「う、う~ん!終わったぁ」
一人の女性、シャリオ・フィニーノは書類を完成させ、くつろいでいた。
彼女は自分が作り上げたシステムの書類を作っていたのだ。
「終わったのか…。コーヒーだ飲むといい」
「あ、ありがとうございます、アインさん」
銀髪に黒い帽子を深くかぶった女性、アインからコーヒーを受け取りシャーリーは再び書類に目を向けた。
「それにしてもすごい。画期的なシステムです。これならイマジンも…」
「ああ…。元よりその為のシステムだからな」
「そう言えば、アインさん」
「なんだ?」
「アインさんは起動後の姿は知らないんですよね?」
「そうだな…。実際に見たことはないからな」
「じゃあ、見ます?」
「良いのか?なら、見せてくれ」
「御安いごようです!」
そう言うとシャーリーはキーボードを操作し複数のモニターを出した。
「まずはスバルから。スバルのはややスピード特化してます」
「どんなアーマーなんだ?」
「スバルのは胸部、脚部、肩部に赤色のアーマーが装着されて鉢巻きも赤くなります。
後、これは全てに共通するんですけど顔に仮面はつけてないんです」
「何故なんだ?」
「だって仮面つけたら可愛くないじゃないですか」
「それだけの理由か…」
「後、泳げません♪」
「良いのかそれ…」
「次はエリオ」
(流したな…、確実に)
「エリオのは青色の亀の甲羅の様なアーマーが装着されて、顔の横にアンテナがセットされるんです」
「なんだそのアンテナは?」
「デンソナーと言って言わばソナーシステムですよ」
「小型のレーダーと言う訳か」
「後、このアーマーだけ背部にデンスクリューと言う物があって泳げるんです。ただ…」
「ただ?」
「キック力と防御力以外スペックは、最弱なんです」
「おい、良いのか?」
「いいんですよ。ほら、可愛い男の子がボロボロになるのが良いんですよ♪」
(段々、危なくなってるのは気のせいだ、気のせい。)
「次はキャロ。キャロの場合は金のアーマーが装着されて、帽子が黄色になるんです。
この帽子は自動で飛んだりするんですよ。後…」
「後?何があるんだ?」
「帽子にはリイン曹長が乗り込んでて空を飛んだり盾になったりするんです♪」
「どこのスーパーロボットだ!どこの!」
「て、言うのは嘘で本当は防御力とパワーが高いんです」
(まともなのがないのか)
「で、ラストがティアナ。これは紫色のアーマーでキック力と起動力が最も高いんですよ」
「最後が一番まともだな…」
「あと、ターゲットスコープも搭載してるんですよ。後はキャストオフをつければ…」
「待て、それ以上は色んな意味で待て!」
「性能が…」
「少し、静かにしろ。いいな!!」
「は、ハイッ!!」
有無を言わさぬ口調でシャーリーを黙らせるアイン。
そこへ、ドアをノックする音と共に声が響いた。
「シャーリー、差し入れ」
「入っていいよ!」
シャーリーが返事をすると一人の人、いやイマジンが入って来た。
黒いローブを身に纏い黄金のカラスの様な顔立ちのイマジンであった。
「はい、どうぞ。差し入れのおにぎり。さあ、召し上がれ」
「いつもありがとう、デネブ!アムッ、美味しい~っ!!」
「ささ、アインもどうぞ」
「いただこう」
そう言って一口おにぎりを食べ、アインはこう洩らした。
「美味しいな…」
彼女は感慨にふけっていた。昔を、思い出し…。
(思えば、十年前まではこうやって食べることもなかったな…)
「あれからもう十年、か…」
「どうしたんですか?気分でも…」
「大丈夫、少し考えこんでいただけだ」
「なら、いいんですけど…」
感慨にふけっていたアインにシャーリーは心配し声をかけてきた。
アインが答えると少し安心したようにそれ以上は聞いてこなかった。
ちなみに余談だがアーマーのデザインはシャマルとシャーリーがノリノリでデザインしたらしい。
最終更新:2008年04月29日 10:06