ヤメナサラート錯体


ヤメナサラート錯体(英:Y-Am-en-As-Al-ate complex, yamenasarate complex)、あるいはヤメナサレート錯体は存在が提唱されているアート錯体の一種である。
ヤメナサラート錯体

構造


 ヤメナサラート錯体はAl – Y – Am – Y – Alの5原子の骨格を持ち、トリアルキルもしくはトリアリールアルシンとエチレンジアミンを特徴的な配位子にもつ。
 通常の状態ではAl原子がLewis酸の中心として働き、そこにヒドリドが付加したジアニオンの形での存在が推定されている。そのジアニオンの塩としては二カリウム塩やアルカリ土類金属塩、さらに銅(II)塩や銀(I)塩も考察されている。
 それぞれの金属原子はすべてIII価である。それぞれの原子周りの電子配置はAlが3電子を持ったsp2混成軌道(ヒドリド付加体では4電子を持ったsp3混成軌道)、Yが6電子を持ったsp3d2混成軌道で八面体型とみられている。Am周りはよくわかっていないが、Am3+の価電子は6個であるため、ここではYと同様にした。

歴史


 ヤメナサラート錯体はW.C.61年(西暦2006年)に横島スン太郎によって提唱された。
 その研究の難しさとコストの高さがネックで追従する研究者はほとんどいなかったが、近年になってコールタール田中が顕著な功績を挙げている。

応用と研究


 ヒドリド付加ヤメナサラート錯体はヒドリド還元性を持つと考えられている。また、Am原子とenのN原子の結合が弱く、解離しやすいと考えられており、ヘテロ有機化学での触媒としての応用が提唱されている。しかし、Amは放射性の元素で扱いが難しいため周期表で真上に位置するユウロピウムアナログのイェウエナサラート錯体(Y-Eu-en-As-Al-ate complex, yeuenasalate complex)が研究の途上にある。

参考文献

横島スン太郎(62), 『fブロック元素の錯体化学』, 菅原出版. 

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最終更新:2018年08月31日 16:10
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