『ドラなの』第6章「夜天の魔導書」
「じゃあなのはちゃん達って魔法使いだったのか!?」
武が先ほど事情を聞いたのび太達と同じような反応をする。
それになのはは
「うん・・・・・・黙っててごめんね」
と申し訳なさそうに謝った。
一方向こうの方ではクロノがやって来た守護騎士達と、ある事情から艦にやってきたリンディと共にはやてから事情を聞いている。
ここはアースラの艦長室だ。彼らは転送収容後すぐにここへと連れてこられ、先ほどようやく治療の終了した武が合流した所だった。
「つまり敵は2人で狙いは夜天の魔導書ということだな?」
事情を聞いたクロノの確認にはやては頷く。
「う~ん、となるとクロノくんの読み通りやっぱり夜天の魔導書狙いみたいね・・・・・・」
エイミィが勝手知ったるようにクロノに同意を求めると、
「ああ、しかしまさかこれほどの事態になるとはな・・・・・・」
と口を濁す。
「え?ちょっと待って。どういうことやクロノくん?事前に何か情報があったんか?」
「実ははやてちゃんの検査の結果はもう出てたんです。それによるとこの病気の原因が夜天の魔導書の可能性が高い、と─────」
「夜天の魔導書ってなんなんだよ?」
シャマルの説明に横から介入してきた剛田武へと全員の視線が集中する。
「はやてちゃんをいじめる奴は俺が許さん!」
ほとんどが治ったとは言え怪我の後とは思えぬ覇気のある力強い宣言を行うと、それにのび太達も同調し、
「あいつらって何者なの?」
と聞く。それにクロノは座っていた席を離れて対面するように言い放つ。
「気持ちは有り難いが、民間人を巻き込むわけには─────」
しかし明らかな拒絶の意思が読み取れる管理局お決まりの常套句をはやてが止める。
「いやクロノくん、ドラちゃんはあの結界について少し知っていたみたいやから、話だけでも聞いてもらえば何かわかるかもしれへん」
「しかしはやて、相手は魔力資質すらない一般人なんだぞ!」
「うん、それは十分わかっとる。でももうたけしくんが怪我して十分巻き込んどる。今さら締め出そうってもみんなも引っ込みがつかんはずや。そうやろ?」
問いかけにのび太達はさも当然というように頷く。
「はぁ、君はいつも勝手なことを。そんなことを許せるはずが・・・・・・?」
言いかけるクロノにはやてはずかずかと歩み寄ると、小声で耳打ちする。
『なぁ、クロノくん。この前フェイトちゃんと家に行ったんやけど、辞書の裏に隠してある"アレ"、まだ見つかっとらんみたいやね~』
「な、何の話だ?」
「妹もんばっかりやったな~。フェイトちゃんが見たら―――――」
「ゴホンッ!あー、君がそこまで言うのなら仕方ない。話だけでも聞こうか」
ころりと態度を軟化したクロノ。はやてはリンディとフェイトにウインクして見せる。にっこりと頷くリンディに比べ、フェイトは『へ?』と首をひねることしかできなかった。
「エイミィ、彼らに夜天の魔導書と闇の書事件の経緯を簡単に説明してくれ。僕は彼を呼びに行ってくる」
「はいはい、任せといて~」
(*)
エイミィは部下らしからぬお軽い返事で応えるが、クロノも慣れているのかそれについては何も言わずに艦長室から出ていった。
「(きっと普段は仲良しなんだろうな)」
のび太は遠目にそんなことを思っていると、見送ったエイミィがこちらへと向き直って片手を挙げる。
「はい注目~!まずみんなに1つ質問です。はやてちゃんとはいつ頃からお友達なのかな?」
手慣れているのかフレンドリーな口調で聞いてくる。それに最初に応えたのは静香だ。
「私は近所だったから小さい頃からよく遊んでたわ。ご両親がいなくなってからは時々お家にお手伝いに行ったし」
「僕たちは足が治ってすぐだったかな。みんなで野球してたら「ウチも混ぜて!」って走って来たんだよね」
当時八神はやて=車椅子というイメージを払拭するような元気な姿に大いに驚いたことを思い出しながら言うが、ジャイアンは少し感慨深い様子でこれを否定する。
「いや『ウチ"ら"も』だったな。はやてちゃんも上手かったし、我がジャイアンズに最強のホームランバッターが誕生した瞬間だった」
「応よ!」
ジャイアンとヴィータが息のあったグータッチ(互いの正拳を付き合わせる)を交わす。
「・・・・・・やっぱり僕たちの世界とは少し変わってたみたいだね」
「うん」
耳打ちに向こうを向くドラえもんの頭が上下する。
どうやらもしもボックスによる認識の違いはその頃辺りにまで及んでいたようだ。
「なるほど、じゃあみんなはやてちゃんが車椅子だった事は知ってるみたいだね。実ははやてちゃんの足の病気は『夜天の魔導書』、その時は『闇の書』って呼ばれていた物が原因だったの─────」
それから15分近く闇の書の危険性に始まり事件の経緯、そしてはやての病気の現状まで映像を交えつつ簡単に語られた。
「こんなことがあったんだ・・・・・・」
あちらの世界で『魔法少女リリカル☆めい』に代表される魔法少女達とは全く違う、リィンフォース対なのはと防衛プログラム消滅作戦の映像などの壮絶な戦闘映像と、リアルに起きているというこの事態について、悲しいかな、この程度の呟きを口に出すのが精一杯だった。
この呟きに続いて静香が
「それで魔導書を破壊する方法は見つかったんですか?」
と聞く。しかしエイミィがそれに答える前に艦長室の扉が開いた。
その先にはクロノと、彼と同い年ぐらいの少年がいた。
「ユーノくん・・・・・・ってあれ?どうしてクロノくんと同じ制服!?もうそんなに昇進したの!?って言うか管理局の人だったっけ!?」
混乱しているらしいなのはの問いの機銃掃射に、クロノと同じ上級士官用らしい服を着たユーノは
「いや、アースラに来たのは良かったんだけど・・・・・・」
と口ごもる。見かねたらしいクロノが大きな溜め息を1つを着くと、補足する。
「こいつ、まともな着替えを一着も持ってなかったんだ」
こういう事らしい。
ユーノは発掘隊に参加していたが、ある物品についてクロノから提案を受けて本局まで送ってもらえる事になった。
しかし彼の発掘作業は半月近くに及んでおり、さらにそこが砂漠であったため体を洗うことも洗濯も全くしていなかった。
結果アースラに来て風呂に入ったのはいいが、まともに出歩ける服がなかったのだ。
「それでお兄ちゃんが―――――クロノが制服を貸したんだ」
フェイトの確認にクロノは頷く。
「君達はすごいよ。あんな兵器のような服を着て何ヵ月も仕事ができるんだから」
「兵器は酷いよ。ちょっとホコリっぽくて汗臭いだけじゃないか」
「いや、あれをちょっとと形容できるなら『ゴミ焼却場の香り』という香水が香水市場を独占できるだろうよ。それになんだ、さっき部屋でうちの(アースラの)船室より狭い場所にすし詰めになって寝ると言っていたか?」
「うん、男だけの空間は素晴らしいよ。でもいびきがうるさかったり、たまに夜這いしてくる人がいて僕も何回か寝てる内に発掘されそうに―――――」
そこへ来てようやく女性陣がユーノへと同情やら何やらが混じりあった視線を向けている事に気づいたらしい。
ユーノはバツの悪そうな顔をするとクロノに助けを求めるように視線を送る。それにクロノはまた1つ溜め息をつくと、話題を変えるべくエイミィに問う。
「それで、どこまで話した?」
「だいたい話したよ。今魔導書の破壊方法はないんですか?って聞かれた所。・・・・・・まだ見つかってないんだよね?」
「いや、実はない事もないんだ」
ただの危ない道に片足突っ込んでしまった可哀想な人かと思ったが、天は彼にちゃんと見せ場を用意していたようだ。無造作に手を空中に差し出したかと思うと、小さく呟いた。
「「おぉ!」」
次の瞬間、ユーノが起こしたことにジャイアン達と共に思わず感嘆の声を上げてしまう。
掌に緑色に輝く魔法陣を展開し、そこから浮き出してきた何かを取り出したのだ。
「すげぇ!これほんとにタネも仕掛けもないみたいだぜ!」
出すと同時にユーノに駆け寄ったジャイアンとスネ夫が、彼の衣服や周囲にピアノ線など手品のタネに類するそれらがないことを確認して歓声の声をあげる。
「あーごめんね。ほんとは科学的に説明できるからタネも仕掛けもあるんだけど。僕達の技術って、こういうものだから」
「・・・・・・『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない』クラーク先生の言っていた通りなんだ!」
「ユーノさんすごいわ!」
ついには静香まで巻き込んで賛美を始める。となると嫉妬の炎を燃やすのは同等、もしくはそれ以上にことをやってのけることができるドラえもんとのび太のペアだった。
「ドラえもんだってそれぐらいできるよ!」
ドラえもんはポケットから『無料フード製造機』を取り出すと、ユーノの言うタネであろう空気中の元素固定を用いてハンバーガーをいくつか作りだした。そしてそれを一口頬張ってみせると、両手を腰に置いてエッヘンと威張って見せる。
しかし純粋な科学技術のみによる元素固定の工程を目撃して唖然とした管理局勢はともかく、友人達の反応は冷ややかだった。
「でもなぁ・・・・・・」
「ドラちゃんの道具って、ユーノさんの魔法と違って結局道具にしか見えないのよねぇ・・・・・・」
静香の容赦ない一言にドラえもんはガクッと膝を屈するしかなかった。
「でもすごいわよ!元素固定なんて私達でも魔法なしじゃできないのに!ドラえもんさん、その道具は一体どこから―――――」
エイミィが興味津津といった風情で聞いてきたが、その質問はクロノの
「今はその話をする時ではない」
と、強引に打ち切られた。
「それで、その板がその発掘物なのか?」
「う、うん」
その板が皆に見えるように机の上に置かれる。赤茶色に変色した人工物であろう事以外何の変哲もない、擦りガラスの板。多少かつての面影を残しているのか透明な部分もあった。
「この電子ホログラムパッドによれば─────」
ユーノがそう言いながら板にそっと触れると、板に光がおびて空中にテレビの画面が出現した。
「ちょ、ちょっと待って!ユーノくんって遺跡の発掘に行ったんじゃないの?」
なのはが混乱したように聞く。
確かに発掘などと言うからもっと石板とか巻物とかそれらしいアイテムが出てくると思っていたのに、これではよほど未来的ではないか。
それに対してユーノは少し悲しそうな目をして応える。
「そうだよ。このパッドは年代鑑定の結果、5000年以上前に作られたものだった。でももうあの惑星は誰もいない砂漠の惑星だったんだ。・・・・・・この意味、わかるよね?」
「ああ・・・・・・」
なのはには納得できる説明であったようで、顔を俯かせてしまった。
「ねぇドラえもん、どういう意味なの?」
やっぱりわからなかったので聞いてみると、ドラえもんは険しい顔をして答える。
「・・・・・・つまり、どんなに技術が進歩しても文明なんて簡単に滅んじゃうってことだよ」
「え!?これを作った人達ってもういなくなっちゃったの!?」
わかっていても、はっきり口に出すことでその事実を否応なしに認識させられたらしいみんなの空気が重くなる。
「確かに─────!」
クロノの大声の武力介入に思わず思考がリセットされる。
「確かに滅んだとは限らない。環境の激変に、戦争、何らかの理由で彼らは宇宙やどこかの次元世界へと移り住んだのかもしれない。しかし他人事ではない事は間違いない。我々はこのようなことを繰り返さぬよう、気をつけていけばいいんだ」
クロノはこちらを見渡してひとまず動揺が収まった事を確認すると、ユーノに先を促した。
「それじゃ続けるよ。このホログラムパッドにはある事件の記録が残っていたんだ」
(*)
ユーノによれば約5000年前。あの惑星が緑豊かな惑星だった頃、ナルニアデスという男がいたそうだ。
「でもある日、彼の妻に贈り物が届いたんだ」
彼が家に帰ってみると、妻がある本を手にしていた。
その出処を聞いてみた所、突然出現したという。
そしてその本─────後のリィンフォースであろう管制人格は『夜天の魔導書』と名乗った─────が自分をこれの管理者としてしまったらしいと語った。
しかし管制人格曰く、
「私は優れた魔法の収集を目的とした魔導書です。私は過去、未来問わず転生によってたくさんの人の手に渡り、書き足されてきました。今度はあなたのご協力をお願いします」
と極めて潔白な目的の下転生してきていた。それに協力してくれる代わりに、減ることはないので書かれている魔法の使用は自由に行ってくださいとのこと。もっとも元来人のよかった妻はその崇高な目的の一助になると喜んで受け入れていた。
「これが本来の夜天の魔導書やったんだな・・・・・・」
はやては悲しそうに呟き、守護騎士達も自分達が組み込まれる前のそれに大きな感慨を受けたようだった。
ユーノは続ける。
「それから20年近く2人は魔導書と一緒に平和に暮らした。・・・・・・でも事態は最悪な方に転がっちゃうんだ」
その惑星からたった数光年しか離れていなかった恒星が超新星爆発を起こし、観測と確認までの時間差を引いた残り1カ月で衝撃波が到達することが明らかになった。
対策本部は星系防衛シールドの使用によってやり過ごす案を出すが、シールド発生機はともかく1カ月で用意可能なその星系の恒星を含めた利用可能な全てのエネルギーを回したとしても足りない事がわかった。
しかし優れた技術者として対策本部にいたナルニアデスは、夜天の魔導書と太陽の核融合エネルギーを足せばそのエネルギーに間に合うことを発見した。
ロストロギアに稀に含まれ、ミッドチルダではロストテクノロジーとなって使えない高エネルギー粒子体『Ω粒子』。そして今まで収集してきた魔法の質の高さのおかげで極めて莫大なエネルギーが本の中に蓄積されていたのだ。
しかしエネルギー源として使うには魔導書の力をフローさせる改良を施さなけばならなかったし、結果として長い年月を費やして収集されてきた全てが消えてしまう。
それらを踏まえて妻は
「私達が生き延びる最後の手段ならば・・・・・・」
と涙を飲んで了承し、魔導書の管制人格も
「私はここの方々にはよくして戴きました。それにこんなにたくさんの人を救えるなら、きっと今まで協力してきた皆さんもわかって戴けるでしょう」
とそれを了承した。
かくして夜天の魔導書に改造が加えられ、その時が来た。
結果はほぼ計画通りだった。
展開されたシールドは見事5日間に渡ったエネルギー衝撃波を受け流したのだ。
人々は歓喜に湧き、口々に夜天の魔導書とそれの管理者である妻を賞賛した。
そして感謝の気持ちを込めて、消えてしまったページを埋め直そうと惑星を挙げて協力する運びとなった。
いままで個人レベルでの収集が主だったらしい魔導書は、惑星レベルの収集の機会を得ることでどんどん埋まっていった。
しかし全てのページを埋めたとき、悲劇が起こった。
突如として暴走したそれは妻と町1つを呑み込んで時空の彼方へと消えてしまったのだ。
理由は単純だった。あの時の改造によって完璧なバランスをとっていた魔導書の調和を崩し、それがバグとなってエネルギーのフロー機能が誤作動して暴走する。
ナルニアデスはこの事実に嘆き、二度とこのような悲劇を繰り返さぬよう改造夜天の魔導書の完全破壊プログラムを作成した。
「そうしてプログラムを夜天歴程としてどこかに封印しているらしい」
「それじゃその夜天歴程があれば、魔導書を破壊することができるんですね!」
スネ夫の期待の気持ちを含んだ確認にユーノは頷くが、こう続けた。
「でももう滅んでしまった文明の文書だから、まだ封印場所の解読が出来てなくてね。それに本局の解析チームが本腰入れても解読まで1カ月以上掛かるかもしれない・・・・・・」
「1カ月以上も!?」
「ユーノくん、もう少し早くできないの?はやてちゃんのリンカーコアはあと1カ月も持たないんだよ!」
「え・・・・・・なのはちゃん、それは聞きたくなかったわ・・・・・・」
「あわわ・・・・・・そういえばまだはやてちゃんには言ってなかったっけ・・・・・・・」
そんな感じにみんなが気持ちのデフレーションを起こしていく中、のび太とドラえもんはあるセリフが引っ掛かっていた。
「「解読・・・・・・あっ!」」
2人の突然あげた大声に周囲の視線が集中する。
「ほんやくコンニャク、持ってるんでしょ?」
「うんうん。もちろん!・・・・・・『ほんやくコンニャク』!」
管理局勢がこちらの謎の行動に目を点にするなか、ドラえもんはポケットから出したそれを千切ってユーノへと差し出す。
「ユーノさん、これ食べてみて」
「コンニャク?」
「いいからいいから!」
「うん・・・・・・」
何だかわからない様子ながらも食べてみる気になったらしいユーノは意を決したように口に放り込む。
・・・・・・
「コンニャクって不思議な食感だね・・・・・・」
咀嚼すること数秒、ようやく呑み込んだユーノが苦笑いしながら感想を漏らす。どうやら外国人には蒟蒻の良さはわからないらしい。
しかしあの蒟蒻は単なる食べ物ではない。
のび太がホログラムパッドの映し出したディスプレイを指差している事に気づき、彼の視線が自然と画面に移る。瞬間、目付きが変わった。
「あれ!?読める、読めるぞ!」
するとユーノはその知的好奇心の赴くまま手近の席に腰を降ろすと、一心不乱にパッドを操作しながら読み始める。
その様子にエイミィやシャマルが感心したように呟く。
「ふぇ・・・・・・ドラちゃん達ってすごい魔法―――――いや技術を使えるんだね」
「私もこんな魔法初めて見ました」
ほとんどひみつ道具を見たことがないなのはやはやて達を含めて管理局勢が改めて驚きの視線を向けるなか、のび太とドラえもんは
「「いや~それほどでも~」」
と揃って照れた。
(*)
その後すぐにのび太達は自宅へと送られた。
時刻はすでに11時を回っており、静香などは両親が心配していないかと案じていた。
しかし家に帰った時、誰一人として理由を問いただされることなく済んだ。
実は彼ら彼女らの親族にはクロノとフェイトの母で、今は第97管理外世界に住んでいるリンディ・ハラオウン統括官が救出直後
「お子さん達が『もう少し誕生会を続けるんだ!』と言い張って聞かないので、こちらで少し延長してしまいました。お電話が遅くなってしまってすみません。私が責任を持ってお家まで送りますので、安心してお待ちください」
という旨の連絡をしていたので、それほど心配されずに済んだのだった。
(*)
「はやてちゃんの誕生日会、盛り上がったんですって?」
翌日の早朝。ドラえもんといつものように1階の洗面所で歯を磨いていると、寝間着姿のママが聞いてきた。
「うん、楽しかったよ」
盛り上がるどころか死線をくぐる事になったりと大変だったが、誕生日会の盛り上がりは嘘じゃなかった。
一方ママの方もそれを聞いて目を細める。
「そう・・・・・・10年ぐらい前にご両親が危篤のはやてちゃんを病院に置いたまま、"行方不明"になった時はどうなる事かと思ったけど、元気そうで何よりだわ」
「(・・・・・・あれ?行方不明?交通事故・・・・・・じゃなかったっけ?)」
しかし確信はなかったし、ドラえもんもそこまでは知らないはずだ。結局
「(僕の勘違いだったかな?)」
とその問題を片づけてしまった。
To be continue・・・・・・
最終更新:2012年03月09日 16:15