その事実は残酷だった。

初めは信用できなかった。

誰もが疑った。

信じたくなかった。

助けたい人達が戦うべき相手なんて。

信じたくない。

真実と思いたくない。
認めたくない不安があった。

けれど、アイツは全て吹き飛ばしてくれた。
例え道を阻まれようが
ボロボロになろうが

アイツを信じて

行こう!どこまでも!
星のカービィリリカル次元を超えた出会い

始まります。


ここはデデデ城。デデデはワドルディに命じ、食料と衣服、テントなどを用意しリボン達を待っていた。

「しかし、リボンちゃん達、遅いの。」

「大丈夫です。リボンちゃんですから。」

「そうやな。」

デデデと気さくに話しているワドルディは以前リボンと共に旅をした仲間の一人だ。二人が談笑していたその時城に轟音が響き渡った。

「な、なんや!?何が起こったんや。」

「敵襲!敵襲~!」

すると衛兵が叫びながら城内に駆け込んで来た。

「陛下、報告します。青い髪の女と赤い髪の女が襲撃、既に我が方は兵力の半数を失っております。このままでは、全滅です。陛下、ワドルディ副隊長と共にお逃げ下さい!」

「逃げれられたら困るんだよ。」

赤い髪の女~ノーヴェは自らの武器ガンナックルを向けながら言った。

「ここは、対カービィの前線基地となるからね。」

青い髪の女~スバルはそう言ってリボルバーナックルを構えた。

「カービィ達をどうするつもりや!答えようによっちゃあ只じゃおかんデ。」

「何言ってんの。消すに決まってるでしょ。」

スバルの後ろから現れたツインテールの女~ティアナは答えた。

「け、消すやて!いい加減にせぇやぁ!」

そう言うとデデデはハンマーを片手に三人に突撃した。

「バカね。」

その頃ヴィヴィオ達はデデデ城へと急いでいた。すると、デデデ城の方に火の手が見えたのである。

「何かあったんじゃ。とにかく、急ぎましょう!」

「うん!」

「マテッ、誰か居る!」

チンクはそう言うとスティンガーを構え、アギトは両手に炎を灯した。
そして、目の前の草むらを調べるとどうだろう、そこにはボロボロの状態のデデデとワドルディが居たのだ。

「どうしたの!何があったの!」

「リボンちゃんか…。城が襲撃されて、私と陛下は逃げのびたが、もうすぐ、追ってが…」

「しっかりして!デデデも!」

「すまんな。情けないデ。たった三人の女にやられるなんてな。」
「三人の女?」

チンクはデデデが言った言葉について質問した。

「ああ、そうや。アレは強かった。」

(回想)
デデデはハンマーを弾かれノーヴェに一方的に殴られていた。

「どうした!そんなもんか。」

「まだや。まだまだぁ!」

「いい加減にしなさいもう負けは決まってんのよ。」

「陛下お逃げ下さい。ここは私が。」

「隊長!」

「フッ、陛下を頼む!ウオォォ!」

そう言って隊長はスバル達に突っ込んでいった。

「邪魔しないでね。」
スバルはそう言うと、青い魔力を溜め、隊長に向け自身の最大の魔法を放った。

「ディバィーンバスタァー!」

「グアァァッ!」

「隊長オォー!」

「隊長が自らを囮にしてわい達を逃がしたんや。」

「そしてその命もここで尽きるのよ。」

「鬼ごっこは終わり。覚悟して。」

「ぶっ飛ばしてやるからよ!」

デデデがそう言った直後声が響いた。

「チッ!もう追いつかれたんか!」

「バカなそんなハズはない。」

「嘘だろ…。」

チンクとアギトは驚愕した。そこにはノーヴェ達が居たのだから。

「スバル!お前どうして!」

「関係ないでしょ。消えなさい。」

「危ないッ!」

チンクはそう言うと、スバルへと、スティンガーを投げた。スバルが避け、地面に刺さったのを見ると自身のISを発動させた。

「ISランブルディトネイター。」

すると、スティンガーは爆発したのだがスバルの姿はなく、そこにはノーヴェがいた。

「ふざけんな。くらえ。」

アギトも火炎弾を放つが当たるようすはない。

「へっ、この程度かよ。」

「こいつら、カービィって奴の仲間だったのか。丁度いいぜ、纏めて消してやる。手をだすなよ。」

「ま、待てノーヴェ!姉だ。チンクだ。」

「あぁ!そんな奴知らねぇなぁ!」

「そんなッ!」

チンクは愕然とした。自らの妹が自分を殺そうとしているのである。

「お前とは戦いたくない。」

チンクはそう言うとスティンガーを落とした。

「ハッ、潔いな。分かった。お望み通り、一番に消してやるよ。」
そう言ってノーヴェはガンナックルを構えエネルギー弾をチャージし、放った。

(すまない、皆助けられずに先に逝くぞ。)

チンクが諦め、目を閉じたその時!

「カービィ!吸い込んでぇぇ!」

「ポヨッ!」

「な、嘘だろ。」

ヴィヴィオが叫ぶと同時にカービィがエネルギー弾を吸い込んだのだ。そして、カービィは空中で一回転した。すると、赤い鬣がつきⅨの文字が刻まれたヘルムが装備されノーヴェの物と同じガンナックルとジェットエッジが装着されたコピー能力《ナンバーカービィⅨ》が現れた。

「力をコピーした所でこっちの方が上だぁ!」

そう言うとノーヴェはカービィに向かって次々と攻撃を繰り出した。
しかし、ノーヴェの放つ射撃をカービィは鋭いステップでかわしていくと《ISブレイクライナー》を発動させ、一気に距離を詰めて来たのだ。

「クソッ!ISまで。この当たれッ当たれぇ!」

「ポヨォォッ!」

「グハッ。この野郎ォくらえぇ!」

ノーヴェはカービィに殴られた瞬間、ジェットエッジを最大にし、回し蹴りでカービィを吹き飛ばそうとした。
「オラァッ!」

「ポヨッ!」

カービィは蹴りを受け流すとその勢いでノーヴェの頭に回し蹴りを叩きこんだ。そして、次々とコンビネーションパンチを決めていった。

「が、ガハッ、グハッ、ガッ!ま、未だだ、まだ。」

「もう止めろ!これ以上やったら。」

「アレでいいのよ。」
「何故だ!どうして!」
「闇に操られているんだとしたら倒すしか元に戻すには方法がないの。」

「そんな!」

「グアァァッ!」

「ノーヴェッ!」

チンクは叫んだ。今にも張り裂けそうな思いを込めて。
カービィが終わらそうと攻撃しようとした瞬間その場にエネルギー弾が降り注いだ。

「ノーヴェ~大丈夫ッスかぁ!」

「ウェンディ!」

そこにはISを使い飛行しているウェンディの姿があった。

「一旦引くわよ。」

「分かった。」

ティアナとスバルはそう言うとウェンディのボードに捕まった。

「次に会うときは、全員消してやるからな!」

「デデデ城で待ってるッス。」

「ノーヴェ、ウェンディ!」

「次はないわ。」

そう言うとティアナ達は去っていった。チンクはその姿を見た後、リボン達に向かって話した。ノーヴェは自分と同じナンバーズで妹だと言うことを。

「酷い。闇に操られて姉妹と戦うなんて。」

「分かってくれたんなら、ノーヴェのこと任せてくれるか。」

「えぇ、分かったわ。」

「助かる。」

リボンがそう言うとチンクは静かに言った。
「じゃあまたいつか。」

「ちょっと、待って、一人で行くつもりかよ。」

「これは、姉妹の問題だ。姉の私が止めるしかない!」

「分かったよ。勝手にしやがれ。」

「ああ、そうさせてもらおう。」

そう言うとチンクは立ち去った。


バラバラの心、それぞれの思い。カービィ達はこれから一つになれるのだろうか…。次回を待て!


星のカービィリリカル次元を超えた出会い
第二話
「紅の融合機と青い魔導師」
~fin~
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第三話
「姉と妹」Aパート

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最終更新:2008年02月02日 19:28