リボンなナイト11 第四話
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「あ、あの、アスナさん?」
目の前には心配そうなネギの顔。ゆさゆさと揺さぶられて、
明日菜はようやくちょっと別の世界から戻って来た事を実感する。
「良かった、アスナさん急に…」
「こんの…」
「え?」
「エロネギィーっ!!」
「あーーーーーーーうーーーーーーーーー」
理不尽なアッパーカットを食らって天井から帰還したネギが、
ツンと横を向いている明日菜に恐る恐る接近する。
「あー、うん、不慣れな事故って事で、不可抗力って事だからノーカンでオッケー」
全く持って意味不明で理不尽な結論であっても、
どうやら許してくれたらしいとほっとするのがネギの素直さだった。
「んー…」
それでも上目遣いにこちら伺うネギを見て、明日菜も自分の理不尽さは承知している。
「うぶっ!」
「ふふっ、ネギ、おっぱい大好きだもんね」
「あ、アスナさんそれは」
不意に首を抱かれ明日菜の胸に顔をばふっと押し付けられたネギが、
目を白黒させながらミルクの様な頬を見る見る赤く染め抜く。
そんなネギを見下ろし、明日菜はニカッと笑みを浮かべる。
「違うの?」
「あ、それはそにょ…」
「いーのいーの」
「あうう…」
しまいに頭をくしゅくしゅ撫でられて、やっぱり世界救済の英雄も形無しだった。
「又、触って見る?」
「いいんですか?」
「バカ、あんっ」
何か、ちょっとすねた様なネギの手触りに、明日菜は再び可愛らしい声を上げる。
ネギは喉を鳴らしむにゅっむにゅっと感じるままに揉みしだく。
「あ、んっ」
「あの、アスナさん、この乳首…」
「そ、気持ちよくなるとね、乳首もこんな風に、なの。
ふふっ、ちゅうちゅうして見るネギ?」
どこかぽーっとした口調の明日菜に言われて、ネギはそこにすっと唇を寄せる。
「あ、あんっ」
「アスナさん?」
「そう、だから、おっぱいよりももっと敏感だか、らああんっ」
遠慮がちなのは最初だけ、いつしか夢中でちゅうちゅう吸い立て始めたネギの前で、
明日菜はその場に立ってネギに捕獲されながら白い裸体をほんのり染めて身悶えし始める。
「あ、あっ、あ、あぁーっ」
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「アスナさん、アスナさんっ」
すとんと脱力した体を、ぎゅっと抱き締めて貰っていた。
その事を、明日菜は体で記憶していた。
「アス…んむっ」
明日菜がぽーっと目覚めたかと思うと、ネギの唇はそのまま明日菜の唇で塞がれていた。
「ん、んむ、ん…」
明日菜は目を閉じている。熱く激しいキス。
あの時、全消去してしまいたい記憶だと口では言っていたがしっかりと記憶し、再現していた。
むしろ、本当に覚えていなかったネギの方が今のところは圧倒されている。
だが、そこは天性の学習能力と応用力の持ち主。
このバトルのルールをすぐに理解し、逆襲に転ずる。
気付いた時には、糸を引いて唇が離れ、二人は激戦の末の様に熱く頬を染め、笑みを交わしていた。
「んっ」
「ん?ネギ、やっぱりこーふんしてる?」
「それは、だってアスナさん」
「だよね」
ぐっと体に押し付けられた感触に、二人は通じ合った会話を交わす。
そして、ネギが腕を放すと、明日菜はくたっと座り込む。
そんな明日菜のお尻の下を狙う様に、その一角にはいつの間にかエアマットが敷かれていた。
「明日菜さん?」
「ふふっ、興奮してるのね、ネギだけじゃないみたい」
「アスナさん?」
そうやって、尻餅をついた明日菜はゆるゆると脚を開く。
「もーっ、今更あっち向いても遅いって」
「そうですね」
開き直った明日菜の言葉にネギも苦笑するしかない。
「そう言えば言ってくれたよねネギ、
いいんちょの南国別荘に行く前に思いっ切り言ってくれちゃったよね」
「え?…あ、ごめんなさいです」
「でも、さすがにここまで見た事はなかったよね」
「は、はい」
こうもあけすけに言われると、ネギも素直に返事をする。
ふふっと微笑まれ、ネギは結局明日菜の前に座り込んでそこに目を落とす。
「ピンク色のが、濡れて光って」
「そう。気持ちよくなると、ぬるぬるしたのが出て来るから。
さっきからネギ、色々と気持ち良くしてくれちゃってるから」
「は、はい」
「だから、もっと直接気持ちよくも出来るんだから」
「は、はい」
明日菜の言葉を聞き、ネギはそっとそこに指を近づける。
「ここから溢れて…何か硬いのが」
「ん、んっ。やっぱりネギってば天然女殺しってホントね。
すーぐに見付けちゃうんだから。そこ、ホントに敏感だから優しく、って、
あ、ちょっ、ああんっ」
「アスナさん?」
「大丈夫、大丈夫大丈夫、ちょっとネギが器用で気持ち良かっただけだから」
「そ、そうですか」
いい加減何かを学習し始めたネギは、手の動きを続行させた。
「あ、くううっ」
尻餅をついて後ろに反っていた明日菜の裸体が僅かに浮き上がり、
その声は甘く、そして切羽詰まったものとなる。
それを見て、ネギは一度、絶妙のタイミングで指を止める。
「アスナさん」
「ネギ、ネギはどうなの?そんなにビンビンにしちゃって」
「は、はい、凄く、痛いぐらいで、アスナさんが凄くその」
「なーに、すごーく淫乱とか言いたい訳いいんちょみたいに?
そりゃあもうネギにあんなにされてこんなになっちゃったら自覚してるわよ私だって。
ほら、ネギだってこんなにビンビンにして、とろとろ溢れ出してるじゃない」
「あ、何か出て…」
「あー、それね、本格的に射精する前に、おしっこの雑菌なんか掃除する液体って事で、
つまり、射精する直前って事」
「アスナさん、バカレンジャーのバカレッドでしたよね」
「悪かったわね保健体育オンリーで」
「いえ、凄いです」
すっとぼけた会話の後で顔を見合わせ、くすっと笑みを浮かべた。
エアマットに背を着けた明日菜が、両腕を広げて包み込む様にネギを迎える。
既に、ネギを受け容れるために止め処なく溢れ出しているその源に、
ネギは狙いを定め、力を込める。
初めてと言う事で先程も心の底から驚いた、と言うのがネギの本心だったが、
その瞬間、更に比べものにならない程激しいものが、ネギの中で弾け飛び勢いよく飛び出していった。
その未知の何かに振り回されているネギを、明日菜はぎゅっと抱き締めていた。
思えば明日菜は、ネギが迷った時慌てた時そうしてくれた。
そして今、何物にも代え難い健康的な弾力に溢れた、それでいて柔らかな感触に全てを包まれる。
そのまどろみそうな快感の中で、ネギも又力一杯明日菜を掴まえ、縋り付いて顔を埋める、
体一杯でその想いを表現していた。
最終更新:2012年01月28日 17:22