武人と魔女 ◆yZGDumU3WM
愚かだ。
なんと愚かなのだ。
それはあまりにも愚かで、醜悪な行為。
復讐。
報復せんと情念に心を焦がし。
相手の息の根を止めるまで果てることを知らぬ妄執。
狂気に等しい行為に身をやつし、何が得られるというのか———。
なんと愚かなのだ。
それはあまりにも愚かで、醜悪な行為。
復讐。
報復せんと情念に心を焦がし。
相手の息の根を止めるまで果てることを知らぬ妄執。
狂気に等しい行為に身をやつし、何が得られるというのか———。
理解などできない。したくもない。
救済———不可能。
できるのは、哀れな妄執に取り付かれた者に、万民の為に止めを刺すことだけ。
それが、『復讐鬼』高町なのは、『あの』プレシア・テスタロッサであろうと———。
救済———不可能。
できるのは、哀れな妄執に取り付かれた者に、万民の為に止めを刺すことだけ。
それが、『復讐鬼』高町なのは、『あの』プレシア・テスタロッサであろうと———。
(殺そう。あの二人を)
それが、己に出来る唯一の解決方法。
何処とも知れぬ土地の、林の生い茂る場所に立てられた神社の境内で、ゼストは座り込み、思考を整えた。
やることは、決まった。
まずは、高町なのはを見つけ出し、殺す。奴は災厄を撒き散らし、無関係な人間を殺害する悪鬼。
こんな馬鹿げた大会に取り込まれる形になるのは癪だが、後々のことを考えれば安いものだ。
あの女は危険すぎる——殺。
何処とも知れぬ土地の、林の生い茂る場所に立てられた神社の境内で、ゼストは座り込み、思考を整えた。
やることは、決まった。
まずは、高町なのはを見つけ出し、殺す。奴は災厄を撒き散らし、無関係な人間を殺害する悪鬼。
こんな馬鹿げた大会に取り込まれる形になるのは癪だが、後々のことを考えれば安いものだ。
あの女は危険すぎる——殺。
次にプレシア・テスタロッサ———「PT事件」の首謀者。
死んだと聞いていたが——まさかこんなことを企んでいたとは。時空管理局に知れたならば、極刑では済むまい——この身は既に死人。
何を躊躇おうか。
これも、殺。
死んだと聞いていたが——まさかこんなことを企んでいたとは。時空管理局に知れたならば、極刑では済むまい——この身は既に死人。
何を躊躇おうか。
これも、殺。
当面の行動方針を決め終えたゼストは、デイバックの中身を確認した———まず、見覚えのあるナイフ。
これは———。
「戦闘機人、か」
気づけば、そうぽつりともらしていた。己の隊を壊滅させ、一度死んだ自分の面倒を見た、銀髪の小柄な少女。
その右目は———奪ったのだ、この手で。
こみ上げて来る苦いものを感じながら、合計十本の投げナイフ<スティンガー>を握りしめる。
武器としては上々である。
槍が無いのは寂しいが、奇襲や自身の身体能力——ストライカー魔導師として鍛え上げた——と合わせれば、下手な接近戦用の武器よりも強力だ。
ナイフの鞘を腰に巻き、固定。何時でも抜けるようにしておく。
戦闘準備完了。
次に、参加者リストに目をもう一度通す。
高町なのは——二名分。意味不明。
数字の名前——戦闘機人たち。警戒の必要あり。
驚愕———ルーテシア・アルピーノの名前。高町なのはが保護していたのではなかったのか——疑問符。
部下の忘れ形見——胸に走る鈍痛。
逝った友——レジアスの忠告を聞いていれば、という思い。
これは———。
「戦闘機人、か」
気づけば、そうぽつりともらしていた。己の隊を壊滅させ、一度死んだ自分の面倒を見た、銀髪の小柄な少女。
その右目は———奪ったのだ、この手で。
こみ上げて来る苦いものを感じながら、合計十本の投げナイフ<スティンガー>を握りしめる。
武器としては上々である。
槍が無いのは寂しいが、奇襲や自身の身体能力——ストライカー魔導師として鍛え上げた——と合わせれば、下手な接近戦用の武器よりも強力だ。
ナイフの鞘を腰に巻き、固定。何時でも抜けるようにしておく。
戦闘準備完了。
次に、参加者リストに目をもう一度通す。
高町なのは——二名分。意味不明。
数字の名前——戦闘機人たち。警戒の必要あり。
驚愕———ルーテシア・アルピーノの名前。高町なのはが保護していたのではなかったのか——疑問符。
部下の忘れ形見——胸に走る鈍痛。
逝った友——レジアスの忠告を聞いていれば、という思い。
決断——できれば保護する——厄介だが高町より先に確保しなければならない。
面倒ごとを背負い込んだ気分。
だが、贖罪———今こそ罪と向き合うとき。
面倒ごとを背負い込んだ気分。
だが、贖罪———今こそ罪と向き合うとき。
そのとき、背後から音がした。
扉の開く音。振り返り、腰のナイフを引き抜き、構えた。投擲と刺突の両方に対応できるよう、両手に。
神社の建物——賽銭箱がおいてあるところの前が、中から開け放たれていた。
目を凝らす———誰もいない。
いや。
漆黒の闇の中を、鮮やかな緑の長髪が揺れた。爛々と輝く瞳——金色に輝くそれが、『あの男』と戦闘機人たちを連想させる。
警戒のレヴェルを引き上げる——狂人と言ってよい科学者、スカリエッティの手先かもしれない。今この場では、巻き込まれたくない相手だ。
年齢———まだ十代半ば程の少女。
人形の様に整った顔は無表情で、月光の下、神々しくすらあった。
扉の開く音。振り返り、腰のナイフを引き抜き、構えた。投擲と刺突の両方に対応できるよう、両手に。
神社の建物——賽銭箱がおいてあるところの前が、中から開け放たれていた。
目を凝らす———誰もいない。
いや。
漆黒の闇の中を、鮮やかな緑の長髪が揺れた。爛々と輝く瞳——金色に輝くそれが、『あの男』と戦闘機人たちを連想させる。
警戒のレヴェルを引き上げる——狂人と言ってよい科学者、スカリエッティの手先かもしれない。今この場では、巻き込まれたくない相手だ。
年齢———まだ十代半ば程の少女。
人形の様に整った顔は無表情で、月光の下、神々しくすらあった。
———魔性を感じる程に———。
奇妙な白い拘束衣を着た少女は、無感動に真ん丸の月を眺めると、ゼストに視線を移した。
金色の瞳が細められ———。
金色の瞳が細められ———。
「なんだ、お前は?」
無遠慮な声が放たれた——よく通る声だ。
つう、と冷や汗が頬を伝うのを感じながら、ゼストは問い返した。
無遠慮な声が放たれた——よく通る声だ。
つう、と冷や汗が頬を伝うのを感じながら、ゼストは問い返した。
「そういう君こそなんだ? 一般人には見えんが、な」
少女が、唇の端をつりあげて笑った。小馬鹿にしたような笑みだ。
「それはお互い様だろう。深夜の寺社仏閣で刃物を構えた中年男——くだらない、ワイドショーの種か、都市伝説くらいにしかならないだろうな」
「それもそうだな———」
少女が、唇の端をつりあげて笑った。小馬鹿にしたような笑みだ。
「それはお互い様だろう。深夜の寺社仏閣で刃物を構えた中年男——くだらない、ワイドショーの種か、都市伝説くらいにしかならないだろうな」
「それもそうだな———」
ふっ、と笑い、相手が武器を持っていないことを確認し、ナイフを鞘にしまう。
両手を頭の上に上げて何も持っていないことをアピールしながら、話しかける。
両手を頭の上に上げて何も持っていないことをアピールしながら、話しかける。
「さあな? 名など忘れたし、答える気もない」
「………いい性格をしているな」
微笑み——魅力的な笑み。
「………いい性格をしているな」
微笑み——魅力的な笑み。
「よく言われる———ところで、ピザはないか?」
「は?」
ゼストの、間抜けな声が、辺りに木霊した。
ゼストの、間抜けな声が、辺りに木霊した。
【1日目 深夜】
【現在地A−4 神社境内】
【ゼスト・グランガイツ@魔法少女リリカルなのは 闇の王女】
【状況】健康 、困惑
【装備】スティンガー@魔法少女リリカルなのはStrikerS×10
【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個
【思考】
1=高町なのはを捜索、抹殺する。
2=プレシアの抹殺。
3=ルーテシアの保護。
【備考】
なのはとルーテシアが『健全な』歴史(Sts)から来たのを知りません。
【状況】健康 、困惑
【装備】スティンガー@魔法少女リリカルなのはStrikerS×10
【道具】支給品一式、ランダム支給品0〜2個
【思考】
1=高町なのはを捜索、抹殺する。
2=プレシアの抹殺。
3=ルーテシアの保護。
【備考】
なのはとルーテシアが『健全な』歴史(Sts)から来たのを知りません。
【C.C.@コードギアス 反目のスバル】
【状況】健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3個
【思考】
1=ルルーシュたちと合流する。
2=ゼストから上手く情報を聞き出す。
3=ピザの捜索。
【備考】
スバルが『Sts』から来たのを知りません。
【状況】健康、空腹
【装備】無し
【道具】支給品一式、ランダム支給品1〜3個
【思考】
1=ルルーシュたちと合流する。
2=ゼストから上手く情報を聞き出す。
3=ピザの捜索。
【備考】
スバルが『Sts』から来たのを知りません。
Back:Wolkenritter | 時系列順で読む | Next:少女の泣く頃に〜神流し編〜 |
Back:Wolkenritter | 投下順で読む | Next:オタクと吸血鬼とレバ剣と |
GAME START | ゼスト・グランガイツ | Next:ギブアンドテイクの契約 |
GAME START | C.C. | Next:ギブアンドテイクの契約 |