魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 第一話 「降臨」

「お前は行け。魔界に飲み込まれたくはあるまい。俺はここでいい。親父の故郷のこの場所が」

己を倒した弟へ最後の言葉を残し俺の身体は落ちていった。しかし魔界へとおちるはずだった俺の身体は想像もつかない場所へとたどりつく。

身体に受けた衝撃は柔らかく、すぐさまそれが草と土であることを伝え、そして何よりさきほどまで空気を満たしていた魔界の瘴気が清浄なそれへと変わっていたことが、傷つき疲弊しながらも冷静さを保っていた俺の頭へと今いる場所が魔界でなく人界であることをりかいさせた。
「…ここは…人界なのか?」
全身を舐めるように駆ける痛みに僅かに眉を歪めながら辺りを見渡す、生い茂る草木そして天に輝く星と月がその場所が己の求めた場所でないことを自身へつきつける。

「フォースエッジとアミュレットを一つにできなかった為か、それとも別の要因か…どちらにせよ締まらない結末だな。」
一人、自嘲していると周囲の魔力と共に六感に危険の空気が漂う。あるものは転移魔法と思われる魔法陣を介して、あるものは木々をへし折りながら。俺の周囲へと見たこともない機械どもが集まってくる。
「…とても友好的には見えんな。」
カプセルのような円筒形、あるいはボールのような球体をしたそれら。後にガジェット・ドローンとして知ることになる戦闘機械との最初の遭遇であった。
「せいぜい俺を楽しませろ。」
俺は言葉と共に愛刀へと手をかけた。

続く。

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最終更新:2007年11月17日 17:20