「ここの連中は結構良いもん喰ってるんだな~。」
「そこのお兄さん! おかわり!」
「あーもー! どれだけ食うんだよこいつ等~!」
身体のデカイ二人は食事もその分沢山食う。それだけに普通の局員の何人分にも
及ぶ大量のメシを要求されてしまい、二人の監視を命じられた局員も困り果てていた。

「えー!? あの二人ここまで連れて来てるんですかー!?」
クロノの口からマンモスマンとオメガマンを管理局の留置所で拘束している事を
聞かされたなのはは思わず絶叫してしまった。
「もっと警戒を厳重にして! じゃないと牢屋を破って…私殺されちゃうよ!」
「なのは落ち着いてー!」
マンモスマンとオメガマンの目的がなのはにハンカチを届ける事である事を知らず、
逆になのはの命を狙う殺し屋の類と勘違いしているなのはは狼狽し、フェイトが
必死に止めようとする程だった。
「安心しろ。とりあえず取り調べの時にも特に何も無かったし。今だって何もしてない。」
クロノは腕組みしながらなのはの狼狽ぶりに呆れていた。
「だが…はっきり言って何とかしなければならないのは事実だ…。このままでは
奴等二人の為に管理局が貯蔵してる食料が全部食い尽くされてしまう…。」
と、マンモスマンとオメガマンの処分に悩んでいた時だった。突然爆発音が響き渡ったのである。
「何だ!? おい! 何が起こった!?」
「大変だー! 白昼堂々テロリストが真正面から攻撃を仕掛けて来たー!」
「な…なんだってぇぇぇぇぇぇ!?」
あまりにも唐突過ぎる展開に皆叫ぶ他は無かった。

「管理局が補完してあるロストロギアを全て奪え! 邪魔する奴は殺せ!」
どう見てもテロリストにしか見えません的な大勢の武装勢力が管理局の入り口前まで
侵入しており、その上どいつもこいつもが魔導師で、管理局側の魔導師達と
壮絶な魔砲戦闘が繰り広げられていた。しかしそれだけでは無かった。
なのはとフェイトが増援として駆け付けて来た時、最前線で戦っていた
名も無き武装局員達の一群が謎の攻撃による大爆発に巻き込まれ、消し飛んでしまったのである。
「何!? 今の…魔力反応が一切無かった…。」
「火薬の匂い…まさか…質量兵器!?」
ミッドチルダにおいては炸薬を利用した実弾兵器などを初めとする質量兵器の使用が禁止されている。
だからこそそれらに代わって魔力砲による兵器が発達していたのだが…その世界の空気を読まずに
質量兵器を使う者は一体何者だと言うのだろうか…
「あ! あれ!」
なのはは敵テロリストの後方にいたどう見ても他の者とは雰囲気の違う者がいる者に気付いた。
顔に鍵十字(?)の様な模様が描かれ、背中に巨大な大砲を背負った大男である。
「まさかアレが質量兵器を使用した張本人!?」
するとまた飛んで来た。なのはとフェイトはとっさに横に飛んで何とか回避出来ていたが、
またも名も無き隊員達が爆発に巻き込まれ、犠牲となってしまった。
「うそ…彼等だって防御魔法をちゃんと張っていたのに…何て威力…。」
「質量兵器なのは分かるけど…あれは普通じゃない!」
攻撃方法そのものはなのはの出身地である地球における大砲に酷似している。
しかし、その破壊力は明らかに普通では無かった。
「来るなら来て見ろ! どいつもコイツも地獄の砲弾の餌食にしてやるぞ!
傭兵超人レオパルドン行きます!! グオゴゴゴ!!」
大砲を背負った大男はなのは達管理局のメンバー達をあざ笑うかのように
後方で大砲を次々にぶっ放していた。

既にテロリスト達は管理局の室内にまで侵入し、壮絶な室内戦が展開されていた。
当然そうなればマンモスマンとオメガマンが拘束されていた留置所にまで騒ぎの音が聞こえて来る。
「おいおい何か騒がしいな。」
「まるで戦争でもおっ始まったみたいなだ。」
「ちょっと見に行ってみるか?」
「うむ。」
流石に今度ばかりは気になったのか、二人は外に出て確認してみる事にした。
そしてマンモスマンが超人強度7800万パワーの怪力で留置所の入り口を軽くこじ開け、外に出た。
「ゲェェェェェェ!! 何か彼方此方に死体が転がってるぅぅぅ!!」
「まったく穏やかじゃないな…こんなに無駄に死者を出すなんて…意外に野蛮な連中なんだな…。」
既に留置所のすぐ外まで戦場が広がっており、彼方此方に死体の転がる惨状に
二人は呆れるしか無かった。超人界でも戦争は存在するが、人間達のする戦争の様に
軍団と軍団同士がぶつかり合う様な事は殆ど無い。大半は少数の代表者同士が
大勢の観客の見守る中リング上で対決し、その優劣によって勝敗を決めるやり方を取っている。
実際正義超人が悪魔超人や完璧超人と対決するする時もその方法が取られていたし、
マンモスマンとオメガマンの二人もキン肉マンスーパーフェニックスをキン肉星の王位に
付かせる為の代表者として戦った事がある。だからこそ無駄に死者を出す様な
人間流の戦争理論に呆れてしまうのは仕方の無い事だった。
と、その時だった。室内に侵入していたテロリストがマンモスマンとオメガマンの
二人にも攻撃を仕掛けて来たのである。
「死ねぇ!」
「ゲェェェェ!! 何か俺達にも攻撃を仕掛けて来た!」
テロリストは手に持っていたミッド式デバイスから魔砲を発射しようとした。
しかし…それより先にオメガマンが犯罪超人をハントする際に使用する
対超人ライフルがテロリストを撃ち抜いていた。
「これを使うのも久し振りだな…。」
「お~! 見事にして正確無比な早撃ち!」
思わずマンモスマンも拍手を送っていたが、いつまでもそうしているワケにも行かなかった。
「さて、早い所ここから出た方が良さそうだな。」
「そうだな。」
とにかく死体の倒れていない場所の床を探しながら出口を目指して移動を開始した。

「大変! あの連中魔動兵器まで用意してる!」
「ええ!? ってああ!!」
ただでさえテロリストそのものや大砲を背負った謎の男との戦闘で忙しいと言うのに、
その上魔動兵器まで存在していたのである。地球の西洋の甲冑にも似た姿の魔動兵器が
謎の大砲男が作った騒ぎに乗じて次々に管理局内部へ侵入していた。

「ゲェェェェェェ!! また何か出てきたぁぁぁぁ!!」
出口を求めて管理局内を歩き回っていたマンモスマンとオメガマンの二人が
魔動兵器と遭遇するのはある意味必然だった。そして魔動兵器が攻撃を仕掛けるが、
それよりもマンモスマンの7800万パワーの怪力の方が遥かに上回っていた。
「こんなワケの分からん所でやられてたまるかよ! パオォォォォン!!」
マンモスマンは咆哮と共に魔動兵器達に体当たりを仕掛け、そのまま何体も
まとめて押し出して行き、その後をオメガマンが走っていた。
「やはりパワーでマンモスマンに敵う奴はいないな。」
単純な超人強度ではオメガマンの方がマンモスマンより上であるが、
やはりパワーと言う点に関してはマンモスマンに敵う超人はいなかった。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年08月14日 17:31