1話 時を越えろ 空を駆けろ
第97管理外世界 地球 ゴルゴム神殿
今、仮面ライダーBLACK 南光太郎とゴルゴムとの決着が付こうとしていた。
「最後だ! 創世王!!」
BLACKが、サタンサーベルを創世王に向かって投合する。
投げられた剣は創世王のバリアを貫き創世王を串刺しにした。
「フグァッ・・・・、見事だブラックサンだがこれで終わったわけではない・・・・・」
「貴様をシャドームーンとともに異世界へ飛ばす!シャドームーンを倒し創世王になれば元の世界に戻ることも容易い・・・・」
「そうはさせんぞ! 創世王!!」
BLACKは阻止するため、ライダーキックを放つ。
「創世王を決める戦いは終わらん! さらばだ! ブラックサン!!」
BLACKの抵抗も虚しく創世王による移転は発動する。
「――ッ・・・創世王ォォォォォォオオ!!」
創世王が消滅するとともにゴルゴム神殿は崩壊する・・・・・
そして仮面ライダーBLACK、南光太郎とシャドームーン、秋月信彦はこの世界から消えた・・・・
■■■
「これは・・・ゴルゴムの仕業か?」
光太郎は空港の屋上で目覚めた。
だが、その空港は普通ではなく、火に包まれ地獄を連想されるものだった。
「おのれゴルゴム、罪の無い人々の幸せを引き裂くとは・・・・絶対に許さん!!」
t突如、光太郎の耳に助けを求める声が響く。
「――聞こえる・・・・助けを求める声が・・・・今もどこかで助けを求めている!」
少しでも早く、苦しんでいる人々を助けるために・・・・
光太郎は精神を集中させ両拳を引き寄せ、強く握り締める。
「変――
腰に拳をあて、左手を逆方向に伸ばし半円を描くように回転
―――身!
掛け声と同時に両手を一気に右側へ振り切る!
瞬間、光とともにエネルギーが吹き荒れた!
―――その時、不思議なことが起こった―――
キングストーンは瀕死の創世王の時空移転により傷つき
キングストーンは光太郎の体から分離し、変身が不完全になってしまったのだ。
そして、その体はキングストーンの魔力によって構成される。
そして光太郎は,仮面ライダーBLACKに変身する、・・・はずだった
「この姿は・・・・BLACKの姿ではない・・・・」
その姿に仮面は無く、それはBLACKの格好を魔術師にしたようなものだった。
共通点といえばベルトと胸の世紀王のエンブレムぐらいだ。
姿は違うものの感覚は鋭くなり、体は軽い、熱も遮断したようでただの服ではないようだ。
「間に合ってくれ! トゥア!!」
どんな姿になろうが助けることができれば関係ない・・・・
光太郎は救助に向かうため空港の屋根を拳で突き破り火の海に飛び込んでいった。
「だめだ!だめだ!こっちはだめだ!」
「この先にはまだ少女が・・・クソッ!」
数人の男たちが己の無力さを嘆く時、天井が崩れ瓦礫が崩れ轟音が響く。
黒いバリアジャケットを纏う青年、南光太郎だ。
その本人はバリアジャケットのことなど、知るよしもない。
「大丈夫ですか!?」
「管理局の魔術師か!こっちは大丈夫だ!それよりもこの先にまだ少女が取り残されているんだ!」
聞きなれない単語に光太郎は考える。
(管理局?魔術師?やはり僕は異世界に来てしまったのか?それにこの姿はいったい・・・・)
「頼むぞ・・・!」
「わかりました!」
光太郎は男の願いを聞き、火に突っ込んでいく。
「すごい・・・・火に飛び込んで・・・」
「・・・大丈夫そうだな、彼に任せてみよう。時期に彼女も来る」
女神像の傍で少女、スバル・ナカジマは泣いていた。
「こわいよう・・・・家に帰りたいよう」
火に取り残された少女は、泣いて、力なく助けを求めていた。
そんな少女に残酷にも、女神像の台座が砕け始めスバルに向けて崩れてきた。
「あ・・・・!」
時すでに遅し・・・・このままではスバルは女神像に押しつぶされてしまうだろう。
だが・・・!
「ライダーチョップ!!」
直径100mmの鉄棒を切断をも切断するライダーチョップが女神像を一刀両断していた。
切断された女神像は見事にスバルを押しつぶさず、その両脇へ倒れる。
「もう大丈夫だ・・・よかったな・・・ッ!」
光太郎は嬉しそうな表情でやさしく少女を両手で抱き上げた。
その時だった管理局魔術師、高町なのはが遅れて到着したのは・・・
見たこともないBJを纏う光太郎になのはは声をかける。
「あなたは・・・・?」
突然の呼び声に光太郎は瞬時に振り向き叫ぶ。
「空を飛んでいる!貴様ゴルゴムかッ!?」
優しかった光太郎の表情は一瞬にして鬼の形相に変わる。
そのあまりの変化にスバルは小さく咽せてしまった。
南光太郎・・・人生最大の勘違いである。
「ゴ、ゴルゴ!?・・・ち、違います!私は時空管理局魔術師、高町なのはです!」
「管理局・・・!では貴方が!」
光太郎は先ほどの男たちから管理局や魔道士の言葉を聞き、なのはを味方と判断した。
「この子を頼みます!僕は次の救助へ向かいます!」
光太郎は勝手に一人合点したようで、なのはにスバルを預け、すさまじい跳躍で視界から消えていった。
あまりの速さになのは唖然とするばかりだった。
スバルの救助を終えたなのはは、さっきの青年を探しへいく。
そう思ったよりも時間はかからず青年は救急車の瓦礫に座り込んでいた。
沈んだ表情をしていて考え事をしているようだった。
なのはは青年へ近づき声をかける。
「救助お疲れ様」
青年ははっとした表情でこちらを向き、愛想よく微笑む。
「まだ名前聞いてなかったね、あなたは?」
「僕は南光太郎といいます。なのはさんでしたね?あの・・・管理局とは?」
「あなた・・・時空遭難者みたいだね」
「時空遭難者・・・そうだと思います」
「なら、管理局に来てくれないかな?もちろん悪いようにはしないし、いろいろ聞きたいこともあるから・・・・」
「わかりました・・・もう僕には行く場所はありませんから」
光太郎は考えていた。
(創世王が戦わせるために、この世界に送ったなら・・・信彦は・・・・信彦は生きている!
信彦、僕は諦めない・・・僕は運命を変えて見せる!)
異世界に来て戦友も、家族も、故郷までも失った光太郎にとって信彦は唯一の希望だった。
信彦を救う、そう決意すると光太郎はなのはについて行くのであった。
最終更新:2008年02月23日 09:33