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【平成ライダーサイド】七話「キンタロス怒る」Bパート

【翌日 デンライナー食堂車内】
「こっの馬鹿野郎!!」

モモタロスはキンタロスの胸倉を掴み、力一杯彼の頬を殴る。

「ぐっ!」

キンタロスは床の上に倒れ、殴られた頬を押さえた。

「大口叩いといて、敵にキャロをさらわれるってな、どうゆう了見だ?ああ!熊公!?」
「モモタロス!」
『モモタロス!』

良太郎とフェイト、再びキンタロスを殴ろうと彼に近づいていくモモタロスを背中から押さえ、止める。

「離せ良太郎!フェイト!エリオ!コイツは…」
「やりすぎだよ!キンタロスだって必死に…」
「私だって!一方的にキンタロスが悪いなんて思ってない!」
「僕だって、敵が硬化剤なんていう能力持ちだったら、どうなっていたか…」
「良太郎、フェイト、エリオ…止めんでくれ。」
「え?」

キンタロスはゆっくりと立ち上がりそう言った。

「モモヒキの言う通りや…俺も、四年前の激戦を潜り抜けた仮面ライダーや…
だから、どんな敵が来ても恐ろしゅうないおもうて、調子に乗ってしもた…俺はこんな情け無い俺が許せん!
良太郎!フェイト!エリオ!お前らも殴ってくれ!俺を、殴り殺すほど殴ってくれ!
俺はこんな俺が許せん!こんな俺は一度死んで、新しい俺に生まれ変わりたいんや!
頼む…殴ってくれ…俺を…殴ってくれ!」

キンタロスの台詞に、嗚咽が混じり始める。
モモタロスも良太郎もフェイトもエリオも、それ以上キンタロスに何も言うことは出来なかった…

【町田 倉庫 AAMON実験場】
町田の外れにある人気の無い倉庫街にある大きな倉庫…
ここは、AAMONの実験場の一つであった。
夕べ囚われたキャロは、この場所に連れてこられていた。

「どうだいお嬢ちゃん?お加減は?」
「くっ…!」

トカゲバイキングが現れ、彼女に話しかける。
キャロは、手枷足枷付きの椅子に固定され、身動きが取れずにいた。

「純一から聞いたわ…貴方、古代ベルカなんだってね?」
「!?」

キャロの耳に女性の声が聞こえ、近くの機械の影から三輪夏美が現れた。

「貴方は?」
「三輪夏美…仮面ライダーラルクよ。」
「ラルク…」

キャロはエリオからAAMON側の仮面ライダーが存在するという話を聞いていた為、ラルク・夏美は敵方の仮面ライダーだということを即座に覚る。

「貴女が…エリオ君が言っていた…」
「エリオ?ああ、浅間山で会ったあの子ね…」
「貴女、人間なんですよね!?」
「ええ。そうよ。」
「だったら!何でAAMONになんか協力するんですか!?あの人達は、悪い人達なんですよ!?」
「悪い…ですって?」

夏美はキャロに顔を近づけ、不気味に微笑む。

「え?」
「アンタみたいなお子ちゃまの薄っぺらな正義感で語らないでよ。
アタシから言わせれば、この世界のほうがよっぽど悪よ。
日本の政界を衰退させたばかりな無能な政治家や儲けることしか考えていない馬鹿な企業の社長、それに、女を単なるお茶酌み機械やセクハラの道具としか見ていない下劣な男供…
こんなクズばかりがはびこるこの世界の方が、本当の悪よ。
けど、AAMONが世界を統治すれば、きっとこの世界は美しい世界になる…
きっと…楽しい世界になる…」
「そんなの、絶対違います!」
「クッ!」

夏美はキャロから顔を離し、キャロの頬に強烈な平手打ちを見舞った。

「きゃっ!?」
「…」

夏美は顔をしかめながら、キャロの傍から離れて行った。

「おお…恐…」

それを見ていたトカゲバイキングは、夏美のヒステリーに恐怖を覚え、身震いする。

【デンライナー食堂車内】
「あ。」

キャロの安否を心配していたフェイトの携帯電話(デンライナーの中でも繋がる特別改造品)が鳴り響き、フェイトは電話に出る。

「もしもし…あ!ダンキさん!」

電話の主はダンキだ。

「え…町田の倉庫!?ええ…そうですか!分かりました!ありがとうございます!」

フェイトは微笑みながら電話を切った。
そして、良太郎、エリオ、キンタロスの方に向き直る。

「三人とも!キャロが見つかったよ!」
『え!?』

三人は勢い良く椅子から立ち上がり、驚いた表情を見せる。

「ホンマかいな!?」
「本当ですかフェイトさん!?」
「でも…一体どうやって…」
「実はさっき、他のライダーの皆に無理言って頼んだよ。怪しい場所を探して欲しいって。
そしたら今、ダンキさんから連絡があって、今エイキさんと一緒に、町田の倉庫の近くに居るんだって!」
「町田?」
「そこにキャロが居るんだよ!助けに行こう!良太郎!エリオ!キンタロス!」
「うん!」
「はい!」
「…」

勢い良く返事をした良太郎、エリオと違い、キンタロスは何も言わなかった。

「キンタロス?どうしたの?」
「良太郎…俺は行けん。」
『え?』

良太郎、エリオ、フェイトの三人はキンタロスのらしくない言動に驚き、目を丸くする。

「俺は…キャロを守れんかった…どの面下げて助けに行け言うんや?
きっと…俺のことを許してへんにきまっとる…」
「キンタロス…キャロはそんな子じゃ…」
「待ってフェイトちゃん。」

良太郎はキンタロスを慰めようとするフェイトを止め、代わりに自分がキンタロスに話しかける。

「キンタロス、もしそうだったとしても、キンタロスはそれで良いの?」
「むぅ…」
「本当はキャロの事、今すぐ助けに行きたいんじゃないの?」
「…」
「大事な事は、許されるか許されないかじゃなくて、キンタロスがキャロを助けたいかどうかだよ。
無理して、自分を束縛するようなことなんていっちゃ駄目だよ。
キンタロスの本心を聞かせて。」
「…!」

キンタロスは椅子から勢い良く立ち上がり、フェイトに頭を下げる。

「頼む…キャロを助けに行かせてくれ!あの子に謝りたいんや…頼む!」
「キンタロス…」

フェイトは微笑み、キンタロスの肩に手を置く。

「!」
「さっきも、「一緒に行こう」って行ったよね?」
「は…!おおきに!良太郎も…おおきに!」
『どういたしまして。』

【町田 倉庫地下 地下牢獄】
「うぇ~ん!」
「ママ~!」

倉庫の地下は牢獄になっており、さらわれた子供達はそこに閉じ込められていた。
キャロも拘束椅子から開放され、今は地下牢に閉じ込められている。

「大丈夫。泣かないで。」

キャロは必死に泣きじゃくる子供達をなだめ、落ち着かせようとしていた。

「きっと助けが来るよ。」
「でも…」
「大丈夫…大丈夫…(キンちゃん…)」

【倉庫街】
一方、K良太郎、フェイト、エリオの三人は、倉庫街でダンキ、エイキと合流していた。

「ダンキさん!エイキさん!」
「よお!」
「久々!」

フェイトはダンキ、エイキと交互に握手する。

「早速ですけど…」
「分かってるって、あそこだ。」

ダンキは倉庫街でも一際大きな倉庫を指差す。

「連絡を受けて町を探していたら、誘拐現場を目撃してな。
子供をすぐ助けようと思ったんだが、よく考えたら、あのまま後を着けた方が良いと思って、ここまで追ってきたんだ。
エイキさんは、比較的町田の近くに居たから俺が呼んだんだよ。」
「流石ですよ、ダンキさん!」
「ははは!褒めろ褒めろ!」

エリオに褒められ、調子に乗るダンキ。
しかし…

「短気なダンキさんらしくないけど、ありがとうございます。」
「おうおう褒め…ってフェイトさん!そりゃ無いでしょ!」
『アハハハハ!』

フェイトには(無意識に)たしなめられ、気を悪くするダンキ。
しかも皆に笑われるというおまけつきで。

「笑うな!エイキさんも笑わないで下さい!」
「悪い悪い!さってと、役者も揃ったことだし、乗り込んで子供を助けに…」
『ギィ!!』

エイキがそう言った瞬間、地面からアスファルトを破り、沢山の戦闘員が現れた。

「フェイトさん!AAMONです!」
「クッ!こんな時に…」
「丁度良いや!なれない待ち伏せで、イライラしてるんだ!」

ダンキは音叉を鳴らし、仮面ライダー弾鬼に変身する。

「ノリが良いねぇダンキ!じゃあ俺も蹴散らすぜ!」

エイキも自分の音叉を鳴らし、仮面ライダー鋭鬼へと変身を遂げる。

「キンタロス!キャロを助けに!」

エリオはバリアジャケットを身に纏い、K良太郎にそう言う。

「ここは、私達が食い止める!」

フェイトもバリアジャケットを装着し、K良太郎にキャロを助けに行くよう促した。

「おお!行くでえぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!」

K良太郎は一直線に突っ走り、倉庫に向かっていった。

「っしゃあ!キンタロス!キャロをキャロ(けろ)っと助けて来いよ!」
「鋭鬼さん!つまりません!」
「うるせぇぞ弾鬼!」

【倉庫内】
「ライダー共が?」
「は!戦闘員達が現在、外で戦闘中です!」
「トカゲバイキング!今すぐ地下の子供達を連れて、逃げるわよ!」
「ハハ!」

トカゲバイキングと夏美がアジトの放棄を決め、地下牢獄に向かおうとした瞬間、轟音を立て、倉庫の入り口が吹き飛んだ。

『!?』

二人が入り口の方を見ると、そこには表情に怒りを宿したK良太郎の姿があった。

「キ…キサマは夕べの…」

トカゲバイキングはK良太郎の気迫に圧倒され、数歩後ずさる。
K良太郎は表情に怒りを滾らせたまま、デンオウベルトを腰に巻いて黄色いボタンを押した。

「変身!」

そしてライダーパスをセタッチし、金色の戦士・仮面ライダー電王・アックスフォームに変身する。
アックスフォームへの変身と共に、周囲に懐紙吹雪が巻き起こり、電王はその中の一枚を掴んで夏美とトカゲバイキングに突きつけた。

「俺の強さにお前が泣いた…涙はコレで吹いておけ!」

(BGM・Double-Action Ax Form)

「クッ…コイツ…」
「トカゲバイキング!行きなさい!」
「は…ハハッ!オォォォォォォォォォオ!!」

トカゲバイキングは専用の斧を取り出し、電王に斬りかかる。
対する電王は懐紙を捨て、デンガッシャーをアックスモードに切り替えた。

「死ね!!」

トカゲバイキングは斧を振るい、電王を攻撃するが、電王はそれを避け、カウンターにデンガッシャーでの斬撃をトカゲバイキングに見舞う。

「グオ!」
「オオリャアァァァァァァァァァァァァァァア!!」

そこからの電王の攻撃は激しかった。
トカゲバイキングに反撃の隙を与えず、ただひたすらにアックスで斬りまくる。
本来アックスフォームの戦い方は、高い防御力を利用して敵の攻撃を受け続け、動きを見切ったときを見計らって攻撃を開始する後の先を取る戦い方だ。
しかし、キンタロスのキャロをさらったトカゲバイキングへの怒り、そしてキャロを守りきれなかった自分への怒りが更なるパワーを電王に与え、敵の動きを見切る必要も無いほど圧倒的な力を発揮しているのだ。

「ば…馬鹿な…このトカゲバイキングがこうも圧倒されて…」
「今の俺は…明王より恐ろしいで!!」

電王は左手で強烈な張り手を繰り出し、トカゲバイキングを突き飛ばす。

「グルアァァァァァァァア!!」

トカゲバイキングは倉庫の壁を貫通し、外まで吹っ飛ばされて路面に叩きつけられた。

「お…おのれ…」

トカゲバイキングはよろよろと立ち上がり、斧を構えるが、最早戦える状態ではなかった。
そして電王はトドメの一撃を放つため、自分がトカゲバイキングを突き飛ばして空けた穴を通って外に出る。

「トドメや!」

電王はライダーパスをベルトの中心にかざし、黄色のフリーエネルギーをデンガッシャーにフルチャージして天に向けて投げる。
そして天に飛んだデンガッシャーを追ってジャンプし、キャッチしてトカゲバイキングに向けて一直線に降下する。

「オリャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「グルウゥゥゥゥゥゥゥアァァァァァァア!!…」

電王はトカゲバイキングを唐竹割りに切り裂き、トカゲバイキングは爆発する。
これぞアックスフォーム必殺…

「…「ダイナミックチョップ」。」

だ。

「クッ…!」

夏美は不利を悟り、倉庫から撤退する。
その後電王は、フェイト、エリオ、弾鬼、鋭鬼と合流し、キャロを含む子供達を助け、デンライナーで倉庫を破壊した。

【デンライナー食堂車内】
「スマン!」

キンタロスは、キャロに土下座で頭を下げ、自分の至らなさを詫びる。

「キンちゃん?」
「俺が至らなかったせいで…お前を危険な目に合わせてしもた…謝って許されることやあらへんけど…今の俺は、これしか詫び方を知らん!
ほんと…スマン…」
「…」

キャロはキンタロスに歩み寄り、優しく肩に手を置いた。

「え?」
「そんなに謝らなくて良いよ。失敗は誰にだってあるもん。
キンちゃんがそれを許せないなら、次は失敗をしないように頑張れば良い。」
「キャロ…」
「それと…」

キャロはキンタロスの頬に唇を近づけ、軽くキスをする。

「ぬお!」
『ああああああああああああ!?』
「キュクル~!?」

驚愕するギャラリー(タロスズ、ナオミ、コハナ、フェイト、エリオ、フリード)達。

「助けてくれて…ありがと!キンちゃん!」
「あ…へへ、おおきに!」

【次回予告】
サバキ「宙吊り、瞬殺、袋叩き…」
橘「ボドボド、恐怖心、ウワアァァァァア…」
三原「弱い、ホームシック、置物…」
リュウタロス「女の子達に人気ある割にはライダーとしての活躍は少ない…」
イブキ「あの…なんで僕まで…」
サバキ「こんなんで良いのか!?」
橘・三原・リュウ「良くない!!」
サバキ「こうなったら意地でも活躍して、俺達の活躍を見せてやる!」
橘・三原・リュウ「おおおおおおおおおおおおおお!!」
イブキ「あの…だから…」

次回、「燃え上がれバーニングボンバーズ!」

サバキ・橘・三原・リュウ「俺(僕)達はヘタレじゃない!!」
イブキ「だから僕は元々へタレじゃ…」
工事現場監督(井上敏樹)「お前はヘタレだよ。」
イブキ「ダリナンダアンタイッタイ!?」

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最終更新:2008年03月20日 15:06