助けたい

ただ、ひたすらにそう願っていた

ただ見ることしかできなかった

でも今は違う

姉として姉妹を止めてみせる、助けてみせる!

この命が例え尽きたとしてもこの手で救ってみせる!

だから、今は一人でいく

帰ったら謝ろう

星のカービィリリカル次元を超えた出会い

始まります。

ここは、デデデ城正門前。そこにチンクは一人佇んでいた。

「ここか…。ここにノーヴェ達が…。」

「待ってたッスよ!」
「今度こそ消してやるぜ。」

チンクは声のした方を向くとそこにはウェンディとノーヴェが立っていた。

「挑むところだ。せめてこの手で目を覚まさしてみせる。」

「ゴタゴタウッセェーんだよ!くらいやがれ!」

ノーヴェはそう言うとチンクに殴りかかったが、チンクは全て避けるとスティンガーを連続で投げつけた。しかし、そこにウェンディが割り込み全てを弾かれたのでチンクはISで爆発させ、吹き飛ばした。壁に叩きつけられたウェンディは叫んだ。

「やるッスね!こうで無くちゃつまんないッス。」

「仕方ねぇ。連携でいくぞ!」

「分かったッス!」

「来い!決着をつけよう!」

三つの影は、一斉に仕掛けその場を閃光が覆った。
スティンガーが飛び交い、ガンナックルが火を噴き、エリアルキャノンが唸る。ISを限界までに駆使しながら、戦うチンクだったが、やはりそこは二対一数の利で段々と押し込まれていった。

「クッ、やはり何らかの強化を受けているか。動きが違う。」

「何ブツブツ言ってんだよ!オラァ!」

「グアッ!クッ、未だだ!」

「隙ありッス!」

「ガハァッ!」

ノーヴェの蹴りをくらった直後にウェンディがエリアルキャノンを至近距離で放ち吹き飛ばされるチンク。

「観念しやがれ!」

「終わりッスよ!」

「ここまで、か…。」

エリアルキャノンとガンナックルの二つのエネルギー弾が当たる直前、一台の一輪バイクが目の前を通り、チンクを抱えて過ぎ去った。

「何やってんだデ!」
「お前は!何故来たんだ!これは姉妹の問題だ!私が救ってやるしかないんだ!」

チンクがそう言うとデデデはチンクを叩くと言った。

「いい加減にせぇやぁ!自分を捨てて何が救うや。自分を大切に出来ん奴に人を救う資格はないんやぁ!」

「アナタはバカです。自分だけで抱え込まないでください。出会ったばかりですけど私はあなたを仲間だと思ってるんですよ!」

ワドルディもそう言うと微笑んだ。

「だって私達はもう友達ですから。」

「そうや。友達や!」

「デデデ…、ワドルディ…。」

「それにワイらだけやないデ。」

「え、お前ら!」

「気になるから来ただけだからな。別にお前の為じゃねぇぞ。」

「大丈夫!助けに来たわ。」

「チンクお姉ちゃんは、もう友達だもん。」

チンクが見た先にはヴィヴィオ達が立っていた。

「よそ見はいけないッス!」

放たれるエリアルキャノン。しかしその光がヴィヴィオ達に届くことはなかった。直前にデデデがハンマーで弾いたのだ。

「今度は負けんデ!」
「挑むところッス!」

「かかって来やがれ。帰り討ちにしてやるよ。」

ノーヴェが挑発している内にエリアルキャノンを放とうとチャージしたウェンディはデデデに向けて放っただがしかし、

「させません!」

「な、魔法障壁!?」

ワドルディがとっさにプロテクションを張り防いだのだ。

「覚えておいてよかった。(ありがとうございます、先生方。)」

ワドルディは自身に魔法を教えてくれた、とあるフェレットになれる男と次元航行艦の艦長そして共に明日を語った蒼き守護獣を思い出して呟いた。

「本気でいきます!セットアップ。」

そう言うとワドルディはマントをはおり、グローブをはめるというバリアジャケット姿になった。その手にはストレージデバイスが握られていた。

「魔導師だろうが関係ないッス!ノーヴェこいつらは私がやるッスよ。」

「分かったよ。こっちもやる気らしいからな。」

ノーヴェの目の前にはナンバーカービィが立ち塞がっていた。

「カービィ、頑張れぇ!」

健気に応援するヴィヴィオ。激戦が始まろうとしていた。


~ウェンディVSデデデ&ワドルディ~

ウェンディと激戦を繰り広げるデデデ達だが今一つ攻め安久ねていた。それは何故か。簡単だ。向こうは飛べるのだ。こちらも一応飛行は出来るがデデデのは戦闘に向かず、ワドルディはウェンディほどの機動性はない。決め手がなかった。

「このままやとジリ貧や。ワドルディ、アレ、行くデ。」

「分かりました。アクセルシューター、ファイヤ!」

「誘導弾?この程度!」

そう言って弾幕の中を交い潜っていくウェンディ。それがワドルディの狙いだったのだが。

「今だ!そこッ、スティンガーレイ。」

「やばいッス、避けなきゃ…ウワッ!」

ウェンディが避けたと同時に無数の魔力の矢が降り注いだ。避けた直後の隙をつかれ、直撃を受けて、ウェンディの動きが止まった。
「今です!陛下!」

「おっしゃあぁ行くでぇ!」

ハンマーをかざし迫るデデデにウェンディは逃げようとするがその両足は鎖によって縛られていた。

「ディレイドバインドですよ。」

ワドルディは笑いながら言った。

「や、ヤバいッス。危機ッス!」

「これでしまいやぁ!」

デデデはそう言うと、ジャンプした。するとデデデのハンマーの後部からブースターが現れたのだ。そして、ブースターを全開にし高速回転しながらウェンディに突撃していった。

「ラケェーテンハンマァーッ!」

「ぐ、ガアァッ!」

それはかつて、この地にいた鉄槌の騎士ヴィータの魔法であった。そして、その技をくらったウェンディは城の城壁に叩きつけられ意識を失った。


~ノーヴェVSカービィ~

カービィとノーヴェの激戦は続いていた。お互いに隙を付かせまいと蹴りと蹴り、拳と拳の打ち合いを繰り広げていた。
カービィがノーヴェを蹴れば、ノーヴェがそれに対しカウンターの拳を放ち、ガンナックルを放てば、避けられるという風に一進一退の状況であった。
しかし、天はカービィに味方した。カービィが何発目かの拳を避けた時、目の前にウェンディの盾が飛んで来たのだ。

「カービィ吸い込んで。」

ヴィヴィオがそう言うとカービィは盾を吸い込んだのだ。
すると、カービィは巨大な盾を持ち、額にⅩⅠと刻まれた姿《ナンバーカービィⅩⅠ》となったのである。

「コピーしたくらいで。」

そう言って突っ込んでくるノーヴェ。カービィは盾を構えると砲身をノーヴェへと向けるとエリアルキャノンを放った。

「こんなのどうってこと、グアァッ。」

ノーヴェがそう叫ぶと同時にその身体にカービィの持つ盾がめり込んだ。
そして、ゼロ距離で最低出力のエリアルキャノンが放たれた。

「こんなのでやられるもんか。」

そう言って倒れるノーヴェ。すると、その周りが闇に包まれていったのだ。

「ノーヴェ!ウェンディ!」

ウェンディも同様に闇に包まれ、そのまま宙に浮かび上がる。
するとその場には、存在しないハズの存在が現れた。

「ギャアァオォォ!」
魔獣ヘビーロブスターである。ノーヴェとウェンディはその後ろでクリスタルの球体に閉じ込められてしまったのだった。


待ち受ける魔獣。そして、この先に待つスバル達。ヴィヴィオ達は救うことが出来るのだろうか。

星のカービィリリカル次元を超えた出会い
第三話
「姉と妹」Aパート
~fin~

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第三話
「姉と妹」Bパート

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最終更新:2008年02月02日 19:27