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【平成ライダーサイド】七話「キンタロス怒る」Aパート

【AAMON日本支部 司令室】
仮面ライダーラルク・三輪夏美は、グレイブ・志村純一に呼ばれ、司令室に来ていた。

「何よ純一?何か用?」
「お前に指令を与える。」

志村は一枚の折られた用紙を懐から取り出し、夏美に投げ渡す。
夏美はそれをキャッチし、開いて読む。
それには、沢山の人名が書き記してあり、横には子供の写真がはってあった。

「何コレ?」
「見ての通り子供のデータだ。」
「子供ぉ?」

夏美は顔をしかめ、志村を見つめる。

「ただの子供じゃない。勉強、スポーツ…全てにおいて優秀な子供達だ。」
「へぇ…で、これをどうしろって?」
「さらって来い。」
「ええ!?」
「全員、改造人間や未来の幹部候補するんだ。文句は無いな?」
「あたし一人でやるのぉ?」
「安心しろ…トカゲバイキング!」
「グルルルルルルルル!!」

雄叫びが轟き、司令室にトカゲ型の怪人が現れた。

「GODの悪人怪人として、その名を轟かせた怪人、トカゲバイキングだ。コイツと共に作戦に当たってもらう。
トカゲバイキング、お前も分かったな?」
「お任せを!私は可愛い子供が大好きです!必ずや、作戦を成功させて見せます!グルルルルルルルルル!!」

トカゲバイキングは不適切な発言をし、志村に作戦の成功を誓うと、司令室から出て行った。

「…大丈夫なの?」
「多分な。」

【翌日】
夜も更けた時間帯…塾帰りの二人の少年と一人の少女が、おしゃべりをしながら帰路についていた。

「でさ~…なんだよ。」
「マジかよ!」
「…あら?待って!」

少女は、道の真ん中に黒づくめの男性が立っていることに気付き、少年達を呼び止めた。

「何だよおじさん?」
「通れないだろう?」
「どいてくださいな。」

三人は黒づくめの男に道をどくよう頼むが、男はどこうとしない。
それどころか、薄気味悪い笑い方で笑い始めた。

「クククククククク…」
『!?』
「可愛い子供達だ…私は子供が大好きだ!…おじちゃんが抱っこしてあげよう…」

男は黒い服を剥ぎ取り、怪人・トカゲバイキングに変身する。
そして、子供に襲い掛かった。

「グルルウゥゥゥゥゥウ!!」
『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!』

【三日後 デンライナー食堂車内】
その三日後、フェイトは良太郎と共に、エリオ、キャロの二人を連れ、デンライナーの見学をさせにきていた。

「皆!フェイトちゃん達を連れてきたよ!」
「モモタロス!皆!久しぶり!」
「おお!フェイトじゃねーか!」
「四年経って更に可愛くなったねぇ~…フェイトちゃん♪」
「デートなら断るよウラタロス。エリオ、キャロ。」
『はい!』

フェイトと良太郎の背後に立っていたエリオとキャロは、フェイトの前に移動し、座ってコーヒーを飲んでいるモモタロス達に敬礼する。

「エリオ・モンディアルです!」
「キャロ・ル・ルシエです!」
「おうおう、元気がいいじゃねーか!俺はモモタロスだ。宜しくな!」
「僕はウラタロス。宜しくね♪」
「俺はキンタロスや!よろしゅう頼むで!」
「僕、リュウタロス!ダンスを教えて欲しいんだったら、いつでも言ってね!」
「私の名はジーク…こやつらの主だ。」
『いえいえいえいえ。』

ジークの発言を即否定するタロス達。

「えーと…」

キャロはイマジン五体を見つめ、右手の人差し指でモモタロスを指差す。

「あん?何だ…」
「…モモちゃん。」
「ああ!?」

キャロは次にウラタロスを指差し…

「ウラちゃん。」
「へ?」

次にキンタロス…

「キンちゃん。」
「おお!?」

次はリュウタロス…

「リュウちゃん…」
「ふぇ?」

次にジーク…

「…」
「…」
「…ジーちゃん。」
「ぬあっ!?ジ…ジーちゃ…」

最後にイマジン全員に向かって…

「こんな呼び方で…良いですか?」
「お…おお…」
「別に…構わないよ…」
「構へんで…」
「い…良いよ…うん…」
「待て!ジーちゃん…ジーちゃんは止め…」
『図が高い!!』
「うぅ…ジーちゃん…」

ジークは四タロスに一喝され、テーブルの上に顔を沈めた。

「こんにちはー!」

タロス達とのやり取りを終えたのもつかの間、次はデンライナーのアルバイト乗務員・ナオミがエリオとキャロの前に歩き寄り、手製の極彩色コーヒーを二人に出す。

「エリオちゃんに、キャロちゃんですね?あたしは、デンライナー乗務員のナオミでーす♪宜しくね!」
『は…はい…』

二人はコーヒーを受け取り、フェイトと共に空いている席に座った。
良太郎はフェイトの向かい側に座る。

「エリオ君…すごいコーヒーだね…」
「う…うん…飲めるのかな?」
「おやおや…可愛いお客さんですねぇ…」

独特の台詞回しが効いた声が食堂車内に響き、入り口のドアが開いて、デンライナーのオーナーとコハナが車内に姿を現した。

「ハナさん…」
「久しぶりね、フェイト。それと…」

コハナはエリオとキャロの方を向き、二人に微笑む。

「エリオ、キャロ、私はハナ。宜しくね!」
『よろしくお願いします!』

二人はフェイトからコハナはこう見えてフェイトより年上と聞いていた為、敬語でコハナに対応した。

「しかし…これが…フェイト君の子供達ですか…」
『ええええええええええええ!?』

オーナーの何気ない爆弾発言に、四タロス+ジーク、コハナ、ナオミの七人は驚愕し、目を大きく開く。

「あ…あの…皆…エリオもキャロも、フェイトちゃんの養子みたいなもんだから、産んだ子供って訳じゃないよ…」
「な…なんでぇ…ビックリさせやがって…」
「驚きました~」

良太郎のフォローにより、その場は丸く収まる。

「もうオーナー…止めて下さいよ…」

フェイトは少し顔を赤らめながらオーナーを非難する。

「ハッハッハ…失礼…おっと、こんな話をしている場合ではありませんでしたねぇ…」

オーナーは背後に手を回し、新聞記事を取り出す。

「お…おっさん…どっから出したんだよ…」
「モぉモタロス君…細かいことは気にしてはいけません…それより良太郎君、フェイト君、その記事、読んでみてはいかがですか?」
『え?』

二人は新聞を受け取り、二人で読み始める。
記事の一面には、「二日間で十五人の子供が失踪 新手の誘拐か?」と書かれていた。

「子供が…」
「三日で十五人も…」
「この子供達は、皆十二歳以下の子供で、スポーツや勉強の成績が素晴らしい子供達です…
AAMONの臭いが…ただよって来ませんかぁ?」

オーナーの不吉な台詞に不安を覚え、表情を曇らせる。

「酷い…子供を何人も…」
「許せない…!」
「でも…」

エリオは良太郎とフェイトに横から話しかける。

「どうやってあぶり出すんですか?ターゲットが子供じゃ、フェイトさんも良太郎さんも…」
「私が…変装して囮になります。」
『!?』

突然のキャロの発言に、車内の全員が驚愕し、一斉にキャロを見る。

「きゃ…キャロ!何言ってるの!?相手はAAMONかも知れないんだよ!」
「キャロ、落ち着いて!そんな危険なこと…」
「僕も反対だよ!君には危険すぎるよ!」
「エリオ君、フェイトさん、良太郎さん、ありがとう…でも、私だってライトニングの一員です!皆の役に立ちたいんです!」
『キャロ…』
「気に入ったで!」

キンタロスはテーブルをガンと叩き、椅子から立ち上がる。

「キンタロス?どうしたの?」
「そこのお嬢ちゃんの度胸、気に入った!この歳で囮になるなんて、そうそう言えるもんじゃあらへん。
俺がボディーガードになって、きっちり守ったるわ!」
「キンちゃん…」
「キャロ!宜しく頼むで!」
「うん!」

【翌日】
翌日の夜、キャロはカバンを提げ(中にはフリード入り)、人気の無い街を歩いていた。
後ろからはブロック塀や電柱に隠れながら、良太郎にキンタロスが憑いた状態であるK良太郎が付いて来る。
フェイトやエリオもボディーガードをすると言っていたが、あまり大勢では目立ってしまうので、結局K良太郎だけでキャロを護衛することになった。

「(安心せいキャロ…お前は俺が守ったる!)」

K良太郎は歩いているキャロを見つめ、一人気合を入れる。
そんな時だった…

「お嬢さん…」
「は!?」

キャロの前に、黒づくめの男が現れた。

「(キャロ!)」
「あ…あの…何ですか?」
「貴方の名前や写真はありませんが…貴方は可愛い…」

男は服装をはぎ捨て、トカゲバイキングに変身した。

「おじちゃんが抱っこしてあげましょう!」
「か…怪人!?」
「そこまでや!」

ブロック塀の影から、K良太郎が飛び出し、キャロの前に立つ。

「貴様!電王か!?」
「キンちゃん!」
「化物!俺が相手や!」

K良太郎はデンオウベルトを腰に巻きつけ、黄色いボタンを押し、ライダーパスを取り出す。

「へんし…」
「させん!グルオォォォォォォォオ!!」

トカゲバイキングは口から緑色の粉を吐き、K良太郎に吹きかける。
すると、K良太郎の体は石のように硬直してしまった。

「な!?」
「キンちゃん!」
「なんやコレ…動けへん!」
「はっはっは…特殊な硬化剤だ。貴様は半日は動けん。さて…今の内に…」
「キュクル~!!」

カバンからフリードが飛び出し、トカゲバイキングに襲い掛かる。
だが…

「ヌン!」
「キュウ!」

裏拳で簡単に叩き落されてしまい、フリードは道路の上に倒れて気絶してしまう。

「フリード!」
「ははは!今度こそ頂きだ!」
「きゃあ!」

トカゲバイキングはキャロを担ぎ上げ、猛スピードで逃げていく。

「ハハハハハハハハ!!」
「キンちゃーーーーん!!」
「キャロ!!オォォォォォォォォォォオ!!」

K良太郎は気合で硬化剤の効力を振り切り、トカゲバイキングを追いかけていく。

「キンちゃーーーーーーーん!!」
「キャロオォォォォォォォォォォォォォォォオ!!」

K良太郎は加速し、少しずつトカゲバイキングに近づいていく。
やがて、追いつける距離まで近づき、手を伸ばした瞬間…

「残念。」
「な!?」

トカゲバイキングは、キャロと共に瞬間移動で姿を消した。

「あ…あ…」

K良太郎は地面に膝を付き、昼間、そして先程言った台詞を思い出す。

『俺がボディーガードになって、きっちり守ったるわ!』
『安心せいキャロ…お前は俺が守ったる!』

「何が…キッチリ守るや…何が…俺が守ったるや…!」

K良太郎は地面に拳を何度も何度も叩きつけ、瞳から大粒の涙を流す。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」

夜の闇に…K良太郎の悲しい叫びが響いた…

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最終更新:2008年03月18日 20:52