攻防におけるマクロおよびミクロな見方


♦マクロの章

優れたライマーは特に先攻の時において試合全体の流れ、シナリオのようなものを作り上げ試合に臨む


一番ベタな先攻の手法で例えると

先攻1バはひたすら様子見で、自分をティーアップ(持ち上げる)しつつ、己の表現力や、押韻力をPRする
この時、矛盾点が発生してないか、または今後の試合展開で自分の首を絞めることを言ってないかを想定する

分かりやすく言うと
1バで「お前程度なら韻踏まなくても勝てる」
って言っちゃうと後々困るかもしれないよね?
そーゆーこと

そして隙のない1バを投下できれば、たいていの敵は完璧にマウントをとれるレベルのアンサーができないので、2バ、3バでカウンターをぶち込んでいくことにより、いわゆる揚げ足取りに代表されるような、後攻の利を上手く使わせないやり方


他にも3バにむけて伏線を貼り、回収していったり
1バからフルスロットルでマウントを取りに行き、主導権を渡さない立ち回りを最後まで行ったり
好きな話題、有利な話題で土俵づくりをするなど

その場その場でアンサーをするのではなく1試合トータルでシナリオを作ると
相手を掌で転がし、試合をコントロールしやすくなる



♦ミクロの章

攻撃
頷かせる説得力
罠にはめる戦略性
不自由な二択

防御
否定ではなくカウンター
急所打たれたら受け流せ
スキルカウンター


まずは攻撃の話から

  • 頷かせる説得力

DISにはある程度の説得力がなければ小節の無駄遣いとなる
これは初心者に最もありがちな過ちである
MC BATTLEでは説得力はそこまで強い評価対象ではないが、冷静に読まれるネットライムでは特に説得力は強く求められる

ダメな例
お前は俺より格下 響かない、足りてないぞ厚みが

なぜ格下と言い切れるのか?
なんの厚みが足りないのか?
ここを示さない限り

ふーん?で?根拠は?
となってしまい
相手からしたら絶好のカウンターのチャンスとなってしまう

急所を突くのではなく核心を突くべし
そうなると言い回しは自然と変わってくるはず

これは初心者は即座に治すべきポイントであり、ある程度すぐに治せる部分でもあるので、必ず意識していこう


  • 罠にはめる戦略性

これはややマクロ的な部分もはらんだもので
必須のテクニックではなく応用編である


簡単に言えば、相手のDISの方向性を誘導すること

例えば
お前上辺の部分しかDISれてないぞ!
みたいなことを言ったとしよう
さらにその部分は核心にグサリと刺さっていて、自分が完全にマウントをとれている状態
相手がアンサーしにくいであろう状態だったとしよう

そこであえて、最後あたりに雑な子音などを入れておく

ある程度の試合経験者ならば、その雑な子音を見て
必ず「隙アリー」って感じで突いてくる

そのうえで次のアンサーで
「おいおい、指摘された直後にまた、韻がどうこう言うのかよ、本当に内容軽視してるんだな」
みたいなことを言うわけだ


これは結構リスクも高いし
そもそも言い負かされないだけの論による力が必要になる
個人的には多用しているが、覚えなくてもいい手法だと思う
隙を作り誘いこむか、そもそも隙を作らないか
後者のほうが安定度は高いに決まっている

しかしどんなバースでも必ず相手は反撃してくる
これまた応用編だが、自分がやられたら困る反撃パターンを想定し、それに対するさらなるカウンターアンサーを練っておく
これは格上に対しても通じる有効な技術


  • 不自由な二択

めっちゃ簡単な例
「お前いつも弱いけどちゃんと腕磨いてんの?」

相手が「磨いてる」と答えれば
「磨いててその程度ってやばくね・・・ドン引きー」と返し

相手が「磨いてない」と答えれば
「ほれ見ろ、進みもしない亀が眠らない兎に勝てるわけがねぇ」と返す

要はこちらから疑問を投げかけたうえで
どっちを答えさせても、自分に有利になるように持っていくテクニック


これも必須ではない応用編だが、比較的簡単にできる
ただし、多用は禁物



続いて防御の話

  • 否定ではなくカウンター

これも初心者の多くが陥るところ

相手が
「お前下手くそだからいつも一回戦で負けるんだよ」
って言ってきたとして
「今回は一回戦じゃ負けないよ だってもうお前より強いから」

と返す
これはダメな例

否定しているだけ
マイナスをゼロにしてもプラスにはならないのだ

良い例としては
「少なくとも最高記録二回戦までのくせに、一回戦負けを弄るような奴にはなりたくないね」

みたいな
アンサーの中に攻撃を含ませる技術
それがカウンターであり
必須テクニックと言える

少しのマイナスを大きなプラスに変えることのできる大きな武器になるので、必ず意識しよう


  • 急所打たれたら受け流せ

どうにもカウンターを狙えないような痛恨の一撃を受けてしまったとき

マイナスをプラスにできないまでも、せめて否定してゼロにしよう・・・
と思ってはいけません

そうすると読み手に防戦一方の印象を与えてしまいます

そんな時は潔く受け流しましょう!


「お前1バと言ってることが完全に矛盾してんぞ!」
って言われて、それが結構なミスで痛いところを突かれてるとして

「ホントだ!弘法も筆の誤りってやつだわwテヘペロ  それより、さっきの俺の言ったことに対してアンサーないっすねー」

って感じで受け流して
そこから完全に話題を一気に変える


読み手によって効果が出たり、出なかったりします
ひょっとしたら「あそこでちゃんとアンサーできてなかったのが痛かった」みたいな判定、感想になるかもしれない
でも結構この手法を使ってる巧者は多いと思います
論戦に長けた人ほど必ず使ってる印象


  • スキルカウンター

ずばり!
相手がちょっと凄いことをしてきたとき
それ以上の凄いことをしてアンサーする
それにより相手に入るはずだったプラス評価を強奪しちゃうわけだ


例えば、相手が子音使いまくってきたら
こっちはオール子音でいくとか
子音4連踏みするとか

相手が回文使って来たら
それ以上に難易度の高い回文を作るとか

これは単純に相手に負けない技術力があってこその手法なので、かなり応用編です

でも連踏み返しとか結構目にするので
いずれ上達したときに試してみてください
(ちなみに私は同格、格上とやる時はここに挙げたほとんどの手法をかなりの高確率で使用している)


最終更新:2018年05月01日 16:12