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男が記憶喪失になったようです13 - (2008/08/08 (金) 19:44:24) のソース

登場ジャンルより表記一例 

新ジャンル「アンニュイサド」=アサ 

新ジャンル「ツンデレ」=ツン 

新ジャンル「素直クール」=クー 

新ジャンル「素直ヒート」=ヒー 

とらいんより=不良 

新ジャンル「誤解殺気」=誤殺 

新ジャンル「安価ミス」=ウエ 

新ジャンル「ツンサメ」=鮫子 

新ジャンル「やる気のない古本屋の女店主」 =店主 

新ジャンル「淡白」=淡白 

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男 「……」 

不良『んなわきゃねーだろ。だからこその違和感があるんじゃねーか 
   演技なのか、それともこいつ記憶が戻ってるんじゃねーのか? 
   ……まあ、なぜそこまで完璧を装うのかまでは、わかんねーけどな』 

男 (何故じゃろう、このオレ様がここまで不安になるのは) 

廊下「わいわいがやがや」 

男 (違和感……ねぇ) 

廊下「わいわいがやがや」 

男 「あああああもおおおお! アンニャロウめぃ 
   こないな気になる発言しおってからにぃ!」 

廊下「!!」 

男 「あ、どうもすいません……でへへ」 

アサ「……廊下で奇声上げてんじゃ無いわよ、馬鹿ねぇ 
   可愛いアンタの後輩達が怯えちゃってるじゃない」 

男 「あ……先生」 

アサ「ちょっと保健室いらっしゃい、お茶くらい出してあげるわ」 

男 「いや、俺はこれから授業なんじゃが」 

アサ「姉御には許可取ってるわよ、ちょっと込み入った話もしたいしね」 





ツン「ん? 男知らない?」 

クー「戻って来ないな……何か聞いてるか? ヒー」 

ヒー「ぬおっ!? き、聞いて無いぞッ!!」 

姉御「ちょっとな、用事を言いつけたんだよ。あんまり気にするな」 

ツン「用事って……先生が男一人に用事頼むなんて」 

クー「ありえないな」 

姉御「アンタらね……少しは自分の好きな男の事くらい信用しなさいよ」 

ツン「す、好きとかそそそそそんな馬鹿なこと言わないでくださいよ!」 

姉御「テンプレみたいな反応ねぇ。ま、そういう事だから」 

不良「おくれてさーせーん、かっふぁ……ぬぅ」 

姉御「ハイちょっと舞ってね」 

不良「舞うって……ぶごぉぉぉッ!!!」 

姉御「なぁにかしらぁ? コレ……ラッキーストライクゥ?」 

不良「げほっげほっ……し、知ら」 

姉御「またもテンプレみたいな反応ねぇ、そんなニコチンの匂いプンプンさせながら 
    教室の中に入ってくる馬鹿がどこにいるかぁぁぁぁ!!!!」 

不良「ぬ、お、おお……」 

姉御「放課後、職員室にいらっしゃい。可愛がってあげるわぁ」 

不良「こ、このババ」 

姉御「フン!」 

不良←意識不明 

誤殺「もう! 不良君ったら! 未成年がおタバコ吸っちゃいけないんだよッ! 
   おタバコなんて吸ったら肺の中が真っ黒くろすけになって、そいから――」 

ウエ「あの、誤殺さん? それ以前に不良君動いてないから……」 

誤殺「お、お口が淋しい時には、えっと……なっちゃんとか、ダカラとか 
   あ♪ 不良君はちょっぴし大人だから午後茶緑なんか良いかも」 

ウエ「あ、あの……それって結局ジュース飲めって事じ」 

誤殺「炭酸飲料は凶器だよッ! コーラは歯を溶かしちゃうんだよっ!」 

ウエ「ヒイッ!! す、スイマセンッ!!!」 

不良←聞いてない 

鮫子←ノート取ってる 





アサ「さて、話ってのは……判ってると思うけど」 

男 「オレの記憶の件ですかい?」 

アサ「そうね」 

男 「……」 

アサ「ったく、こういう事は早めに言いなさい」 

男 「あ、あっはっは困ったのう」 

アサ「茶化しはいいわ、さて」 

男 「色っぽいっすね、ペン持ってこっち向いて足組んで」 

アサ「刺すわよ」 

男 「ぁぃ」 

アサ「どこまで覚えてるかしら、まずそこから聞かせて頂戴」 

男 「ぶっちゃけて言うと、ここはどこ? 私はだぁれ? かなと」 

アサ「ふむ、電柱に頭ぶつけたとは聞いたわ」 

男 「ぶつける瞬間から……その、オレが始まったみたいな」 

アサ「……ふぅむ」 





店主「随分と真剣に読んでるわねぇ、それ」 

淡白「そうね」 

店主「ほら、こっち座りな、茶くらいは出すよ」 

淡白「座り読み推奨なんて珍しい店ね」 

店主「……アンタの目がねぇ、楽しそうじゃ無いのよねぇ」 

淡白「……」 

店主「楽しく読める本なら売ってやってしまいたいのが本音、これは店側の本音 
   でも今の貴方には、その本と二人っきりにしてやれない、これは――」 

淡白「……」 

店主「本好きのアタシの本音」 

淡白「そう見える、の?」 

店主「見せてみなさい……まぁた難しそうな本読んでるねぇ。何々? はぁ? 
   『脳医学全書、全生活史健忘』たぁ……立ち読みってレベルじゃないわ」 

淡白「……」 


店主「でもね、医学かじりっけの療法なんて止めときなさい。 
   何があったのかは聞かないから、これは忠告よ、いいわね」





アサ「……外因性による全生活史健忘って所かしらね」 

男 「ぬ?」 

アサ「稀なケースなのよねぇ、これ……参ったわ。しかも外因性って、ねぇ」 

男 「そ、そうなのか? オレの記憶はじゃあ」 

アサ「電柱に頭ぶつけて、約一週間近く、か……男、アンタ病院には行った?」 

男 「いやぁ~自分の家は判るんじゃが、保険証の在り処まではちと」 

アサ「……病院に通院する際には、保険証を必要とする。その社会認識レベル 
   は保持している、っと……箸の持ち方とかその辺は? ペン持ってみなさい」 

男 「い、一片に言うなッ!」 

アサ「……アンタ、普段の世話はツンさんにお願いしてるのよね」 

男 「うむ、何かオレの両親に頼まれたとかで、な」 

アサ カリカリカリカリ 

男 「ぬぅ?」 

アサ「近くの駅とかは判る? 電車の乗り方は?」 

男 「近くの駅というか、この辺一体の地理に関しては知識無いな 
  じゃが電車の乗り方は判る……よな、こう切符がシュインっと」 

アサ「しょうがないわね、ツンさんに保険証持ってきてもらうとして 
   男、放課後は付き合いなさい。一緒に病院に行くわ」 
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