仮面ライダーリリカル電王sts第十話
「機動6課のある休日《前編》」
「最近、皆疲れてるんじゃない?」
「僕も、そう思う」

良太郎とハナは廊下を歩きながら話していた。

「最近、イマジンが連続して襲撃して来たから、休む暇もなかったから」
「それ以外にも訓練をしてるからね」
「そんなことないよ」
「そうかなぁ……てっスバル!?何でここにいるの!」

驚くハナ。そこにはスバルの姿があった。

「何でって、それは今日は一日お休みだから!」
「えっ、休み!」
「うん、お休み!だからこれからティアと街に行くんだ」

スバルの話によると、今朝の訓練にてなのはがこれまで訓練づけだったこと、そして度重なるイマジンの襲撃による疲弊などを考え休日としたらしい。

「それはいいんだけど…。何?その格好」
「変かな?」
「いや、変じゃないけど…、何かイメージと違うような」

ハナにここまで言わせたスバルの格好とは、黒の皮ジャンに赤いシャツ、黒のジーンズという、いうなればヤンキーの様な格好である。

「モモタロスが選んでくれたんだ!似合ってない?」
「似合ってるけどねぇ」

モモタロスのセンスを一瞬、疑ったハナであった。


一方、エリオはというとキャロが部屋から出て来るのを待っていた。

「遅いなぁ…」
『遅いなんて言っちゃダメだよ。女の子は時間がかかるんだから』
「そう、なんですか?」
『そうだよ』
「のわぁぁぁ!」
二人が話していた時、キャロの叫び声が聞こえた。

「この声は、キャロ!」
『行こう!』
「ハイッ!」

二人はそう言うと急ぎキャロの部屋に行き、扉を跳ね開け中に飛び込んだ。

「キャロ!だい、じょう、ぶ…」
『あ、ああ』
「ごめん!」

エリオはそう言うと部屋の外に出た。
それもそのはず、中には男物の和服を、着ている最中のキャロがいたのだから。
しかも帯は絞められておらず羽織っているだけで、胸などがほぼ見えている状態つまり半裸だったのだから無理もない。
普通は叫ぶのだが今はキンタロスが憑依している為、キョトンッとしている。

「何で驚いとるんや?別に見られてもなぁ」
『そ、それより早く着てください!』
「分かった、任しとき!」

どこか噛み合わない凸凹コンビであった。


さて、ところ変わってティアナの視点に移ろう。
ティアナはバイクを借りる為にヴァイスの元にいた。
ティアナにバイクを貸すため作業をしていたヴァイスはふと、気になることがあったので聞いてみた。

「借りるのはいいとしてよ、どしたぁその格好?」
「これはその…」

少し、言葉が詰まるティアナ。
ティアナの今の格好はグレーを基調とした服装に紫の染みの入ったグレーのキャップを被るというものである

「その、リュウタロスが選んでくれたんです!」
「へぇ~っ、すっかりお姉ちゃんだな!」
「な、そんなことありませんよ!」
『あ、お姉ちゃん照れてるぅ』
「ウッサイ!」
「ま、頑張れよ、お姉ちゃん!」
「もう、いい加減にして下さい!」

ティアナは少し顔を赤らめながらも必死に反論した。
その顔は、とても可愛らしかった。

「よし!これでいいだろ、それっ!」

そう言ってティアナにキーを渡すヴァイス。
ティアナはソレを受け取った瞬間、リュウタロスが突然憑いた。

「あのさぁヴァイス」
「どした?リュウタロス」
「ヴァイスって魔導師だったんだよね?」
「まぁな。どっちにしろ昔の話さ…」
「ふ~ん。じゃあさ、お願い聞いてくれる?」
「おう、俺に出来る事ならいいぜ」
「やったぁ!それじゃねぇ…」

このことがいずれティアナの身を救うことになるとは誰が想像しただろう。
頼み事を終えるとリュウタロスはティアナの中に戻った。

「ほんじゃ、相方が待ってんだろ?行って来い」
「はい、ヴァイス陸曹ありがとうございます」
「リュウタロスもな」
『分かったよ』

そう言ってスバルの元に行くティアナを見送り、ヴァイスは少し考えていた。
リュウタロスが頼んだことを…。

「こんな俺に頼むなんてなぁ…」

さて、ティアナはというと、スバルと合流し出発しようとしてると見送りになのはがやって来た。

「じゃあ、転ばないようにね」
「大丈夫です!前の部隊にいた時は、ほとんど毎日乗ってましたから」
「ティア、運転上手いんです。あ、お土産買って来ますね!クッキーとか」
「嬉しいけど、気にしなくていいから。四人で楽しく遊んで来なさいね」
「はい!」
『分かったぜ』
「行って来ます」
『行って来るよ、なのはお姉ちゃん!』
「あ、待って!モモタロス、言っておくけど」
『何だよ?』
「ケンカはしちゃダメだよ。ケンカしたら、分かってるよね?(満面の笑み)」
『お、おう…』

こうしてスバル達は出発した。
スバル達が出発した後、エリオとキャロそしてフェイトがやって来た。

「ライトニング隊も一緒にお出かけ?」
『はい!』
「はい、気をつけて」

なのはは笑顔で二人に答えたものの、後ろで心配そうにしてるフェイトを見て、苦笑した。
(フェイトちゃん心配しすぎ…)
「あんまり遅くならない内に帰るんだよ?夜の街は危ないからね」
『はい!』
『大丈夫だって、僕がいるしね』
『俺に任しとき!』
「ならいいけど…」

どちらかと言えばウラタロスに任せる方が心配なフェイトである。
だって、ナンパするのは目に見えているからだ。

「大丈夫だよ!ナンパしたら分かってるよねウ・ラ・タ・ロ・ス!」
『わ、分かったよ…』
「なのは、最近なんか吹っ切れた?」
「何も!」

なのはがウラタロスに念を押したあとフェイトはふと思ったことを聞いてみた。
しかし、ものすごい笑顔で返され深くは聞かないことにした。

一方、良太郎はというとシャーリーの元で、オーラシステムの説明を受けていた。

「オーラシステムというのはイマジンの持つフリーエネルギーを利用したシステムなんです」
「どういう意味ですか?」
「フリーエネルギーを変換、アーマーへと変形させる、言わば電王の変身システムと同じなんです」
「へぇ、そうなんですか」
「そういうことです!あ、データ取り終わったんでこれ、お返ししますね!」

そう言ってシャーリーから返されたのは、データ解析の為に貸していたケータロスであった。

「ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ色々参考になりました」
さて、この後、スバルとモモタロスがアイス十段重ねに挑戦したり、ティアナがダンスを披露したりするのだがそれはまた別の話。


「はぁ…はぁ…」

ここは地下の排水路。一人の少女が歩いていた。二つのケースを引きずりながら…。

「きゃ!」

少女は足を滑らしてしまった。そして、ケースの一方を落としてしまった。

「はぁ…はぁ…いかなきゃ…」

その時、目の前の通路から少年が現れた。

「きゃ!」
「おっと、大丈夫か?」

少女は転びそうになったが少年が支えた。

「あなた、誰?」
「俺か?俺は…」
「み~つけた。探したんだぜ!」

少年が名前を名乗ろうとした時、二人の目の前にオクトイマジン壱式が現れた。

「イマジン!?逃げろ!早く!」
「うん…」

そう言って逃げる少女。オクトイマジン壱式は追おうとするが少年が立ち塞がる。

「何してくれてんだぁ、あ~ん!」
「へん、かかってこいよ!」

その声と共にベルトを取り出し腰に巻くと、カードを取り出し構えた。

「変身!!」
『Ultair Form』

音声と共に少年の姿は変わる。緑と黄色のアーマーが装着され、牛の頭のようなデンカメンが装着される。
そう、この少年も仮面ライダーである。名はゼロノス。

「最初に言っておく!俺はか~な~り強い!!」
「フザケンナァ!」

ゼロノスはオクトイマジン壱式と戦いを始めた。
さて、その頃、エリオ(少しボロボロ)はふと何か音が聞こえた気がした。

「何か聞こえなかった?」
『そう言えば、何か聞こえたような…』
「うん、そんな気がする」
『行って見るしかなさそうやな』
「あそこだ!」

そう言って駆け出し、路地裏へとやって来た。そこには!

「女の子?」
『怪我してるみたいだね』
そこにいたのはボロボロの少女。Uエリオは少女の近くに行き、呟く。
「こんなに小さいのにね…」
後ろではキャロが全体に連絡を送っていた。


一方地下ではゼロノスとオクトイマジン壱式の戦いが続いていた。
オクトイマジン壱式は右手をフィンガーバルカンに乱射するもののゼロノスのスピードに押されていた。

「ちょこまか動くなぁ」
「ウッセェなぁ、だったらこれでどうだ!」

声共にゼロガッシャーサーベルモードで切りつけていく。
軽快な動きで一方的に。

「テメェ!」

体当たりを仕掛けるオクトイマジン壱式だがゼロノスは避け、すれ違いざまに切り裂いた。

「グアァッ!テメェェ!」
「トドメだ!!」
『fullcharge』

ベルトの左上のボタンを押し、エネルギーをチャージ。
そしてエネルギーがチャージされたゼロノスカードをゼロガッシャーにアプセットした。

「ウオォォォ!!死ねぇ!」

真っ向から突撃してきたオクトイマジン壱式をゼロノスは真っ二つに切り裂いた。
必殺技「スプレッテンドエンド」である。
オクトイマジン壱式は身体にAの文字が刻まれ爆発した。
ゼロノスは変身をといた。

「たくデネブの奴どこ行ったんだ?それにここ何処だよ…」

少年、桜井侑斗は呟いた。


次回予告
ハナ「激しさを増す戦い。謎深き少女」
はやて「そして、新たな仮面ライダー」
ハナ「物語は風雲急を告げる」
はやて「次回仮面ライダーリリカル電王sts第十一話「機動6課のある休日《後編》」や」
ハナ「お楽しみに!」
はやて「なぁ、最近出番少ないんやけど…」
ハナ「大丈夫。出番はあるから、落ち込まないで」
はやて「うん、ありがとう」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年03月09日 20:01