31スレ118

リボンなナイト11 第二話
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「そーれっ」
「あーーーーーーうーーーーーー」

ずるずると明日菜に連行されたネギは、そのまま明日菜の怪力によって
手近なジャグジー浴槽に放り込まれる。

「はーい、ほなみんな脱ぎ脱ぎ券はげっちゅーしたかいなー?」
「おーっ」
「い、いや、おーっ、じゃなくて皆さん…あーーーーーうーーーーーー」

木乃香が配布していた怪しげな紙切れを口にくわえた面々が次々と浴槽に突入し、
逃れる機を失ったネギはと言えばあっちにもこっちにも動く度に何か柔らかな弾力を感じながら、
気が付いた時には丸裸で浴槽を這い出していた。

「さ、ちゃっちゃと洗っちゃうわよ」
「大丈夫ですよーアスナさーん。だからたたた髪の毛掴まないで」
「とか言って、ろくに洗わないで逃げちゃうでしょネギの場合。はい座るっ」
「はうぅー」

かくして、ネギは明日菜に促されるまま、近くの腰掛けに着席していた。
そんなネギに、明日菜は手際よくシャワーを浴びせてまずは汗を流し、
それからシャンプーを泡立てた手で解いたネギの髪の毛をかき回す。

「ほらほら、動かない。
あんだけ英雄だなんだってネギ様々なのにホントお子ちゃまなんだからー」
「そりゃあーねー」
「ひゃっ!?」

お姉さんぶって強気を見せていた明日菜が、思わぬ奇襲を受けて可愛らしい悲鳴を上げた。

「うーん、やっぱアスナ健康優良児って結構立派だもんねー」
「ち、ちょっと柿崎っ」

明日菜の背後から忍び寄り、
たわわな膨らみをぐわっと掴み上げて今もゆさゆさしている美砂に、明日菜がどこかくすぐったそうに言う。



「ふふん、ネギ君も後ろでこんなのぷるんぷるんしてたら気になっちゃうよねー、
お背中にぴとぴと当たっちゃってるしー」
「ちょっと柿崎バカ言ってないでほらっ」
「はーい。あんましネギ君困らせんじゃないよー」

明日菜の口調が微妙に強まってから、美砂はにかっと笑って撤退する。

「全く柿崎バカ言っちゃって、パルと柿崎の妄想ネタにも困ったもんだわ。
シャンプー流すわよ」
「は、はいっ」

明日菜はシャワーでネギのシャンプーを洗い流し、目が開くぐらいまでタオルで顔を拭う。
無意識なのかどうなのか、ネギの後ろにしゃがんだ明日菜は敢えて、
と言うぐらい前のめりになってその作業をしていた。

「はい、いいわよ。ん?何やってんのよネギ」
「い、いえ、何でもないです」

やけに縮こまって斜め下を向くネギを見て、明日菜は首を傾げる。

「何よー、あんた照れちゃってる訳ネギもーマセちゃって」
「ちょいちょい、アスナそれ可哀相だってネギ君が」

距離を取っていた美砂が、再び明日菜に声を掛けた。

「ネギ君だってさー、ちゃんと男、として認めてあげないとね、ネギ君」
「分かってるわよ。ま、男の子だもんね。
男ってんなら体ぐらい一人で綺麗に洗いなさいよ。
私の裸なんて今まで散々見てた癖にさ」
「あ、あれは事故で、その」
「分かってるって、ネギがイギリス紳士wだってのは。
うん、真面目に言ってるんだからねネギの事は信頼してるって事で。
その割りには何回脱がされた事やら」
「全くだ」

ぼそりと響く遠くの呟きは、この際この場の考慮には含まれなかったらしい。

「あははっ、そうですねごめんなさい。そうですね…」
「ネギ?」


実際に刻まれた時計の針の何倍、何十倍、
そう思える程の感覚的に長い付き合いの明日菜には何かが分かる。そんな、ネギの乾いた笑いだった。

「そうですよね、会ったその日からくしゃみで、それから何回も。
初めて図書館島で探検した時、アスナさんが泳いでて」
「ああー、そんな事もあったわね」
「はい、アスナさんが湖で背泳ぎしてて、どこからか光が入って来て」
「んー、そうそう、って、スケベ」
「はい、そうですね」

くっくっと喉で笑うネギを、明日菜は本格的に訝しんだ。

「そうですね。だって、だってあの時のアスナさん、凄く、綺麗で見とれちゃうぐらい…
アスナさん凄く綺麗で、ガサツだと思ったけど無神経なぐらいズカズカ遠慮しないのも、
綺麗で優しくて本気で心配してくれて力一杯助けてくれるから、だから、アスナさん、ずっと…」

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最終更新:2012年01月28日 17:21
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