MAGISTER NEGI MAGI from Hell内検索 / 「真名編―第一話―」で検索した結果

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  • 真名編―第一話―2
    2人は頷く。 実際、茶々丸の示した報酬の額は、2人にとっても無視できない金額。 これなら多少面倒な守秘義務がついても構わない、そう思える。 「もっとも、我々は既に結んだ契約のせいで、規定の巡回コースからあまり離れられない。  犯人に遭遇せずに終る可能性の方が、高いかもしれない――それでもいいな?」 「はい。私としても、駄目で元々と思っていますから。それで構いません」 契約、成立。仕事人である真名たちが約束した以上、生半可なことでは裏切ることはない。 「では――この武器を、龍宮さんに預けておこうと思います」 「何だ、これは?」 「特殊な銃です。私が使うつもりで持ってきたものですが」 茶々丸は肩から提げた細長い鞄を差し出しながら、淡々と語る。 言われるままに、真名は鞄の中を確認する。出てきたのは、長大なライフルのような銃。 「工学部の開発した、最新の結界弾ライフル...
  • 真名編―第一話―
    魔弾と魔眼/凶刃と狂犬 ……満月の下、歩く影が2つ。 片方は、バイオリンケースを片手に提げた、長身の人物。 片方は、学生服に身を包んだ、小柄な帽子の少年。 龍宮真名と、犬上小太郎だった。 「あーあ。何で2人で行動せなあかんのや。俺、1人の方が動き易いのに」 「本音を言えば私もそうだし、君も1人で大丈夫だろうとは思うがな。  依頼主の指示となれば、仕方ないさ。これも雇われの身の悲しい定めって訳でね」 ぶつくさと呟く小太郎に、真名はフッと笑みを浮かべる。 先日、美空とココネが返り討ちにあって以来、魔法先生たちの巡回はその体制を変えていた。 元々半人前の美空たちのみならず、1人でも十分な戦力となる先生たちも2人1組にしたのだ。 こうするとチーム単位の戦力は上がる一方で、巡回しきれぬ隙はさらに大きくなる。 その分を、魔法先生たちは「傭兵」たちを増強することで、フォロ...
  • 亜子編―第一話―
    ……その日、茶々丸は頭に人形を乗せて登校してきた。 クラスの誰もが見慣れた人形だ。エヴァンジェリン所有の人形、『チャチャゼロ』である。 決してクラスの全員がその人形の本性を知っているわけでは無かったが…… それでも、今更その人形について突っ込みを入れる者は居なかった。 茶々丸の頭に載ってきたのは今日が始めてでもない。エヴァの頭の上に載っていた時もある。 順応性の高い3-Aの生徒たちは、すでにその光景を日常の中に組み込んでしまっていた。 「……しかし、何でお前も来るんだ。家で待ってればいいだろうに」 「ケケケ。家ニ居テモ暇ナンダヨ、御主人。マァ気ニスンナ」 主人であるエヴァンジェリンが睨み付けてくるが、ゼロは動じない。そもそも表情は変えようがないのだが。 一方、制服姿のままゼロを頭に載せている茶々丸も、無表情だ。 「先輩の従者」であるゼロが何の脈絡もなく言い出した、「俺モ...
  • 茶々丸編―第一話―2
    寮の裏庭。以前、チア3人組が血みどろのケンカを繰り広げた惨劇の場所。 チャチャゼロを頭に乗せたままやってきた茶々丸は、しばし沈黙する。 「……オイ、ドウシタッテ言ウンダヨ? 何ノ用ダ? 黙ッテチャ分カンネーヨ」 「すいませんが、一度降りて頂けませんか? この場所・この時間なら、誰の目もありません」 確かにゼロが茶々丸に乗って移動しているのは、人形が勝手に動く姿を一般人に見られぬため。 学園祭のような異常な環境なら、カラクリだとかロボットだとか誤魔化せるが、普段は面倒だ。 逆に言えば、誰かに見られる恐れのないこういう場所なら、別に気にする必要はないということだ。 ゼロは茶々丸の後頭部から飛び降りて、茶々丸を見上げる。 「デ、何ノ用ダヨ。ツマンネー用事ナラ、後デオ仕置キダゼ?」 ナイフをちらつかせ、恫喝めいた言葉を吐くチャチャゼロ。 しかし茶々丸は全く動じず。平坦な口調のま...
  • ゆーな編―第一話―
    考えない、という罪 「よーし、じゃあここはパーッと、『亜子を元気づける会』でも開こーよ!」 亜子の一件が伝えられた、その日の休み時間―― 授業が終った途端に大声を上げたのは、裕奈だった。 そのあまりに能天気な叫び声に、クラスが一瞬静まり返った後、ザワついた。 「ちょっと、ゆーな。流石にそれは……」 「元気づけてはあげたいけど、今は『パーッと騒ぐ』ような状況じゃないよね……」 「ノリだけで物を言うのはやめるです。もっと考えて発言しないと」 いくら普段は能天気な3-Aの面々でも、流石に騒いで良い時・悪い時くらいは分かっている。 呆れるような、責めるような周囲の声に、裕奈は拳を振り上げた姿勢のまま、固まってしまう。 「え? あ、そうか、えーっと……」 「クラスで何かしよう、というアイデアには賛成ですわ、明石さん」 そんな裕奈に助け船を出したのは、クラス委員長である雪広あ...
  • ハカセ編―第一話―
    ヒトの手に余りしモノ ……広い空間。 どこかの建物の中なのか、ちょっとした体育館ほどもあろうかという四角い空間。 白い壁に囲まれ、明るい照明に照らされた中で……筋骨隆々たる1人の男が、銃を構えていた。 2mを越す長身目を隠すサングラス。腰のあたりからは、何故か太いコード類が壁に伸びて。 これもまた長大なライフルで狙うのは、なんと男と瓜二つの姿形をした人物。 逃げようともしない双子のような敵、しかし男は、何の感動もなく何の躊躇もなく、引き金を引いて…… 室内に、爆発音が響いた。 爆発したのは、しかし銃で狙われていた方ではない。 なんと、ライフルを構えていた方が爆炎に包まれている。 ライフルの横腹から上がる白煙。銃を構えた姿勢のまま、吹き飛んで消滅した男の頭部。 銃の暴発。哀れ、鏡映しの兄弟を撃とうとした男は、自らの銃により、その短い命を―― 「あー...
  • チャチャゼロ残酷編―序章―
     ……ツマンネェ。最近、ツマンネェ。  御主人ガ丸クナッチマッテ、ツマンネェ。  暫ク血ィ見テナイカラ、ツマンネェ。自慢ノ刃モ錆ビチマウダロ、コレジャ。  殺シテェ~。血ィ見テェ~。  誰デモイイカラ、切リ刻ミテェ~。  馬鹿ナガキ共、殺ッチマイテェ~。血マミレ希望。ケケケケケッ。  ――ナア、御主人。  御主人除イテ30人モ居ルンダ、1人ヤ2人、殺ッテモイイダロ? 「まあな。あの能天気な連中の1人や2人、欠けたところでどうでもいいが……  いや、だが駄目だ。今ぼーやのクラスに死人が出たら、ぼーやの修行に影響が出る。  いずれお前にも刃を振るう機会は与えてやる。だからしばらくは自重しろ」  ……本気デ アノガキ育テル気カヨ、御主人。  ワカッタヨ。御主人ノ命令ナラ仕方ネーナ。我慢スルサ。  ――ッテ、俺ガ ソンナニ物分リイイ訳ナイダ...
  • 真名編―第二話―
    チャチャゼロ残酷編12  後編 「……龍宮さんを狙うのですか?」 「アア。今ノウチニ潰シテオカネート、厄介ダカラナ」 ――聡美の腕を奪った、その後。工学部棟の一角で。 サイボーグ手術のために運ばれていく聡美を見送った2人は、今夜の作戦を練っていた。 「今夜ハ満月。俺モ最大ノぱわーガ出セルガ……明日カラハ、ドンドン弱ル一方ダ。  今ヲ逃セバ、倒スノハ難シクナルカラナ」 「……しかし、何故、龍宮さんを」 「神鳴流剣士ハ御嬢様ガ壊レテ一緒ニ壊レタヨウナモンダシ、巨乳忍者ハ留守ダシナ。  ぼーやニツイテハ、後回シニスルトシテ……  確実ニ敵ニナル奴ラノ中デ、アノすないぱーガ一番危険ナンダヨ。  魔法先生タチニモ、毎晩雇ワレテルヨウダシナ」 月の満ち欠けに応じて上下するエヴァの魔力。その影響をモロに受けるチャチャゼロ。 最大の能力が出せる今夜、厄介な、そし...
  • 真名編―第二話―2
    「な――!」 唐突に大地に飲み込まれて消えた小太郎に、ライフルを構えていた真名も息を飲む。 真名の位置からは、何が起こったのかよく分からない。藪と下草に隠され、直接は見えない。 ただすぐに直感したのは、この場所が既に敵の掌中にあるということ。 「そういえば五月の荷物も足跡もなかった……迂闊ッ!」 真名は己の判断ミスを呪う。呪いの言葉を吐きながら、狙撃体勢を解いて周囲を見回す。 森の中にぽっかり開いた小広場、そこに倒れていた五月。 しかし考えてみれば、五月がこんな場所に来る理由はない。襲われたにしては持ち物もない。 他の場所で襲われ、無力化され、ここに運ばれてきたと見るのが妥当だ。 ……何のために? 決まっている。真名や小太郎のような巡回中の「誰か」を惹きつけるためだ。 罠に誘う、餌とするためだ。 準備万端整えて誘い込み、巡回の者たちを返り討ちにするためなのだ。 ここ...
  • さよ編―第一話―
    既に振るわれし刃 『いつだったかな……昔、ずいぶん昔、同じようなことが、あったような気が……』 「……さよちゃん?!」 月曜日の朝。 学園に呪縛された地縛霊・さよは、その身を震わせる。 相次いでクラスメイトに降りかかる事件。傷ついていく身体と才能―― さよは、額に手を当てる。その顔が、僅かに歪む。 『頭が、痛い……』 「はあッ!? ちょっ、さよちゃん、頭が痛いって……!?」 さよの漏らした呻き声に、和美は思わず聞き返す。 幽霊のさよが、痛みを訴える? そんなことが、果たしてあるのだろうか? クラスで唯一さよと常時コンタクトの取れる和美でも、さよが「頭痛に苦しむ」姿など初めて見る。 さよの輪郭が、わずかにブレる。襲い来る激しい頭痛に、とうとう両手で頭を抱え込む。 思い出してはいけない。思い出してはいけない。思い出しては、いけない。 さよの心の中で、何...
  • 美空編―第一話―
    見習い魔法使いの憂鬱 麻帆良学園に、雨が降る。連日の惨劇を洗い流すように、雨が降る。 朝から降り続ける雨の中、あえて出歩く者はほとんど居なかったが…… ここ、麻帆良学園の中心部、世界樹前広場には、何本もの傘が留まっていた。 「まだ同一犯だと決まったわけでは……! 全ての事件において手口が違うわけですし」 「しかし我々の目を欺けるような犯罪者が複数いるということの方が、信じがたい」 「犯人の数などどうでもいい! 重要なのは、生徒たちの安全確保です!」 降り続ける雨の中、傘を片手に議論を交わしていたのは、十数人の先生や生徒。 学園都市に点在する、様々な学校の制服。様々な先生。一見すると何の共通項もない顔ぶれ。 ただし、知る者が見れば分かる。個々の顔を確認していけば、おのずと分かる。 愛衣がいる。シャークティがいる。刹那がいる。高音がいる。そして、子供先生のネギもいる...
  • 千雨編―第一話―
    『哂う人形』の闇 千雨が『それ』を初めて知ったのは、例によってPCの前に座っている時だった。 「……なんだこりゃ。『哂う人形』?」 クラスとは少し距離を置いている彼女だが、流石に級友が2人も襲われれば気にもなる。 そして気になって調べる先は、やはりネット。 何故かこの手の事件とは無縁な麻帆良学園。2人の女生徒の事件は当然大きな話題となる。 その情報の洪水の中に、千雨は少し気になるやりとりを見つけていた。 麻帆良学園ローカルの、匿名掲示板の片隅。 これってさ、『哂う人形』じゃない? ほら、昔流行った七不思議の 動かなきゃ切り刻まれて、戦えば折られて、逃げれば・・・・何だったっけ? うわ、分かる奴居たw あれって小学生の頃だっけ? ……これだけだ。千雨は腕を組み、しばし考える。 そもそも2つの事件は同一犯なのか別々の事件か、という話題で盛り上がっていたス...
  • 鳴滝姉妹編―第一話―
    2人はいつも ――事態は、どんどん悪化していた。 この1週間、連続して起こった、3-A女子生徒連続暴行事件。及び、巡回中の魔法使いへの攻撃。 現時点で魔法先生たちが把握しているだけで、直接の被害者が8人。うち、死者2名。 木乃香のような間接的な影響(と魔法先生たちは思っている)を加えれば、さらに人数は増える。 「さらに、昨日の朝から、ガンドルフィーニ先生の行方が分からなくなっている。  魔法も使って探してみたのだけど、気配すら掴めなくてね」 「事件とは無関係に、麻帆良を離れられただけなのではないですか?  あるいは巡回や事件が嫌になって、逃げ出したとか……」 「いや、それはない。彼には妻も子もいる。あの愛妻家が家族を置いて逃げ出すことは、ありえないよ。  念のため、奥さんにも話を聞いたのだがね。  日曜の朝は学校に溜まっている仕事があると言って出て行ったきり、...
  • アキラ編―第一話―
    人魚姫は泡の中で ――朝。 神楽坂明日菜は、鳴り響く目覚まし時計を、叩いて止める。 「うーん、もうちょっとだけ……」 もぞもぞした彼女は、しかしやがて気付く。 誰も居ない部屋。自分1人しか居ない、広すぎる部屋。 バイト遅刻するよ、と声をかけ朝食を作ってくれる親友も居ない。 ベッドに潜り込んで来るガキっぽい子供先生も居ない。 口だけは達者な、あの憎たらしいオコジョ妖精も居ない。 掛け値なしに、自分1人きりの部屋。 「……静かだ、な」 なんとも場違いな感想が、明日菜の口から漏れる。 昨日の夕方、荷物をまとめて出て行ったネギ。 なんでも魔法先生たちの命令で、一旦3-Aの面々と距離を置かねばならないのだという。 元々、犯人は「ネギのクラスだから」3-Aを狙っているのかどうか、を確認するための担任停止だ。 それなのに彼が女子寮に暮らし彼女たちと接触を持っていては...
  • 木乃香編―第一話―
    善意の代償 最初の日の夜、和泉亜子の肌は切り刻まれた。 2日目の夕方、明石裕奈の魂は犯され、終わることなき自殺衝動に取り付かれた。 3日目の夜、雪城あやかは返り討ちに会い、両手両足をへし折られた。 4日目の夕方、柿崎美砂・釘宮円・椎名桜子は殺し合いを演じ、3人の仲は引き裂かれた。 同じく4日目の夜、宮崎のどかは怪物の心を覗き込んでしまい、心を病んだ。 5日目の夜、長谷川千雨は逃げ出そうとして、吊るされた。 ここまでで、8人。31人のクラスの、およそ1/4。 血と苦痛にみちた5日間のウィークデーが終わり、そして始まった土曜日の朝。 その日は未明から降り出した雨が、しとしとと降り続けていた。 分厚い雲が、朝日を遮る。 「…………」 麻帆良大学付属病院の、病室の一つ。 あの後、打ち捨てられていた所を巡回中の魔法先生に発見され、病院に収容された千雨。 懸命...
  • 茶々丸編―第一話―
    姉妹間戦争 ……少し、時間を遡る。 土曜の夜、美空たちが「破滅」と遭遇してしまっていた、ちょうどその頃。 暗い話題の続く麻帆良学園女子中等部の女子寮に、久しぶりに明るいニュースが飛び込んだ。 「亜子ちゃんが退院するですー!」 「明日の朝、寮に帰ってくるんだってー!」 騒ぎながら廊下を駆けてゆく小柄な姉妹。双子の鳴滝風香と、鳴滝史伽だ。 いつも陽気で、噂話も大好きな2人。この「明るいニュース」をみんなに伝えんと走り回る。 「あらあら、良かったわねぇ。あやかも早く元気になってくれればいいんだけど」 「……すまん、連日の『仕事』で疲れてるんだ。後にしてくれないか?」 「ふーん。良かったじゃん。亜子とはまたバンドやりたいな、美砂や桜子以外のメンバー探して」 「退院ネ……でも、西洋医学で何できるかネ? 匙投げただけと違うカ?」 「へー。ってことは亜子、月曜...
  • のどか編―第一話―
    深淵を覗き込む者は…… ――時間は少し、遡る。 あやかが襲われた翌日の放課後。チア3人組の凄惨なケンカが起きた、少し後。 暗くなってきた空の下、森の中に建つ小屋を訪れる人物がいた。 「す、すいませ~ん……。だ、誰かいませんか~~?」 ノックにも反応のない小屋の中を、恐る恐る覗き込む少女。胸に抱えた分厚い本。 宮崎のどか、だった。 この地上2階地下1階建てのログハウスも、初めてではない。勝手知ったるエヴァの家。 誰も居ないということは、みんな地下の『あの場所』に居るのだろうか……? 「……オイ、ヒトノ家ニ何ノ用ダヨ?」 「ひゃぁっ!?」 唐突に背後から声をかけられ、飛びあがるのどか。 咄嗟に振り返っても、相手が見えない。下に視線を下ろし、ようやく相手を視認する。 「ちゃ、チャチャゼロさん……!」 「ナンダ、読心術師ノガキカ。御主人...
  • ハルナ編―第一話―
    辿り着く者たち 2週目の火曜日の朝―― 近衛木乃香が、目を覚ました。 先週の土曜からだから、ほぼ3日間眠っていたことになる。 その間ずっと枕元につきそっていた桜咲刹那。病院に泊り込んでいた刹那。 彼女は、木乃香が目を開けたその瞬間にも、木乃香のすぐ傍にいた。 「…………あー」 「ッ!? こ、このちゃんッ!?」 「……ここ、どこ……? うち、何してるん……?」 「このちゃんッ! 大丈夫ッ!?」 「……? 誰ー? ……まあええわ。せっちゃん、どこにおるか知らん?」 ……この一言が、全てを意味していた。 やがて医師が呼ばれ、目を覚ました木乃香が調べられ、問診を重ねられ…… そして、医師たちは、聞いたこともない珍しい症例に、頭を抱える。 「どうなってしまったんです、お嬢様はッ!?」 「我々も、こんな症例聞いたこともないんだがね……  おそらくは高次脳機...
  • ガンドルフィーニ編―第一話―
    チャチャゼロ残酷編Ex 番外編  「悪の」魔法使いと、「善の」……  ――夢の中に、あの日の炎が今も揺らめく。少女の心を、今もちろちろと焼き続ける。  ――傷ついた身体が、大地に突きたてられた長い木の杭に括りつけられる。  破壊されつくした両足。立てるはずのない状態。無理やり立った姿勢にされ、縛りつけられる。  自白を引き出すために、当時正当化されていた「拷問」という手法。  全身に痛ましい傷跡を見せる半裸の少女。しかしその顔に、苦痛の色は見られない。  ただ、冷ややかな目で見ている。街の外れの丘の上、火刑台を囲む人々を見ている。  「……と交わった罪、畑の小麦を枯らした罪、疫病を流行らせ14名を殺した罪、家畜を……」  民衆の前で、司祭が罪状を読み上げていく。  少女の小さな身の上にかけられた数々の嫌疑。身に覚えなどない罪の数々。  要...
  • ゼロ後半
    十七人目 鳴滝姉妹編 十九人目 アキラ編 二十人目 ハルナ編 二十一人目 エヴァンジェリン編―第一部― 二部 三部 ex. ガンドルフィーニ編 宣戦布告編へ
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    第一話―のどかいじめ― 第二話―釘宮円の憂鬱― 第三話? [[]] [[]]
  • 第一話―のどかいじめ―
    「ねぇ、本当にやるの?」 「そうよ」  当たり前の様に言う。まるでそうするのが当然である様に。ランチを食べに行く様な感覚で。 「別に大丈夫でしょ、単なるイタズラだし。逆に男に慣れるってもんよ」 美砂が宮崎のどかの机の中に男の裸の写真を入れようと提案したのが昨日。どうやら美砂は、彼氏と喧嘩をした とかで鬱憤が貯まってたらしい。相当酷い喧嘩だったのか、理由は教えてくれなかった。 そういうわけで今、宮崎のどかの机の前にいる。他のクラスメートは部活に出てしまい、教室に残っているのは 美砂と私の二人だけだった。 「これでよしっと」  入れ終わったらしく、せいせいした顔つきになっている。一体何にせいせいしたのだろうか。 「どうして、本屋ちゃんなの?」  恐る恐る尋ねてみた。 「このイタズラが他の誰かに効くと思う?……あぁ、まぁいいんちょなら効き目ありそうだけど、『誰ですか、こんな ...
  • 鳴滝姉妹編―第二話―
    日が暮れる頃から、寮の中は騒がしくなった。 普段なら遅くまで部活動などに励んでいる生徒たちも、皆揃って帰ってきているのだ。 大浴場などはいつもより早く混み始め、食堂などにもヒマを持て余した生徒が溢れる。 3-Aだけでなく、念のため女子中等部全体に出された『夜間外出禁止令』は、かなりの影響を出していた。 そんな中、寮の屋根の上に立つ人影が1つ。 忍装束に身を包んだ、長瀬楓だった。 彼女の視線が、寮から出て行く1人の女生徒に向けられる。 「……なるほど、魔法先生たちが護衛するでござるか。考えたでござるな」 どうやら工学部の研究棟に向かうらしい葉加瀬聡美。その後方、彼女に気付かれないよう後を追う影。 おそらく気配を消す術か何かを使っているのだろう、聡美はその「密かな護衛」に気付かないようだったが。 彼らがついているなら、まあ安心だろう。 楓は「外出時に許可を申請させた...
  • ハルナ編―第二話―
    最初に襲われたのは亜子。続いて返り討ちにあったらしいあやか。 千雨が3番目で、4番目が五月。そして昨日の夜中に鳴滝姉妹―― 一般の生徒が知る「襲撃事件」は、これが全てである。合計、6人。 全て夜中に、寮の外を歩いていた所を襲われたと見られている。 だが、明らかにおかしな「不幸な偶然の一致」が、他にもいくつもあった。 入院した人間が2人。病院の世話になったのが2人。病院にも行かなかった怪我人が3人。 「事故に遭って両足切断の怪我を負った」と説明されている美空。 「急病を発症し関係者以外面会禁止」という処分の続く木乃香。 「ライフルが暴発・破片で目に怪我を負った」と言い張る真名。 「実験中にビームに誤射されて片腕を失った」という聡美。 未だ詳しいことを語らないが、その様子から凄惨なケンカを演じたと噂される美砂、円、桜子。 以上7人の病人・けが人の上に、精神の調子を乱...
  • 千雨編―第二話―
    満月までもう少しといった感の、僅かに真円に足りぬ赤い月。 人の気配が全くしない夜道。ざわりと周囲の森を揺らす生暖かい風。 「な……なんだよ、こりゃ」 よく知るはずの学園内の道、それが急に何か、異世界にでも飲み込まれたかのような光景。 勘のいい千雨は、敏感に「日常」との差異を嗅ぎ取り、身構える。 周囲を見回しながら、ジリジリと動く。 立ち止まるのはマズい――しかし、慌てて逃げ出すのはもっとマズい―― 根拠のない、しかし胸の奥より湧き上がる確信に、千雨の額に汗が滲む。 千雨自身も気づいていないことだったが、彼女の危険察知能力というのは、実はかなり高い。 一般人としては、破格のレベルにあると言っていい。 なんとなく全てを素直に受け入れてしまいがちな麻帆良学園にあって「常識」を失わない彼女。 その堅実な現実感覚が、「何かがおかしい」と告げる。「このままではヤバい」と告げ...
  • 美空編―第二話―
    春日美空には、「覚悟」がない。 己の意志ではなく、親の圧力で入った魔法使いの世界。 「世のため人のため、人間社会を陰から守る」などという「建前」など、正直クソくらえと思っている。 いや、それが立派なことだとは分かってはいるが、「なんで私が……」という思いを捨てきれない。 良くも悪くも現代ッ子の中学生。裏方仕事に、魅力を感じられるものではない。 ましてや――そんなもののために、己自身や親しい相棒を危険に晒す「覚悟」など。 度胸はある。決断力はある。本人には自覚がないが、素質だって実は十分にある。 けれども、本人はこんな現状が嫌で嫌で仕方なくて…… だから、そんな無意識を反映したアーティファクトを得ることになった。反映した能力を得た。 彼女の無意識の願い、それは「こんな現実からいっそ逃げ出したい」、である。 ほぼ真円に近い月の下。修道女姿のココネと美空は、深い...
  • さよ編―第二話―
    ――幽霊とは、本来「あってはならぬもの」だ。この世の理に反するモノだ。 魂というものは、肉体と共にあるのが「あるべき姿」。肉体無き精神は、いずれ消滅するのが道理。 その世界そのものの「基本ルール」に反して存在し続けるためには、「拠り所」が要る。 怨念や未練など、この世に留まらねばならない理由。 執着ある物体や場所など、あの世に去るわけにはいかない理由。 それらがあるから、幽霊たちは「こちら側」に留まることができる。 逆に言えば、これらを失えば彼らは「こちら側」に留まる「拠り所」を失い、いずれ消滅する。 いきなり消滅まで行かずとも、やがて自我を失い姿形を失い、「特定人物の幽霊」では居られなくなる。 漠然とした亡霊、悪霊、あるいは残留思念のレベルに堕ち、その存在が根本から変質してしまう。 生前の姿と自意識を残したままこの世に留まり続けるのは、実は非常に難しいことなのだ。 ...
  • ―あやか編第一話―
    薔薇の棘は鋭くとも…… 「……けど、アレは有り得ないよね~」 「なになに? 何の話??」 ――その事を最初に言い出したのは、チアリーダーグループの1人、柿崎美砂だった。 最初の事件から2日目。すなわち、裕奈が初めて手首に包帯を巻いて来た日の、休み時間。 彼女の言わんとするところが分からず、円はキョトンと目を丸くし、桜子は喰いつく。 「いや、昨日の亜子のお見舞いの話。  みんな、変なプレゼント山ほど積み上げちゃってさ……。あれって、かえって迷惑じゃない?」 「う~ん、でもみんな悪気があってのことじゃないし……。  本屋ちゃんたちが持ってきた大量の本も、入院中なら逆に有難いんじゃないかな?」 美砂の言いたいことを察した円は、さりげなくフォローを入れる。 面と向かっては毒舌で乱暴な言葉遣いにもなる円だが、こういう陰口は言うのも聞くのも好きではない。 だが円のやんわりとし...
  • 亜子編―第二話―
    すっかり陽も落ちた麻帆良学園都市の中。 人気のない道を、体操服姿の亜子が急いでいた。 「アカン……もう暗くなってもうた。はよ帰らな……!」 亜子はサッカー部のマネージャーをやっている。女子中等部のではない、学園都市内の別の学校のだ。 だからその練習場所は、女子中等部の校舎からは少し遠いグラウンドになる。 定時に終わってくれれば、ちょっと遠回りして運動部の友人たちと合流し、一緒に帰れるのだが…… 今日のように練習が長引いたりすると、1人で帰らねばならなくなってしまう。 そして、広すぎる学園には、時間帯によっては真空地帯のように不気味な無人の闇が広がる…… 「……!?」 それは、鬱蒼と繁った林の中。両側から木々が覆い被さってくるような道を歩いていた時のこと。 亜子は急に嫌な悪寒を感じ、足を止めた。 誰かに、見られている。どこかから、見られている。 けれど、街灯も乏しいこ...
  • 戦う
    チャチャゼロ残酷編 序章 一人目 亜子編 二人目 ゆーな編 三人目 あやか編 六人目 チア3人組編 七人目 のどか編 八人目 千雨編 九人目 木乃香編 十人目 美空編(+心音) 十一人目 茶々丸編 十二人目 ハカセ編 十三人目 五月編 十四人目 真名編(+小太郎) 十五人目 さよ編  ネクストページ
  • 茶々丸編―第二話―
    チャチャゼロ残酷編9  後編 絡繰茶々丸。 学生として麻帆良学園女子中等部に在籍している彼女だが、その正体はロボット。 駆動系・フレーム・量子コンピューター、人工知能プログラム。光学兵器を含む、各種武装。 いずれも一般社会の常識を遥かに超えた、最先端科学のさらに先。 まだ専門の学会でも公表すらできぬ段階の実験的技術が、惜しげもなく注ぎ込まれた存在。 まさに科学の結晶と言ってもいい、彼女であったが…… たった1つだけ、「現代科学」では未だにクリアできない問題があった。 それは、動力源。 他のパーツはその人間並みのボディに収めきることができたが、動力だけはどうしようもなく。 何しろ、消費される電力が尋常でない。 バッテリーにしても内燃機関にしても、とても足りるものではない。すぐに尽きてしまう。 開発当初は外部から有線で電力供給していたが、しかしそれでは自由に動き回...
  • アキラ編―第二話―
    大河内アキラは、泳ぐことが好きだった。 大袈裟かもしれないが、彼女の生きる理由と言ってもいい。 水の感触が好きだった。飛び込みの緊張感が好きだった。ターンの時の水中回転が好きだった。 息継ぎの直前の、息苦しくて気が遠くなりかけるあの感覚さえも好きだった。 3-Aでは珍しく、物静かで自己主張の少ない彼女だったが、それもある意味、水泳があったから。 大声で自己を主張するまでもなく、彼女の中に確固たる軸が存在したから。 プールの中では、彼女は人が変わる。文字通り水を得た魚。 「……これからも朝練、やろうかな……」 泳ぎながら、アキラは考える。 朝早く起きるのは大変だし、前日の夜のTV番組をいくつか諦めなければならないわけだが。 こうして人の居ないプールで泳ぐのは、実に気持ちがいい。 夜間の外出禁止が解けても、時々やろう。時々こうして、泳ぎに来よう。 「……ッ!...
  • ゆーな編―第二話―
    「……ゆーな。ねぇ、ゆーなってば」 「!?」 肩を揺すられて、裕奈は気がついた。いや目を覚ました。 「……あれ? ここは?」 「しっかりしてよー、ゆーな。帰ってきてから何か変だよー?」 裕奈の顔を至近距離から覗き込む、まき絵の顔のドアップ。 裕奈は未だはっきりしない頭を振って、周囲を見回した。 ……寮の自室だった。 まき絵とアキラ、3人でテーブルを囲んで、これはデザートでも食べていたのだろうか。 机の上には剥かれたグレープフルーツの残骸と、お皿と、あとは果物ナイフ。 お皿が1枚足りない他は、ごく普通の、いつもの仲良しグループの団欒の一時だった。 足りない1枚が誰の物かは、言うまでもない。 「……え? あれ?」 「亜子のことがショックだったのは分かるけどさー。そんな暗い顔しないでよ」 「裕奈、大丈夫? 顔色も悪いし……」 心配そうに裕奈の顔を覗き込む、まき絵とア...
  • ハカセ編―第二話―
    チャチャゼロ残酷編10  後編  ヒロシマのニュースを聞いたその時、彼はOh, weh!(ああ、何たることか)と呻いた。  彼があの時あの手紙にサインをしたのは、ニホンに原爆を落とすためではない。  ナチスが先に原爆を完成させることを恐れてのこと、だったのに――  彼の名は、アルベルト・アインシュタイン。  質量がエネルギーそのものに変換しうることを初めて世に示した人物。  舌を出したおどけた表情の写真で有名だが、しかしあの表情は普段の彼のモノではない。  たった1度きり、誕生日にしつこく言葉を求めた記者たちに対して向けた、珍しい表情。  本当の彼は、ヒロシマとナガサキの爆発に心痛め、平和運動に力を注ぐ真面目な人物。  科学の発達が必ずしも人類の幸せとはならぬことを、最も強烈に自覚した人物の1人。  彼のその小さな呻き声をもって、科学万能信仰は、トドメ...
  • 木乃香編―第二話―
    ――エヴァの家の地下に、閃光が満ちる。 『外』の時間で1時間。『別荘』内の時間で、丸1日。それが、『別荘』の使用単位。 フラスコに封じられたミニチュアを囲むように光が生じて、次々に人影が出現する。 ネギ。木乃香。茶々丸。チャチャゼロ。そして、エヴァンジェリン。 「……どうやら、まだ雨は降り続けているようだな。全く、鬱陶しい」 「こんな時間から修行に付き合ってもらってありがとうございました、師匠」 「ありがとな~。次の集合はいつもどおり、夕方やったっけ」 「ああ。面倒くさいが、約束だからな。仕方あるまい」 一階への階段を上がりながら、エヴァとネギ、木乃香は言葉を交わす。黙ってついていく従者2人。 「ほなら、一旦解散やな~。ネギくんはこれからどうするん?」 「僕はこの後、魔法先生と魔法生徒の会合があるんで、そっちに行かないと」 「ああ、そう言えばせっちゃんも言うとったな。...
  • 茶々丸編―第二話―2
    「ソンナ顔スンナヨ。オ前ノタメダ、ッテ言ッタロ?」 「私のため、ですか?」 「アア。ココナラ、周囲ノ巻キ添エヲ考エズ、武器ヲ使エルゼ。みさいるモびーむモ、何デモアリサ。  アッチノ屋根ノ下ニハ、オ前ノ換装用パーツモ揃エテオイタ。好キニ使イナ」 「…………!?」 「モットモ――コノ空間マデハ、御主人ノ呪イモ届カナインデナ。  俺モ、全盛期ノパワーガ使エルワケダ。全力デ行カセテモラウゼ!」 茶々丸の見たことのない、チャチャゼロの「全盛期」。 彼女の知るゼロは、既に魔力を封じられたエヴァの下、不自由な体で軽口を叩くだけの存在。 『別荘』の中では自在に動いていたが、それでもこんな風に空を飛べたりはしない。 呪いの効果が無いというのなら、強敵なのは確かだった。 しかし――茶々丸の方にも、勝機は十分以上にある。そう思える。 無制限に許された兵器の使用。完璧に揃った換装用パ...
  • ―チア3人組編第一話―
    切り裂かれた友情 謎の暴漢による、2人目の犠牲者。 それも武道の心得のある雪広あやかが、完膚なきまでに壊された―― 衝撃は、関係者の間をたちまち駆け巡った。 「もうッ、絶対許さないんだからっ! いいんちょまで襲うなんて!」 深夜の病院の廊下、収容されたあやかの病室の前。 集まっていた人々の中、分かり易く怒りを露わにしていたのは神楽坂明日菜。 この場に居るはずもない犯人を叩きのめさんとばかりに、ハリセンを振り回して怒る。 「俺のせいや……! 俺があんなこと言うたから、あやか姉ちゃんは……!」 拳を壁に叩き付け、怒りに震えるのは犬上小太郎。その彼を、長瀬楓が優しく抱きしめる。 「小太郎殿のせいではござらぬよ。そんなに自分を責めても仕方ないでござる」 「なあ、いいんちょの怪我って、ウチのまほーで治せへんの? 亜子ちゃんの傷も……」 恐る恐る言い出したのは、近衛木乃...
  • エヴァンジェリン編―第一部―
    過去からの呼び声  ――それは、いつのことだったか。  エヴァもチャチャゼロもまだまだ今ほどの力のない頃だから、相当昔だったことは確かだ。  おそらくはゼロが生まれて間もない頃。エヴァが百年生きたかどうかといった頃。  「……お前は、私を裏切らないよな?」  降りしきる雨の中。夜の森の中。  屍の山を前に、エヴァは背中を見せたまま呟く。  まだ弱かったエヴァが、必死の想いで倒した敵。つい先日まで、彼女の仲間だったはずの人間たち。  エヴァの身を染めるのは、返り血だけではない。『再生』の追いつかない傷からの血も混じる。  夜の闇に包まれた中、エヴァの表情はよく見えない。  人々が吸血鬼を恐れる気持ちは分かる。悪の魔法使いを恐れる気持ちは分かる。  しかしどうしてここまで裏切られ続けるのか。誰も彼女を受け入れてくれないのか。  人間など信用できない。...
  • 第一話後編
    「ねぇ、美砂。謝りに行こうよ」 3時間目頃になって宮崎のどかは保健室から戻ってきたのだが、授業時間中は終始陰鬱な空気を纏っていた。 だから、放課後になって謝りに行くのは当然の事だと円は考えていた。 「はぁ?何で?」 「何でって……当たり前でしょ!あんな事やっちゃったんだから」 「だからぁ、言ってるじゃない。本屋ちゃんが全部忘れてくれればそれで済むんだって。ただの悪戯なんだから」 なんて身勝手な考え方だ。そう思わずにはいられない。美砂は全く悪びれる様子もなく続けた。 「双子とか美空が悪戯して、いちいち相手に謝ってる?たかが悪戯でそんな事してたらキリがないじゃない」 「本屋ちゃんは倒れて保健室にまで行ったんだよ!? どうしてそんな平気でいられるの!?」 「ならあんた一人で行ってよ。そんな偉そうな事言えるんだったら、出来るよね?私はもう無かったことにするから」 「無かったこと...
  • くーふぇいじめもくじ
    第一話 第二話
  • セカンドレイドもくじ
    第一話 第二話
  • 暗黒星
    暗黒星 ~もくじ~ ―いつもの帰り道。近衛木乃香はひとり浮かない顔をしていた。― 第一話 不気味なMAIL 第二話 刹那、Don t know. 第三話 のどかの苦悩
  • 早乙女ハルナの憂鬱
    早乙女ハルナの憂鬱~もくじ~ 第一話 Bad Communication 第二話 始まり 第三話 彼女達が手に入れたもの 第四話 早乙女ハルナの屈辱 第五話 問いただし 第六話 嵐の前の… 第七話 早乙女ハルナの憂鬱 第八話 革命 最終話 大きな言葉 エピローグ ○○は獲物を逃がさない あとがき
  • 龍宮真名メニュー
    龍宮真名 龍宮真名短編? キチガイまなちゃん
  • ネウネギ第一話ページ2
    「…なにを悲しんでいる…。」 「え?」 突然、ネギの背後から聞き覚えのない男の声が聞こえてくる。 ネギは恐る恐る振り返ってみるが、そこにはこのかの遺影がぽつんと置かれていただけで、人の影も気配も見当たらない。 「貴様は悲しむのではなく、笑うべきだ。」 しかし、声は確実に目の前から発信されている。 「幻聴…?あれ…?ぼく…おかしくなっちゃったのかな…?」 よくよく考えれば最近のネギは、十分と呼べるほど睡眠をとっていない。 自分でも異常なほど疲れているのはわかっていた。が、まさか幻聴とはと… え? ネギは言葉を失った。 これはもう幻覚などという次元ではない。 夢だ!そうか、これは悪い夢なんだ!だってあり得ない。遺影から 手 が 生 え る な ん て 手が生えているというのは少し語弊がある。正確にいうならば、手首に遺影が溶け込んでいると言うべきか。 ...
  • 後編―2―
    ――それは、突然だった。 「神鳴流奥義、雷こ――!?」 木々をなぎ倒しエヴァを追い掛け回し、惜しみなく大技を放ち続けてきた刹那。 森の中を飛び回りながら、いつしかログハウスの近くにまで戻ってきていた2人。 楓たちとは建物を挟んで反対側、エヴァの家の裏手で刀を振り上げた刹那は。 空中で、目に見えぬ何かに絡め取られる。急に、手足と翼の自由を失う。 「だから『力み過ぎだ』と言ったんだ。ガラにもなく猪のように突進しおって」 空中で翼をバタつかせて暴れる刹那に、エヴァは溜息をつく。 よくよく見れば、夜の闇の中。視認も困難なほど細い糸が、まるで蜘蛛の巣のように空中に張られている。 人形使いの糸だ。エヴァが逃げ続け回りながらも、こっそり巡らせ準備していた罠だ。 白い翼の刹那は、まさに蜘蛛の巣にかかった蝶のような状態。 「これで終わりだ――  リク・ラク ラ・ラッ...
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    テステス -- (Y) 2006-10-21 04 28 02 不意打ちの阿部さんの登場に吹いた -- (名無しさん) 2006-10-21 12 47 38 アキラ惚れた! -- (名無しさん) 2006-10-22 11 36 52 感想アリガトウゴザイマス!このかのキャラがちょっと違う方向に… -- (Y) 2006-10-22 14 37 46 どんどん話が…アドバイスもお待ちしてますw… -- (Y) 2006-10-22 23 30 06 なに急にいい子になってんだよw>このせつ思いっきり「オラ斬りテェ!」とか言ってたじゃねーか。 -- (名無しさん) 2006-10-23 01 19 39 いきなりキャラが変わってワロタww -- (名無しさん) 2006-10-23 14 03 19 更新まだー -- (名...
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  • 真名ピンチ編
    ―遠足の帰り… ○1P ○2P ○3P ○4P ○6P ○7P ○8P
  • チャチャゼロ残酷編第20話―それから―
    それから エヴァのログハウス前での決着から、半月ほど……。 3-Aの面々は、傷つきながらも日常を取り戻していた。 朝のHRを控えた教室は、活気あるざわめきに満ちる。 出席番号01番、相坂さよ。 彼女は相変わらず、姿を見せない。和美にも見えない。 けれど、その想いはそこに『居る』。語ることもできなくなったが、依然としてそこに『居る』。 何十年かかるか分からないが、『開かずの間』ならぬ『座らずの席』は、この先も空席であり続ける。 出席番号02番、明石裕奈。 事件の開始と同時にリストカットに走るようになった彼女だが……最近は、その悪癖は収まりつつある。 以前ほどには底抜けな笑いではないけれど、笑みも戻ってきた。 手首の傷を幅広のリストバンドで隠し、彼女は元気よく教室を駆け回る。 出席番号03番、朝倉和美。 最後の戦いで、両手の指を一度は全て切り落とされ...
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