その夜、ハレは机の上にノートを置いていた。
「あーあ、社会科見学かぁ」
所在なさげにページをぱらぱらめくる。
「しっかし、先生もいいかげんだよな。どの仕事を見るかは任せるって言うんだからなぁ」
マジックでノートにとりあえず社会科見学と書いておく。
「まあ、手近なところですますから楽で良いけど。母さんに狩りの話でも聞こうかな」
いきなりハレの顎にグゥの拳がアッパーを決める。
「何するんだよ!」
「やれやれ、情けない。こう言うときにこそ普段なら絶対に見れないものを見て見聞を広めるべきであろう」
「また、いいかげんなことを・・・。だいたい、グゥにはそういう普段見れないものの当てでもあるのかよ?」
「ある」
「なんだよ」
「魔法の国の警察官みたいな仕事、というのはどうだ?」
「はぁ?魔法の国って・・・・ネズミの国の警備員ことじゃないだろうな?」
「ちがう、本物の魔法の国だ」
「なにいってんだか」
椅子に座り直して肩をすくめる。
「だいたい魔法の国なんてあるわけがないだろ。あったら行ってみたいよ」
「そうか」
グゥがなにかを取り出す。
背中を向けているハレにはそれは見えない。
「・・・・・・セット・アップ」
「stand by ready. set up.」
聞いたことのある声が聞こえる。
その頃、ミッドチルダ。
「あれ?レイジングハート・・・ここにかけたはずなのに」
なのはが胸のあたりをぱたぱた叩いていつもそこにつけているレイジングハートを捜していた。
「グゥ、なにやってんだよ」
後ろを振り向く。
グゥがどこかで見たことのある杖をハレに向けていた。
「ここんとーざい」
「ALL RIGHT」
杖の先にピンクの光がともり、大きくなっていく。
「ちょ・・・ちょっと、まっ!」
閃光!
爆音!
ハレはピンクの光に包まれた。
ミッドチルダ機動第六課本局。
なにか胸騒ぎを感じたなのは歩いていた。
レイジングハートはなのはの胸にある。
玄関前についたとき、そこで見つけたのは地面に上半身をめり込ませて痙攣しているハレと
「よう」
なにかを成し遂げたようなイイ顔で右手を挙げているグゥだった
最終更新:2007年08月14日 14:26