こりゃ噂が立っちまうかもな」
(七瀬が可哀想だ。しかしさっき恋人扱いされても平気で、いやむしろ嬉しそうで・・あれ?)
浪馬「う・・・・なんか急にドキドキしてきたぞ」
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