九月末、時空管理局本局、コーネリア提督の執務室・・・
”彼”はコーネリア提督に次の任務への着任辞令を受けていた・・・

「・・・では私は次の任地へ赴くが・・・いいなルルーシュ?
くれぐれも判断を誤るなよ。お前はいつも・・・」
「・・・その口上はもう聞き飽きましたので私は失礼させてもらいたいのですが・・・」
「・・・相変わらずだな、その人を舐め切った態度は」
「誰のお陰でこんな性格になったと思っているんです、提督殿?」

「閃光の女帝」の異名を持ち、時空管理局内はおろか行政府にも強い発言力を持つ彼女に
唯一まともに張り合える男・・・ルルーシュ・ランペルージ
彼は元々ミッドチルダ行政府に強い影響力を持っていた高官の家系の出自だったのだが、
彼らの両親がロストロギア関係のテロに巻き込まれて命を落とし、
その時に救助に現れたコーネリアに幼い妹共々命を救われ
彼女の庇護の元で穏やかに暮らしていたのだが、
自身に魔法の才覚があったことと両親を殺した犯人を自らの手で見つけたいという思いから
時空管理局への入局を志願し、現在では彼女の片腕として辣腕を振るっているのだが・・・
二人とも大の負けず嫌いであり、二人が顔を合わせればいつもこんなケンカ口調で
会話が始まる・・・

「全く・・・本来ならば、我等が全軍で事に臨まねばならぬ事態だというのに・・・
何故今年に限ってこうも”豊作”なのだ・・・!」
「仕方ないでしょう・・・。今年に入って発見されたロストロギアは総計で128、
内、第一種指定物が25、しかも遺跡型が12ですから・・・
それらの調査の為に我々はおろか、行政府や聖王教会の部隊まで駆り出してるのが
現状ですからね・・・シュナイゼル卿が手を回してくれなかったらお手上げですよ・・・」
コーネリアは大きく溜息をついて話を続けた
「・・・ともかく今回のお前の任務はあの”11年前の惨劇”を起こしたあの闇の書の回収だ
くれぐれも油断はするなよ。もし何かあれば我等も直ぐに駆けつける」
「・・・まだ着任すらしていないのになぜ貴方にギブアップ宣言をしろと
言われなければならないんです・・・?」
「もしもの時の事を言っているっ・・・!!お前は指揮官としての自覚が・・・!」
また長くなるなとルルーシュが考えていた時、突如提督宛に緊急の連絡が入った
「提督、アヴァロンより緊急入電です。第237特定放置エリアにて闇の書の不法所持で
手配中の人物を発見、カレン副長率いる第二、第三部隊が現在その者達と交戦中、との事です」
「・・・わかった、ご苦労だったな」
「第237特定放置エリアか・・・ここからではカレンとの合流までに2時間以上掛かるな・・・」
ルルーシュがそう呟いた
「それを言っても仕方あるまい。ルルーシュ、お前は直ぐに現場に向かえ
現場までの足はこちらで用意する。いいな?」
「了解です、提督」
「いいか、繰り返すようだがくれぐれも判断を・・・」
彼女がしつこくルルーシュに注意を促そうとすると、彼は鬼気迫る表情で彼女の言葉を中断させた
「・・・分かっていますよ。私としてもあの惨劇を再び起こす気など毛頭ありませんからね・・・
では提督、私はこれで失礼します」
「・・・ふっ、では頼むぞルルーシュ。ハラオウン提督にも宜しく言っておいてくれ」
彼女の笑みを背にし、ルルーシュは執務室を後にした・・・

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最終更新:2007年08月14日 09:27