長野県某所―――。
空の色は、見渡す限りの黒。正確には少し白み始めた紺色と言ったところだろうか。
太陽の昇り切っていない朝の空は暗く、それが山奥ともなれば人の顔もはっきりとは判別できない程。
まだ人々も目覚める前のこんな時間に、山奥を歩く一人の女性が居た。
シンプルな造りの服に身を包んだ、ベージュ色の髪の女。
服の造りを見るに、明らかにこの世界――つまり97世界の服装とは思えない。
それもその筈。見た目の通り、彼女はこの世界の人間ではないのだから。
彼女は、プレシア・テスタロッサが再び契約した使い魔――名はリニス。
以前プレシアが契約していたリニスと、全くと言っていい程に外見の相違はない。
同じ種類の山猫を素体に、リニスの記憶を植え付け、再びリニスを造ったのだ。
そんなリニスが何故このような場所にいるのか。それは簡単、探し物を見つけるためだ。
暫く山中を歩き続けたリニスは、とある木の根元に、金色に輝く何かを発見した。
「……見つけました」
一言呟くと、リニスはすぐにそこへ駆け寄り、“それ”を拾った。
一通り眺める。それは僅かなエネルギーの反応を頼りに探し続けた目的の物に違いない。
リニスが握り締めたのは、どこか顔にも似たような彫刻が刻まれた金色のかけら。
かけらの大きさは、ほんの5センチにも満たないほどの小さなものだ。
しかし、そんな小さなサイズでありながら、それはかつてプレシアがフェイトに集めさせていた
ロストロギア・ジュエルシードに及ぶほどのエネルギーを内包した物質。
全てのかけらを集めることで、プレシアの野望は大きな一歩を踏み出す事となるらしい。
リニスは何処か重たい表情を浮かべながら、そのかけらをぎゅっと握り締め――
やがて光と共に現れた魔法陣の中へと、消えていった。
◆
海鳴市、八神家―――07:27 p.m.
「よし、出来たー!」
大きな声を上げて、雄介が大きく背を伸ばした。
雄介の目の前。テーブルに置かれたミシンに乗っているのは、一枚のシャツ。
それはほんの数日前に、八神家の資金で買ってもらった真白のシャツ―――ではなく。
真白でありながら、胸元に小さな刺しゅうが入ったシャツであった。
「いきなり大きな声出しやがって……出来たって、何がだよ?」
「ヴィータちゃん、ほらほら! これ見てよ!」
「ん……?」
雄介の声を聞きつけて、真っ先に雄介の前にやってきたのはヴィータである。
怪訝な表情を浮かべながら尋ねるヴィータに、雄介は嬉しそうな笑顔を浮かべ、ミシンからそっとシャツを引き抜いた。
それが何だよと呟くヴィータに、雄介はシャツの胸元を指さした。
「ほら、これこれ。クウガのマーク」
「クウガ? 何だよ、それ」
「え? まぁ~……俺のトレードマークって感じかな?」
「ふーん」
クウガという言葉に聞き覚えのないヴィータは、特に何も考えずにシャツを眺めていた。
ヴィータの視線の先に顕在するマークは、雄介お馴染みの“クウガのマーク”。
クウガのマークなどといっても、解ってくれる人は元々極端に少なかった為に、ヴィータの反応もまぁ想定の範囲内だ。
もしも“未確認生命体第4号のマーク”と言えばヴィータも解ってくれたかも知れないが。
今のところは雄介自身がクウガとして戦った事を知っているのは、ゴウラムを目撃したアースラのスタッフのみ。
ヴォルケンリッター一同が知っているのは、雄介が元居た世界で発生した“未確認事件”の終結に関する話だけだ。
つまり、未確認生命体第4号の存在は知っていても、それがクウガという名前であることも、雄介がクウガであることも知りはしない。
雄介とてヴォルケンの皆さんに隠すつもりはないが、別に自分がヒーローみたいに戦ったなどと話すつもりもないだけである。
事実一年間に及んだクウガの戦いは熾烈を極めたものであり、面白おかしく誰かに話せる内容ではないのだから。
「雄介君~……喜ぶのはええけど、もうすぐ晩御飯の準備するからそれ片づけてな」
「おぉー! オッケーオッケー、今日の晩御飯は何かなー」
「もうちょっとで出来るから待っときー」
キッチンから聞こえるはやての声。
雄介は今日の夕飯に期待を込めた笑みを浮かべながら、ミシンを持ちあげ、リビングを後にした。
これを片付ければはやての美味しい料理が食べられる。そう考えるだけで嬉しくなってくる。
雄介は、早く片付けてしまおうと、小走り気味にミシンを運んで行った。
それからややあって、納戸部屋代わりに使われていた部屋に赴いた雄介は、元あった場所にミシンを戻した。
これでよし、と。雄介が頷き、リビングに戻ろうとした、その時であった。
―――ドクン
雄介の足が止まる。
次に漏れたのは、声にならない呻き声。
それはほんの一瞬の出来事。しかし、腹部に感じた熱と痛みは確かに何処かで感じたことのある感覚だ。
腹部を抑えながら、片手を壁に立てて体重を預ける。
見れば、腹部に内蔵されたアークルの、その中心部。
モーフィンクリスタルと呼ばれる部分がオレンジ色に、しかし力無く薄い輝きを放っていた。
それは今にも消えてしまいそうなか弱い光。服の上からでは確認できない程の僅かな輝きだが、雄介には確認出来た。
しかし、それもほんの僅かの間のみ。光は、痛みの余韻が消えさると同時にゆっくりと消えていった。
雄介はこの感覚を、以前にも何処かで味わったことがある。
そうだ。これは――
(……初めてベルトを付けた時と同じ感覚だ……)
それは雄介が、クウガとしての初陣の時、初めて感じた感覚。
初めての未確認生命体。第1号――ズ・グムン・バとの戦い。
その中で初めて古代クウガの変身ベルト――アークルを身に付けた時も、腹部にこんな痛みが走った。
何かが脈打つような―――強くて、熱い感覚。
雄介は以前にも感じたことがある。
(もしかして……ベルトのヒビが治って行ってる……?)
その原因に、雄介には心当たりがある。
クウガは一度、0号との初めての戦いで完膚無きまでに叩きのめされた。
それまでの未確認の中で、間違いなく最強と言える存在――未確認生命体第46号を破った
“黒の金のクウガ”の力を持ってしても、0号にはまるで歯が立たなかったのだ。
その際に一度、クウガのアークルは崩壊寸前にまで破壊された。
しかし、それでも雄介は究極の姿へと超変身を遂げ、0号との決着を付けに挑んだのだ。
勿論、二度目の戦いは無事で済む筈もなく、クウガのアークルは“完全に”破壊された。
それ以来クウガに変身することが不可能になったのはこの世界に来てから確かめた事だが、
仮にこれがアマダムがクウガの能力の回復の為に一時的に変身能力をリセットしたものだとしたなら――
もしかしたら、初めてベルトを装着した時と同じように、もう一度ゼロの状態から回復を始めたのかも知れない。
少し考えて、そんな考えに至った。
それはつまり、遠くない未来……雄介にクウガとしての力が戻るかもしれないということである。
しかし。
(俺にはもう、クウガの力は必要ない……)
雄介がそう思うのも当然のことだ。
平和なこの世界で、雄介が再びクウガの力を使う事は無いだろうし、勿論使うつもりもない。
と、言うよりも正直な所クウガの力は二度と使いたくないというのが雄介の本音なのだ。
クウガの力を使わなければならないという事は即ち、再び未確認が現れたという事。
当然の事、二度とそんな事態にはなって欲しくはない。
もう二度と、クウガの力を使わなくて済む世界―――
そんな当たり前な世界を、雄介はあれだけ必死になって取り戻したのだから。
「どうした? 雄介」
「お、ザフィーラ……ううん、何でもないよ!」
「そうか……もう食事の時間だ。早くリビングに来い」
「あぁ、うん。すぐ行くよ」
一瞬の苦しさに壁にもたれていると、気付けば廊下からザフィーラが覗いていた。
ザフィーラは少しだけ怪訝そうに眺めていたが、雄介は心配させまいと笑顔を浮かべた。
変に心配させなくて済むように。それが、雄介の優しさだから。
EPISODE.07 暗雲
海鳴市、バニングス邸―――09:30 a.m.
アリサと雄介が出会ってから数日後の休日。
お茶会にと誘われ、雄介ははやてと一緒にアリサの家に訪れていた。
勿論今日ははやても一緒にいる為に、ビートチェイサーは使用していない。
普通に街のバスに乗って、ここまでやって来たのだ。
バスの中でなのはとフェイトと合流し、次に乗り込んで来たすずかとも合流。
こうして揃ったメンバーは、屋敷のテラスに設けられたお茶会専用スペースに一同揃ってやってきていた。
ただし、その中で一人。やけに落ち着かない人物が。
「どうしたん? さっきからキョロキョロ家見回して……いや、言いたい事は解るけど」
「え? いや、まぁ……大きいなって思って」
「そう? すずかの家もこれくらい大きいわよ」
「へぇー……」
雄介だけはただ一人、落ち着きなくきょろきょろと家を見渡していた。
そもそも雄介の常識で考えれば、こんな巨大な家はドラマか漫画の中だけの筈だったのだ。
どう考えたって雄介の知る普通の日本の住宅に―一部を除いて―こんな馬鹿でかい家は無く、
もう流石異世界と思わざるを得ない状況であった。それがこんな身近に二人もとなると、尚更だ。
「もしかして、五代さんの世界じゃ家ってこんな感じじゃないの?」
「え……いやいや、そんなことはないよ。ただもっと小さかったってだけで……」
「そんなこの家のサイズが当然みたいに質問するのも間違いやと思うけどな」
取りあえずこの世界でもこんな家がそう簡単にそこら辺にある訳ではない。
軽くフォローを入れるはやてに苦笑いをしながら、雄介は次の言葉をつなげた。
「って、もう皆俺が違う世界の人間だって知ってるの?」
「そりゃあ、今はもう有名人だからね。私たちの間じゃ」
「そういえばそんなこと言ってたね……」
「まぁまぁ、今日は五代さんの歓迎会って意味合いもあるんだし、ゆっくりしていきなよ」
そうなのはに言われた雄介は、嬉しそうに微笑んだ。
◆
さて、ここまでしばらく様々な雑談を続けた中で、不機嫌そうな表情を浮かべる少女が一人。
なのはとフェイトのラブラブカプルはまぁいいとして、そこにはやても加わって魔法談議に花が咲く。
そこにいつでもにこにこと話を聞くすずかに雄介。最後に残るのは話に入れないアリサのみ。
なのは達が語る、雄介との出会い話から、雄介の世界の話などを経て、段々と話は脱線していったのだ。
異世界や魔法などが絡んだ内容が話の主軸に持ってこられると、自然と三人の間に入りづらくなっていくのは明白。
そうなってくると、例え自分が振った話だとしても「しくじった!」としか思えなくなって来るのだ。
「あれ……アリサちゃん、さっきから一言も喋らないけど、大丈夫?」
「別に、大丈夫だけど」
「そっか……ならいいんだけど」
雄介はいつも通りの笑顔で、アリサに訪ねてくる。
出来るだけ普段通りの表情をしようと心がけてはいるのだが、
やはり感情を表に出しやすいアリサは少し不機嫌そうな返事を返してしまう。
雄介は雄介で、心配そうな表情をしながら、アリサを眺めるのみ。
それはすずかも同様で、苦笑いを浮かべながら自分に視線を送っている。
きっと二人とも、気付いているのだろう。アリサが不機嫌であることに。
なのは達もアリサを見れば気付くはずだが、話が盛り上がり過ぎている今、しばらくそれに気づく気配はない。
アリサは一人ため息を落とすと、ゆっくりと立ち上がった。
「あれ? どうしたの、アリサちゃん?」
「ちょっとトイレ」
それだけ言うと、アリサは黙々と一同の輪の中から出て行った。
さて、トイレと言って席を立った訳であるが、これは嘘である。
実際にはただ何となく、あの場に居辛かったというのが真相である。
だから少しだけ、気分転換とばかりに外の空気を吸いに、アリサは庭へと足を運んだのだ。
バニングス低の屋敷の大きさに比例して、庭もまた巨大な敷地内に出来た公園のような作りになっている。
そんな広大な敷地内をただぶらぶらと歩いていると、やがて一匹の子犬がアリサの足もとに寄り添ってきた。
この屋敷は別名、犬屋敷と呼ばれるほどだ。当然庭にも沢山の犬が放たれており、アリサに寄って来たのはそのうちの一匹。
犬好きのアリサはゆっくりとしゃがむと、子犬の頭を優しく撫で始めた。
しかし子犬は一度アリサと視線を合わせると、すぐにアリサから離れ、何処かへと走って行く。
どうやらただ走って行った訳では無さそうだ。
それは何処か、アリサに着いて来いと言っているかのように感じられた。
「あっちで何か見つけたのかな……?」
言いながらも、小走りで子犬の後を追いかける。
やがて子犬は少し先まで走ったところでストップ。
そこに落ちていた、小さな“かけら”を、鼻でつつき始めたのだ。
これを見付けたということを、アリサに伝えたかったのだろう。
アリサは小さく微笑み子犬をよしよしと撫でると、そのかけらを手に取った。
「これ……何かしら。結構綺麗だけど……」
黄金色に輝く何かのかけらを、太陽にかざして見る。
眩しい太陽光に照らされた欠片は、キラキラと金色の輝きを反射する。
何処か神秘的な雰囲気を秘めたそれを、アリサは見とれるように眺めていた。
そうしていると、ふと近くに誰かの気配を感じた。
「あれ……すずか?」
「やっぱりここに居たんだ、アリサちゃん」
にこにこと微笑みを向けて来るのは、親友の一人――すずかだ。
「ま、まぁね……って、すずかが何でこんな所にいるの?」
「アリサちゃんならここにいるかなって思って……アリサちゃんが戻ってこないから、皆心配してたよ?」
「あ……そっか、そろそろ戻らないとね」
それだけ言うと、アリサは手に握ってかけらをポケットにしまい込み、苦笑いで返した。
流石にトイレにしては長すぎたか、と自嘲しながら。アリサはすずかの横を通り過ぎる。
すると、ふとすずかが口を開いた。
「ねぇ、アリサちゃん」
「え? なによ、すずか」
「私にも、わかるよ……何となく気まずいのは……」
「え……何よ、いきなり……」
「……でも、私たちは友達でしょう?
そりゃあ、確かに話にはついていけない事もあるけど――」
「友達だからこそ、キツいんでしょ……それじゃあ、私戻るから」
「ちょ、ちょっと待って……アリサちゃん!」
すずかの話にも聞く耳持たず、アリサは黙って歩きだした。
背後からすずかの呼ぶ声が聞こえるが、聞こえないふりをして歩き続ける。
きっとすずかはもっと大切なことを言おうとしたのだろう。そんな事はわかっている。
だけど、やはりアリサは変に意地を張って―――こうなってしまった。
しかし、友達だからこそ、その中で距離が出来てしまう事を恐れるのは、本当のこと。
いつだって自分がこうやって意地を張って、話がこじれてしまう。
最初に――なのは達と仲良くなる前に、三人が喧嘩をしてしまった事がある。
その時だって、自分が悪いと解っていながら意地を張って、結局引きさがる事は無かった。
最終的に親まで出てきて、何とか解決。今は掛け替えのない親友となっているのだが。
今となっては忘れられない思い出を思い浮かべながら、アリサは黙々と歩き続けていた。
◆
広間と言えるような大きな空間。
一般人が見れば薄気味悪いとすら感じるであろうこの空間に、二人の女は居た。
プレシア・テスタロッサと、その使い魔のリニスだ。
「よくやったわリニス。これでベルトの修復率は約50%……もうすぐね」
「プレシア……この行動は、アリシアと何か関係があるのですか?」
「それは貴女には関係のないことよ」
怪訝そうな表情で尋ねるリニスに、プレシアは冷たく言い放った。
言い返せないリニスは、そのまま俯いて黙り込む。
何故プレシアが過去のリニスの記憶をこのリニスに受け継がせたのか。
それはプレシアにしかわからない。だが、リニスはアリシアとフェイトの関係を知ってしまっている。
プレシア曰く、片方は眠ったままの本物で、片方はアリシアの代わりの人形、と。
自分の子供のようにフェイトを育ててきたリニスにとっては、どこか複雑な感情を抱かずには居られない筈だ。
しかし、それでもプレシアはリニスの記憶を受け継がせた。それはプレシアに未だ残る人間らしさなのかもしれない。
「リニス……貴女の役目は、あの世界に散らばったベルトの欠片の回収。
それと奴らのゲゲルを成功させること。それ以外は何も考えなくていいのよ」
「……わかりました」
「全て、アリシアの為に繋がるんだから……ねぇ」
薄く微笑んだプレシアは、リニスが回収してきた新たな欠片を、他の欠片と合わせた。
半分以上元の姿にまで修復されていると思われるそれは、顔にも似た形をした、金の装飾品。
そこまで回収した時点でのエネルギー量は、ジュエルシード単体なんかとは比べ物にならないほど。
それ程までに恐ろしいエネルギーを秘めた“ベルト”を身に付けていた者もまた、規格外の化け物なのだ。
プレシアはそれから目線を反らし、広間の中央へと歩み出た。
「そう……その為には、これの完成と同時に、ゲゲルも進めなくてはならない―――そろそろね」
プレシアが言うと同時に、現れたのは一人の男。
頭には赤いバンダナ。髪の毛は肩まで伸びた、人相の悪い皮ジャンの男。
男は測った通りの時間に来たとばかりに、プレシアの前で足を止めた。
「何の用だ」
「時は熟したわ―――これよりゲゲルを開始する。いいわね?」
「ほう……最初は、俺か」
「ええ、前のゲゲルとは順番が違うかもしれないけど。不満かしら?」
「いや……問題はない」
屈強な男の表情からは、その意思の固さが窺い知れる。
まるでこれから行うゲゲルに、大きな誇りと自信を持っているとばかりの顔つきだ。
それを見たプレシアは、満足そうに男の眼前まで歩を進めた。
プレシアが眼前まで来たところで、男の身体は変化を始めた。
ほんの一瞬の出来事。男の身体は人知を超えた化け物へと変わっていた。
濃い緑の皮膚に覆われた異形の姿は、黙って見ていたリニスすらも一歩引いてしまう程の威圧感を放っている。
しかし、そんな姿にもプレシアは恐れを感じない。
それどころか、プレシアは異形に平然と接近し―――
手にした指輪を、異形のベルトに押し当てた。
「貴方のゲゲルは―――4日で1000人。出来るわね?」
「……ドグデンザ」
それだけ言うと、異形の怪人は元の男へと姿を変えた。
踵を返し、元来た道を戻っていく。
数歩歩いたところで、男は立ち止り―――こう言った。
「キュグ・キョブン・ジャリゾロ・
ダサグンパ・ボン―――ゴ・バベル・ダ・ザ!」
最終更新:2009年02月10日 07:27