【平成ライダーサイド】五話「強敵登場!」Bパート
【浅間山 森林】
「お久しぶりですね。剣崎さん。」
「志村…お前…お前があの攻撃を?」
「…その様子では、相川始達からまだ知らされていないようで…」
「え?」
確かにカブトと共にゆりかごを撃墜した後、剣崎は誰にも何も言わず、そして会わずにミッドを去った。
なので仲間達からは何の情報も得ていない。
「志村、お前一体何を…」
「…この傷に…見覚えはありませんか?」
志村は右腕を上げ、スーツのすそを捲り上げる。
すると、すその下から緑色の痣が残った傷跡が付いた肌が現れた。
「!?」
剣崎はその傷を見た瞬間思い出した。
あの傷は自分が白いジョーカーに付けた傷だ。
「お前…」
「クックックック…」
志村は黒く微笑み、一瞬だけアルビノジョーカーに変身し、そしてすぐに志村に戻る。
「志村…!?」
「呆れたよイレギュラー…まさかそんな情報も得ていないとは…」
「志村が…ジョーカー…」
「まさか、アフガニスタンで優しくしてくれた志村がジョーカー!?」
剣崎は驚きを隠せない。
「テメーがブレイドか?」
「え!?」
驚いている剣崎の耳に、若い男の声が聞こえてきた。
そして志村の背後から二十代前半位の男性が姿を現す。
「ホーント。なんか汚いし頼りな~い。」
次は若い女の声が聞こえ、再び志村の背後から若い女性が現れた。
「お前達は!?」
「紹介するよ禍木慎…三輪夏美…お前を地獄に落とすための俺の仲間だ。」
「宜しく…そしてサヨナラ。」
夏美はラルクバックルを取り出し、赤いチェンジケルベロスのカードをベルトにセットして腰に巻きつける。
「楽しませてくれよぉ…!」
禍木もランスバックルを取り出し、緑のチェンジケルベロスをベルトにセットして腰に巻きつけた。
「見せてもらいますよ剣崎さん…貴方の力を…」
最後に志村がグレイブバックルを腰に巻きつけ、三人は変身準備を完了した。
『変身!』
「open up」
三人がベルトを起動させると、それぞれ三色のエネルギースクリーンが射出され、三人の体を包み込む。
そしてスクリーンを潜り抜けた三人は、志村が仮面ライダーグレイブ、禍木が仮面ライダーランス、夏美が仮面ライダーラルクに変身し、それぞれのラウザーを構えて並び立った。
「仮面ライダー!?」
突如現れた三人の仮面ライダーの姿を目撃し、剣崎はさらに驚く。
「来い…イレギュラー!」
「やるしかないのか…!」
剣崎はブレイバックルを取り出し、エースのカードをセットする。
そして腰に巻きつけ、バックルのレバーを引いた。
「変身!」
「turn up!」
剣崎も対抗してブレイドに変身し、ブレイラウザーを引き抜いて三人の新世代ライダーに立ち向かう。
【浅間山 河原】
「…ん?」
山を下りる準備をしていたヒビキは、鍔迫り合いの音を耳にし、森の方を振り向いた。
「この音…剣のぶつかり合い…?」
エリオも激しい金属音を耳にし、ヒビキと同じように森の方を振り向いた。
「剣崎…明日夢!先に山を降りてろ!」
「はい!」
「行くぞ少年!」
「分かりました!!」
ヒビキは明日夢を残し、エリオと共に森の中に向かった。
【森林】
「…!!」
「ッラア!!」
「ハア!!」
「グッ…ウェイ!!」
ラルクの銃弾を避け、グレイブの剣とランスの槍を次々と自らの刃で捌くブレイド。
その動きは、多くの戦いを経験して来た剣崎だからできる熟練の技である。
「チッ!流石だな…二人とも、合わせろ!」
「ええ!」
「っしゃあ!」
ブレイドの高い戦闘能力を改めて認識したグレイブはランス、ラルクと共に連携攻撃に入る。
まずラルクがラルクラウザーから弾丸を連射し、弾幕を張ってブレイドの動きを遮る。
その隙にグレイブとランスがブレイドに襲い掛かり、グレイブラウザーとランスラウザーでブレイドの体を切りつける。
そしてブレイドが怯んだ隙に、ラルクがラルクラウザーを斬撃形態に切り替えてブレイドに飛び掛り、胸部を切りつける。
その後、背後に居たグレイブとランスがブレイドの背部をラウザーで突いた。
「ぐあぁぁぁぁぁあ!!」
突き飛ばされたブレイドは近くの木に激突し、変身が解除されて剣崎の姿に戻る。
「ぐっ…」
「へ!何だよ何だよ…」
ランスは木に寄りかかっている剣崎に近づき、剣崎の腹部を蹴り付ける。
「ぐあ!!」
「何が最強クラスのライダーだよ…ええ?オイ!!」
ランスは悪態をつきながら、剣崎の腹部を何度も蹴る。
剣崎は数回緑色の血反吐を吐き、地面の上に横たわった。
「が…ふっ…」
「お、生きてやがる。」
ランスは薄ら笑いながら、剣崎の顔を踏みつけ、こめかみをグリグリと踵でねじ込む。
「ぐっ…ああああああ!!」
「それぐらいにして置け禍木。さてと…」
グレイブはコモンブランクのカードを取り出し、剣崎に近づいていく。
「さよならだイレギュラー…お前達は偉大なる力を手に入れなければ倒せないと思ったが…買いかぶり過ぎだったな…」
グレイブはゆっくりとカードを剣崎の顔に近づける。
しかしカードが剣崎に触れる直前、顔を踏みつけているランスと今正にカードを剣崎に立てようとしているグレイブに向けて炎の弾が飛んできた。
『!?』
二人はとっさに後退し、炎をかわす。
そしてグレイブたち新世代ライダーと剣崎が炎の跳んできた方向を見ると…
「剣崎さん!」
「間に合ったな。」
そこにはエリオと、二本の音撃棒を持ったヒビキの姿があった。
「ヒビキさん…エリオ…」
「大丈夫か?」
ヒビキは剣崎に手を差し伸べる。
「…ありがとうございます。」
剣崎はヒビキの手を取り、立ち上がった。
「チッ!邪魔しやがって…!」
「お前達!」
「あ?」
新世代ライダーの三人はエリオの怒号に反応し、エリオの方を向く。
「お前達、ライダーだろ?なんでAAMONなんかに!」
「へ、この世界が退屈だからさ。」
「仕事や生活…色んなことで手一杯で、世の中面白いことなんかひとっつもないじゃない?
ならこんな世界、いっその事壊してしまったほうが良いじゃない?
そのために力を振るう…楽しそうじゃない?」
「楽しくない…そんな理由で!」
エリオはバリアジャケットを装着し、ストラーダを構える。
「お前達に…ライダーを名乗る資格は無い!」
「ガキが!テメーの許可が要るのかよ!!」
ランスとラルクはラウザーを構え、戦闘体制に入る。
「さって…俺達も行くか!」
「はい!」
ヒビキは変身音叉・音角を取り出し、近くの木で弾いて音を鳴らして額にかざす。
剣崎は口から流れる緑の血を拭い、変身ポーズを取った。
「ヘアァァァァァァァア!!」
「変身!!」
ヒビキは紫の炎を纏い、炎を払って仮面ライダー響鬼に、剣崎は再びレバーを操作し、出現したエネルギースクリーンを潜り抜け、仮面ライダーブレイドに変身した。
「少年!剣崎!行くぜ!」
『はい!』
「二人とも…叩き潰すぞ。」
「OK!」
響鬼、エリオ、ブレイド、そしてラルク、ランス、グレイブはそれぞれ三方向に別れ、響鬼はラルク、エリオはランス、ブレイドはグレイブと相手を決め、戦いを始める。
【響鬼対ラルク】
(BGM・輝)
「女の子を殴る主義じゃないんだけどなぁ…」
「御託を!」
ラルクはラルクラウザーを再びボーガンに変形させ、響鬼に向けて連射する。
しかし、響鬼は歴戦の戦士。
実戦に出たばかりのラルクの弾が当たる筈も無く、響鬼はダッシュでラルクに接近しながら全て紙一重で弾丸を回避する。
「何!?」
「ツェアァァァア!!」
そして両手の拳に鬼爪を出現させ、ラルクのボディを切りつけた。
「ぐあ!」
ラルクは切られた部分を押さえ、数歩後退する。
「止めなよ。君じゃ俺には勝てない。」
「馬鹿にするな!」
ラルクは腰のラウズバンクから「マイティレイ」のカードを取り出し、ラルクラウザーにラウズする。
「消えろ!!」
ラルクはラウザーの引鉄を引き、必殺技「レイバレット」を放つ。
だが…
「何の!ツアァァア!!」
ラルクの必殺技も、響鬼の音撃棒を使った一閃で簡単に弾き飛ばされてしまった。
「ああ!?」
「勝負あり…かな?」
【エリオ対ランス】
「は!やあっ!!」
「ハッ!ッラア!!」
エリオとランスは、お互いの武器をぶつけ合い、激しく火花を散らす。
お互い信念も目的も違えど、槍士同士の戦いだ。
やがて二人は鍔迫り合いに入り、均衡を保つ。
「この…負けるもんか…!」
「ガキが俺と互角だと…認めねぇぞ!!」
ランスは叫び、ラウズバンクから「マイティインパクト」のカードを引き抜き、ラウズする。
「え!?」
「くたばれえぇぇぇぇぇえ!!」
ランスの必殺技「インパクタスタッブ」がストラーダを押し切り、エリオの腹部を突いた。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
エリオは十メートルほど激しく吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「グッ…」
「俺の勝ちだ…」
「まだまだ!!」
エリオは痛む体を奮い立たせ、ソニックブームを使用し、一瞬でランスの背後に移動する。
「何!?」
「紫電一閃!!」
そして拳に雷を纏わせ、ランスを背後から殴りつけた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
次はランスが十メートルほど吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「僕の…勝ちです!」
「このガキィ…ぶっ殺す!!」
ランスは立ち上がり、再びエリオに襲い掛かる。
エリオも再びストラーダを構え、ランスと戦闘に入った。
(曲終了)
【ブレイド対グレイブ】
「ハアァァァァア!!」
「グッ!」
ブレイド対グレイブの戦いは、グレイブが優勢だった。
ブレイドは先程のダメージが抜け切っておらず、相手のグレイブはブレイドを超えるスペック。
おまけに装着者がグレイブで自分より性能が上のワイルドカリスと互角に戦う志村の為、苦戦は必死だった。
「ハッ!」
「うわ!」
ブレイドはグレイブの剣戟をとっさにブレイラウザーで防御し、鍔迫り合いに入る。
「どうしたイレギュラー?その程度か?」
「志村…!」
「なら…本気を出すように少しだけ面白い話をしてやる。」
「何?」
「アフガニスタンの汚いガキ共…殺したのは俺さ。」
「!?」
「貴様のジョーカーへの覚醒を促すため、モスキラスを操って殺させた…子供など、世界各国で無尽蔵に増えていく。少しくらい減っても問題は無いだろう?」
「キ・サ・マアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!」
(BGM・覚醒)
怒りが燃えたぎり、ブレイドの融合係数が跳ね上がる。
600、800、1000、1500…まだ上がる。
怒りもあるが、剣崎はジョーカーになったことにより以前より天井知らずの融合係数を叩きだせるようになったのだ。
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!」
「なっ…!」
それからのブレイドの猛攻は凄まじかった。
怒りの刃がグレイブを押し切り、グレイブラウザーを払い、何度も何度も切りつける…
その戦い方は怒りが頂点に達したカリスと同じく、獣そのものの戦い方だ。
「ぐっ…これほどとは…」
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!!」
ブレイドはカテゴリー2「スラッシュリザード」とカテゴリー9「マッハ」のカードを瞬時にラウズし、音速に近い速度を発揮して何度も何度もグレイブを切り刻んだ。
「ぐああああああああ!!」
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!!グオォォォォォォォォォォォォォォオ!!!」
「調子に…乗るな!!」
グレイブは状況を打開するため、キックを繰り出し、ブレイドを蹴り飛ばして間合いを取ろうとした。
しかしそのキックもブレイドに紙一重で回避され、逆にブレイドが繰り出した回し蹴りを受けて自分が蹴り飛ばされてしまう。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
蹴り飛ばされたグレイブは樹木に激突し、悶える。
「このままでは不利か…二人とも、撤退だ!」
「チッ!」
「しょうがないわね…」
ラルクとランスは戦闘を中断し、グレイブに駆け寄る。
「(人を守ろうとする愛…そして命を奪う者への怒り…それらが奴の力を全開させる…か…)」
そしてグレイブは二人の手を握り、テレポートで逃げた。
「あ!」
「逃げられたか…」
「志村…志村あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
後には、ブレイドの絶叫だけが虚しく響いた…
【数分後】
「…」
「剣崎さん…」
エリオはかける言葉を見つけることが出来なかった。
子供達を殺され、仇も取れなかった剣崎を、安易に慰めることなんて出来ない。
「…剣崎。」
その沈黙を破り、顔だけ変身解除したヒビキが剣崎に話しかける。
「一緒に戦おう。皆で戦えば…きっと…」
「…すいません。一人に…させてください。」
剣崎はそれだけ言い残し、エリオとヒビキの前から離れていった。
「剣崎さん!」
「追うな。今は…そっとしといてやれ。」
「…はい。」
ヒビキとエリオは、去っていく剣崎の哀しい後姿を、いつまでもいつまでも見送っていた…
【次回予告】
キンタロス「子供誘拐!?まかしとき!んなことする奴は許せん!」
トカゲバイキング「私は子供が大好きだ!さぁ来い!抱っこしてあげよう!」
キャロ「キンちゃーーーーーーん!」
K良太郎「キャロオォォォォォォォォォォオ!!」
電王AF「今のワイは…明王より恐ろしいで!!」
次回、「キンタロス怒る」
最終更新:2008年03月17日 20:44