「つまんないなぁ。」
その日、高町ヴィヴィオは学校から帰った後退屈そうにしていた。それもそうだ。宿題もない面白い事もないママも仕事でいないの三拍子が揃っているからだ。
ボーッとしていたその時、突然ヴィヴィオの前に青いクリスタルが現れたかと思うと、体を淡い光が包んだのだから…。
「ママ!助けて。」
ヴィヴィオはそう叫んだ。だが次の瞬間、ヴィヴィオはその世界からいなくなった。
同じ頃、ここはナンバーズの更生施設。チンクは休憩時間に散歩をしていた。ふと、足元を見ると青いクリスタルのカケラが落ちていたのだった。
「何なんだ、これは。」
帰ってギンガにでも聞こう、そう思い、帰ろうと振り向いた時、チンクの体は淡い光に包まれ、チンクもまた、ヴィヴィオと同じ様にこの世界から消えた。
その頃、管理局機動6課のオフィス。アギトは資料の作成に四苦八苦していた。
「クソッ、上手くいかねぇ。」
その傍らにはヴィヴィオ達の近くにあったクリスタルのカケラがあった。
それは、ルーテシアにあげようと思っていた物だった。アギトはそれを手に取り呟いた。「ルールー喜ぶだろうな。アッ、アレ?」
しかしアギトは気付いた自らの体が淡い光に包まれたことに。
そしてアギトもこの世界から消えていった。三人が消えた直後、ミッドチルダは黒い闇に包まれた。そして、機動6課それとチンク以外のナンバーズは闇に取り込まれていく。
次々と取り込まれていく仲間達。
なのははこう叫んだ。「ヴィヴィオォー。」一方、ここはとある次元にある、ポップスター。ヴィヴィオ達三人は草原の上に倒れていた。
「起きてよ。ねぇ起きて!」
「う、う~ん。」
ヴィヴィオが起き上がるとそこには、ピンクの光が漂っていた。
「ここはどこ。あなたは誰なの。」
「ここはポップスター。私の名前はリボン。ごめんなさい巻き込んでしまったみたいね。あなたとそこにいる二人を。」
「私は高町ヴィヴィオ。それとそこにいる二人って誰?」
振り返るとそこには、アギトとチンクがいた。
「そこにいる二人ってまとめんな!私には、烈火の剣精アギトって名前があるんだ。」
「私はナンバーズの5番チンクだ。何が起こっているのか、説明してもらおう。」
チンクは、スティンガーを構えた。
「待って!説明するわ。あなた方が何故ここに来たかというと、あなた方の拾ったクリスタルを転移させたからなの。」
「何故、転移させる必要があった。」
「それは、あなた方の世界を闇が覆ってしまったからなの。」
「何ッ!じゃあ、妹達はどうなったんだ。」
「ママは、ママは!」
「たぶん、闇に取り込まれたんだと思う。」「そんな!」
「ママ…。」
「闇に取り込まれたら闇の中心に行くんだと思うの。どうなるかはわからないけど。」
「闇の中心…。」
「そこに行けばママに会えるんだよね。」
「えぇ、そうよ。」
「だったらママを助けに行く!」
「無理よ!道中は危険なのよ!とても行けっこないわ。」
「それでも行く。だってママは一度私を助けてくれたから今度は私が助けなきゃ。」
「そうだな。ここで待ってるよりはマシだ。」
「仕方ねぇ。お前らだけじゃ心配だから、このアギト様も着いてってやるよ。」
「分かったわ。案内してあげる。でもそこに行くためにはクリスタルのカケラがないとクリスタルの力だけがその場所に導いてくれるの。」
「そのクリスタルのカケラを集めればいいんだな。楽勝だぜ!」
「そんなに簡単じゃないわ。クリスタルのカケラは魔獣達が持ってるのよ。」
「魔獣って何だ?」
「闇の力で作られたモンスターよ。魔獣はとても強いわ。あなた達だけじゃ殺されてしまうわ。」
「でもなぁ。て、ヴィヴィオ!何だ、そのピンクの丸い生物は!」
アギトは、ピンクで丸い生物を連れたヴィヴィオに言った。
ヴィヴィオは満面の笑みで答えた。
「そこに居たの。で、お友達になったんだ。」
「お友達ってなぁ。そいつが魔獣かもしれないじゃねぇか。」
「違うわ!その子は私の友達で魔獣と戦っている、星の戦士の最後の一人にして最強の戦士カービィよ。」
「最強?この丸い生物がか?」
チンクは丸い生物カービィを指差すと言った。
「えぇ。闇の魔獣の中でも最強クラスのナイトメアを倒したのよ。」
「マジかよ…。」
「でもそれが本当ならば心強い。早速、出発しよう。」
「それじゃあ、ママの所にレッツゴー♪」
「大丈夫かよ…。」
「ペポ?」
「ごめんね、カービィ。またあなたの力を借りるわね。」
「ポヨ!」
「ありがとう、カービィ。」
こうして、烈火の剣精と戦う為に作られし悲しき少女達は、最後にして歴代最強の星の戦士とクリスタルの妖精に出会ったのだった。
星のカービィリリカル次元を超えた出会い
プロローグ
「少女と星の戦士」
~fin~
next
第1話
「星の願いと絆」
最終更新:2008年01月20日 10:13