「今回までのあらすじを俺が説明してやるぜ!」
言いながら画面(?)に接近する良太郎。
またしても何かに取り付かれているらしく、髪の毛は逆立ち、赤い瞳をしている。
「うわぁ、何やコレ……えらい唐突な始め方やなぁ……」
「うるせぇ!え~と何だ……まずアレだ、天道総司とか言う奴!」
良太郎は突っ込むはやてを無視し、そのまま話を続けてゆく。
「ハイパークロックアップ!」
『Hyper Clock Up(ハイパークロックアップ)!!』
ハイパーカブトの全身のカブテクターが展開、背中から光の翼が飛び出す。
次の瞬間、カブトを緑の光が包み、そのままその時空から姿を消した……。
「で、カブトは私達の目の前で堂々と時間を巻き戻した訳だね」
今度はフェイトが喋り出す。
「うん……その後の私達の説得も通じず、ついに管理局の『カブト捕獲命令』が発令されちゃう訳で……」
フェイトに続いて、なのはが口を開く。
「さらに私達の仲間がライダーとして選ばれて……」
「変身!」
クロノは大きな声でザビーゼクターを装着。
クロノの体が銀と黄色のアーマーに包まれてゆく。
クロノが変身したライダーの名は『仮面ライダーザビー』だ。
「そうそう、お兄ちゃんがザビーになっちゃったんだよね……」
フェイトが兄を心配するような表情で喋り出す。
「でも、私達の前に現れたライダーはそれだけとちゃう」
「うん……天道さんだけじゃなく、もう一つ解決しなきゃならない問題……」
「デルタギアだね。」
三人はテーブルを囲むような形で向き合う。
「ちょっとオマエ倒すけどいい?」
ステップを踏みながらセンチピードオルフェノクを指差すデルタ。
このデルタに変身しているのは良太郎のはずなのだが……
「シャッ!」
センチピードオルフェノクが繰り出すしつこいまでのムチ攻撃を、デルタは全てダンスのステップで回避。
「ばぁん!ばぁん!」
今度はデルタの反撃だ。
取りあえず撃てばいいと思っているのか、とにかく出鱈目にデルタムーバーを連射する。
それにより公園の建造物はみるみるうちに破壊されてゆく……
「おいおい何だよこの戦い方は……目茶苦茶じゃねぇか」
両手を上げて、さも呆れたような口調で言う良太郎に、その場の空気は固まり……
「「「キミがやったんだよ!!」」」
なのは・フェイト・はやては口を揃えて言った。
「だーから、俺じゃねぇっつってんだろ!!」
「じゃあ誰やねん?この期に及んで言い逃れとは……見苦しいなぁ」
「私の目の前で変身したじゃない?」
「映像にも残ってるんだから、正直に言った方がいいよ?」
三人は良太郎に詰め寄る。
「(くっ……コイツら、ガキの癖に……!)」
三人の、まるで犯罪者に対する警察官のような態度に、良太郎も勢いを失うのであった……。
「で、デルタギアの少年はどうなったの?」
「はぁ……それが、学校での戦闘は認めてるんですが、その前の……公園での戦闘は認めようとしないんですよね……」
リンディに質問されたエイミィが良太郎の言い分を説明する。
良太郎は「確かに学校で戦ったのは俺だが、その前のは知らねぇ!」と容疑を否認しているらしい。
「しかも弱々しい性格かと思ったら、いきなり凶暴な性格に変わったり、いきなり髪の毛の色が変わったり……」
「髪の毛の色……?」
「はい……もう、あの手のキャラは今までに無いパターンなんで、お手上げですよ……」
「……悪いけど、しばらくそのまま尋問を続けて貰えるかしら?」
一部始終の報告を終えたエイミィは、疲れたような表情で「わかりました」と返事を返した。
ACT.13「激突!なのはvsハイパーカブト!!」
数日後、海鳴市。
「あ、ちょっと待って下さい海堂さん!」
「だーもうっ……ちゅうかお前さっきから俺様に引っ付きすぎだっつーの!」
海堂と呼ばれた青年が、しつこく付き纏う少女に言う。
この青年の名は『海堂直也』という。
どうやら海堂の歩く速度が速いために、普通に歩いていては段々と離れてしまうようだ。
「ま、俺様があまりにもカッコ良すぎるから?お前が付き纏いたくなるのもわかるけどよ」
「はい!海堂さん今日もすっごくカッコいいですよ!」
ふふんと笑う海堂に引っ付く少女。
そこに一緒に歩いていたもう一人の青年が割り込む。
「いつも思うんだけど長田さん、海堂のこと褒めすぎだって」
「え……だって……」
長田と呼ばれた少女は少し困ったような顔をする。
少女-結花-は海堂に気があるらしく、いつも海堂をベタ褒めしているのだ。
「海堂、あんまり褒めたらまた調子に乗るからね」
「ちょちょちょ、ちょ~っと待て木場ぁ!」
すると、海堂が妙に頭を揺らしながら青年-木場-を睨む。
彼の名前は『木場勇治』。
色々あって今は海堂、結花と三人で生活しているのだ。
「俺様がいつ調子に乗ったってんだよぉ!」
「いつも乗ってるじゃないか」
いいながら少し笑う木場。この三人はそれなりに仲がいいらしい。
「木場勇治……か。」
一方、涼はバイクに乗りながら冴子から渡された写真に写った男-木場勇治-を思い出していた。
借りた借りは返す。
その為に「木場勇治を倒す」という依頼を受けはしたが、それは本当に正しいことなのか……
そんなことを考えながら、赤信号にバイクを止めた涼の目に入ったのは、とある小学校だった。
「ここはアリサの学校……か」
涼はぽつりと呟くき、またすぐに走り出した。
「橘……どうやらザビーブレスの奪還に失敗した様だな?」
「邪魔が入っただけだ。次はこうは行かない」
ZECT本部、その薄暗い一室で橘は三島に前回の報告をする。
「それより、俺に会いたい人というのは?」
本来なら電話だけでいいのだが、今回はZECT側も橘に用があるらしく、わざわざ本部まで赴いていた。
「エリアZの研究所から出向してきた人物だ。」
橘の質問に三島はさらっと答える。
「エリアZとは……?」
「今のお前が知る必要は無い」
橘はさらに詳しく質問しようとするが、三島に遮られ少し顔をしかめる。
そうこうしていると、薄暗い部屋の扉が開き、少し廊下の光が差し込んできた事に気付く。
そこから入ってきたのは、黒いコートに黒いサングラスをかけた、いかにも怪しげな男だ。
「アンタは?」
「……俺の名は伊坂。お前が橘だな?」
「ああ……」
伊坂と名乗った男はそのまま三島の横に並ぶ。
橘は「なんでコイツらはこんな薄暗い部屋でまでサングラスをかけているんだ」という疑問を浮かべるが、口には出さなかった。
「橘……お前にはもう一つやってもらう事がある。」
「……?」
「まぁお前にとってはこっちが本職だろうがな」
フッと笑いながら三島に合図を送る伊坂。
すると三島は前回と同じようにパソコンを操作し……
「貴様にはカテゴリーAを封印してもらう」
「カテゴリーA……」
橘も三島の言葉を復唱する。
それはBOARDにいた頃、自分が封印しようとしていたアンデッド。
53体のアンデッドはトランプの元になったと言われている。
カテゴリーA(エース)とはトランプで言う所のエースにあたる4体のアンデッドの事だ。
「お前にはなんとしてもスパイダーアンデッドを封印してもらう」
「言われなくても、アンデッドならば封印するつもりだ」
橘は伊坂に返事を返しながら、パソコンに写ったプライムベスタへと視線を写す。
それはオレンジの背景に、緑の蜘蛛が描かれた、クラブスートのエースカード。
この時は誰も、このカードの背景の色など気にも留めなかっただろう……。
橘はカテゴリーAの封印という追加指令を受けた後、すぐにその部屋を後にした。
カテゴリーAの封印任務においては伊坂の指示に従わねばならないらしい。
橘はしばらく歩いた所で、何かの気配に気付く。
誰かに見られているような……そんな気配だ。
「……誰かいるのか?」
橘は周囲を見渡すが、自分の近くには誰もいない。ただガラスの光が反射しているだけだ。
だが、そこで橘はガラスに写る何かに気付いた。
それは明らかに不自然……というより、有り得ない者だった。
そこにいないはずの物体。それがガラスには写り込んでいるのだから。
『橘朔也……』
「……神崎……!」
ガラスに写っているのは、ベージュ色のコートを着た一人の男だった。
橘はその男を『神崎』と読んでいるが……
『新たなライダーシステム……か』
「……お前、何を言ってるんだ!?だいたい、何でそんな場所に……!」
こちら側にはいないのに鏡の中にはいる。こんな光景、見た事が無い。
いや……見た事は無いが、一つだけ心当たりはあった。
「まさか……ミラーワールドか!」
『……カテゴリーAを封印しろ。今はそれだけでいい……』
しかし神崎は橘の質問に答えるつもりは無いらしい。
驚いている橘を尻目に、神崎は表情を全く変えずにそう告げた。
「神崎……おい、神崎!!」
そして次の瞬間には神崎はその姿を消しており、橘のガラスを叩く音だけがこの空間に響くのだった……。
数分後、再び海鳴市。
木場達三人はのんびりと雑談しながら歩いていた。
この時まではいつも通りの平和な昼下がりだったのだが……
「お前が木場勇治か……?」
自宅へと帰る為に道を歩いていると、待ち伏せしていた男に話し掛けられる。
「そうだけど……キミは?」
木場は不審に思いながらも聞き返す。
この男こそ木場を倒す為に差し向けられた刺客-涼-である。
「アンタに怨みは無いが……」
うわぁあああーーーーーーッッ!!!
「「……!?」」
涼が「倒させてもらう」と続けようとした時、どこかから誰かの悲鳴が聞こえてきたのだ。
とにかく話は後だ。
「ちょ、おい木場!?」
「木場さん!?」
次の瞬間、木場と涼の二人は海堂達を置き去りにし、声の方向へと走り出していた。
「アイツは……!?」
木場と涼の目の前にいるのは、黄土色の体をした蟹のような化け物。
化け物-ボルキャンサー-は今にもそこにいる男性を襲おうとしている。
「……変身!!」
涼は両手をクロスさせ、ボルキャンサーに向かって走りだした。
それと同時に涼の後ろから何かが走ってくる。
その何かは涼の体と重なり、涼の体はギルスとなる。
「わあぁあおッ!!」
ギルスはボルキャンサーを全力で殴りつける。
「キミは……」
その光景を見た木場は驚いた表情をするが、すぐに我を取り戻し襲われていた男性に近寄る。
「はやく、逃げて下さい……!」
木場に急かされた男性は震えた足でなんとか立ち上がり、そのまま走って逃げ出した。
それを見届けた木場は立ち上がり、ボルキャンサーを睨み付ける。
やがて木場の顔に、馬の顔ような何かの影が浮かび上がる。
次の瞬間、木場はその姿をホースオルフェノクへと変え、魔剣を携えてボルキャンサーへと走りだしていた。
「はぁッ!!」
ホースオルフェノクはボルキャンサーへと魔剣を振り下ろす。
「お前、木場勇治か!?」
「そういうキミは何者なんだ!」
ギルスはボルキャンサーを殴りつけ、ホースオルフェノクは魔剣を振るうことで攻撃を続ける。
二人がかりで攻撃されているボルキャンサーも腕の巨大なハサミで上手く防御しているが、明らかに劣勢だ。
「……ッ!!」
ボルキャンサーは低い唸り声を発しながらハサミをギルスに突き立てるが、それも両腕から生えたギルスクロウに阻まれる。
「フンッ!」
その隙にホースオルフェノクはボルキャンサーへと魔剣を振り下ろす。
ホースオルフェノクの攻撃を受けたボルキャンサーの体から火花が散り、少し後ずさる。
「ウゥ…………」
ボルキャンサーは二人から少し距離を取り……
「「あ……待て!」」
なんと、そのまま二人とは逆方向に逃走を図ったのだ。
「逃がすかぁ……!」
ホースオルフェノクの影に写った木場はそう言い、次の瞬間にはケンタウロスの様な姿-疾走態-へと変化していた。
ホースオルフェノクはそのまま馬のように前脚を振り上げ、魔剣を構える。
そして目の前のガラスに向かって疾走するボルキャンサーに突進し……
「はぁーーーッ!!」
ボルキャンサーに向かって魔剣を突き立てた。
パリィィィンッ!!
「な……!」
しかしホースオルフェノクが攻撃したのはただのガラスだった。
「鏡の中に入った……?」
魔剣がボルキャンサーに届く事は無く、ギリギリで鏡の中に逃げ込まれてしまったのだ。
やがて木場と涼は人間体へと戻り、その場でしばらく睨み合う……。
一方、聖祥大附属小学校。
「さて……各自調査の結果を報告して貰おうか」
腕を組んだ天道が蓮華と加賀美に告げる。
ちなみにここに剣がいないのは、この潜入捜査のメンバーとして剣を編成した天道自身も、
まぁ剣が対した情報を仕入れていることは無いだろうと勝手に予測したからだ。
「まず消えた合唱部なんですが、どうやら学校に行ったまま帰って来てないらしいんです」
「……何だと?」
「親族の方が言うには、7年前に学校へ行って、そのまま行方不明になったそうです」
「ほぅ……失踪した、という事か……」
天道は腕を組んだまま、何かを考えるように俯き、数秒後加賀美に向き直る。
「加賀美……お前はどうだ?」
「あぁ……どうやらこの学校にはちょっと前まで『恥さらし部』とまで言われた野球部があったらしいんだ」
自分に振られた加賀美はすぐに説明を始める。
ちなみに手に持っているノートには赤字でマル秘マークが書かれている。
「……ほぅ。その恥さらし部とやらが今回の事件にどう関わってると言うんだ?」
「それが、つい最近の話なんだけど、いきなり強くなったらしくて……」
「強くなった……?」
「あぁ、それもいきなりプロ顔負けの実力だ。おかしいと思わないか……?」
「なるほどな……確かにそれは不自然な話だな。」
さらに考え込む天道に、加賀美は「だろ?」というような表情で頷く。
消えた合唱部と、突然強くなった野球部……それから鍵を握っていると思われる『呪いの鏡』。
パズルのピースの様に段々と情報が集まってきたが、謎を解くにはまだ足りない。
ワームが絡んでいるのはまず間違いないのだろうが……
「……だいたいわかった。樹花のキャンプ合宿までもうあまり日が無い。
それまでになんとしてもこの事件は解決する」
樹花の楽しみにしているキャンプまで残すところ一週間程だ。
樹花にとって初めてのキャンプを成功させるために、なんとしてもこの事件の真相を暴かねばならない。
そこで、加賀美は一つの疑問を抱く。
「天道お前……まさかキャンプの為だけにこんな潜入捜査をしてたって言うのか!?」
「その通りだ。大切な妹の初めてのキャンプ……それをワームごときに邪魔されてたまるか」
その言葉を聞いた加賀美は小さなため息をついた。
まぁ妹のためにここまでできるのも、天道のいい所の一つなのだが。
加賀美はそんな天道に、ある意味で安心したという。
「あ……そういえば!」
「何だ、まだ何かあるのか?」
加賀美が突然、何かを思い出したようにポムッと手を叩いたのだ。
「この学校にずっと前から広まってる噂なんだけど、たまに生徒が消える事があるらしいんだ!」
「……合唱部とは違うのか?」
「それが噂はその前から広まってるんだよ。
まぁ時期的にワームが関わってるとは考え憎いし、子供の噂らしい話なんだけどな」
ワームがシブヤ隕石に乗ってやってきたのは7年前と言われている。
つまりそれ以前の噂はワームとは無関係と考えるべきか。
「この学校では昔から、生徒が鏡の中に消えるって噂があったみたいなんだ」
「また加賀美ですか」
「だから鏡だ!俺じゃない!!」
蓮華に冷たい目で見られた鏡……もとい加賀美は二度目のネタに激しくツッコむ。
「鏡だろうが加賀美だろうがどうでもいい……それより、鏡の中に消えるとはどういう事だ?」
「いや、どうでもよくは無いけど……まぁいいか。
鏡の中に化け物がいて、そいつが鏡の世界に人間を引きずり込んで喰ってるって噂だ」
今回も天道の目付きにツッコむ気力を失った加賀美は、鏡の化け物についての説明をする。
「ほぅ……都市伝説に有りがちなパターンだな」
「もしかしたら、その噂が今の呪いの鏡の噂に繋がるのかもしれませんね」
天道、蓮華も各々の見解を述べる。
「鏡の世界……か。」
天道は近くの焼きそばパンを置いているテーブルに乗った小さな鏡に写った自分の顔を見つめるのだった……。
数時間後、海鳴市のとある体育館。
ここでは近所の高校のバスケットチームが練習を行っていた。
試合に備えて練習しているらしく、それなりにハイレベルなプレイだ。
だが突然その体育館の照明が消え……
「何だ?」
「誰だよ電気消したの?」
真っ暗で何も見えなくなった体育館で慌てて周囲を見渡す一同。
すると体育館の扉が「ガシャン!」と大きな音をたてて開く。
それにより外から眩しい光が差し込み、一同は目を細める。
入口に立っているのはヘッドホンから大音量のラップ音を漏らしている男だ。
次の瞬間、男-澤田-はポケットから一つの折り紙を取り出し、マッチで燃やす。
それを床に落とすと同時に澤田は顔を上げ、練習に励む少年達へと歩き出した。
「「うわぁーーーー!!」」
変化した澤田の姿を見た少年達は、入口は一つしかないにも関わらず、揃って体育館の奥へと逃げていく。
といっても入口に澤田が立っている為に、この体育館から出る事はできないが……
体育館の入口では燃やされた折り紙が少しずつその形を灰へと変えてゆくのだった……。
「天道総司……」
夜道を歩いていた天道は、誰かに呼び止められその足を止める。
「なんだ……またお前か」
そこにいるのは間宮麗奈。
天道にとっては倒すべきワームの幹部だ。
「今日こそ死んで貰うぞ、天道総司……いや、カブト……。」
「ほぅ……調度良かった。貴様には聞きたい事があったからな。」
麗奈の後ろから無数のサリスが現れ、天道へとその爪を振り下ろす。
だが天道はその爪を回避し、サリス数匹を生身のまま攻撃する。
生身のままのパンチやキックもそれなりに効いているらしく、天道の戦闘力の高さが伺える。
やがて天道は右手にカブトゼクターを掴み、ワームの攻撃を回避するために地面を一回転。
そのまま起き上がり様にゼクターをベルトに装填した。
「変身……!」
『Change Beetle(チェンジビートル)!!』
同時にカブトのマスクドアーマーが弾け飛び、周囲のワームにダメージを与える。
最近では変身後すぐにライダーフォームになるため、マスクドフォームの描写が無い事も少なく無い。
カブトはすぐに麗奈を取り巻くサリスを一掃し、そのまま麗奈へとクナイガンを振り下ろす。
「ネイティブとかいうワームについて、教えて貰うぞ」
「ほぅ……?」
麗奈……いや、ウカワームは腕の大きなハサミでクナイガンを受け止める。
麗奈が変化したウカワームはシオマネキという蟹に似た能力を使う。
元が同じ蟹だけに防御の仕方はボルキャンサーもウカワームも似通っている。
「それは貴様らZECTが1番知っているんじゃないのか?」
「何……?」
クナイガンを弾き返すウカワーム。
「それは一体どういうことだ……!?」
「……知らないなら知る必要も無い。」
ウカワームの振り下ろすハサミ攻撃を受けた天道は、「クッ!」と漏らしながらのけ反る。
「いいだろう。貴様には、もう一つ聞く事がある!」
もちろんその程度の攻撃で終わる天道では無い。すぐに反撃を開始する。
「ひよりはどこへ消えた!?ひよりをしつこく付け狙っていた貴様なら、何か知っていてもおかしくは無い!」
「そんなこと、私の知った事では無い……!」
ウカワームのハサミとカブトのクナイガンがぶつかり合い、二人は少し距離をとって睨み合う。
「だが……一つだけ教えてやろう……」
「何だと……?」
腕のハサミをカブトへと向けるウカワーム。
「貴様の妹は、ハイパーゼクターの暴走に巻き込まれた……」
「ハイパーゼクターの暴走……!?」
ハイパーゼクターは未来の世界から時空を越えてやってきた、超化学によって生み出された代物だ。
それ故に不明瞭な部分も多く、過去にも何度が暴走したことがあった。
「そうだ……貴様の妹は暴走したハイパーゼクターに巻き込まれ、そのまま時空の彼方へと消え去った……」
「時空の彼方……だと……!?」
「フ……今の貴様にはどうしようもない場所だ」
つまりひよりはこの世界には既にいないということになる。
予想外の真実に驚いたカブトは、そのままその場に立ち尽くす。
ウカワームはそんなカブトを見て、「ざまあみろ」とでも言わんばかりに笑っている。
そんなウカワームの背後から、さらに十匹程のサリスが現れ。
その内、3匹のサリスはカブトを倒そうと群がるが……
「はぁッ!!」
すぐにクナイガンで切り裂かれ、爆発。
「(そうだ……あんなワームの戯れ事を信じてどうする……!)」
カブトはすぐに我を取り戻し、今まで通りにワームを倒すことに専念することに……
「行くぞ……!」
カブトは言いながら目の前のサリス集団に挑もうとするが……
ゴオオオオオオオオオオオッッ!!!
カブトの目の前を桜色の閃光が走り、残りのサリスを全て飲み込む。
「……高町か。」
こんな攻撃を使う知り合いは一人しかいない。
カブトはすぐに攻撃が飛んできた方向を見る。
「にゃはは……今回は私達だけみたいだね……」
『Yes,Master』
ウカワームとカブトから少し離れた場所で苦笑いするなのは。
なのははいつも通りワームの気配を察知し、このフィールドへ現れ、ディバインバスターでサリスを一掃した。
だが他の管理局メンバーはまだ誰一人到着していないらしく、相手もウカワームとカブトのみだ。
つまり、今はなのは・ウカ・カブトの三人だけという事になる。
「管理局の魔導師か……。」
ウカワームもカブトと同じようになのはを見る。
「(聞けばカブトと管理局は敵対しているとか……)」
ウカワームの人間体である麗奈はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
わざわざワームである自分が手を出さなくても人間同士で勝手に潰し合ってくれる……
「人間とは、本当に愚かな生物だな……?」
ウカワームは「フフ」と笑いながらそう言い、クロックアップでその姿を消した。
「「待て(待って)……!!」」
カブトとなのはもそれを追うためにクロックアップしようとするが、それを邪魔するかのように6匹程のサリスが現れる。
たかがサリスごとき、一瞬で蹴散らされるだろうが、ウカワームが逃げる為には十分だ。
カブトはクナイガンをアックスモードに変型させ、サリス全員に重い一撃を加える。
「相変わらず、強いね……」
『そうですね』
一撃で全てのサリスを粉砕したカブトの強さに感嘆の声をあげるなのは。
気付けばここにいるのはなのはとカブトの二人だけとなっていた。
二人はしばし睨み合い……
「天道さん……やっぱり貴方は、管理局に投降するつもりは…」
「無い。何度も言わせるな」
カブトの言葉に落ち着いた表情で俯くなのは。
天道が「例え相手が管理局でも戦う」と宣言した時から、なのはは天道と戦う決意を決めていた。
だが、それでも「もしかしたら……」と思い投降を持ち掛けたのだ。
「……なら、私なりのやり方で……今日こそ決着を付けさせて貰います!」
そう言い、冷静な表情のままカブトを見据えるなのは。
相手の目を見ればわかる。どうやら高町は本気で戦う決意を決めたらしい。
それに気付いた天道に、もはや戦いを避けて逃げるという選択肢は無くなっていた。
「……どうしてもやるというのなら、俺はお前を倒す……!」
言うが早いかカブトの目の前が緑に光り輝き、そこからハイパーゼクターが現れる。
「ハイパーキャストオフ……!」
『Hyper Cast off(ハイパーキャストオフ)!!』
カブトはつかみ取ったハイパーゼクターをベルトのハードポイントに装着。
それと同時にカブトの全身の装甲が大型化、腕や足といった随所にカブテクターが装着される。
「ハイパーフォーム……!?」
いきなりのハイパーフォーム化に少しだけ驚くなのは。
だがこちらが全力全開で戦うのだから、相手も本気になるのは当然のことだとすぐに納得する。
「行くよ、レイジングハート!」
なのははアクセルフィンで一気にハイパーカブトに接近。
「……!?」
「レイジングハート!」
『Short Buster』
そのまま後ろに回り込み、威力とチャージタイムを抑えたディバインバスター……ショートバスターを撃ち込む。
「ク……!」
ハイパーカブトはなんとかガードの姿勢でそれを受け止める。
「次!アクセルシューター!」
『Axel Shooter』
さらになのはは誘導弾を同時に11発発射。
それらはハイパーカブトの周囲を飛び回る。
だがハイパーカブトも防戦一方では無い。
誘導弾の内3つがハイパーカブトに向かって加速するが、ハイパーカブトはそれを回避。
「……どこを狙っている?」
「まだまだ……!」
回避された誘導弾がUターンし再びハイパーカブトに襲い掛かるが、次の瞬間にはその3発は撃墜されていた。
「あれは……!」
「パーフェクトゼクター……。」
空から高速で飛来した大剣-パーフェクトゼクター-は、誘導弾3発を道連れに地面に突き刺さっている。
「この程度の攻撃で俺を倒せるとは思わないことだな」
言いながら地面に突き刺さったパーフェクトゼクターを引き抜き、さらに背後から飛んできた誘導弾3発に向かって横一線。
真っ二つに斬られた誘導弾はまた地面へと落下する。
これで残りの誘導弾は5発。それらを全て撃墜するために、ハイパーカブトはパーフェクトゼクターを勢いよく振るう。
『Gun Mode(ガンモード)』
それによりパーフェクトゼクターのグリップ部が曲がり、ガンモードへと変型する。
ガウン!ガウン!ガウン!ガウン!
そのままパーフェクトゼクターから小さな赤い光弾を発射。
4発発射した弾は全てアクセルシューターに命中し、砕け散った。
残る誘導弾はあと一つだ。
「当たれ……!」
なのははラスト一発のアクセルシューターをハイパーカブトの左方向から高速で飛ばすが……
「甘い……!」
ハイパーカブトは飛んできた誘導弾を左手で受け止め、そのまま「グシャッ」と握り潰す。
「やっぱり、こんなのじゃ倒せないか……」
『次、行きましょう』
なのははすぐに次の攻撃のモーションへと入る。
なのははすぐに空に飛び上がり、レイジングハートをハイパーカブトに向ける。
対するハイパーカブトもパーフェクトゼクターを再び大きくスイングさせ……
『Sword Mode(ソードモード)』
元のソードモードへと変型させる。
さらにどこからかサソードゼクターが飛来、そのままパーフェクトゼクターに合体する。
「行くぞ……!」
ハイパーカブトはサソードゼクターが合体したパーフェクトゼクターを遥か上空にいるなのはに向かって振るう。
「……まさか!」
『遠距離からの斬撃です』
なのはもまさか地上にいるハイパーカブトが剣で自分を攻撃するとは思っていなかった。
なのはに向かって真っ直ぐにとんでくるのはポイズンブラッドを濃縮し、刃の形を作ったエネルギー体だ。
なのははすぐにその場所を離れるが、ハイパーカブトはまるでサソードの様にパーフェクトゼクターを振るい続ける。
「……このまま回避しながら接近して、大きいのを撃ち込めれば……!」
なのはにはなのはの考えがあるらしく、むやみに回避しているように見えてそうでないのだ。
「(ほぅ……そういうことか……)」
なのはの回避の軌道を読んだハイパーカブトも、相手の思惑に気付く。
段々と距離を縮められており、このまま行くと、あと数秒で間合いを詰められるかもしれない。
「(ならば……)」
ハイパーカブトはパーフェクトゼクターを振り回すのを止め、なのはに構える。
「行っけぇぇぇーーーッ!」
「チッ……!」
だがなのははハイパーカブトの目前で一気に加速。天道の予測は外れ、一瞬でハイパーカブトのレンジに入ったのだ。
『Flush Impact』
「…………!」
もちろん天道もそれを黙って受ける訳にはいかない。なのはの攻撃をパーフェクトゼクターで受け止める。
「また受け止めた……!?」
『Sasword Power(サソードパワー)』
その状態のままハイパーカブトはグリップ付近のボタンを押し、パーフェクトゼクターは紫に輝く。
「ハイパースラッシュ!!」
「えぇ……!?」
カブトはそのまま紫に輝くパーフェクトゼクターをなのはに振り上げる。
『Protection,EX』
それを防ぐためにレイジングハートは防御魔法を発動。カブトのハイパースラッシュを見事に受け止める。
だが……
「(この攻撃……重い……!)」
ぶつかり合うバリアとパーフェクトゼクター。
例え強化したプロテクションでもハイパースラッシュを受け止めるのには少し無理がある。
「なら……これで!」
『Barrier Burst』
レイジングハートが『バリアバースト』と告げると同時に、バリアに魔力が収束され……
「何……!?」
そのまま表面が爆発。ハイパーカブトはその衝撃に吹っ飛ぶ。
「ディバイィィィン……」
さらにハイパーカブトが吹っ飛んだスキに大技のチャージに入るなのは。
「させるか……!」
『Gun Mode,Kabuto Power(ガンモード、カブトパワー)』
パーフェクトゼクターを「ガシャン!」とスイングし、同時に赤いボタンを押す。
「……バスタァーーーーッ!!!」
「ハイパーキャノンッ!!」
『Divine Buster,Extension』
『Hyper Cannon(ハイパーキャノン)!!』
ディバインバスターの発射と同時に、パーフェクトゼクターの銃口から凄まじい威力の荷電粒子砲が発射される。
「く……ッ!」
「なんて威力なの……!?」
二つの砲撃がぶつかり合い、衝撃で大爆発が発生する。
お互いに凄まじい威力の技であったためにその衝撃も相当な物で、なのはもハイパーカブトも一瞬目を背ける。
「流石天道さんだね……やっぱりそう簡単には墜ちてくれないか……」
『まだ十分勝機はあります。』
「そうだね、レイジングハート。頑張ろう……!」
なのはとレイジングハートはお互いを励まし、ハイパーカブトを見据える。
「高町なのは……確かにそこらのワームよりは格段に強いな……だが……!」
天道は再びパーフェクトゼクターを構える。
「お前の動きは既に見切った……!」
『Drake Power(ドレイクパワー)』
今度はドレイクゼクターを合体させ、青のボタンを押す。
「ハイパーシューティングッ!!」
『Hyper Shooting(ハイパーシューティング)』
ハイパーカブトがパーフェクトゼクターの引き金を引くと同時に、
ドレイクゼクターのツインバレルに収束された赤い光弾が発射される。
『危険です。』
「うわっ……!!」
なのはは高速で飛んできた光弾を何とか回避するが……
『誘導弾です。』
「え……!?」
その弾はUターンし、なのはへと向かって来る。しかも、それだけでは無い。
「分散したぁ!?」
ハイパーシューティングにより発射されたエネルギー弾は、自動的に分散し、ターゲットを追尾する能力を持っているのだ。
「ダメ、振り切れない……!!」
なのははしばらく回避を続けながらハイパーシューティングのしつこさに愚痴を漏らしていた。
どこまで逃げても追い掛けてくる。しかも光弾は威力(密度)も高い為に、生半可な技では落とせないのだ。
ディバインバスターを撃とうにもチャージの途中でハイパーシューティングの餌食になるのが関の山だ。
「……こうなったら……!!」
なのははこの状況を打開する何らかの策を閃いたらしく、一気に高度を上昇させる。
空を見上げるハイパーカブト。
「何をする気だ……高町……?」
なのはは一気に雲の上まで飛び上がり、もはや地上からは見えない高度にまで達していた。
そして次の瞬間、なのはがいると思しき場所で眩ゆい爆発が発生する。
それは間違いなくハイパーシューティングによる爆発だ。
ハイパーカブトも「やったか?」と空を見るが……
「な……!?」
なんと、雲の上から凄まじい威力の閃光がハイパーカブト目掛けて飛んでくるのだ。
雲はその閃光を中心に裂け、衝撃で周囲に拡散している。
「うわぁああああッ!!」
余りにも意外な砲撃に言葉を無くした天道は、そのまま桜色の閃光に飲み込まれる。
「やった……かな……?」
なのはは「はぁ……はぁ……」と息を切らしながらハイパーカブトを見る。
バリアジャケットはボロボロに傷付き、あちらこちらが破れてしまっている。
こんなにもズタボロにされたのは3年前のヴィータとの戦い以来か……
『マスター、さっきの行動は危険すぎます』
「にゃはは……どのみちカブトのハイパーシューティングを防ぐにはディバインバスターを使わなきゃならなかったんだ……
なら一発の魔法を防御に使うよりも、攻撃に使った方が少しでも勝てる確率が上がるからね……」
『これで倒せなかったら凄まじい無駄骨です。』
なんとも目茶苦茶な理屈だが、なのはらしいと言えばなのはらしい。
どうせディバインバスターを撃とうとすれば大なり小なりハイパーシューティングを受ける事になる。
ならば一発でも多く攻撃を入れる事に専念したと言う訳だ。
「ク……目茶苦茶しやがって……!!」
ハイパーカブトは少しよろめきながらも立ち上がる。
空を見ればボロボロになったなのはが地上100m程の高度からこちらを見下ろしていた。
天道にしてみればこんな目茶苦茶な戦法を取る相手は始めてだ。それもまだあんなに幼い少女が。
「レイジングハート、もう天道さんを倒すにはアレしか無い……!」
やはりディバインバスターを直撃させただけではカブトを倒すには至らない。
ならば全力全開の最大技を叩き込むしか無い。
『スターライトブレイカーですね?』
「……うん。これで、決着をつける……!レイジングハート、カウント!」
『All Light Count……』
これで全てにケリを付ける。
今のハイパーカブトを倒せるとすれば、その可能性があるのはスターライトブレイカーだけだ。
レイジングハートはスターライトブレイカーのカウントに入る。
「なのは……!!」
その頃、フェイトは遅れながらもなのはと合流しようと、猛スピードで空を翔けていた。
『フェイトちゃん、急いで!もうなのはちゃん、ボロボロだよ……!』
エイミィから入った通信に、フェイトは冷や汗を流す。
「お願い……無事でいて……!!」
『Eight……Seven……』
「……どうやら本気の様だな」
レイジングハートのカウントはカブトの耳にも届いていた。
このただならぬ雰囲気からして、恐らくなのはの最大技だろう。
「ならば、俺も容赦はしない……!」
『Maximum Rider Power(マキシマムライダーパワー)!!』
ハイパーゼクターのゼクターホーンを押し倒す事で、カブトの体にマキシマムライダーパワーがチャージされる。
『Six……five……』
『Kabuto,Thebee,Drake,Sasword Power(カブト、ザビー、ドレイク、サソードパワー)!!』
三方向から飛来した三つのゼクターは、パーフェクトゼクターに合体し、パーフェクトモードへと変形する。
『Four……Three……』
『All Zecter Combine(オールゼクターコンバイン)!!』
同時にハイパーカブトの背中から光の翼が出現し、胸部を始めとする全身の装甲が変形を始める。
『Two……One……』
『Maximum Hyper Typhoon(マキシマムハイパータイフーン)!!』
ハイパーカブトは巨大な光子の刃を形成したパーフェクトゼクターを構え、今にも飛び上がりそうな姿勢に入る。
『Count……Zero!!』
「全力全開!スターライト……ブレイカァーーーーーーッッ!!!」
掛け声と共に、なのはのレイジングハートから凄まじい威力の砲撃が放たれる。
なのは自身も反動で吹っ飛びそうなくらい、とんでもない威力の魔法だ。
「マキシマムハイパータイフーンッ……!」
スターライトブレイカーの発射とほぼ同時に、ハイパーカブトはタキオン粒子で形成された光の翼で、空に飛び上がる。
そして次の瞬間、ハイパーカブトは凄まじい効果音と共にスターライトブレイカーの光に飲み込まれた。
しかし……
「そんな、まさか……スターライトブレイカーが……切り裂かれてる……ッ!?」
なのはの目に映っているのは、ハイパーカブトがスターライトブレイカーの光の中で
赤い大剣を突き立て、逆にこちらに昇って来るという有り得ない光景だった。
つまり、ハイパーカブトはパーフェクトゼクターでスターライトブレイカーを切り裂きながら突進しているという事だ。
「はぁああああああああッッ!!!」
マキシマムハイパータイフーンでスターライトブレイカーを切り裂いたハイパーカブトはついになのはの目前まで迫っていた。
なのはは開いた口が塞がらないままハイパーカブトを凝視している。
まさか自分にとって最強技であるスターライトブレイカーが破られる等とは夢にも思っていなかったのだろう。
「たぁーッ!!」
カブトはそのままマキシマムハイパータイフーン状態のパーフェクトゼクターをなのはに振り下ろす。
『Protection,EX』
マスターのピンチに、レイジングハートは咄嗟にプロテクションを発動。
しかしそんなことでハイパーカブトの勢いが止まる訳は無く……
「レイジングハート!?」
ハイパーカブトが振り下ろした大剣は、レイジングハートの柄に食い込み、一瞬で真っ二つに叩き斬る。
しかしそれで終わる事は無く、カブトはその状態からパーフェクトゼクターを上方向に振り上げたのだ。
それによりレイジングハートの柄は二カ所で切断され、バラバラになってしまう。
「なのは……!?」
フェイトは自分の目を疑った。
やっと到着したと思ったら、なのはのスターライトブレイカーが目の前で真っ二つに切り裂かれているのだ。
さらになのははバリアジャケットまでボロボロに傷付いており、トドメと言わんばかりにレイジングハートをバラバラにされている。
それでもハイパーカブトは止まる事無く、パーフェクトゼクターを振りかぶっている。
ダメだ。
このままではなのはが殺されてしまう。
「なのはーーーーーーーーーーッ!!」
フェイトは今にも泣き出しそうな顔で親友の名を叫んだ。
「たぁッッ!!!」
そしてハイパーカブトは、トドメのマキシマムハイパータイフーンをなのはへと縦一線に振り下ろした。
次回予告
たった一人の妹……
例え血が繋がっていなくても、人間でなくても、妹である事に変わりは無い。
大切な人を守るためなら、世界を敵に回してもいい。
そして、ついに一つの小さな事件に決着が着く。
次回、魔法少女リリカルなのはマスカレード
ACT.14「たった一人の妹」前編
にドライブ・イグニッション!
スーパーヒーロータイム
その頃の良太郎。
良太郎「だから僕じゃないんですってば~」
クロノ「ああもう……いい加減にしろ!泣きたいのはこっちだ!」
エイミィ「あらら……二人とも泣いちゃったよ……」
リンディ「ほらほら、泣かないの!男の子でしょ?」
クロノ「う……か、母さん……」
R良太郎「お姉ちゃぁ~ん……」
クロノ「お前、母さん……もとい艦長に馴れ馴れしいぞ!!」
良太郎「へ?一体何が……?」
クロノ「とぼけるな、この!」
良太郎「あぅ……痛いよ、ちょっと待ってよぉ~」
はやて「何やコイツら……?」
最終更新:2007年10月07日 11:48