時空管理局・特別捜査部。
八神はやてはJS事件終了後、機動六課長の任を解かれ特別捜査官へと復帰した。
守護騎士達にも支えられ、権限においても大きな自由裁量を与えられており、西走東奔、忙しい毎日を送っていた。
なお、浮いた話は一つとて無し。
「これの報告書出したら休暇貰ってみんなで温泉でも行こうか?」
自分のデスクに向かいながらはやてはリイン2に話しかける。
「行きましょう!!守護騎士のみんなでゆっくりするです!!」
リイン2が両手を挙げて賛成する
「八神捜査官、部長が呼ばれていましたよ」
捜査官仲間がパーティーションの向こうから身を乗り出して話しかける。
「部長が?何でや?」
「さあ?このタイミングは十中八九お小言ですよ」
「前の事件で何かやってもうたかな?」
「俺の勘は良くあたるんですよ。気を付けてください」
「出向調査、ですか?」
「出向というよりも潜入捜査だな」
数刻後、はやては捜査部長の部屋で新しい任務の概要を伝えられていた。
「現在、セテウア世界群では今のところ低強度とはいえ、世界間戦争中だ」
「十年ぐらい前からやっとりますね」
「そうだ、今のところ通常の魔導兵器のみとはいえ、何時大量破壊兵器が使われるか判らん状態だ」
部長は一度言葉を区切る。
「互いに居住可能な惑星を制圧しあう局地戦が中心とはいえ何時暴発すともわからん。戦況はこう着状態にある」
「私の任務は大量破壊兵器、最悪ロストロギアの保有の有無の確認ですか?」
はやては基本的に密輸や違法魔道士の捜査が本領としている。戦争地域にロストロギアが持ち込まれる可能性は高い。
「いや、今回は君には戦争犯罪の調査を行ってもらう」
「・・・戦争犯罪ですか?」
あまり聴きたい言葉では無い。
「八惑星連合で最強といわれている部隊、強襲旅団“赤い蠍”、同隊には民間人の虐殺の容疑が掛かっている」
「“赤い蠍”?」
「そうだ、管理世界エーペックスの統治政府であるG.O.Aの大統領の暗殺未遂事件を起こした・・・」
「ちょっと待ってください!!どうやって最前線の部隊と接触するんですか?」
思わずはやてが話を遮る。
「最初に潜入といったろう?」
ちなみにはやては貧(ry
「“赤い蠍”内で戦争犯罪の証拠を収集すること。それが今回の任務だ」
「・・・フリーの従軍記者にでも変装するんですか?」
「身分に関しては大丈夫だ。八惑星内の親管理局派が身分を用意してくれている」
はやての疑問に部長が机の中から封筒を差し出す。
「中に必要な八惑星連合軍内の身分証に命令書が入っている。案件に関する資料もだ」
どうやら今回の任務を拒否することは出来ないようだ。
「休暇・・・」
「何か言ったかね?」
「いいえ、何も・・・。失礼します」
はやては肩を落として部屋を出た。
最終更新:2008年01月17日 19:42