【AAMON日本支部 司令室】
「聞いたぜ夏美。ボロ負けして逃げてきたんだってな?」
「クッ!」
夏美は禍木にたしなめられ、唇を噛む。
「なさけねーぜ。それでもラルクかよ?あ?」
「こっの…!」
「二人とも、それぐらいにしておけ。」
険悪なムードが漂う中、司令室の扉が開き、志村が入室してきた。
「おお志村、コイツ…」
「ああ、聞いてるよ…」
志村は夏美に視線を移し、冷たい目で見つめる。
「夏美、戦わずして逃げてきたそうだね。」
「でも…あの場所には何人もライダーが…」
「言い訳はいい…次にやったら、ラルクバックルを取り上げて死刑台送りだよ。」
「うっ…分かったわ。」
「そう…分かれば良い…」
志村はそう言いながら後ろを向き、司令室のスクリーンに戦車に似た巨大な兵器の設計図の映像を映し出した。
「志村、何だよコレ?」
「AAMONタンク…幽霊博士が開発している、新型の戦車さ。大きさは自衛隊で使用している物の二倍。頑強さは通常の戦車の五倍以上ある。
大砲は荷電粒子砲に改造されている。
これが完成すれば、世界征服も楽になる。
禍木、東京湾にある倉庫で、幽霊博士と鬼火司令が待っている。
このタンク開発の護衛に行ってくれ。」
「っしゃあ!任せとけ。俺は夏美と違って強いからな。」
禍木は夏美に向かってそう吐き捨てると、司令室から出て行き、東京湾に向かった。
「アイツ…見てなさいよ…必ず…いつか…!」
夏美は瞳に憎悪を滾らせ、禍木の去って言った方向を睨んだ。
【新ボード研究所 作戦計画室】
一方その頃、橘、サバキ、三原、R良太郎の四人は、新ボード研究所の作戦計画室の円形デスクに座り、中心の電子スクリーンで自分達の今までの活躍を見ていた。
「うむ…」
負け続け、アンデッドに騙され、恐怖の雄叫びを上げ、丘から転げ落ちて入院する橘=ギャレン
「うう…」
ヤマアラシに倒され、カッパに秒殺され、怪人たちに袋叩きにされるサバキ=裁鬼
「うわぁ…」
家に帰りたいと喚き、雑魚オルフェノクにすらボコボコにされ、簡単に村上にベルトを奪われる三原=デルタ
「うーん…」
全フォーム最強のスペックを持つも、イマジンの撃墜数は全フォーム中最低(スポット参戦のウイング除く)で、いつの間にかアントホッパーイマジンにボコボコにされてしまったR良太郎=電王ガンフォーム
「…!」
サバキはデスクを勢い良く叩き、立ち上がる。
「皆!こんなもので良いのか!?俺達の扱いは…こんな物で良いのか!?」
『良くない!!』
橘、三原、R良太郎の三人もデスクを強く叩き、椅子から立ち上がった。
「こうなったら…日頃弱いだの、ヘタレだのと言われている現状を打開するためにも、今こそ立ち上がろうでは無いか!!」
サバキは拳を振り上げ、三人に熱く語りかけた。
『オオオオオオオオオオオオ!!』
三人もサバキの言葉に同意し、雄叫びを上げて拳を突き上げ、大声で叫んだ。
【平成ライダーサイド】八話「燃え上がれバーニングボンバーズ!」Aパート
………数分後
「で、サバキさん。」
「何だ橘?」
「我々のリーダーは、関東12鬼最年長でありながら、ヤマアラシ、カッパのような一般魔化魍に即座に敗北し、ディスクアニマルでも倒せる鬼の鎧にまで完膚なきまでに敗北した貴方が一番相応しいと思うのですが、どうでしょうか?」
「俺は異論は無い。三原、リュウタロス、お前らはどうだ?」
『異議なーし。』
万場一致だ。
「なぜ怒らない?」と思っている読者も少なく無いだろう。
まぁ…今回はノリとして。
「よし、俺に決まりだ。さて橘、副リーダーは序盤、下級アンデッドに何度も苦戦し、恐怖心に蝕まれ、アンデッドを恐がってとんでもない叫び声をあげるという醜態を晒した挙句、
上級アンデッドに騙されてシュルトケスナー藻のような怪しい植物に漬けられ、以後何度もアンデッドに騙されたお前が相応しいと思うが、どうだ?」
「俺は構いません。三原、リュウタロス、お前達は?」
『異議なーし。』
またもや万場一致だ。
「だからなぜ怒らない?」と思っている読者も少なく無いだろう。
まぁ…今回はノリとして。
「よし…では副リーダーは俺で。」
「分かった。」
サバキはA4サイズの用紙とシャーペンを取り出し、「リーダー・佐伯宋」「副リーダー・橘朔也」「隊員・三原修二・リュウタロス」と書き記した。
「え?僕隊員?やだやだ~!」
しかし、R良太郎は突然隊員と言う自分の地位を不満に思い、駄々をこねる。
「リュウタロス、何が不満だ?」
「だってさ~サバキさん!サバキさんとダディだけずるいよ!僕もリーダーやりたい~!」
「リュウタロス、リーダーがそう何人も居ては、隊が成り立たないだろう?」
橘は優しくR良太郎に言うが、R良太郎は耳を貸そうとしない。
「やだ!リーダーリーダー!!」
「うーん…そうリュウタロスが駄々をこねると、俺もリーダーをやりたくなってきたな…」
「三原…お前まで…」
橘はR良太郎と三原の突然の要求に困ってしまい、首を傾げる。
「サバキさん、どうします?」
「よ~し…」
サバキは隊員と言う文字を消しゴムを取り出して消し、新たに、「保育リーダー・三原修二」「ダンシングリーダー・リュウタロス」と書き直した。
「よし…流石はリーダーの俺だ、センスが良い。」
「…(…良いのか?)まぁいい、リーダー。」
「何だ、副リーダー?」
「これから我々は、何をすればいいのですか?」
「そうだな…」
サバキは顎に手をあて、最初の活動を模索し始める。
そして五分ほど経った後、何かをひらめき、手を叩いた。
「よし、俺はAAMONの情報を集めてくる。お前達は、「ヘタレ」と思われる者達を勧誘して来い。」
『え?』
「「え?」じゃない、ライダーにはまだまだヘタレと思われる奴らが存在するだろう?そいつらも味方につけ、さらに戦力を増強するんだ。」
『はぁ~、成程、流石はリーダー!ナイスアイディア!』
橘、三原、R良太郎は手をポンと叩き、サバキを褒め称える。
「なお…これから我々のチーム名を「バーニングボンバーズ」と呼称する。良いな?」
『はい!何かダサイ感じがしますが文句ありません!』
「よし!万場一致で「バーニングボンバーズ」だ!行くぞ諸君!我々の明日のために!!」
『オオオオオオオオオオオ!!』
かくして、ヘタレ専門部隊「バーニングボンバーズ」が始動開始した。
【新ボード研究所食堂】
「バーニングボンバーズ」始動開始から二十分後。
サバキと別れた橘、三原、R良太郎は、研究所の食堂で食卓に座り、ドリンクを飲みながら誰を仲間にするかを話し合い、三人で議論していた。
「ねぇねぇダディ!真司なんてどうかな?」
まず初めに真司=龍騎の名を上げるR良太郎。
「駄目だ。あいつは主役だ。俺達の隊にはふさわしく無い。」
「そっか~」
「副リーダー!」
三原は勢い良く手を上げ、橘に意見を出そうとする。
「何だ三原?」
橘は即座に三原を指差し、彼を喋らせる。
「睦月なんかどうでしょうか?橘さんの弟子ですから、取り込みやすいのでは…」
「それは俺も考えたさ。しかし、あいつも望ちゃんと言う恋人が居る身、仕事も忙しいし、おそらく仲間になってはくれないだろう。」
「そうか…」
議論は難航し、終了までに九十分と言う長い時間を要した。
そして…
「僕決まった!」
「俺も決まりました!」
「よし、俺も決まった…活動開始だ!」
長い議論の末、勧誘メンバーを決めた三人は、一斉に食堂から飛び出し、そのメンバー達の所へ向かった。
【花鶏】
「バーニングボンバーズ?」
「ああ!俺のように、ヘタレなライダーを探している!」
三原が向かった先は、紅茶専門喫茶店・花鶏だ。
城戸真司、秋山蓮、霧島美穂の三人の仮面ライダーが下宿している。
三原は今、花鶏のウェイターである秋山蓮と会話をしている
「悪いな、城戸は、今日は霧島と一緒に東京ドームシティに…」
「いや!俺が勧誘しているのは城戸じゃない。秋山…君だ!」
「…何?」
三原は背負っていたバッグからレポート用紙を取り出し、書き記してあるデータを読み始めた。
「秋山…仮面ライダーナイトは、初の対ライダー戦…つまり仮面ライダーシザース戦で、自分よりスペックが劣るシザースに実質的な敗北を喫し、その後ライア、ガイ戦でも敗北している。
しかもテレビ版では、自分が甘いと散々言っていた龍騎=城戸にも負けている。
これだけ敗北を重ねているんだ、君は俺達の仲間になる権利が…」
この後、三原が蓮にタコ殴りにされ、店をつまみ出されたのは言うまでも無い。
【甘味処たちばな】
「僕ですか?」
「ああ!」
橘が来ていたのは、鬼ライダー達のたまり場、甘味処たちばなだ。
橘が勧誘している人間は、イブキ=威吹鬼である。
「でも…僕はヘタレじゃ…」
「デタラメを言うな!お前は番組後半、中々魔化魍に勝てなかったり、鬼払いに失敗したり、弟子関係で情緒不安定になったりと、宗家の鬼にしては俺のように失敗続きだったじゃないか!
しかもお前は銃を持っている…来い!お前は仲間だ!」
「え?ちょ!橘さん!?ねぇ!?」
橘はイブキの手を強引に引っ張り、共に店を出る。
多少強引ではあったが、これでメンバーが一人増えた。
【水上喫茶店】
一方、R良太郎は水上喫茶店にシグナムを呼び、彼女の勧誘に入っていた。
「私をお前達の…「バーニングボンバーズ」という隊の隊員になれだと?」
「そうだよ~」
「なぜ私なんだ?大介のほうが適任では…」
「あの人はストーリー的に優遇されてるし、ぶいすりーでヘタレのイメージ解消してるから駄目だよ。僕が呼んでるのはシグナムお姉ちゃんなの!」
「馬鹿馬鹿しい。私にヘタレは縁が無い。帰る。」
シグナムは座っていた椅子から立ち上がり、帰ろうとする。
「良いの~?ニートのままで?」
「ガッ!」
R良太郎はそんなシグナムを背後から「ニート」という単語で呼びとめ、シグナムはそれを聞いた瞬間動きを止めた。
「新人ホッポリ出して独断先行とか、仕事してる描写が無いとか、シグナムパンチとか、散々な言われようだよ~」
「…」
「このままじゃ、大介とも破局しちゃうかもね~、破局~♪破局~♪そうなったらきっと、ヘタレじゃ済まないよ~♪人生の負け組みだよ~♪」
「………アギトを呼んでくる。」
「へへ…やた~♪メンバーゲット~♪」
リュウタロスの巧みな話術(?)により、シグナムはアギトと共にバーニングボンバーズへの入隊を決意した。
【二時間後 新ボード研究所】
交渉を終えた三人は、再び食堂に集まり、新メンバー・イブキ、シグナム、アギトと共に食卓に座って会合を行っていた。
「新メンバーのシグナムだ。」
「ア…アギト…です…(なんであたしまで入ってるんだよ!?)」
「…イブキです。(僕はヘタレじゃない…)」
「良く入ってくれた…嶋さんじゃないが、俺は今猛烈に感動している。」
橘は瞳を輝かせ、新メンバーに祝福の言葉を送った。
「おお!終わっていたか!」
そこに、書類を持ったサバキが現れ、三原の隣の席に座る。
「ん?」
当然、サバキは三原のボコボコの顔に気付くことになる。
「どうした三原?ボコボコの顔して?」
「いえ…なんでもありません…」
「ならいいが…よし、俺が得てきた情報だ」
サバキは書類を食卓の中心に広げ、メンバー達に見せる。
「どうやら、東京湾の辺りに怪しい奴らが動いているとの情報が入った。おそらくAAMONだろう。
我々は今から東京湾に向かい、調査に入るぞ!」
『了解!』
「りょうか~い…」
気合を入れる橘達とは違い、やる気の無い返事をするアギトとイブキ。
まぁ、強制的に入隊させられているのだから当然だろう。
「何だ貴様ら!?」
サバキはやる気のなさを前面に押し出すアギトとイブキの態度に怒りを表し、二人を怒鳴る。
「声が小さいぞアギト!イブキ!もう一度だ!」
『は…はい!』
「ようし…バーニングボンバーズ!出動だ!」
『ラジャー!!』
「(お願い…)」
「(誰か助けて…)」
果たして、バーニングボンバーズの運命や如何に!?
後半へ続く。
最終更新:2008年03月23日 16:39