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第1話「突然のはじまり」


「我等の怨念は……不滅だ……!!」
「これは……いかん!!
奴を倒した影響で、この異次元が消滅しようとしている!!
皆、早く逃げるんだ!!」
「逃しは……しない!!」

満身創痍の赤い悪魔が、飛び立とうとした一人の巨人を捕らえた。
捕らわれた巨人は、何とかして悪魔を振り払おうとする。
だが、死を覚悟した悪魔の力は強大……がっちりと組み付かれ、身動きが取れない。
仲間の巨人達はそれを助けようとするが……それと同時に、異世界の本格的な崩壊が始まった。
早く助け出さなければ、このままじゃ自分達まで崩壊に巻き込まれてしまう。
一人の巨人が両腕を十字に組み、攻撃を放とうとする。
だが……この状況で打てば、悪魔だけでなく仲間までも打ち抜いてしまう。
ミスを恐れ、攻撃を放つことができない……その間も、当然ながら崩壊は進んでいる。
もはや、猶予はない……そう感じ、捕らわれの巨人は仲間へと叫んだ。

「このままだと、兄さん達までやられてしまいます!!
僕に構わず、早く脱出してください!!」
「馬鹿な事をいうな!!
お前を見捨てるなんて、そんな馬鹿な真似……」
「ですが!!」
「くくく……もう遅いわ!!」

その直後。
赤い悪魔の足元に、亀裂が走り……地が裂けた。
悪魔は高らかな笑い声を上げながら、一人の巨人を道連れにして落ちていく。
落ち行く巨人の仲間達は、ただ彼の名を叫ぶしかできなかった。

「メビウス――――!!!」


「……ここは?」
「あ、気がつきました?」

青年が目を覚ました時、その傍らには金髪をした一人の少女がいた。
9歳か10歳の、幼い……しかし、しっかりした感じのある少女だった。
見上げてみれば、見知らぬ天井。
自分が眠っていたのは、見知らぬベッド。
青年はここでようやく、自分の置かれている現状に気づいた。
まったく見覚えのないどこかに、今自分はいるのだ。
何故こんなことになったのか、意識を失う前の事を思い出そうとしてみる。
あの時……兄達と共に悪魔との戦いに望んだ自分は、異次元の崩壊に巻き込まれ……

「そうだ……ヤプールは!?
奴は一体、どこに!!」
「!!」

いきなり大声を上げた青年に、少女――フェイト=テスタロッサは思わず身をすくませた。
それを察して、青年は一言「あ」とつぶやいた後、彼女に謝る。
どうやら自分の所為で、少し驚かせてしまったらしい。

「ごめん、驚かせちゃったね。」
「いえ、大丈夫です。
もう、怪我の方は大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう。
君が僕を助けてくれたの?」
「あ、助けたのは私じゃなくて……」
「フェイトさん、そろそろ……あ。
目を覚ましたんですね。」
「リンディ提督。
はい、丁度今気がつかれたんです。」

部屋のドアが開き、緑の髪をした一人の女性が入ってくる。
身に着けているのは、軍服らしき制服。
提督という呼び名からも、それ関連の人間である可能性は高いだろう。
もしかするとここは、自分もかつて所属していた、あの防衛組織ではなかろうか。

「ここは……GUYSの支部ですか?」
「GUYS……?
いえ、違いますけど……あの、GUYSって一体?」
「え……GUYSを知らないんですか?
地球防衛チームの、あのGUYSですよ?」
「地球防衛チーム……?」

リンディとフェイトは、互いの顔を見合わせる。
地球にそんな組織があるなんて、聞いたことがない。
時空管理局の隊の一つなのかもしれないとも思ったが、少なくとも自分達が知る限りでは、GUYSなんて隊は存在しない。
もしかすると、彼は……ある一つの仮説が、二人の頭の中に浮かび上がる。
それを確かめるためにと、リンディは青年へと話を切り出していった。

「とりあえず、色々と確認したいこともあるし……まずは、お名前を教えてもらえませんか?」
「あ……はい。
僕はミライ……ヒビノ・ミライです。」

青年――ヒビノ・ミライ。
またの名を、ウルトラマンメビウス。
彼の新たなる戦いの、幕開けであった。

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最終更新:2007年09月25日 17:34