第一話「start」

フェイトが現場に駆けつけたとき、ほぼ戦いは終わっていた。
「な…何、コレ…」
そこには、無数のガジェットの残骸。
そして、妙な剣を抱えた青年が一人。
その青年は、次々にガジェットをなぎ倒していく。
呆然と立ち尽くすフェイト。
気づいたら、戦いは終わっていた。
「すごい…」
その言葉が聞こえたのか、青年が振り向く。
「アンタはあの変な機会の仲間か?」
青年が尋ねる。
「いいえ。このガジェットを排除に来た時空管理局の魔道士です」
青年は訝しげな顔をする。
…もしかして、ガジェットを知らない?
だったら、この人は次元漂流者か。
「だったら、ここは何なのか教えてくれないか?」
青年がそういった。
「わかりました。詳しいことは本部でお話します。」





機動六課本部――――
「俺の名はスコール。スコール・レオンハートだ。」
どうやら、青年の名はスコールと言うらしい。
「わたしは、フェイト・T・ハラオウンです。フェイトと呼んでください。」

…どうやら、彼は任務の途中に何かしらの方法でここに飛ばされたらしい。
「それで、俺はこれからどうすればいいんだ?」
スコールがたずねる。
「それなら、しばらくはここで過ごしてもらうことになります。あなたの世界の座標がわかり次第、転送します。」
「わかった。そうさせてもらう。」
無愛想な人だがなぜか、フェイトの胸は少しときめいていた。





「なんや、かっこいい人やなあ。」
はやてに報告をしてなぜか、はやてがスコールを人目みたいと言い出した。
確かに、彼はカッコイイ。
アクセサリーはライオンの形をしていて、なんだか彼そのものの雰囲気がライオンだと思った。
「何か用か?」
ぶっきらぼうに尋ねる。
「いや、一応次元漂流者の人たちには、挨拶しとかんとなあ。」
…見たいだけのクセに。
「そうか。俺の名はスコール。アンタは?」
そういえば、彼には名前を教えていない。
「あたしの名前は、八神はやてや。よろしゅう!」
握手を求めてくる。
スコールは少しきょとんとすると、微笑して握手してきた。
…私もしたかったな。と思ったら、
「…」
スコールは私に手を伸ばして握手を求めていた。
ちょっと驚いて握手し返す。
「それじゃ、うちらはこのへんで~」
といい、はやてが退室する。
私もそれにならって
「じゃあね。スコール。」
と言い、退室する。
扉が閉まるとき、
「……じゃあな」
と聞こえた気がした。
なぜか、少し嬉しかった。





(さて。エデン、どうする?)
心の中でエデンとスコールが会話する。
(さあな。まだわからん。だが、力はこれまで通り貸してやる。)
彼が強いのは、主にG.F.のおかげでもある。
彼が本気になると、エデンを自分にジャンクション(接続)させる。
その力を使って、彼は強くなるのだ。
(さて、本当にどうするか……)
そう思った瞬間、爆音が聞こえた。




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最終更新:2010年06月25日 17:22