~ティアナ・ランスターの憂鬱Ⅰ~

「潜入捜査・・・ですか」
「そう、場所が場所だけにね、ティアナが年齢的にちょうどいいんだ」
改めてティアナは手元の資料に視線を落とす
場所は第97世界、地球の日本という国、フェイトさん達が昔生活してたという国だ
魔法の存在してない世界、そんな所で・・・巨大な時空震が観測されたというのである
しかもそれを引き起こしたの、一人の少女であるというのである
「信じられないような話ですね」
「うん、幸い大事にはならなかったみたいだけど。でも原因ははっきりしてないんだ。
 もしかしたらロスト・ロギアがからんでるかもしれないけど・・・特にそういう形跡も見られない。
 穏便かつ現地人に気付かれないように原因を解明して欲しいんだ。
 私も教師として潜入する事になってるから、あまり無理はしないで」
「分かりました」
ティアナは資料を机の上において敬礼をする
資料に同封された写真にはやたらと目を輝かせ、「団長」と書かれた腕章をつけた少女が映っていた

 ー ー ー ー ー

「イギリスから留学してきました、ティアナ・ランスターです」
自己紹介し、ぺこりと礼をする。クラスメート達が物珍しそうな視線を投げかけている
(まずいわね、あまり目立ちたくはなかったんだけど)
休み時間になると予想通りクラスメート達が集まってきて質問攻めにする、ティアナは愛想笑いを浮かべながら無難に受け答えしていた。だが突然、教室の扉を壊れそうな勢いで開かれるなり一人の少女が教室に入ってくる
「外国人留学生がきたってクラスはここね!」
返事も聞かずにずかずかとその少女はティアナに向かって一直線に歩いてくる。その少女の姿を、いや、声を聞くなりクラスメート達はそそくさと立ち去っていく。まるでやっかい事には関わりたくないと言わんばかりに。
その少女がティアナの目の前に立ち、バンっと机に手をつく
「あなたが噂の外国人留学生ね!」
「え、ええ・・・」
「私はあなたのような人材が来るのをずっと待ってたわ!あ、放課後面白い所へ案内してあげるからすぐに帰らないでね」
「え、えと・・・」
「あ、そっか留学生だものね、日本語は苦手よね。I'm・・・」
「あ、いえ、言葉はわかりますから」
「あら?意外と日本語流暢ね。学園ものの外国人留学生は胡散臭い日本語を使うのが相場と決まっているのに」
「あの・・・あなたは・・・」
「あ、自己紹介が遅れたわね。私涼宮ハルヒ。あなたは?」
「ティアナ・ランスターです・・・」
これが、私と涼宮ハルヒとの出会いだった

とにかく、一筋縄でいかないのは間違いないだろう。
とりあえずフェイトさんに連絡入れといた方がいいのは確かだ
(フェイトさん、目的の少女からコンタクトありました。放課後校内を案内する事をかってでていますが・・・やはり罠でしょうか)
(ええと・・・、その子私の所にも来たよ。なんというか、敵意とか罠とかいうのより、純粋な好奇心って感じはしたけど)
(・・・確かにそういう風にも見えましたけど・・・警戒するに越した事はないですよね?)
(そうだね、警戒だけは怠らないようにしよう。)
そうだ、相手はどんな凶悪な犯罪者かわかったものじゃないもの。充分に警戒してないと

そして放課後になるやいなや私達は件の少女に強引にとある教室へと連れて行かれることとなった
そう、言ってみればこれが厄介事の始まりだったといってもいい

「さあ!ここが我らSOS団本部よ!遠慮なくくつろいで!」
言うなり彼女はぐいぐいと私たちを部屋の中へと押し込もうとする
(特に結界や罠らしきものは感じられませんね)
(うん、普通の部屋だ。でもなんだろう・・・妙な感じが)
部屋の中を見回してみる。当然のように部屋の中にいた人間達は私たちを注目している
部屋の真中に位置しているテーブルでは二人の男子生徒が盤上に駒を並べている
部屋の隅では一人の女子生徒が黙々と本を読んでいた
なぜか一人だけ制服姿ではなく侍女姿の少女がいた
(この世界にも侍女とかは普通にいる・・・ということなんでしょうか?)
(普通の学校にはいないんじゃないかな・・・)
「紹介するわね、外国人留学生のティアナ・ランスターと外国人講師のフェイト・T・ハラオウン。で、こっちは団員ABCD」
全然説明になってないような気がした

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最終更新:2007年11月17日 13:59