リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル内検索 / 「想いだけでも/力だけでも」で検索した結果
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想いだけでも/力だけでも
想いだけでも/力だけでも◆9L.gxDzakI ――力がないのが悔しかった。 ◆ ぐわん、としなる音が鳴る。 空を切り裂くどころでなく、大気を踏み潰さんばかりの重量感。 傷を負わせたは負わせたが、あの程度ではまだ戦闘に支障ないらしい。 極太のミラーモンスターの尾が、彼女の顔面目がけて振り抜かれた。 スバル・ナカジマの頭へと、紫のベノスネーカーの体躯が、鞭のごとく襲いかかった。 ぐっ、と。 思いっきり身を反らして避ける。 まさに間一髪の回避だ。文字通り青色の前髪が、数本千切れてはらはらと舞った。 姿勢を立て直した彼女の元へと、入れ替わりに襲いかかるのは鎧の戦士。 《SWORD VENT》 仮面ライダーだ。 紫電の甲冑を身に纏い、毒蛇の意匠を持った仮面ライダー王蛇だ。 今やコブラの魔人と化した柊かがみが、目にもとまらぬ速... -
◆9L.gxDzakI
...アーカード 130 想いだけでも/力だけでも スバル・ナカジマ、柊かがみ 133 冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編)冥府魔道 ――月蝕・第二章(後編) 八神はやて(StS)、クアットロ、シャマル、セフィロス 142 ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(前編)ロリッ!幼女だらけのクリスマスパーティー ~ボインもあるよ!~(後編) フェイト・T・ハラオウン(A s)、キャロ・ル・ルシエ、ルーテシア・アルピーノ、ヴィヴィオ 148 光なき場所で ――月蝕・終章一節最後の鐘が鳴り止むまで ――月蝕・終章二節君の名を叫んでいた ――月蝕・終章終節楽斗 ――そして終わりなき斗いの歌 八神はやて(StS)、ヴィータ、金居、アーカード、セフィロス、リニス 155 貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編 ユーノ・スクライア 163 第三回放送 プレシア・テスタロッサ、... -
【第3回放送までの本編SS】
...ンペルージ 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 131 がんばれ! ウルトラマンメビウス ◆7pf62HiyTE ヒビノ・ミライ 132 MISSING KING ◆7pf62HiyTE 金居 133 冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編)冥府魔道 ――月蝕・第二章(後編) ◆9L.gxDzakI 八神はやて(StS)、クアットロ、シャマル、セフィロス 134 Barrier Jacket & Guns ◆HlLdWe.oBM 柊かがみ 136 STRONG WORLD/神曲・最終楽章(前編)STRONG WORLD/神曲・最終楽章(後編) ◆vXe1ViVgVI 新庄・運切、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、エネル 137 銀色クアットロ(前編)銀色クアットロ(後編) ◆7pf62HiyTE 八神はやて(StS)、クアットロ 138 Cha... -
【101〜150】
...ンペルージ 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 131 がんばれ! ウルトラマンメビウス ◆7pf62HiyTE ヒビノ・ミライ 132 MISSING KING ◆7pf62HiyTE 金居 133 冥府魔道 ――月蝕・第二章(前編)冥府魔道 ――月蝕・第二章(後編) ◆9L.gxDzakI 八神はやて(StS)、クアットロ、シャマル、セフィロス 134 Barrier Jacket & Guns ◆HlLdWe.oBM 柊かがみ 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 136 STRONG WORLD/神曲・最終楽章(前編)STRONG WORLD/神曲・最終楽章(後編) ◆vXe1ViVgVI 新庄・運切、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、エネル 137 銀色クアットロ(前... -
がんばれ! ウルトラマンメビウス
... Back 想いだけでも/力だけでも 時系列順で読む Next MISSING KING Back 想いだけでも/力だけでも 投下順で読む Next MISSING KING Back Alive a life~ゲームは止まらない ヒビノ・ミライ Next Kな魔王/ダークナイト -
参加者以外のキャラ追跡表
...1日目日中 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 1日目日中 134 Barrier Jacket & Guns ◆HlLdWe.oBM 柊かがみ 1日目日中 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 1日目午後 147 ライダー大戦2010(前編)ライダー大戦2010(中編)ライダー大戦2010(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、浅倉威、柊かがみ 1日目午後 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード... -
タイトル元ネタ【101〜200】
...ナナリー」 130 想いだけでも/力だけでも アニメ「機動戦士ガンダムSEED」の登場人物・キラ・ヤマトの台詞 131 がんばれ! ウルトラマンメビウス アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」第87・88話サブタイトル「がんばれ! おジャマトリオ」 132 MISSING KING 特撮映画「仮面ライダー剣 MISSING ACE」 134 Barrier Jacket & Guns ドラマ等「セーラー服と機関銃」 135 [5RIDERS]希望 特撮「仮面ライダー龍騎 13RIDERS」 136 STRONG WORLD/神曲・最終楽章(前編)STRONG WORLD/神曲・最終楽章(後編) ダンテ・アリギエーリ著の叙事詩「神曲」+アニメ映画「ONE PIECE STRONG WORLD」 137 銀色クアットロ(前編)銀色クアットロ(後編) 漫画「七色いんこ」 138 Ch... -
Nightmare of Shirley(後編)
...順で読む Next 想いだけでも/力だけでも 投下順で読む Next 想いだけでも/力だけでも ルルーシュ・ランペルージ Next 崩落 の ステージ(前編) 泉こなた Next 崩落 の ステージ(前編) ヴィヴィオ Next 崩落 の ステージ(前編) シャーリー・フェネット Next 崩落 の ステージ(前編) 早乙女レイ Next 崩落 の ステージ(前編) -
いきなりは変われない(後編)
...ナカジマ Next 想いだけでも/力だけでも チンク GAME OVER 泉こなた Next Nightmare of Shirley(前編) 早乙女レイ Next Nightmare of Shirley(前編) 柊かがみ Next 想いだけでも/力だけでも -
Barrier Jacket & Guns
...ERS] Back 想いだけでも/力だけでも 柊かがみ Next [5RIDERS] -
Zに繋がる物語/サティスファクション
Zに繋がる物語/サティスファクション ◆7pf62HiyTE 【3】 Geass デルタの最強の技、ルシファーズハンマーは本来対オルフェノク用のものだ。 オルフェノクより遙かに脆弱でなおかつ何の力もない一般人がその直撃を受ければどうなるかは語るまでもない。 ルシファーズハンマーによって赤き炎をあげ瞬時に灰化し散華したはやての死体から視線を逸らしたデルタはジェットスライガーに背を預ける。 「ごめんね……折角呼んであげたのに出番を与えてあげなくてね……」 そう言ってジェットスライガーに謝る。仇討ちを果たした堕天使の心境は―― 「『満足でけへん』……ふっ……満足なんて出来るわけなんてないわよ……」 先程殺したはやて同様、満たされるわけなど無かった。残るのは空虚でしかない。 同時に身体には人を殺したという実感... -
[5RIDERS]
...相川始 Back 想いだけでも/力だけでも スバル・ナカジマ -
マスカレード氏の作品からの参加キャラ
...1日目日中 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 1日目日中 130 Barrier Jacket & Guns ◆HlLdWe.oBM 柊かがみ 1日目日中 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 1日目午後 147 ライダー大戦2010(前編)ライダー大戦2010(中編)ライダー大戦2010(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、浅倉威、柊かがみ 1日目午後 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード... -
H激戦区/人の想いとは
H激戦区/人の想いとは ◆gFOqjEuBs6 このデスゲームに於いて、ホテル・アグスタという施設は比較的幸運な方だったと言える。 では、何が幸運なのか。その答えは、他の施設を見れば考えるまでも無く導き出されるだろう。 何と言っても、このホテルは未だ無傷。つい先程まで、誰もこの場所で戦闘を起こそうとはしなかったからだ。 しかし、いつまでもそんな幸運が続きはしない。このホテルにも、破壊の魔の手が迫っていた。 「このっ!」 少女の叫び声と共に、緑の脚が一直線に振り下ろされた。 しかし、緑の脚が標的を捉えることは無く、振り下ろされた踵落としはテーブルを砕いただけだった。 ど真ん中から真っ二つに砕かれたテーブルを蹴って、仮面ライダーキックホッパーは跳ぶ。 標的は、ちょこまかと回避を続ける漆黒の仮面ライダー、カリス。 宙に浮かび、キックの体勢を... -
BRAVE PHOENIX
BRAVE PHOENIX ◆Vj6e1anjAc 「らぁっ!」 大地を蹴る。 穂先を構える。 鬱陶しいデイパックを放り捨て、アスファルトの地を疾走し、目標目がけて再び殺到。 黒光りする鋼鉄の槍は、今や灼熱に輝く朱色の槍だ。 大振りに構え、一閃。 がきん、と鳴り響くは金属の音。 互いの構える業物が、衝撃にびりびりと振動する。 「ほぅ」 ぽつり、とアーカードが漏らす。 ここに来てあの無敵の吸血鬼が、初めて感嘆の声を上げた。 なるほど確かに、その気持ちは自分でも理解できる。 自分ですらも驚いているのだ。 身体強化も武器強化も、ユニゾン前とは桁違いだ。 烈火の剣精のサポートの成果は、ヴィータの想像を大きく上回るものだった。 ユニゾンデバイスとの融合とは、これほどのパワーをもたらすものなのか。 (でも、まだ十分じゃねえ) それ... -
原作シリーズからの参加キャラ
...1日目日中 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 1日目日中 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 1日目午後 140 崩落 の ステージ(前編)崩落 の ステージ(後編) ◆HlLdWe.oBM シャーリー・フェネット、早乙女レイ、ヴィヴィオ、ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、ルーテシア・アルピーノ 1日目午後 144 Blue Swear―――蒼い誓いWärter―――灯台守 ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夕方 154 ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない一人分の陽だまりに 僕らは居る ◆vXe1ViVgVI アンジール・ヒューレー、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夕方 169 突っ... -
阿修羅姫
阿修羅姫 ◆HlLdWe.oBM 機動六課隊舎。 H-3南部という海に程近い立地条件にあるこの建物はこの場に集められた者達の約半数が馴染みのある建物だった。 元々はここと同様の臨海部に設立された隊舎の面積は試験部隊にしては十分なものだった。 新庄・運切とフェイト・T・ハラオウン――どちらも『運命』に関する名を持つ者。 早乙女レイによって巡り合わされる形となった二人はアパートでの小休止を経て、ここ機動六課隊舎に到着したのは日が昇ろうかという時間だった。 新庄にもフェイトにも馴染みのない隊舎に二人が足を運んだ理由は新庄に支給されたデバイスによる進言だった。 そのデバイス、ストームレイダーの情報によると隊舎にはヘリが備えられているとのこと。 実際スマートブレイン社屋上から新庄自身も隊舎の屋上にあるヘリの姿を確認していた それを使う事ができれば移動や捜索の面において有... -
少女、その想い
少女、その想い ◆UOleKa/vQo アパートのに寄りかかるように金髪の少女が佇んでいた。 その少女、フェイト・T・ハラオウンを今構成しているのは、戸惑いと混乱、この言葉だけだ。 虚数空間に落ち、死亡したと思っていた母が生きていた、それは嬉しい。どうやって生き延びたのかは分からないが、素直に喜べた。 だが、何故殺し合いなど、あの母が冗談など言わないことは誰よりもよく知っている。 それに、母に歯向かい首輪を爆破……殺された人についても考えるべき点は多い。 アリサという自分の親友と同じ名前の少女、それに応えていたなのはと——自分と同じ名前、同じ声の女性。 名簿を見てみれば確かに自分の名前が二つある。 気になるのはなのはとはやての名前も二つあるということだが、こちらは今一わからない。 「この人も、母さんって言っていた……」 どういう事なの... -
魔法少女、これからも。(後編)
魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 次元の狭間の闇を、進む。 無限に広がる世界を繋ぐ、次元空間の大海原を、黄金の舟が進んでいく。 最期のスターライトブレイカーが放たれた直後、聖王のゆりかごのレプリカは、次元航行モードへの移行を完了した。 高町なのはの命の輝き――あの桜色のビッグバンが、ヴィヴィオが最後に見た光景となった。 生きざまを、最後まで見届けたのだ。 「っ……う、うぅっ……」 そしてだだっ広い玉座の間では、1人の少女がうずくまり、抑えた嗚咽を響かせていた。 これで本当に独りきりだ。 プレシアのデスゲームからの生還者は、本当に自分1人だけになってしまった。 想いを汲み取ったはずなのに。 それがなのはの心からの願いだと、納得した上で撤退したはずだったのに。 それでも涙が止まらない。 悲嘆と後悔と自責の涙が、次から... -
バイバイ
バイバイ ◆Qz0BXaGMDg 地上本部。 このデスゲームの会場の中心に建っている建築物。 その前に彼らは居た。 遊城十代、クアットロ、シャマルの三人だ。 十代は仲間との再会を。 クアットロは手駒と使える道具を探そうと。 シャマルはクアットロに若干の違和感を感じながら。 この建築物の前に立っていた。 (さてと、地上本部に着きましたけれど……) 隣にいるシャマルと十代を見ながら、クアットロは今後どうするかを考えていた。 (正直……ここにカードがあるとは思えませんねぇ) 最初、クアットロは地上本部で手駒――人員の確保と同時に、カードとデュエルディスクを探そうと思ったのだ。 (ですが……十代君の世界に在ったという建物、デュエルアカデミア……) そう。 十代との話の時に出てきたデュエルアカデミアと... -
Paradise Lost(後編)
Paradise Lost(後編) ◆9L.gxDzakI ――逃げろ。 全神経が警告を発する。 人間の理性などではない、本能的な感覚が、絶え間なくフェイトに撤退を促し続けている。 この存在には勝てないと。どう足掻いても、こいつを倒すことは不可能だと。 これほどまでに絶望的な勝負になど、挑んだことは今までなかった。 闇の書の闇との戦いでさえ、仲間達と共に戦うことで、勝利をこの手に掴むことができた。 だが、今のこの状況はどうだ。 こちらが一方的にスタミナを削られているだけで、相手には未だ一撃も通っていないではないか。 あの手この手を駆使しても、こいつは容易くその上を行く。掛け値なしに強すぎる。 それこそ前述の闇の書の闇のような、ずば抜けた力を持った存在とは確かに戦ってきた。 だが少なくとも、魔導師に限定するのであれば、この龍は今まで戦ってきた... -
日々の未来(5)
日々の未来(5) ◆gFOqjEuBs6 メビウスの遥か前方の雑居ビルに、馬鹿でかい穴が開いていた。 それは今し方自分が開けた穴。コーカサスを吹っ飛ばした穴だ。 穴の奥を凝視すれば、コーカサスアンデッドがもう一度立ち上がり、走り出していた。 奴の考えは解る。先程まで圧倒的に有利であった自分が、こうも一方的にやられる事が納得出来ない。 だからそんな事実を覆さんと、何度でも立ち上がり、メビウスを倒す為にその拳を振るう。 「そんな筈がない! メビウスなんかに、この僕が!!」 「このメビウスには、ミライと、俺達の想いが込められている!」 「そうだ……! 最早お前如きに負けるような力じゃない!」 アンジールに続いて、天道が声高らかに宣言した。 それに同調する様に、黄金の光の中、一同が一歩を踏み出す。 この光の中で、自分達の想いは一つとなった。“... -
あの蒼穹に磔刑にしてくれたまえ
あの蒼穹に磔刑にしてくれたまえ ◆9L.gxDzakI ゆらり。 ゆらり、ゆらりと。 幽鬼のごとき漆黒の影が、茫洋とした朝日の中で揺らめいている。 一歩一歩踏み出すたびに、ロングコートの裾からぱらぱらと粉がこぼれ落ちた。 元々は生き血のごとき真紅に彩られていたコートも、今は炭化してぼろぼろになっている。 そんなものに身を包んでいながら、しかし悠然たる不死王(ノーライフキング)は、全くの無傷で歩を進めていた。 右手に担ぐは白銀の十字架。 パニッシャーの封印は既に解かれ、その無骨なフォルムが外気にさらされている。 左の肩からはデイパックを提げ、吸血鬼はただただ黙々と前進するのみ。 アーカードがここまで誰も会わずに辿り着けたのは、偶然によるものがかなり大きかった。 あの学園から川を渡るには、HELLSING本部の傍にある橋を渡らなければならない。... -
戻らないD/柊かがみ
戻らないD/柊かがみ ◆gFOqjEuBs6 嗚呼、こなた。 私はあんたに、なんて謝ればいいんだろう。 あんたは最後の最後まで、こんな私を信じてくれてた。 人を殺めてのうのうと生きる、どうしようもないクズを救ってくれた。 そして最後は無常にも、あの女の刃に――。 混濁する意識の中で、柊かがみが思い出すのは最後に残った親友の事。 青い髪の毛を揺らして、いつだって能天気に笑っていた。 だけども、その笑顔は本当は誰よりも優しい笑顔で。 アニメやゲームが大好きな彼女は、得意分野の話となれば何時にも増して笑顔になった。 振り回されてばかりだったけど、あの子と一緒に居る時間は楽しかった。 いつも素直になれなくて、怒ってばかりだったけど、今なら言える。 私はあの子と、そして他の皆と過ごす時間が何よりも大好きだった。 (今更ズルいわよね、... -
魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム
魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム ◆19OIuwPQTE /01「決死の一手」 少し遠くで激しい戦闘音が聞こえる。 確認するまでもなく、なのはとキングが戦っているのだ。 それに引き摺られるように、仮初めの世界が鳴動する。 その振動でヴィヴィオの首筋に当てられた真紅のレイピアが僅かにぶれ、出来 た傷から血が一筋溢れる。 ユーノは思わず駆け寄りそうになるが、辛うじて自身を押し留める。 「どうした、応えられないのか?」 「………………ッ!」 そんなユーノの様子などお構いなしに、金居は答えを要求する。 ユーノは拳を握り、歯を食いしばる。 そして搾り出すように、ゆっくりと答えた。 「…………僕たちはこの【E-5】にあると思われる、“参加者を望んだ場所に転 移させる魔法陣”を使って脱出を考えていた」 ... -
王の財宝 ~天地鳴動の力~
王の財宝 ~天地鳴動の力~ ◆7pf62HiyTE Chapter.01 天地鳴動の力 デュエルアカデミア売店に爆音が轟いた。 売店のシャッターが爆破された、その様子をデュエルアカデミアの生徒である早乙女レイは唖然と見ていた。 何故こんな事になっていたのか?順を追って振り返ってみよう。 そもそもレイは想い人である遊城十代を守る為に武器として使えるデュエルモンスターズのカード及びデュエルディスクを確保する為にデュエルアカデミアに来ていた。 だが、目的の物は見つからずあると思われる売店もシャッターが施錠されていた。その後、玄関に血痕を発見し負傷者がいると思われる保健室を見張っていた。 その際にスバルに発見され手持ちの銃は没収されてしまい、更に負傷者であるルルーシュ・ランペルージはレイに対して警戒をしていた。 だが、レイはルルーシュの様子を見て彼がスバル達... -
第二回放送
第二回放送 ◆9L.gxDzakI 12時間。 早いようで遅いようで、あれから既に12時間だ。 この81マスの箱庭にて、血と狂乱の殺戮劇が幕を開けてから、実に半日が経過しようとしていた。 表向きに言及することはなかったが、かの大魔導師が規定したタイムリミットは48時間。 要するに、間もなく4分の1もの時間が経過しようとしているということだ。 12時を迎える。 デスゲーム開幕の瞬間から、実に12時間ぶりに、時計の両針が頂点を指す。 12とはすなわち正午。 午前と午後を二分する、境界の時間が目前に迫っている。 12とはすなわち6プラス6。 6時間ごとに行われる定期放送の2回目が、間もなく始まろうとしている。 12時間。 分数にして720分。 秒数にして8640秒。 これから流れる放送は、その膨大な時間の振り返りだ。 ... -
太陽(後編)
太陽(後編) ◆7pf62HiyTE ここで万丈目準に関して1つのエピソードを語ろう。 約2年前、彼は度重なる敗北等からデュエルアカデミアを飛び出した事があった。その際に自身のデッキも失ってしまったがその後自らの力でカードを集め姉妹校であるデュエルアカデミアノース校に編入しトップにまで上り詰めた。 そしてその後、デュエルアカデミアとの対抗デュエルでアカデミアの代表と決闘する事になった。 万丈目が相手という事でアカデミア本校の生徒からは楽勝と見られていたが、ノース校の生徒達からは当然の事ながら代表である万丈目に大きな期待をかけられていた。だが、少なくとも万丈目にとってはこの対抗デュエルはそれだけの事では無かった。 実は万丈目には優秀な2人の兄がおり、万丈目は兄達から強大の落ちこぼれだと言われていた。 その兄達がこの対抗デュエルの場にやって来て自分達主催でテレビ中... -
H激戦区/ハートのライダー
H激戦区/ハートのライダー ◆gFOqjEuBs6 スバルがその拳で漆黒のライダーを吹っ飛ばしたのとほぼ同時、こちらでも状況は変化しようとしていた。 緑の装甲の仮面ライダーが、赤いコートの男に羽交い締めにされ、子供の問答の様なやりとりを繰り返す。 我武者羅に腕を振るうだけでヴァッシュの腕から抜けられる訳も無く、そんなシュールな光景を延々と続けていたのだ。 次第に募りに募りまくった苛立ちもMAXを向かえたのか、キックホッパーの叫びがさらに甲高くなった、その時。 装着者である柊かがみの内側から聞こえて来る声は、かがみを安心させるものであった。 「あぁもう……わかったわよ、あんたに従う! だから話して……お願い」 「本当かい? 離した瞬間にドン、なんて御免だぜ?」 「あんたなら私にそんな隙を与えないでしょ? もう解ったから……鬱陶しいのよ。 話だけでも聞... -
きみのたたかいのうた(後編)
きみのたたかいのうた(後編) ◆Vj6e1anjAc ◆ 「ん……このっ……」 じたばたと身をもがかせようにも、うんともすんとも動かない。 振動破砕を当てようにも、手も足も動かせないのでは意味がない。 ISの効果が及ぶのは、両手両足の先端のみだ。 故に逃れることもできず、スバルはただ拘束されるがままとなっていた。 五体を余すことなく包み込む翼が、淡い白光を放って顔面を照らす。 肌をなめるその光が、いつでも絞め殺すことはできるんだぞと言っているようで、ほんの少し腹が立った。 「さて、と……君にいくつか聞きたいことがあるんだ」 眼下からヴァッシュの声が響く。 うつ伏せの姿勢で縛られていたため、相手の顔は直接見下ろすことができた。 「まず1つ。君はどうしてそんなに怒ってるんだい? ひょっとして僕、何か気に障ることでもした?」 最初の問いかけか... -
Zに繋がる物語/白銀の堕天使
Zに繋がる物語/白銀の堕天使 ◆7pf62HiyTE 【2】 Powerless 轟音が響き渡ると共に、スバルは意識を取り戻した。 「ん……んっ……」 彼女のいる場所はC-9にあるジェイル・スカリエッティのアジト、その内部にある戦闘機人の修復を行う事の出来る生体ポッドの中だ。 少し前、こなたの仇討ちをする為はやてを殺そうと仮面ライダーデルタに変身した柊かがみを止める為交戦したものの惨敗した。 だが彼女の凶行を止める為、そしてなのは達と共にこのデスゲームから脱出する為、戦闘機人であるスバルはここの施設を使い自身の身体の治療……いや、修理を行っていた。 ポッドに入った彼女はこれまでのダメージも大きかったせいかすぐに意識を手放した。そして先の轟音と共に意識を取り戻したのだ。 スバルはすぐさまポッドから出て脱ぎ捨ててあった服に再び... -
日々の未来(3)
日々の未来(3) ◆gFOqjEuBs6 「……ガッ……ハ――」 「え……?」 だが、可笑しい。何時まで経っても、なのはが夢想した最期の時は訪れない。 それどころか、聞こえて来たのは別の男の呻き声。何が起こったのかと瞳を開ける。 そこに居たのは、なのはを庇う様に立ち塞がった黒髪の男――アンジールであった。 コーカサスに背を向け、背負ったバスターソードと己の身でコーカサスの攻撃を受け止めたのだ。 当然、無事でいられる訳も無く、バスターソードは粉々に砕かれていたし、アンジールの身体だってぼろぼろの筈だ。 そうなる事は解って居た筈なのに……何故、アンジールは自分を守ったのだろう。 「何……で」 「クアットロが……言っただろう。時には身を呈して……仲間を守らねばならない……と」 「……!!」 アンジールの言葉に、はっとした。 確かに... -
誰がために彼の者は行く
誰がために彼の者は行く ◆RsQVcxRr96 シャーリー・フェネットは途方に暮れていた。 いきなり訳の分からないまま殺し合いに巻き込まれて。 いきなり訳の分からないまま襲われて。 いきなり訳の分からないまま殺されかけて。 いきなり訳の分からないまま17歳という短い生涯を終えるところだった。 しかしそうはならなかった。 無我夢中火事場の馬鹿力と言うべきか。 シャーリーの渾身の蹴りは見事襲撃者エネルを撃退したのだ。 そこにはいくつかの偶然があったのだが、シャーリーはそんな事全く知らなかった。 無事に生きている、それだけで十分だった……外見はそうではなかったが。 死に瀕した際に流れた大量の汗が身体と制服を存分に湿らせていた。それに加えて乙女の尊厳が…… 何はともあれ、シャーリーは落ち着いて着替えができそうな場所に向かう事にした。 ... -
狼煙
狼煙 ◆9L.gxDzakI ――ああ、また天音ちゃんの友達が減ってしまった。 二度目の定期放送を聞いた相川始が、率直に浮かべた感想だ。 読み上げられた死者は9人。 やはりというか当然というか、彼に直接関わってくる人間の名は読み上げられていない。 そもそも始自身に関係のある人物など、金居と呼ばれていたギラファアンデッドか、まだ見ぬもう1人のアンデッドくらいだ。 金居の名が呼ばれた気配もない。故に彼にとっては他人事。 故に、彼の思考は己ではなく、栗原天音の友たる2つの名へと向けられる。 フェイト・T・ハラオウンと八神はやて。 一度目の放送で呼ばれた高町なのはと同じく、自分にとって大切な少女の友人の名だ。 大人のアリサの存在や、メールの文面の違和感から、まだ本人であるという確証はない。 だが仮に本人だとするならば、きっと彼女は悲しむだろう。 ... -
燃える紅
燃える紅 ◆Vj6e1anjAc 別に、大層な正義感があったわけじゃない。 騎士の誇りもどぶに捨て、大切な人を救うために、その人との約束に背いた身だ。 辻斬りまがいの行為に手を染めてるあたしらに、今更正義を説く資格なんざありゃしない。 天下の管理局に盾突いて、はやてと同い年くらいの子供にまで牙をむいた。 外道だ悪党だと罵られたって当然さ。 だけど、言い訳することが許されるなら、せめて1つくらいは弁解させてほしい。 あたしらだってこんなこと、本当はしたくなかったんだ。 あたしらは長く戦いすぎた。もう二度と戦いたくなんてなかった。 そして、はやてはそれを叶えてくれた。 戦うことしかできなかったあたしらに、人並みの穏やかな暮らしを与えてくれた。 戦うことしか知らなかったあたしらに、人並みの感情というものを教えてくれた。 だからもし許され... -
Knight of the Rose(前編)
Knight of the Rose(前編) ◆9L.gxDzakI ――ざくり。 地を掘り返す音がする。 ざくり、ざくりと音は続く。 全てが灰色に染められた、コンクリートの街の中、しかし土を掘る音が鳴り響く。 ざくり、ざくり、ざくり。 1人の男が土を掘り、1つの人型を穴へと横たえた。 いかに路地裏と言えども、アスファルトで舗装されたその場所に、土など残されているはずもない。 否、しかし。 そこには確かに大地があった。 そこにあるべき灰色の床は。 既に粉々に打ち砕かれていた。 さながら隕石の衝突のような、激烈な破壊による傷痕。 砕け、潰れ、貫かれ、街中でもその場所だけが、茶色い大地をさらしていた。 「……許しを請おうとは思わん」 静かな男の声が、呟く。 爆砕された墓穴の、その真ん中で眠る少女へと。 哀惜の色に染まる瞳が... -
サンダー遭難中... そして、バクラの考察
サンダー遭難中... そして、バクラの考察 ◆Qz0BXaGMDg 何故だ。 何故こんなことになっている? なんで、なんで…… 「なんで誰にも会えないんだ!!!!!!!!!!!」 『あんまり大声出すなよ宿主サマ。周りに聞こえちまうぜぇ。……まぁ、そう言いたくなる気持ちはわかるけどよ』 万丈目とバクラは、今スーパーの前に居た。 あれから東にある市街地に向かった二人(実際には一人だが)は、近場で尚且つ人が居そうな場所――という訳でスーパーに向かったのだ。 だが、スーパーの中には結局、人は見つからなかった。 いや、それどころか先程居た場所からこのスーパーに行くまでの間に、誰にも会えなかったりする。 いや、本当に…… なんか……こう…… 『同情するぜぇ、宿主サマ』 「うるさい!!! 少し黙ってろバクラ!!!」 ... -
戦いの嵐、再びなん?
戦いの嵐、再びなん? ◆Qpd0JbP8YI まだ外は暗く、闇が隔絶するその部屋で、二人を邪魔するものはない。 先ほど部屋に響いたバイクの排気音のよすがも消え、今は静寂が支配する。 戦い、そして大切な人の死。 八神はやてにとって慣れぬそれは未だ重石のように彼女にのしかかっていた。 傍目からでも分かる彼女の普段ならぬ様子はセフィロスとて気にならないわけではないが、 かといってそれによって彼のその氷のように冷感たる面差しが消えてなくなるわけではない。 「仮面ライダーとは何だ?」 やがてその重く、厳粛とも言える空気の中でセフィロスは口を開いた。 「……仮面ライダー」 八神はやてはそれを聞くと、涙を拭い、思い出し、 確認するかのようにゆっくりと呟き、たどたどしく説明を加えていった。 「私がこっちに来る前までに出会った... -
Wolkenritter
Wolkenritter ◆9L.gxDzakI 頼りない月明のみが周囲を照らす薄暗闇の中、灰色のジャングルが広がっていた。 建ち並ぶ巨大なビルの群れ。賑やかな街並みの面影を残したそこは、しかし人っ子1人すらいないまま静まりかえっていた。 夜中という時間帯もあるが、それでもまだこれくらいなら、ネオンも光っているだろうし、車も走っていてもいい頃である。 そしてそれらすらもない無明の街の中、ヴォルケンリッターの湖の癒し手の姿は随分と浮いていた。 「あれがフェイトちゃんのお母さん、プレシア・テスタロッサ……」 歴戦の勇士たるシャマルは、その穏やかな性格の割には冷静に状況を分析する。 この異常自体の中、その様子は逆に異常なものにさえ見えた。 クロノやユーノからは、プレシアは目的のためには自分達以上に手段を選ばない、過激な人間だと聞いている。 しかし同時に、元... -
抱えしP/DAYBREAK'S BELL
抱えしP/DAYBREAK S BELL ◆7pf62HiyTE はやての猛攻を避ける為、なのはは距離を取ろうと森の中を駆ける。 『距離が開き過ぎています、逃げたと判断されればMs.かがみの方に矛先が向けられますよ』 「今のはやてちゃんなら私を逃がしたりはしないよ!」 そう言いながらビットによる猛攻を避けつつ移動を続けた。ビットによる猛攻も目に見えて減少し周辺に静寂が訪れる。それはさながら嵐の前の静けさの様な―― なのはは息を整えつつ自身の持つ道具を改めて確認する事にした。 まずは自身の相棒ともいうべきレイジングハート、搭載されているカートリッジは未だ未使用だがあくまでもこれははやてに一撃を入れる為の切り札、使い所を誤るわけにはいかない。 『ですが、使わないで仕留められては意味がありません。そうなればMs.はやては私のカ... -
ピカレスク
ピカレスク ◆9L.gxDzakI ――悪役、とは一体何だろう。 悪とはすなわち、社会において否定されるべきもの。道徳や法律などといった、世界の正義に反するものだ。 その行いを為し、社会から憎まれ、忌み嫌われる存在が、総じて悪役と呼ばれるようになる。 であれば彼女は、物語の本筋から見れば、れっきとした悪役となるのだろう。 世界のルールに背いた。正義の存在に反逆した。多くの人間を傷つけた。 たとえその胸中がいかなるものだとしても、客観的に見れば、彼女の存在は悪でしかない。彼女はそうして生きてきた。 それでも、今、この場においては―― ◆ がちゃり。 金属の音が鳴り響く。 腰まで伸ばした栗毛の長髪をたなびかせ、ディエチは自らの得物を油断なく構える。 戦闘機人ナンバーⅩの引き金・イノーメスカノン。 トリガーから伝わっ... -
絶望の罪人~夜天の主~
絶望の罪人~夜天の主~ ◆jiPkKgmerY 眩い光がその戦いを照らしていた。 片や巨大な十字架をまるで小槌のように易々と振るう、赤コートの男。 片や十字架以上の長さを誇る剣を自分の手足の如く操る、銀髪の男。 市街地の中央。 平常な世界であれば人々が賑わすその道にて二人の人外が演舞を続けていた。 傍目にも相当な重量だと分かる十字架が常人には知覚不能な速さで振るわれる。 常人だったら振り上げる事すら叶わない長剣が竹刀と見違えるかのように軽々と振るわれる。 互いに互いを高めあうかのようにスピードを増していく戦闘。 ―――果たしてこれは人間同士の戦いなのか? 八神はやてはその争乱の百メートル程離れたビルの上、茫然と二人の舞を見つめ、疑問を浮かべた。 魔導師同士の高速戦に慣れたはやてでさえも目を見張る程、その戦闘は異常である。 手元に愛用のデバイスがあっ... -
13人の超新星(1)
13人の超新星(1) ◆WslPJpzlnU ● 「……………………………………」 ● 太陽の光が強くなり、空は赤色に輝いた。 一辺倒の赤色ではない。金色ともいえる白い太陽を中心にした朱、だが上方を占めているのは水色から次第に変色していった藍色、そして赤と水色の緩衝となるのは黄緑色だ。 俗に言うマジックアワー、晴天の早朝と夕暮れ時にしか現れない天然のグラデーションだ。 全天が虹になったようですらあるこの時間帯は、蝋燭が燃え尽きる寸然のように全てを輝かせている。 川面、草木の表面、大地、あらゆるものが強い光によって照らし出され、何もかもが熱を帯びたように火照った色合いとして映る。比例して濃くなる影との対比は、それこそ地に降りた太陽を焚き火にして囲んでいなければ浮かびようがないほどの強い落差だった。 そんな中、一際強く光... -
魔法少女、これからも。(中編)
魔法少女、これからも。(中編) ◆Vj6e1anjAc 先行したガジェットの軍団が、聖王のゆりかごへと向かっていって。 3人組の妹達が、それを追うように出撃して。 高町なのはとユーノ・スクライアの2人が、彼女らを迎え撃つために出てくる。 「聖王陛下サマは出てこないのね」 ドゥーエは脱出艇の操縦席につき、その光景を頬杖をつきながら眺めていた。 「出せないのよ。ゆりかごのシステムは、彼女の生命反応がなければ機能しないから」 「それもそうか」 どうやら敵はこちらの逮捕よりも、ゆりかごによる逃走を優先させるつもりらしい。 なるほど、あのボロボロな状態ならば、その方が賢明な判断か。 ウーノの返事を耳に入れながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。 その傍らで長女の五指は、せわしなくキーボードを叩いている。 戦況に応じてガジェットのAIを書き換え、戦術を... -
日々の未来(1)
日々の未来(1) ◆gFOqjEuBs6 満月が美しく煌めく夜の市街地で、轟々と音を立てて燃え盛る建造物があった。 先の戦闘でアンジールが放ったファイガによって炎上、その後の戦闘で壊滅的な被害を被ったスーパーだ。 最早スーパーとしての機能を維持する事は難しい。燃え落ちるのも、時間の問題であった。 そんなスーパーを目前にして、向かい合う四人の男女。ここまで生き残った参加者達だ。 まさに一発触発といった空気。誰が行動を起こしても可笑しくはない。 「貴方が、銀色の鬼……?」 そんな中、警戒心を露わにしながらも質問を投げかけたのは、高町なのはであった。 対する相手は、銀色と赤の――とても人間とは思えない外見をした参加者。 その正体は、ウルトラマンメビウスことヒビノ・ミライ……なのだが、当然の如くなのははそれを知らない。 ウルトラマンが正義のヒ... -
貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編
貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編 ◆Vj6e1anjAc 空気が白い。 無色無臭であるはずの大気が、色と匂いを伴っている。 視界を遮るのは不透明な白。 鼻腔をくすぐるのは硫黄の臭気。 すなわちそこに漂うものが、本来大気中にあるはずのない異物であるということ。 そして白くて硫黄の匂いに混じっているのであれば、それすなわち温泉の湯気と見て間違いなかった。 『それで、これからどうされますか?』 「もちろん、ルーテシアと明日香を止めに行く。それが当面の目標だよ」 湯煙の中で響くのは人の声。 少年とも少女とも判然としない、高い人間の声だった。 ちゃぷ、ちゃぷ、と。 男性風の機械音声と会話する声の傍らで、温泉の水音が静かに鳴る。 見ればそこにあるものは、湯船に浸かる1つの人影。 更に注意して見てみれば、その有り様が見て取れた。 ... -
Lを継ぐ者/あなたがいるから
Lを継ぐ者/あなたがいるから ◆7pf62HiyTE 『ところで――具体的な行動については何も決まっていないとのことですが――』 「いや、一応幾つかは考えているよ――」 今後の行動方針は幾つか浮かんでいる。 まず、当初の予定通り結界を破る手段の模索――前述のプランがほぼ潰れたとはいえ、諦めたわけではない。 まだ見落としている何かがあるかも知れない、それを見つける為にも今後もジュエルシードや夜天の書等ロストロギアを集めていった方が良いだろう―― 次に首輪の解除――元々Lが行う筈だったそれをユーノが行うのだ。 幸か不幸かユーノの手元には首輪が1つある。このまま工場かスカリエッティのアジトに向かい解析を行うのも1つの手だ―― 他に仲間達との合流もある、その為には人が集まっているであろう市街地やホテル・アグスタといった施設に向... -
湯けむり旅情!夜天の書
湯けむり旅情!夜天の書 ◆7pf62HiyTE B-7にある海鳴温泉、そこに天上院明日香が近付いていく。 彼女はチンク、ルーテシア・アルピーノ、ユーノ・スクライアと共にH-6にある病院に向かっていたが、ルーテシアと明日香の体力を考慮しチンクだけが先行する事になった。 その後、3人は後を追う形で病院に向かったものの突如光と風の暴流が襲ってきたのだ。幸い暴流についてはユーノがフェレットから突如人間の姿に変わり防御魔法を展開したことで防ぐことは出来た。 だがその後が問題だった。突如ルーテシアがユーノを刺し、明日香すらも襲おうとしたのだ。 明日香にとって最大の問題は人を殺そうとするにしてはルーテシアの感情が全く無かったことだ。 過去に明日香は危機的な状況に追い込まれた事が無いわけではない。だが、その相手は何れも何かしらの感情が存在していた……しかし、ルーテシアにはそれが... -
Lを継ぐ者/Sink
Lを継ぐ者/Sink ◆7pf62HiyTE 『放送は僕――オットーが担当させていただきました。』 淡々とした声による放送が終わった―― 西の空を見ると赤い夕日が沈んでいくのが見える―― 東の空を見ると赤い満月が昇っていくのが見える―― そして周囲を闇が空気を染めていく―― それに呼応するかの様に―― 彼の心も暗い闇に沈んでいく様だった―― 『マスター――』 声を発したのは『人』ではない――フェイト・T・ハラオウンのデバイス閃光の戦斧バルディッシュ―― 『彼』は自身のマスターであるフェイトの死を悼んでいた―― ショックがないと言えば嘘になる―― 出来れば無事に再会したかった―― だが、それは最早叶わぬ事だ―― この場にいた2人のフェイトが自分の世界及び時間軸のフ... -
Kな魔王/ミライノヒカリ
Kな魔王/ミライノヒカリ ◆gFOqjEuBs6 日も沈もうと言う夕暮れの市街地を、静寂が支配していた。 ドーム型のバリアの内部で、涙を流す青年が一人。 その外側から、欠伸をしながら退屈そうに眺める仮面が一人。 「ようやく死んだか」 「……!?」 くつくつと、嘲笑うような気味の悪い声が聞こえた。 ふらりと立ち上がり、振り返る。視界の先には、先程の仮面。 罪の無い人間の命を奪った悪魔・ゼロが、目の前に居た。 「うう……うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……」 呻き声。 愛憎と、怒りと、悲しみと。 様々な感情が込められた呻き声を発するのは、ミライだ。 烈火の如き怒りをその瞳に宿らせて、ミライはゼロを睨んだ。 「どうして……どうしてこの人を殺したんだ!」 「質問の意味が解らないな。ならば逆に質問しよう この殺し合いの場で... - @wiki全体から「想いだけでも/力だけでも」で調べる