Dragon Blade


「お姉ちゃん……」

オフィスビルの一室で、柊つかさは膝を抱え部屋の隅で座り込んでいた。
その体は、恐怖心の為に震えている。
いきなり、訳も分からぬままに見知らぬ場所に呼び出され。
殺し合いをしろと告げられ、目の前で二人の人間がその命を奪われた。
友人とも、そして大切な姉とも離れ離れにされた。
こんな状況では、恐怖心に心を支配されるのも無理は無い。
ちなみに、奇しくもこの時……彼女の姉であるかがみもまた、同様の状態に陥っていた。

「……会いたいよぉ……」

会いたい。
姉に、友達に。
つかさは入り口のドアへと目を向け、しばし考える。
ここでじっとしていても、何も始まらないのは分かっている。
しかし、外にはどんな危険があるかも分からない。
そんな二つの思いが、つかさの中で交錯する。
その為、外に出る決心が中々つかず動けないでいたが……その時だった。


ガチャ。


「!!」

ドアノブが動いた。
誰かがこの部屋へと、入ってこようとしているのだ。
つかさの表情が凍りつき、その身は強張る。
かがみやなのは達が来てくれたという、希望的観測は出来なかった。
恐怖心がそれを妨げてしまっていたのだ。
そして、ドアが開かれ……一人の男が、部屋の中へと入ってきた。

「何か気配がするかと思ったら……やっぱり、誰かいやがったか」
「あ……」

入ってきたのは、ガタイの良い長身の男。
その目つきは悪く、目があった瞬間につかさは思わず身を竦ませ、視線を逸らしてしまった。
しかし……本当に彼女が恐怖を覚えるのは、この直後だった。
彼女の視線は、男の手に向けられ……そして彼女は見てしまったのだ。
その手に握られている、一振りの日本刀を。

「い……いや……!!」
「おい」
「いや……来ないでぇぇっ!!」

男に対し、つかさは悲鳴を上げた。
このままでは殺される。
とっさにデイバッグに手を伸ばし、一心不乱に中身を漁る。
その行動に対し、男は大いに焦った。
それもその筈……普通に話しかけただけなのに、こんな反応をされてしまったのだから。

「おい、ちょっと待て!!
お前、何か勘違いをしてないか……うおっ!?」

男が口を開き、説明しようとしたその瞬間。
一本のペットボトルが、顔面目掛けて飛来してきた。
男の接近を阻止しようと、つかさが投げつけてきたものである。
男はとっさに首を傾け、それを回避。
そのまま、つかさへと向き直り……大声で怒鳴った。

「待てっつってんだろ!!
俺はお前を殺そうとか考えてねぇし、殺し合いにも乗ってねぇ!!」
「へ……?」

つかさは動きを止め、呆然として男に向き直る。
男は額に手を当て、大きく溜息をついた。
こんな状況だから仕方ないとはいえ、いきなりこんな目に合うとは思わなかった。
それからしばらくして、男は、つかさへと名を名乗った。

「俺は黒鋼だ。
お前は?」
「あ……はい。
柊つかさです……」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「イライラするなぁ……クソッ!!」

月明かりが周囲を照らす中。
一人の男が、歯軋りしながら叫び声を上げた。
その男の名は、浅倉威。
凶悪な連続殺人犯にして、仮面ライダーと呼ばれる十三人の戦士の一人。
彼は今、自分が置かれているこの状況を面白く思っていなかった。
しかしそれは、いきなり呼び出され、殺し合いをしろと言われた事に対してではない。
浅倉はこの殺し合いを、異常な事態とは全く捉えていなかった……それも当然である。
彼は元々、ライダー同士の戦いという名の『殺し合い』をしている最中に呼び出されたのだ。
そしてその戦いの主催者は、神崎士郎……この殺し合いの主催者である。
首輪の装着や参加者の増加、戦いの場がミラーワールド以外に移った等という、新たな要素こそあるものの。
この殺し合いは、ライダー同士の戦いとは根本的に何も変わらない。
彼にとっては、結局の所普段通りなのだ。
ならば何故、彼が苛立っているのか……答えは簡単、ここまで誰とも出会えていないから。
誰とも戦えていないからである。

「誰でもいい……いねぇのかよ?」

浅倉は、身の回りに暴力がなくては生きられない性質だった。
常に誰かを殴るか、誰かから殴られるかしなければ、落ち着く事が出来ないのだ。
彼が犯罪に手を染めてきたのは、その為である。
そんな彼にとって、誰とも戦えないこの状況は苦痛でしかなかった。
周囲を見回し、誰かいないのかと確認する。
すると……その時であった。
浅倉の目に、興味深い光景が飛び込んできた。

「ん……?」

少しばかり離れた場所にある、そこそこの大きさをしたオフィスビル。
その窓の一つに、一瞬でこそあったものの……何者かの影が移ったのだ。
見逃してもおかしくない、本当に一瞬の出来事だった。
しかし……幸か不幸か、浅倉はそれを見てしまっていた。
浅倉の顔に、邪悪な笑みが浮かぶ。

「やっと見つけたぜ……ククク……ハハハハハァッ!!」

ようやく、戦う相手が見つかった。
浅倉は笑い声を上げ、そしてビルへと走っていった。
その手に、自らの支給品……カードデッキを握り締めて。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「黒鋼さん……本当、ごめんなさい!!」

丁度その頃。
つかさは黒鋼が殺し合いに乗ってないと知り、彼に頭を下げて謝っていた。
冷静になって考えてみれば、護身用の武器を手にしているのは、寧ろこの状況じゃ自然。
それに、目つきが悪いということだけで怖がってしまったというのは、相当無礼な真似である。
見かけで人を判断してはいけないと、改めて想い知らされていた。

「……もう気にしてねぇよ。
だから、お前もそう気にするな」

黒鋼は、つかさを責めるつもりなど毛頭無かった。
彼女があの様な状況に陥ってしまうのも、仕方がないと言うのが分かっているからだ
自分の様に、戦う力を持つ者ならば兎も角……彼女の様なそうでない者には、この状況は辛すぎる。
精神的に参りああなってしまうのは、寧ろ当然である。

「……兎に角だ。
これからどうすりゃいいか、今はそれを考えるのが先決だ。
お前、ここに知り合いはいるのか?」
「あ……はい」

つかさは名簿を広げ、自分の知る名前を指差していく。
大切な姉である柊かがみ。
掛替えの無い友人の高町なのは。
姉の友達であり、なのはの親友であるというフェイト=T=ハラオウン。
何とかして、彼女達と合流を果たしたいが……ここでつかさが、あることに気付く。

「あれ……名前が二つある。
どうしてだろう……印刷ミスかな?」

なのはとフェイトの名前が、何故か二つある。
誤植だろうかと、彼女は思ったが……黒鋼はそうは思っていなかった。
彼には、思い当たる節があったのだ。

「……いや、違うな」
「え……違うって、どういうことなんですか?」
「こいつは多分、文字通りの意味だ。
高町なのはとフェイト=T=ハラオウンは、ここには二人いるってことだ」
「二人って……同姓同名とか、そういうのですか?」
「そういう意味じゃねぇ。
文字通り、こいつ等が二人いるって事だ……って、いきなり言われても分からねぇよな。
……ちょっと長い話になるぞ」

黒鋼は、自身の事をつかさへと話し始めた。
自分は日本国の忍であり、真の強さを知る為にと主君に異世界へと送られた事。
その先で出会った者達と共に、異世界を旅している事。
その旅の最中、時空管理局という場所に辿り着いた事。
そしてその直後に、この殺し合いへと呼び出された事。
話せる限りの全ての事を、黒鋼はつかさへと話した。

「え、異世界って……えぇ!?」
「まあ、驚くのが当然だな」

当然では在るが、つかさは黒鋼の話にただただ驚くほか無かった。
異世界からやって来たなどといきなり言われれば、それは当然の反応である。
しかし自分が置かれている状況を考えれば、それが真実であると思う他無い。
そして……逆に言えば、黒鋼の言う話が全て真実とすれば、筋が通る。
いきなり見知らぬ場所へと呼び出された事も、広場で見たあの非現実的な光景にも、納得がいく。

「で、でもそれと名前が二つあることと、どういう関係が?」
「俺達は旅の最中に色んな連中と知り合ってんだが、そいつ等と異世界で再会する事が時々あった。
前に会った世界のとは別の、その世界のそいつとな」
「えっと……異世界の、同じだけど違う人って事ですよね?」
「ああ、だからこの二つの名前も多分同じだ。
異世界から呼び出された、別人って事になるだろうな……実際、俺はこの二人と機動六課で会ってる」
「えぇ!?
でも、なのはさん達は同じ学校の友達だし、時空管理局とかそんなのって……あ」

つかさは途中まで喋り、そして気付いた。
自分の世界にいるなのはとフェイトは、単なる学生。
黒鋼が旅した世界にいるなのはとフェイトは、時空管理局という場所の局員。
異世界の、同じだけど違う存在……黒鋼の言うとおりである。
ならばこの名簿に記された二つの名前は、それぞれ異世界からやってきた、同じだけど別人の存在という事になる。

「何だか……ちょっと、ややこしいですね」
「ああ、そいつは俺も同感だ……さてと。
これでやる事ははっきりしたな……お前の姉貴と友達を、とっとと探しに行くぞ」
「え、でも黒鋼さん。
黒鋼さんの知り合いもここに……」
「小僧とも合流はする。
だが、あいつには戦う力があるが……お前の探してる奴等に、それはないんだろ?」

小狼には自分と同じく、戦う術がある。
しかし、つかさの探している者達にはそれがない。
何時危険人物と出会うか分からないこの状況下において、そんな者達を放っておく訳にはいかない。

(……あんなの、他人にさせんのも御免だしな)

黒鋼には、幼少時に魔物と呪術師の襲来によって両親を殺害された過去があった。
その時の彼にあったのは、尊敬する父を失った悲しみと、愛する母を守れなかった絶望。
彼が力を欲したのは、その時からだった。
父と交わした、大切なものを自分の力で守り抜けという約束を、今度こそ果しぬく為に。
守ると決めたものを奪おうとする者には一切の容赦をしないという信念を持ったのも、その時からだった。
黒鋼にとって、全ての始まりとなったあの時の自分と同じような思いを、他人にさせたくは無かったのだ。
その為には、襲い掛かってくる者の命を奪う事も躊躇うつもりはない。
自身にかけられた、人を殺める度に強さが減るという呪いの事を、気にするつもりもなかった。

「……黒鋼さん……」
「どうした?」
「……優しいんですね、黒鋼さんって」
「あぁ?何だそりゃ?」
「あ、やっぱり。
本当に優しい人って、それを言ったらはぐらかす人だって友達が前に言ってましたから」
「気持ち悪いこというな、おい!!」

つかさの言葉に対し、黒鋼は怒鳴って反論する。
その様子を見て、ようやくつかさは笑みを浮かべた。
この殺し合いの場に来てから、初めての笑顔であった。

(黒鋼さんって、どことなくお姉ちゃんと似てるなぁ……
こなちゃんが言ってたけど、こういう人を『ツンデレ』って言うのかなぁ?)

あってるようで間違ってる、そんな考えが頭に過ぎる。
黒鋼は、そんな彼女に対して溜息をつくが……この直後。
彼は突然、表情を変え……刀を抜いた。
この行動には、つかさも当然驚く。

「黒鋼さん……?」
「……どっか、隠れてろ」
「え?」
「安全な場所に、しばらく隠れてろ……
どうやら、ちょっと厄介なのがきやがったみてぇだ」

黒鋼が感じ取ったのは、何者かが近づいてくる気配。
その気配は、あまりにもどす黒い……強烈な殺意であった。
自分は殺し合いに乗っていると言わんばかりの圧力。
これまで黒鋼が感じてきたものの中でも、最大級の殺意であった。

「ようやく、見つけたぜ……!!」

やがて、その殺意の大本である人物……浅倉威は二人の前に姿を現した。
待ち望んでいた戦いの相手を見つけられ、浅倉は狂気の笑みを浮かべる。
つかさもここにきて、浅倉の殺意を感じ取る事が出来た。
人を見た目で判断するなと、先程感じたばかりだったが……それでも、はっきりと彼女には分かった。
この男が、この上なく危険であると。

「テメェ……殺し合いを楽しんでやがんな」
「あぁ……?
それがどうしたってんだよ……」
「く、黒鋼さん……」

黒鋼は、無言のまま浅倉へと刃を向ける。
この男は危険すぎる……ここで止めなければ、どうなるか分かったもんじゃない。
警戒しながら、黒鋼は浅倉の様子を伺った。
それに対し浅倉は、カードデッキを部屋の窓ガラスへと向けた。

「さあ、始めようじゃねぇかよ……!!」
「何だ、ありゃ……!?」

直後、何も無い空間から一本のベルトが出現する。
そしてそれは、浅倉の胴体へと瞬時に装着された。
黒鋼もつかさも、この光景には驚きを隠せないが……真に驚かされるのは、この直後。
浅倉が、カードデッキをベルトに装着した瞬間であった。

「変身!!」

デッキが装着されたと同時に、真紅のスーツと甲冑がその身に纏われる。
黒鋼とつかさは、それに見覚えがあった。
そう……広場で殺害された、一文字と呼ばれていたあの者と同じである。
彼は確か、自らをこう呼んでいた……仮面ライダーと。

「あの人って、まさか……!!」
「……広場でやられた奴の同類か」

黒鋼の顔つきが険しくなる。
すぐに殺害されこそしたものの、あの仮面ライダーの身体能力はかなりのものがあるように見えた。
もしも目の前の男が仮面ライダーならば、死闘は必死だろう。
つかさは、そうであって欲しくないと思ったが……

「楽しませてくれよ、俺を……!!」

その悪い予感は、見事に的中してしまっていた。
今の浅倉は、仮面ライダーの一人……仮面ライダー龍騎である。
龍騎はデッキからソードベントのカードを取り出し、ドラグバイザーへとベントインする。
直後、その手へとドラグセイバーが握られ……彼はそれを振りかざし、黒鋼へと接近していった。

「刀同士でやり合おうってか……面白ぇ!!」

黒鋼も強く地を蹴り、龍騎へと向かった。
両者が勢いよく、刀をぶつけ合わせる。
そのまま両者は、拮抗状態にあったが……しばらくして差が出始める。
若干ながら、龍騎の方が黒鋼を押し始めた……パワーでは、龍騎の方が勝っていたのである。
黒鋼も、素手で石の壁を粉砕できるほどのパワーの持ち主ではあるが、流石にライダー相手では分が悪かった。

「どうした……押し返してみろよ?」
「はっ……言われるまでもねぇ!!」

ならばと黒鋼は、とっさに刀を傾けた。
その刀身をドラグセイバーが滑り、そのまま黒鋼の真横へと振り下ろされた。
力での勝負では龍騎が勝ってこそいたが、剣の腕では黒鋼の方が圧倒的に上だった。
そして黒鋼は、素早く龍騎の真横へと移り刀を振るう。

「天魔・昇龍閃!!」

黒鋼がなぎ払いを繰り出すと同時に、彼を中心とした螺旋状の気が上方へと放出される。
その直撃を受け、龍騎は天井へと吹っ飛ばされる。
そして、ぶち当たってもその勢いは衰えず……彼はそのまま、天井をぶち破った。
一つ上の階まで、龍騎の身は吹っ飛ばされたのである。

「黒鋼さん、凄い……!!」

つかさは、黒鋼の強さに驚いていた。
最初はどうなるかと思ったが、これならば大丈夫かもしれない。
そう思い、安堵の表情を浮かべるが……しかし。
肝心の黒鋼はと言うと、相変わらず険しい表情のままであった。

「黒鋼さん……?」
「……まだだ。
あいつはまだ、くたばっちゃいねぇ……!?」

その直後だった。
天井をぶち破り、黒鋼の頭上から何者かが襲い掛かってきた。
真紅の巨龍……龍騎の契約モンスター、ドラグレッダー。
ドラグレッダーは大きく口を開き、黒鋼へと食らいつきにかかる。

「こんなのまでいやがんのか……おい、お前は逃げろ!!」
「黒鋼さん……で、でも!!」
「いいから行け!!
こんなんまでいるんじゃ、巻き込まねぇって保障は出来ねぇ……!!」

黒鋼はとっさに後ろへと下がり、間一髪この一撃を回避する。
しかしドラグレッダーは、そのまま首を捻り黒鋼へと追撃を仕掛けてくる。
すぐさま黒鋼は刀を前に出し、ドラグレッダーの牙を受け止める。
だが……ドラグレッダーを相手に踏ん張りきるのは、流石の黒鋼でも不可能だった。
ドラグレッダーは、そのまま進撃し……黒鋼の身ごと、窓ガラスをぶち破りビルの外へと飛び出した。

「ぐぅっ!?」

黒鋼の身が、宙に投げ出された。
彼が居たのは、オフィスビルの二階。
落ちて死ぬレベルの高さでこそないものの、このまま地面に叩きつけられるのも流石にまずい。
とっさに黒鋼は体を反転させ、何とか足から着地しようとする。
しかしそこへ、ドラグレッダーの容赦ない攻撃が迫った。
ドラグレッダーの口から、巨大な火球が放たれる。

「ちっ!!」

黒鋼はとっさに刀を振るい、それを切り払う。
そして、何とか地面へと着地するが……この直後。
彼の上空から、更なる追撃が襲い掛かってきた。

「オオオオオォォォォォォォォッ!!」

襲い掛かってきたのは、ドラグレッダーの主である龍騎。
黒鋼が外へと投げ出された直後、龍騎もその後を追い外へと飛び出してきたのだ。
龍騎は黒鋼目掛けて、勢いよく刃を振り下ろす。
ドラグセイバーを用いる龍騎の必殺技の一つ、龍舞斬。
黒鋼は地を蹴って跳び上がり、それを迎え撃ちにいく。

「ハァァァッ!!」
「破魔・龍王刃!!」

両者の刃が、空中でぶつかり合う。
しかし今度は、先程とは威力が違う。
龍騎の繰り出した龍舞斬は、威力自体はAP2000とドラグセイバーによる一撃と大差は無い。
だが黒鋼の放った破魔・龍王刃は、単なる一撃とは訳が違う。
黒鋼の倍はあるであろう巨大な相手を、一撃で両断する程の威力を秘めているのである。

「ッ!!」

ドラグセイバーが叩き折られる。
黒鋼の強烈な一撃に、耐え切れなかったのだ。
そのまま黒鋼は刀を振りぬき、龍騎へと切りかかる。
しかし、龍騎もそう簡単にやられるほど柔ではない……彼とて、多くの修羅場を潜った身である。

「ハァッ!!」

龍騎はとっさに体を捻り、黒鋼の刃は切っ先が胴を掠るだけに終わる。
更に龍騎はそのままの勢いで、黒鋼の肩へと裏拳を叩き込んだ。
不安定な体勢から繰り出された為に、威力自体はそれ程ではない。
しかし、何とか距離を離すのには足りるだけの反動を得る事は出来た。
そのまま龍騎は黒鋼との距離を離し、そして二人が同時に地面に着地する。

「ハハハ!!
この感じだ……もっと俺を楽しませろ!!」
「こんなに骨のある奴は、久々だな……あの野郎とやりあった時以来か……!!」

【1日目 現時刻AM1:00】
【場所 E-6 街中】
【黒鋼@ツバサ~ミッドチルダ編~】
[参戦時期]1話終了後
[状態]全身に軽い打撲と切り傷。
[装備]草壁の日本刀@コードギアス 反目のスバル
[道具]支給品一式、不明支給品1~2個。
[思考・状況]
基本:主催者を倒し、殺し合いから脱出する。
   力の無い者は優先的に守る。
1:目の前の仮面ライダーを倒す。
2:つかさが無事に逃げ切れるだけの時間は稼ぐ。
3:つかさの探している者達と合流する。
4:小狼と合流する。
[備考]
※なのはとフェイトが、二人居る事に気付きました
※必要ならば、自身の強さが減るのを承知で人を殺めるつもりでいます。
※つかさと情報を交換しました。


【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎
[参戦時期]18話、須藤殺害後。
[状態]健康、龍騎に変身中。
[装備]ドラグバイザー、カードデッキ(龍騎)
[道具]支給品一式、不明支給品1~2個。
[思考・状況]
基本:このゲームを楽しむ。
1:目の前の男との戦いを楽しむ。
2:男を倒した後、他の獲物を探し出す。
[備考]
※カードデッキの制限については、既に神崎士郎から説明を受けています。
※ソードベント・アドベントのカードを使用しました。
一度変身を解いてから再変身しなければ、使用は不可能です。

「ハァ、ハァ……!!」

黒鋼と龍騎がビルの外へと飛び出した頃。
つかさは隙を見て、ビルの外へと逃げ出していた。
怖かったから逃げたというわけではない……いや、多少はそういう気持ちがあったかもしれない。
しかしそれ以上に、このまま黒鋼を放っておく訳にはいかなかった……彼を助けたかった。
その為にも、誰か助けを呼ばなければならない……あの仮面ライダーを止められるだけの、強い力を持った者を。
そう思って、つかさは外へと飛び出したのである。

「待ってて、黒鋼さん……すぐ、誰かを……!!」


【1日目 現時刻AM1:00】
【場所 E-5 街中】
【柊つかさ@なの☆すた nanoha☆stars】
[参戦時期]2話終了後
[状態]健康、黒鋼に対する焦り。
[装備]無し
[道具]支給品一式、不明支給品1~3個。
[思考・状況]
基本:主催者を倒し、殺し合いから脱出する。
1:誰か助けを呼んで、黒鋼を助ける。
2:かがみやなのは達と合流する。
3:小狼と合流する。
[備考]
※なのはとフェイトが、二人居る事に気付きました
※黒鋼と情報を交換しました。
※赤い仮面ライダー(龍騎)を、危険人物と認識しました。

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最終更新:2008年02月28日 23:28