衛星軌道上
 アースラにて………


「……再生反応………ありません!」
先程のアルカンシェルの砲撃で、闇の書の闇――夜天の書の暴走した防衛プログラム――を消滅させた。
「……ふぅ………準警戒体制に移行………」
この船、次元航行艦アースラの艦長、リンディ・ハラウオン提督は安心したかのように席に戻った。
しかし、
「……!?………待ってください!!急激な次元振動探知!!小規模のようですが………」
オペレーターの一人が血相を変えて報告をしてきた。
「次元振動の発生源はアルカンシェル着弾点です!!」
「……まさか………」
リンディは恐怖した。
アルカンシェルの直撃を受けた闇の書の闇が、瞬時に次元空間に逃げ込み、帰って来たのかと考えたのだ。
しかし………


同時刻、衛星軌道上
アクシズ表面にて………


落下するアクシズ表面に取り付き、押し返そうとする仲間の機体達。
中には敵のギラ・ドーガの姿まである。
落下するアクシズ表面は大気の摩擦熱で真っ赤になっており、その中には自機のオーバーロードと摩擦熱で自爆する機体までいる。
「もういいんだ!引き換えしてくれ!!」
彼等に悲鳴にも似たような声でアムロは叫んだ。
すると機体から緑色の光が周囲を包み込み、表面に取り付いていた機体達を引きはがした。
『これは……サイコフレームの共振………!?』
アムロの機体、νガンダムから出る光は、徐々にアクシズを押し返していった。
しかし、
「……!?……何だ………この引きは!?」
引力とはまた違う引きに、アムロとその周囲にあった残骸は謎の空間に引かれていき、
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
そのままその空間に引き込まれてしまった………


「……次元振より反応!何かがここに来ます!!」
管制官のエイミィが声を張り上げる。
この情報は地上にいるなのは達には知らせていない。
もし闇の書の闇ならばもう一度アルカンシェルを撃ち込んで倒す。
しかし連続での使用は想定されてない為、今はアルカンシェルは撃てない。
しかし、その物体はすぐにこの空間に現れた。
「次元振反応さらに増大!物体が来ます!」
「………っ!」
リンディは覚悟を決めた。
しかし………
「………?」
「……何………?」
そこには全長20メートル程ある機械の巨人が漂っていた………





魔法少女リリカルなのはStrikerS ~次元を越えたニュータイプ~

プロローグ
 その出会いは唐突に………







 数時間後 次元空間
 アースラ外部結界格納庫


急遽、数人の魔導師によってアースラの左後方に黒い結界を張り、格納庫として機能するように作った場所。
そこには20メートルはある巨大な鉄巨人が突っ立っている。
「……………」
帰還したクロノはその巨人の目の前に立ち、呆れたような顔で見ていた。
なぜなら、その巨人を調べるために数人の魔導師がその巨体にバインドをかけ、さらには付近に全戦闘員をデバイス装備状態で囲んでいるのだ。
「……………」
さらに頭を抱えるクロノの隣には未だにバリアジャケットのままの者達。
「大きい………」
「ほんまやなぁ………」
なのはとはやては大きさに驚いて声をあげた。
しかしその横には、
「うおぉぉぉ!」
まるで子供(外見はそうなのだが……)のように目を輝かせて見入るヴィータの姿。
「はぁ………」
クロノは頭を抱える原因を見てため息をついてしまった。
そこに
「クロノ君」
「あぁ…エイミィ………何か分かったかい?」
「実は………」
エイミィは少し困惑した顔をして巨人を見た後、
「生体反応があったの………」
そう一言いった。
「人でも乗ってんじゃねーのかな?」
ヴィータがはやてにそう聞き、
「もしかしたら機械生命体って奴やろか?」
はやてがシグナムに聞く。
「なっ……何故私に聞きますか………」
「知ってそうな感じがしますからねー。」
「シャマル……!」
戸惑うシグナム。
ヴォルケンリッターの騎士シグナムも戸惑うことがあるのか…とフェイトが考えていると………
「ク……クロノ君!」
「どうしたなのは?」
気が付いたのはなのはだった。
「あれ、動こうとしてるみたい!」
「何?」
そういって再度顔を見ると同時に目に緑の光が点りこちらを見るように顔を傾けた。
「なっ……武装局員前へ!」
「バインドが切れる!」
武装局員が構えるのとほぼ同時にバインドは引きちぎられ、その巨人は出口を探すように辺りを見回している。
「非殺傷設定で撃つんだ!!」
「喰らえ!」
武装局員が攻撃をする。
しかし攻撃は当たるもさしてダメージはないようだ。
さらには爆音と同時に頭から撃ち出された弾丸が地面に数発着弾する。


「……クソッ…………皆大丈夫か!」
クロノはシールドで破片から身を守り、皆の無事を確認する。
「なんとか………」
クロノは今の攻撃に対して反撃を試みようとした。
その時だった。


『危ないから下がっていろ!!』


突然の言葉。
暴れようとしている者から発せられた言葉。
訳の解らないクロノだったが、巨人は気にせずに歩きだし、左腕にあったものを取り出し構えるとそこに桃色の光の剣が現れ、外壁の一部を切った。
しかし巨人は、切ったのはいいが出ていかない。
かわりに『ここは……?』といって動かなくなった。

その時声をかけたのはなのはだった。



「もしかしたら…この世界の人じゃ……無いんですか………?」


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最終更新:2008年08月10日 17:03