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  • リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル
  • Round ZERO ~ SAWS CUNNING(前編)

リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル

Round ZERO ~ SAWS CUNNING(前編)

最終更新:2008年12月06日 18:06

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だれでも歓迎! 編集

Round ZERO ~ SAWS CUNNING(前編) ◆RsQVcxRr96




フランスの哲学者パスカル曰く、人間は考える葦だという。
これは人間とは自然の中では最も弱いものであるが、考えるという特性を持っているとして、思考の偉大さを説いたものである。
人間は未知のものに触れた時、そこに何かしらの疑問を抱く。
そしてその疑問は人間に思考という働きを要求し、思考の果てに知識という宝物を与える。
それを繰り返す事によって人間はこの地上でも有数の知能を得るところとなった。
もっともパスカルは人間以外の思考する生物の存在を考えもしなかったが、これは人間以外の思考する生物全てに通じるものがある。
そしてその中には人間以上の知識を身に付ける存在もいた。

だが、知識が多い事が幸せだとは一概には言えない。
時として知らない事が幸せだったという事態など数多く存在する。
知識を付け過ぎたゆえに滅びの道を歩んだものもいた。
それを知ってしまったがために命を落とす事例もある。
知識とは諸刃の剣だ。
それは神話に登場するパンドラの箱か知恵の実が雄弁に物語っている。
パンドラの箱なら残ったものは希望か絶望か。
知恵の実なら知ってしまうのは希望か絶望か。
どちらも知ろうという行いが軽率な結果を生んだ話だ。

人は時として知るという行為の果てに動けなくなる事がある。
そうなる前に動き出したいものだ。


   ▼   ▼   ▼


空から降り注ぐ朝の陽光がD-4に建てられた学校の白亜の校舎を照らしている。
時刻はもうそろそろこの学び舎に通う者が目を覚まし始める頃合いだろうか。
朝の日差しは身体の調子を整える効果を秘めて、まだ夢現の者に新しい一日が始まった事を伝える時間だ――本来なら、だが。

そんな穏やかな一日の始まりなどこの場所では儚い幻想だ。
ここは殺し合いという名のデスゲームが行われている場所。
招かれた者は総勢60人。
その60人が己の考えに従って生き抜く事6時間。
つい先程デスゲーム開始から6時間後の時刻に主催者プレシアにより最初の放送が入った。
主な内容は禁止エリアと死者の発表、そして力の実演。
設置された禁止エリアは3つ、この6時間で命を落とした者は13人。
聞く者の大半に悲哀と絶望を齎す知らせをプレシアは嬉しそうに告げていた。
誰もがありえないとは思いながらも考えていた事――殺し合いなんて起きないんじゃないかという願い。
その願いは無惨にも打ち砕かれた。
全体の5分の1に相当する者が6時間経過を待たずにこの地でその命を散らしていた。
その事実を知った時、生き残った47人の胸の内に湧き上がった感情は何であろうか。

少なくとも、ここD-4の学校に集った4人の集団には悲しみと怒りに満ちているように見える。
高町なのは、金居、シェルビー・M・ペンウッド、武蔵坊弁慶。
各々の立場も主義も、況してや元いた世界さえも違う4人がこの学校に足を運んだ理由は夜空に咲いた赤い花火、そしてそれに映し出された龍だった。
その正体を確かめるべく4人が学校に着いた時には既に誰も見当たらず、その代わりにいたのは傷ついた赤き龍と二つの死体だった。
4人は赤き龍を新たな仲間に加えて、次にどうするか相談した。

――もしかしたら恐怖に怯えた参加者が校内に潜んでいるかもしれない。

そう強く進言したのは時空管理局のエースオブエースと称される高町なのはだった。
元より4人の中で「可能な限り多くの人を救いたい」という気持ちが最も強い彼女には目の前の学び舎を素通りする気はなかった。
学校と言えば学生にとっては最も身近な建物に相当する。
つまりは戦う力のない者が隠れている可能性が高い。
最初に出会った紫色の髪の少女も見た目は如何にもという感じのどこかの女子高生だった。
彼女もここにいるのではないか。
そんな朧気な期待も抱きつつ、なのはは学校の探索を希望した。

――まあ、いいだろ。

そう答えたのは金居だった。
残りの二人がこの時点で承諾していた以上、金居に否定という選択肢を取る気は皆無だった。
金居としても本来道々の施設は巡る予定だったので、大きく反対する理由はなかった。
プレシアが言っていた放送まで残り約1時間。
その時間を4人は学校での探索に充てる事で合意した。
例の如く満足に戦う力のないペンウッドはなのはとペアで、金居と弁慶は一人ずつで、それぞれ校内の探索に散った。

しかし集合場所に指定した2階の図書室に4人が揃った時、浮かんだ表情は軽い徒労感だった。
結局学校に隠れている戦う力のない者は影も形もなかった。
それなりの時間を費やしたのに大した成果が無かったのは若干の意気消沈を齎す出来事だった。
一応成果と言えるのは保健室で拝借してきた消毒液と包帯だけだった。
そして校庭で手に入れた三つのデイパック。
状況から見てあの恐竜たちの物で間違いないだろう。
なのはは校庭に放置された死体もきちんと埋葬してあげたかったが、それは断念した。
元来校庭とは生徒が運動をする場所として設置されているものであって、簡単に土を掘り返せるようにはなっていない。
柔らかい土の場所を探すという選択肢をあったが、そもそも墓造りはそれに見合った労力を要する。
そんな事で体力を消費するのは得策とは言えない行動だった。
結果、校庭に野晒しにされていた二匹の恐竜の死体には保健室より持ち出したシーツを被せるだけにした。
現在、雨風に晒されないように校舎の入り口に寝かせられた二匹の死体は風に煽られるシーツの下で永遠の眠りについている。
それが精一杯の妥協点だった。

そしてデイパックを調べている内にその時がやって来た。

――さて、皆が待ち望んだ最初の放送の時間が来たわ。

この会場にいる全ての参加者に等しく降りかかるデスゲーム開催の張本人。
稀代の魔導師プレシア・テスタロッサの声が皆に最初の放送を伝える。
聞きたくないという気持ちがある一方で聞きたいという気持ちもある。
3つの禁止エリアの発表の後にその名前は告げられた。
『13』――古来より不吉なものとして認識されてきた数字と同数の死者の名は4人に等しく衝撃を与えた。
そしてその衝撃が収まらない内にさらなる悲劇がプレシアの手によって演じられる。
それの終幕と共に放送は終わりを告げ、しばらく教室には沈黙の帳が下りる。
沈黙の帳は悲哀と絶望によるものに見える。

だが例外があった。
黄色のタートルネックの上に黒いスーツを着こなす理知的な青年――金居。
金居は銀縁眼鏡を弄りつつ悲哀でも絶望でもない感情を胸に抱いていた。


   ▼   ▼   ▼


朝の光が差し込む校舎の中を一人歩く者がいる。
金居だ。
なぜ金居が校舎を散策しているというと、高町なのはと武蔵坊弁慶を連れ戻すためである。

あのプレシアによる放送の後、その二人は教室から立ち去って行った。
弁慶の方は13人もの死者が出た事への怒りから飛び出して行った。
なのはの方は死者の中に知り合いがいた事と親友のアリサの死を再び目にした事で一人になりたいと言って出て行った。
そして結果的に教室に取り残される形となった金居とペンウッドだが、敢えて止める事はしなかった。
金居にしてみれば今は一人にしておく方がいいと考えたから引き止めなかった。
ペンウッドは単に二人に掛ける言葉が見つからなかったから引き止められなかった。
各々の理由で二人は弁慶となのはを引き留める事はしなかった。

しかしあまり単独行動を放置しておくのも何かと不味い。
だから金居とペンウッドは頃合いを見計らって連れ戻そうと思った。
それまでの時間は校庭で手に入れたデイパックの中身の確認と朝食に費やした。

「おい、貴様の方はどうだ」

金居は調べていたデイパックから見つけた砂糖菓子を咀嚼しながらペンウッドに問いかけた。
そのデイパック――アグモンのもの――には大量の菓子が入っていて、砂糖菓子はその一部だ。
それだけでは足りないので基本支給品として配られたコッペパンに砂糖水を付けて食い足してもいる。

「こ、こっちはRPG-7V1と各種弾頭、そして、ト、トランシーバーが2機だ」
「これには菓子セットとよく分からない飾り物? デバイスと書いてあるが……」

調べた結果いろいろ有用な物も含まれていて、いい拾い物になった。
ふと時間を見れば二人が出て行ってから20分程が経過していた。

「俺は二人を探してくる。貴様はあそこの入り口を見張っていろ。何かあったらトランシーバーで連絡を入れるんだ」

この学校は最初に見回った時に確認したが、入口が正面の一つしかない。
あれから常に金居はその唯一の出入り口に目を見張らせていたが、誰も出入りした様子はない。
つまりこの学校には相変わらず自分達4人しかいない事になる。

「あ、ああ。分かった」

ペンウッドも金居の提案に賛成すると、トランシーバーを受け取って見張りの体制につく。
この教室は2階に位置しており、出入り口を見張る分には申し分ない場所だ。

「一応気を付けろよ」

教室から出る際にペンウッドに言葉を投げると、金居はさっさと移動し始めた。

そして現在金居は2階の廊下を歩いていた。
探し人の一人のなのはは屋上に行くと言っていたので後回しにするとして、先に弁慶を探す事を優先していた。

だが金居はただ単に二人を探すためだけに教室を出たのではなかった。
本来の目的は別の所にある。
それは金居の今後を左右する重大な事であった。


   ▼   ▼   ▼


「くそっ!」

まだ暗さの残る教室で弁慶は怒りを感じながら佇んでいた。
弁慶の目の前にはボロボロになった壁が無残な姿を晒していた。
周囲には壁が破壊された際に出た埃が舞い散っていて、窓から差し込む朝日を反射していた。
そんな一種幻想的とも言える光景の中でむさ苦しい巨漢は自らが破壊した壁を眺めている。
目の前に広がる壁は弁慶が怒りに任せて殴りかかってしまった壁だ。
如何に耐震構造が基準を満たしていても、荒くれ元僧侶の拳を受け止めるには至らなかった。

「……ティアナ」

ゲットマシン3号機のパイロットの名前はあっさりと呼ばれてしまった。
弁慶とティアナとの付き合いは短い。
寧ろ出会ってから1日も経っていない。
だがティアナをスバルと共にゲッター計画に引きずり込んだのは自分達だ。
そこに責任が無いとは言い切れない。
つまりは自分達が間接的にでもティアナを殺したという事になる。
ここにいるティアナが自分の知るティアナかどうかはこの際関係ない。

「悩んでも仕方ないか」

元々弁慶は小難しい事を考えるのは得意ではない。
どちらかというと苦手だ。
どれほど苦手かと言うと、難しい話になればついつい眠ってしまうほど苦手だ。
だから頭で考えるより本能に従う方が楽だった。
そうでもなければゲットマシンのパイロットは務まらない。

「それにしてもプレシア! 人の命をなんだと思っているんだ!」

だがそんな弁慶でもはっきりと分かる事がある。
プレシア・テスタロッサ。
彼女は鬼と同類に等しい存在だ。
13人もの命が失われたにも関わらず、それを称賛する態度。
人の命を何とも思わず、さらに実演のために簡単に人を殺す態度。
弁慶が知る鬼と性格的には何ら変わりがないように思えた。
だからこそ余計にプレシアへの怒りが募る。
もしかしたらどこかでアリサを和尚に、13人の死者を寺の僧侶に重ねているのかもしれない。

もっとも弁慶はそこまできちんと考えているというよりは本能的に感じていると言った方が正しいだろう。

「あ、ここにいたか。探したぞ」

ふと教室に弁慶以外の男の声がした。
弁慶が暑苦しいような巨漢と言える声なら、これは涼しげな青年の声と言えた。
声の主は弁慶を探しに来た金居だった。

「おお、金居か。何か用か?」
「貴様の帰りが遅いから探しに来た。単独行動も程々にしておけ」
「お、済まねぇな。それよりよくここが分かったな」
「あれだけ大きな声を上げていたら嫌でも分かる。それぐらい分からないかい」

金居は弁慶を探し始めて数分後、1階の教室で怒りを露わにしている彼をあっさりと発見できた。
もちろん理由は言った通り、弁慶の声が廊下まで響いていたからだ。
探すのに手間が省けた事は助かったが、もう少し注意してほしい。
そう密かに金居は少々呆れていた。

「そうだ。聞きたい事がある」
「なんだ?」
「鬼の事だ。貴様の世界の鬼と呼ばれるものは『知性のない野蛮で獰猛な生物』なんだな」
「ああ、そうだ。知性なんて欠片もないな」

弁慶は金居に再び簡単に鬼の説明を行った。
曰く、鬼とは人智を超えた脅威。その姿はまさしく御伽噺に出てくる鬼そのもの。
群れを成して獰猛な本能の下に人を喰らう異形の化け物。
それが鬼の簡単な概略だ。
しかしこの説明は以前にも皆にもしたはずだ。
何故金居がもう一度聞くのか弁慶には理由が分からなかった。

「これでいいか」
「……もう一度聞こう。本当に鬼に知性というものは存在しなかったのか」
「はぁ……答えは一緒だ。鬼に人間みたいな知性なんて――」
「それは妙だな」
「何がだよ」

弁慶には金居が何を言いたいのか全く分からなかった。
金居は眼鏡の位置を整えると、ゆっくりと自説を話し始めた。

「俺がアンデッド、つまりは不老不死の始祖だという事はもう知っているな」
「ああ、最初に出会った時に確かそんな事を言っていたな」
「アンデッドにも種族は多々あって、その中にジョーカーという奴がいる。またの名を相川始だ」
「相川始? おい、そいつここに――」
「ああ、ジョーカーもここにいる。そしてジョーカーには特別な力が備わっているんだ」

弁慶は金居の難しい話に眠気を誘われるが、その場の異様な雰囲気に依るものか完全に眠りにつく事はなかった。

「ダークローチ。詳しい事は省くが、ジョーカーによって生み出される人類の滅亡を使命とする無数の怪物だ」
「おい、それって……」
「どことなく鬼と似ているだろ」

鬼とダークローチ。
共に人間に害を為す化け物、そしてどちらも知能よりは本能を優先している怪物。
共通点は意外とある。

「そう言われれば似ているな。だけど、それがどうしたんだ」
「ああ似ている。だがダークローチと違って貴様の言う鬼には足りないものがある」
「足りない、もの?」
「頭……つまり元締めのような存在だ」
「あ!?」
「いくら無数の鬼でも最初の一匹が、もしくは鬼を束ねる奴がいなければ普通はおかしい。
 もしも頭のいない集団なら、それは烏合の衆という事だ」

金居の言う事はもっともだ。
鬼は確かに知能なんて見られない怪物だが、全部が全部そうではない。
弁慶は思い出していた。
黒平安京で鬼達を統括していた陰陽師――安倍清明。
鬼や清明を差し向けてきた全ての元凶――四天王。
それに何より現在弁慶達が戦っている鬼は常の鬼とは同じではない。
次元世界や空間座標という存在を知る事によって任意の場所に現れる力を持っていた。
さらにその出現ポイントは徐々に都市部へ近づき、ついにはミッドチルダにまで手を伸ばしたところだ。
明らかに今までの鬼とは違って、いくらかの知性がある。
そんな事を弁慶は今まですっかり忘れていたのだ。

「じゃあ、あの銀色の奴はやっぱり――」
「銀色の奴が鬼かどうかは定かではないが、おかしな点があるのは確かだ」
「そりゃあ、どういう事だ」
「デイパックの数だ。校庭には三つあっただろ。二つは恐竜達の物に間違いないとして……あと一つは誰の物だ」

金居の話はこうだ。
放置されていた三つのデイパックの内、二つは校庭で死んでいた恐竜達の物でほぼ間違いない。
では残り一つのデイパックは誰の物だろうか。
真っ先に思いつくのは黄色の恐竜と行動を共にした件の銀色の奴だが、それなら奴は現在デイパックを持っていない状態だ。
ここでは強大な力を持つ者はその力に何らかの制限が掛けられている。
金居のアンデッドとしての力や高町なのはの魔法などがそれに相当する。
そのような中でデイパックに入っている支給品を使用すれば、実力で劣っていても中身次第では立場が逆転する事もあり得る。
だから無碍にデイパックを放置する理由があまり見当たらない。

それに二匹の恐竜の死体の状態も気にかかる事がある。
二匹の死因は黄色の方が腹を踏み潰され首を捩じ切られて死亡、赤い方が胸を貫かれて死亡。
他に傷づいた箇所もない事からそれは明らかだった。
だがいくら間抜けそうな恐竜でも死ぬ瞬間に抵抗もしないなど考えられない。
もしもそのような事になるとすれば、それは圧倒的な力での不意打ちでしかありえない。
ただの不意打ちでなく圧倒的な力での不意打ちと考えたのは黄色い恐竜の死体が原因だった。
黄色い恐竜の死因は死体から判別できたが、その凶器が問題だった。
首を捩じ切るという行為は頭と首下の身体に別々の力を掛けなければいけないのだが、そのような事ができる道具などほとんど無い。
そんな器用な事が出来るのは人に備わった二本の素手に他ならない。
しかも腹を踏み潰すという行為も下手人の力の異常性に拍車をかける。
つまり二匹を殺した下手人はこの制限下にも関わらずに凄まじい怪力を行使して二匹を抵抗させないまま一気に殺す実力を持っていると考えられる。

「おい、そんな化け物みたいな野郎がいるって言うのか」
「何を言っているんだ。貴様にも心当たりがあるだろ」
「ま、まさか……」
「巨漢の貴様を蹴り飛ばし、すぐさま黄色の恐竜を連れて走り去った銀色の奴。そいつが下手人なら今までの事も少しは説明がつく」

確かにあれほどに力が発揮できていた奴なら、首を捩じ切る事も可能かもしれない。
しかも奴は黄色の恐竜を助けていたから、恐竜から信頼もされただろう。
もしかしたら赤い恐竜に頼まれて助けたのかもしれない。
助けた後で不意を突いて殺すなど容易い事だ。
弁慶を蹴り倒した事も常識のある人が聞けば、すぐに誤解だと分かる内容だ。

「待てよ。もしかしたらペンウッドのじいさんが言っていたアーカードって可能性も……」
「そんな都合よくアーカードに会うものかな。それよりも銀色の奴が手を下したって考える方が筋は通ると思うがな」
「そ、それは……」
「だが、結局はどれも状況証拠からの推論。真相は銀色の奴に聞くしかないだろ」
「確かにそうだ」
「他にも考えられる事はいくつかある。神隼人の事とかペンウッド君の事とか」

そして金居は続けて己の考えを弁慶に披露していく。
それは甘い毒のように弁慶の頭にじわじわと染み込んでいった。


   ▼   ▼   ▼


朝の陽射しが差し込むものの未だ肌寒い廊下を規則正しく歩く音が聞こえる。
よく聞くと足音と共に何やら会話らしきものも聞こえてくる。

「……という訳だ。貴様の意見はどうなんだ」
『あ、あぁ、うん。金居君の言っている事が正しいような気もするが……だが銀色の奴が……その話は少し強引では――』
「あくまで可能性の一つだ。心の隅にでも残しておくんだな」
『わ、分かった』
「弁慶君は少し見回りしてから戻るように言っておいた。俺は今から屋上に行ってくる。ではまた後で」
『あ、ああ。また後で』

ザザッというトランシーバー特有の雑音を最後に響かせて金居は通信を終えた。
今向かっているのはなのはのいる屋上だ。
金居は屋上へと続く階段を上りながら先程の成果を顧みていた。

(弁慶君とペンウッド君への仕込みはあれでいいか。次は……)

金居は目の前に迫った屋上へと続く扉を見据えながら、ゆっくりと金属製の扉を開いた。


   ▼   ▼   ▼


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