このページは鍵山雛の野望のあらすじ解説のページです
粗筋もストーリーが佳境に入り、覚醒しましたので恐ろしい程のネタバレを伴います(最新話付近になると事細かに書かれ、新着動画を見なくともストーリーが判る位)ので、見る際にはくれぐれも御注意を


誰が何のために作ったのかも分からない世界に、様々な異世界の住人達が集い、
新たなる戦国時代が今ここに始まる……



第零章~第十五章

+ 第二の戦国絵巻
 徳川家康は、鍵山雛、レティ・ホワイトロックらといった異界の者を従え、天下を取るために立ち上がる

 今川、北畠制圧と、順調に勢力をのばす徳川であったが、そんなとき、
 足利将軍家の滅亡という大事件が発生する
 将軍家を滅ぼしたのは、神綺が乗っ取った波多野家であった
 これにより時代は一気に動き始め、世はさらなる戦乱へと突入していく

 波多野を打倒すべく、波多野包囲網が敷かれるも、覇者たる魔界神はとめられず、
 波多野は勢力を拡大していった
 同時に、各地の群雄が弱肉強食の争いを繰り広げた結果、波多野のほかに三勢力が台頭し、
 九州以外の地は、四強の元に集約されつつあった

  波多野――足利幕府を滅ぼした西方の巨星  
  姉小路――霧雨魔理沙ら異界の者を重用した北陸の雄
   斯波――紅魔館の主、レミリアを君主とした東北の覇者
   徳川――正史での勝者にして、この世界での挑戦者

 この四強は、他家に先がけて、天下に覇を唱える大勢力となったのである……


第十六章~第三十章

+ 五大家の成立
 波多野包囲網は、大した成果を上げることなく解散となった

 だが、波多野以外の三家は、包囲網を利用することで
 歴史に名高い名家を次々に併呑し、さらに勢力を拡大した

 その裏で、古明地さとりが君臨する相良家が九州を支配し、
 その戦力を着実に充実させていっていた……

 かくして、この世界において五大家と呼ばれる存在――
 ――徳川、波多野、姉小路、斯波、相良の五強が成立した



第三十一章~第四十五章

+ 狙われた徳川
 もっとも謎深き勢力、蠣崎家が動き始める
 しかし、この勢力に放った斥候は、決して戻ることがなく、
 この家の真の姿は、いまだに謎のままであった……

 そうした中、波多野-相良同盟が締結される
 これが後に大きな波紋を投げかけようとは、この時、誰も予想だにしていなかった
 ――ただ一人を除いては

 この同盟締結を契機とし、様々な勢力が徳川に攻めよせるようになる
 その結果、狙われた徳川は、版図を大きく減らすこととなった


 その一方で、姉小路は着々と人材を集め続け、最高峰の精鋭集団「四軍神七軍師」を完成させる 
 波多野では、当主の神綺が旧波多野家の派閥を排除し、さらなる支配権を確立しようとしていた


第四十六章~第六十章

+ 昨日の味方は明日の敵
 東北の覇者たる斯波であったが、ついに強大な力を振るい始めた蠣崎に苦戦を強いられ、
 追われるような形で南下を始めた
 ――その当面の攻撃目標は、姉小路であった

 兵力に劣る姉小路は、これに対抗するため、蠣崎との同盟を目論む
 交渉に送り出された佐山は期待にこたえ、見事に姉小路-蠣崎同盟を成立させた

 しかし、この同盟に対抗するため、斯波は、海路を経由して姉小路を攻めはじめる
 その結果、蠣崎を盾にするという姉小路の思惑は崩れた

 さらに、斯波に呼応する形で、織田、徳川、波多野が、姉小路に波状攻撃を仕掛ける
 とどめに、波多野へ対抗しつつ姉小路に致命打を与えるべく、斯波-徳川-織田の三国同盟が締結された
 ここに、長きに渡る五大家の一つ、姉小路の命運は尽きたかと思われた

 だが、天はまだ姉小路を見放してはいなかった
 このタイミングで、相良の軍師、ルルーシュの計略によって波多野-相良同盟が解消され、
 第二次波多野包囲網が結成されたのである
 波多野と三国同盟(斯波-徳川-織田)が争い始めた結果、息を吹き返した姉小路は、
 漁夫の利を得る形で織田の領地を奪い、態勢を立て直していった


 このように五大家が争いあい、この世界の大部分を手中に収める中、
 最後に残った小家が、里見家であった
 生き残りを目論む里見は、対徳川戦でリウイや、北条早雲、太田道灌といった古強者を中心として敢闘し、自軍の優秀さを示すことで、
 降伏後の安寧の約束を取り付けようとする
 その結果、徳川は里見の力を認め、新たな仲間として迎え入れることとなった



第六十一章~第七十五章

+ 必勝を誓う者、誓わざる者
 第二次波多野包囲網の盟主となった相良は、ルルーシュの指揮の下、
 圧倒的な国力と銃火愚連隊の火力を以て、次々と波多野の領土を奪っていった
 また、相良の侵攻に乗じて、徳川らも波多野に攻めよせ、ピラニアのごとく血肉を喰いちぎっていく
 その結果、ついに波多野の領土は、中村御所一つとなってしまった

 中村御所にて絶対的窮地に立たされた神綺は、それでも最後まで必勝を誓い、
 四十万の敵軍をわずか十万で打ち破る奮戦を見せた
 しかし、やはり戦力差はいかんともしがたく、最終的に徳川-相良連合軍の前に敗れる

 ここに、一時は五大家筆頭とも言うべき勢力を誇った覇者、波多野は滅亡したのである


 一方、蠣崎との同盟が切れた姉小路も、絶体絶命のピンチに陥っていた
 斯波、蠣崎、織田、徳川の四家の攻撃を受け、粘り強く防衛するものの、
 次々と領土を奪われていく
 なおも奮闘する姉小路であったが、斯波との絶望的な戦力差を知ってしまった為に、
 降伏勧告を受け入れ、斯波の軍門に降ることとなった

 ――仲間を守るため、あえて必勝を誓わず、波多野とは別の道を選んだ結果であった


 ここに五大家のうち二家が滅び、戦いは新たな局面へ移り変わろうとしていた
 しかし、戦乱の行く末と、この世界の真相は、いまだ闇のなかであった……


第七十六章~第九十一章

+ 魔王が消えた日
 姉小路の陥落により、大きく情勢は動いた
 目標を失った蠣崎が、主たる標的を徳川に定めたのである

 緊迫した局面の中、蠣崎と徳川は、岩附城にて激突した
 蠣崎の猛攻の前に、徳川は苦戦を強いられるが、超弾幕要塞と
 強力な武官たちの活躍により、辛くも凌ぎ切った

 岩附城防衛に成功した徳川は、賈駆の献策により、相良との同盟を締結した
 この結果、総力を東へ結集することが可能となった徳川は、
 対蠣崎防衛と来るべき織田侵攻に向けて、全力を注ぐこととなった

 一方、相良と同盟した徳川に対抗して、斯波は蠣崎と同盟を結んだ
 その結果、相良-徳川同盟、斯波-蠣崎同盟の二つが並び立ち、
 この世界は、両者によって二分された


 斯波との同盟により、西方の戦線を縮小した蠣崎は、
 対徳川戦に全力を注ぎ始める
 ――最初の目標は、前回攻略に失敗した岩附城であった

 徳川は、諏訪子とラハールを守りの中心に据え、超弾幕要塞と化した岩附城で
 蠣崎の侵攻を食い止めようとするが、敵将の圧倒的な力に蹂躙され、遂に敗北する
 その結果、岩附城をはじめとする関東の主要な城を、蠣崎に明け渡すことになった


 蠣崎の底力を思い知った徳川家康は、織田家を滅ぼすことを決意した
 織田の領土と人材を獲得すれば、蠣崎に対抗する上で、大いに助けになるはずである
 十五万の軍勢を以て織田領に侵攻し、最後の決戦に挑んだ徳川は、
 わずか三万の敵軍に苦しめられるが、最終的に勝利を掴む
 ここに織田家は滅亡し、ついに因縁の対決に決着がついたのであった

 一方、西では天下分け目の大海戦が起きようとしていた
 斯波五十五万、相良八十万もの大軍が九州日向灘海上で衝突したのである。
 質の高い将を多数擁する斯波は数と技術で勝る相良を圧倒し、大勝する
 平行して、斯波の別働隊が速やかに門司港を占拠
 九州への橋頭堡を二カ所も確保した斯波、中国地方の全ての城を奪われ、兵力の大半を失った相良
 斯波の栄光と、相良の落日は目の前だった

 織田信長こそ行方をくらませたが織田の人材を吸収した徳川は主力の全兵力を東に集結
 優秀な将の数に乏しい蠣崎の弱点である多方面作戦を展開する
 蠣崎に全力を注ぎ出した徳川は、次々に蠣崎に奪われた城を陥落させていき、ついに因縁の岩附城を奪還し、
 新たに箕輪城と古川御所を制圧することに成功する


第九十二章~第百五章

+ 西へ日が沈むとき
 蠣崎との戦いに一区切りついた徳川は賈駆の献策により一部兵力を西へ割くことに
 それにより、斯波は相良への進攻を早めることを強いられることになる
 しかし、相良家君主さとりの妹こいしが斯波から相良へ寝返ることで事態は一変する
 無意識を操るこいしの力を利用することで軍師ルルーシュは稲富祐直にギアスをかけることに成功
 月山富田城ごと寝返らせたのである

 月山富田城が相良の手に落ちたことにより、西の戦局は大きく動く
 再び本州に拠点を得た相良は、虎の子である銃火愚連隊を始め、戦力の大半をそちらに移送。じわじわと東進を始めたのだ
 必然的に斯波は戦力を本州と九州に二分化せざるをえず、各地の戦局は泥沼の様相を呈し始めていた
 一方、蠣崎攻めを続行する徳川も、相良との同盟が切れるタイミングを見計らい、西に待機させていた部隊を動かす
 斯波と相良の争いの間を縫う形で九州に上陸した徳川は、相良の戦力を一人でも吸収すべく
 九州に残った相良の拠点に向け侵攻を開始。それに呼応する形で斯波も九州攻めの手を強める
 徳川が隈本城、斯波が府内館を攻め落とし、ついに九州から身を起こした相良の拠点は完全に九州から消え果てた

 一方徳川の攻め手が休まった東北においては蠣崎がついに反撃に打って出る
 君主、比那名居天子自ら、一方通行、リーゼロッテら主な将全てを従え、三十万の大軍を持って徳川領へと攻めかかったのだ
 対する徳川の守兵は十五万。しかし総指揮官洩矢諏訪子以下、皐月駆、呂布らの奮戦でこれと互角に渡り合う
 徳川やや有利となった戦局に決定的な流れを作ったのはしかし、徳川でも蠣崎でもなく相良攻めに集中していたはずの斯波だった
 ひそかに兵を輸送していた斯波は、蠣崎との同盟が切れるタイミングを狙い、徳川攻めで手薄になった蠣崎の城を襲い
 これを次々に奪っていく
 この奇襲により蠣崎に走ったわずかな動揺を徳川は見逃さず、ついには蠣崎の総攻撃を打ち払うことに成功する
 しかし勝利の喜びに浸る間もなく、相良攻めの算段を行う八上城の雛たちの元に飛び込んできたのは
 斯波・相良が停戦協定を結んだという知らせだった

 これにより徳川は、圧倒的火力を誇る相良の全兵力が集まる鳥取城を単独で攻めるか
 斯波と相良の停戦明けを待つかの二択を強いられる
 蠣崎にも備えなければならない現状の徳川の戦力だけで相良を倒すことは難しく、争えば双方甚大な被害をこうむる
 しかし停戦明けを待てばそれは斯波にさらに戦力をそろえる時間を与えることになる
 一方、徳川との同盟もある斯波は、後顧の憂いなくすべての力を蠣崎に向けることができる
 事態がどう動こうと斯波が損をすることはない。斯波軍師、諸葛孔明の機知鬼謀の一手が決まったのである

 この問題に対し徳川は単独での相良攻めを敢行。斯波の思惑の上を行くべく速やかにこれを倒そうとするが、
 最後までさとりに従った精鋭、銃火愚連隊らの前に敗れ再軍備を余儀なくされる
 そして四ヵ月後。停戦が切れた斯波は速やかに三十万の大軍を相良に向ける
 一方軍備を整えた徳川も少数精鋭の十万の兵を持って斯波の再侵攻に便乗
 守る相良は十万あまり。四十万対十万のかつての波多野決戦を彷彿とさせる三つ巴の死闘を
 家康、雛、幽香、呂布らの活躍で徳川が制し、ついに五大家の一つにして西の覇者、相良は滅亡したのであった

 相良の戦力をほぼ二分する形で獲得した徳川と斯波は、共に北の蠣崎に目を向ける
 遠からず訪れるであろう直接対決に向け
 戦力的に劣る徳川は斯波との差を少しでも縮めるために、そして斯波はその戦力差を決定的なものとするために
 蠣崎の強力な人材をどちらが多く取り込めるかが戦いの行方を左右しかねないことをどちらの家も理解しており、
 同盟が継続中の今がその最大の好機だからだ
 蠣崎攻めに備え、古河御所に集まった徳川の面々は、この世界の謎について話し合う場を設ける
 この世界に召喚されたとき、古明地さとりが世界に残る残留思念から読み取った情報を元にルルーシュ、ルサルカの推理から
 明らかになった黒幕の存在とその輪郭。命に関わる力を持つ幽々子が察していて、あえて口をつぐんでいた世界の仕組み
 いくつかの真相が明かされるがしかし、黒幕の目的を始めとした肝心なところはいまだに闇の中だった
 なんとしてもこの戦いを制し、黒幕を引きずり出すことを誓い合う一同の下に、
 ついに斯波が本格的に蠣崎を潰すべく動き出したという情報がもたらされる
 かくして相良が滅んでからほとんど間を置かずして再び大きく戦局は動く
 それは戦国の理か黒幕の筋書きか
 物語は終焉に向けて加速する

第百六章〜第百二十章

+ 守りの徳川・統率の斯波
 より苛烈に進んで行く徳川・斯波連合軍対蠣崎
 しかし圧倒的人材力を誇る蠣崎さえ、用兵に長けた斯波を止めることは出来ずについに二城だけに領地を削られることになる
 動く機を計る徳川に斯波から舞い込んだのは残る二つの拠点の同時攻撃のための出兵要請と蠣崎滅亡後の連立政権の打診だった
 訝りながらも最低限のリスクで蠣崎を滅ぼす理を取れると判断した家康は出兵要請を受諾
 雛の提案を受け、蠣崎を潰した後の斯波の動きに備え主力の一部を各地に散らした徳川だったが、一方通行らが不在とはいえ
 天子率いる蠣崎主力陣と互角の戦いを繰り広げる
 一方、斯波は王道五種の二人、征服王・イスカンダルと聖魔王・名護屋河鈴蘭らを先頭に城攻めを開始
 二分化していたとはいえ蠣崎の主力が集まる拠点を瞬く間に制圧。その力を見せ付ける
 この報せに騒然となる徳川に対し、斯波はついにレミリアら中心人物のみで密かに準備を進めてきた切り札を切った
 軍師佐山の献策による蠣崎存続中の同盟破棄
 これにより斯波は蠣崎攻めを続ける徳川への妨害工作を可能とし、決着に時間をかけさせることに成功
 同時にレミリア自ら、イスカンダルや鈴蘭らを従え蠣崎最後の拠点へと進攻を開始する
 徳川が蠣崎を亡ぼすことを優先すればその優秀な将のほとんどを逃がすことになり、将を手に入れようとすれば刻々と迫る
 斯波への対応が困難となる
 苦渋の選択ながら蠣崎攻めの総指揮官・神綺は蠣崎を陥落させることを選択。それは果たしたものの、結果
 蠣崎の主力のほとんどは斯波に流れることとなる 
 なんとか蠣崎君主・比奈名居天子とリーゼロッテ、ドッペルアルルの三人を確保した徳川はその力を借りて迫る斯波の撃退に成功
 しかしその間に各地に散った斯波の知略陣は更なる攻勢の準備を着々と進めつつあった
 こうして、君主と部下の深い三河の絆で結ばれた徳川と、運命を操る、否従わせる斯波との天下分け目の戦いが始まった

 斯波による宇都宮城急襲により幕を開けた徳川、斯波の決戦の戦火は瞬く間に日本中に飛び散った
 宇都宮攻めこそ徳川の猛反撃にあい失敗した斯波だが、続く第2波の攻撃によって、古河御所を始め、東日本各地で
 勝利し、拠点を大幅に増やすことに成功する
 対する徳川も、斯波の戦力が比較的薄い西日本で攻勢を開始。四国、九州を中心に勝利を収める一方で、
 リーゼロッテ、駆らが王道五種「騎士王」セイバーが守る弓木城を制圧。斯波の領地を東西に分断することに成功する
 一進一退の戦局に業を煮やしたレミリアは、大兵力による再度の宇都宮侵攻を決断。
 諏訪子たちが奮戦するも、敵陣の中に孤立する形となった宇都宮は、じりじりと斯波の攻撃に押されていく
 しかし戦いは思わぬ形で幕を閉じた。家康の要請による僧侶の停戦交渉が実現し、レミリアがそれを承諾したのだ
 各地の戦線の再構築と、戦いに心を奪われないための息抜き。
 こうして相対する両家は、共通の目的のため一時矛を収めることとなった

 停戦が開けたあと、まず動いたのは斯波だった。目標は天下の堅城小田原城
 しかし徳川も、斯波の動きにあわせて兵を集め、小田原の守りを固めていた
 万全の準備を整えた相手をこちらの全力で打ち破ることで、流れをつかもうとするレミリアは
 自ら40万の兵を率いて出撃。対する徳川も、家康自ら20万の兵で持ってこれを迎え撃つ。
 征服王・イスカンダル、聖魔王・名護屋河鈴蘭、妖怪王・独眼流正宗、覇王・曹操、騎士王・セイバー……
 統率の斯波の象徴、王道五種を全員投入した斯波軍は、小田原の城門をたやすく破り、城内に兵を進ませる
 しかし徳川も負けてはいなかった。
 桂言葉、呂布、殲滅天使レン、そして自分の戦う理由を見つけ、この激戦の直前、徳川に加わった高町なのは
 在りし日の波多野の中核、波多野四天王が徳川の旗の下で再び揃ったのである
 彼女達の活躍もあり、小田原を揺るがし、奪い合うこの大戦は、徳川に軍配が上がったのだった。

 しかし、斯波にとってはこの負け戦も次に繋がる戦いだった
 真っ向からのぶつかり合いで徳川の守りを崩すのは困難と判断した斯波は、両家が太平洋側と日本海側に分かれる形で
 日本を二分し、多くの戦線を持っているという現状に最も相応しく、自分たちが徳川に勝る最大の利点、
 将兵の数の多さを生かした多方面での同時侵攻による一大侵攻作戦「日本縦断戦」を発動
 多数の兵を率いることに長けた斯波家の武将達が佐山・諸葛亮らの献策により大攻勢を仕掛け、
 東日本各地で徳川の領地を切り取っていく。対する徳川も、守りの徳川の名に恥じない堅実な戦いで、
 大崩れだけは避け続けるが、それも時間の問題と見えた…


第百二十一章~第百三十五章

+ 激戦、そして終わりの始まり
 だが、この状況を誰よりも冷静に見続ける者がいた
 レティ・ホワイトロックから徳川西方面軍の全権を委任されていたルルーシュ・ランペルージである
 勝ち戦の勢いに乗り、このまま東日本全てを飲み込まんと斯波の戦力が更に東に移っていく状況と、
 東は石山から西は加治木まで、西日本各地で徳川が密かに進めていた反撃準備の完了
 機が熟したことを察したルルーシュは、ついに中国、四国、九州全域の制圧を目的とした「西日本制圧戦」の発動を宣言した
 九州においては、所有する拠点は少ない反面、優れた騎馬部隊により遠方への援軍も容易という、
 斯波の弱みを突き、強みを逆手に取った戦略により、斯波軍は草薙美鈴等のおとり部隊による攻撃に翻弄され、
 九州の斯波の戦力図は大きくかき乱される。
 その隙を突き、蓬莱山輝夜、八意永琳、西行寺幽々子、鈴仙・優曇華院・イナバ、魂魄妖夢らが、
 あらかたの守将が出払った府内館を強襲し、これを制圧
 北九州では、岡崎夢美の率いる一部隊が優秀な将不在の斯波を圧倒。村中など制圧戦発動前も含めて4つの拠点を陥落させる
 一方中国地方では古明地姉妹ら、元相良の武将を中心とした「西日本制圧本隊」が八橋、此隅を落とし、戦局は徳川有利に進む
 徳川のこの動きに対し、斯波家は速やかに東全体を飲み込むべく、まずは宇都宮と駿府に狙いを定めて大軍勢を派遣
 更なる攻勢に打って出るのだった

 駿府攻めの先陣は軍神・上杉謙信の率いる一隊、しかもその中には「一方通行」の姿もあった。
 王道五種すら上回る統率の持ち主と、蠣崎において最強の武勇で知られた使い手が率いるこの一軍は、
 その驚異的な力により、駿府城を難なく攻め落とす。
 しかし、誰もが諦めたその中で「黒い悪魔」薬屋大助だけは諦めていなかった
 火種一号の意地を乗せた一撃はベクトルを操る「一方通行」すら凌駕し、駿府城を奪還することに成功する。
 一方、宇都宮においても、比那名居天子の檄が、混乱していた徳川の将兵を立て直し、
 攻撃失敗と判断した斯波は撤退する。
 そして遂にルルーシュ達によって作り出された徳川の大戦略が姿を現す。
 例え「神を超す知略」の持ち主が斯波に居ようと、知略陣の数自体は徳川のほうが勝る。
 広い戦線は戦力に勝る斯波だけでなく、戦略では勝る徳川にとっても有利に働くのだ。
 その上で、宇都宮という浮島を斯波の勢力圏内に保ち続けることで、
 その戦力を東に集め、その隙に勢力の弱まった西を併呑する。
 東の大敗すら織り込んだルルーシュの奇策は、ここに形を成したのである

 勢いに乗った徳川は、西日本各地で斯波の拠点を次々落とし、ばらばらになっていた拠点同士をつなぐ一方で、
 斯波の拠点を更に分断・孤立化させていく
 対する斯波は、三河徳川の大本営・岡崎城を落とす事で徳川の士気を挫き、その勢いを殺ぐ事を狙い、
 清洲城、そして新たに攻め落とした深志城の二手から、諸葛亮、佐山・御言、ユカ、聖白蓮、四季映姫、霊夢ら知略陣と
 「王道五種」の征服王と妖怪王、そして軍神・上杉謙信が率いる25万の大軍を動員し、侵攻を開始
 家康はそれが敵の策と知りつつも、父祖伝来の地を守り、西国で奮闘する者達の為に徹底防衛を選択、
 駿府城のチルノ、”かっこう”たちに岡崎への移動を指示。こうして岡崎城防衛戦が幕を開けた 
 乱れ飛ぶ軍師諸葛亮、佐山たち斯波を代表する知略陣の計略と、王道五種イスカンダル、独眼流正宗らの猛撃。
 しかし城の守りを任されたチルノはそれを次々に暴き出し弾き返す。そして共に城を守る杏本詩歌が、
 斯波の頭上に破滅の「雪」を降らせる
 まだ「五大家」ならざりし時、「破滅の氷雪」と謳われた元西園寺家当主チルノと、杏本詩歌
 託された想いのため、譲れない願いのため、三河岡崎城にて二人はその力を存分に見せつける。
 それに後押しされた仲間達の活躍も併せて、25万の斯波の大部隊は、次々に敗走していく。
 終盤、城が陥落するに至るが《殲滅天使》レンが「征服王」イスカンダルを下し奪還に成功する。
 こうして、徳川父祖伝来の土地は守られるが、斯波もまた迅速に次の手を打ってきた
 一線級の将がさほど居らず、兵力も手薄。そして何より公家への働きかけを強く行える戦略的要地である室町御所を狙い、
 大部隊を差し向けたのである
 しかし徳川西方面軍最高責任者であるルルーシュはこの展開も予想しており、完了した「北九州平定」の重要戦力、
 岡崎夢美と読子・リードマンを密かに室町に派遣していた
 かくして始まった、西国の最重要拠点たる京を舞台にした戦いは、
 結果的に斯波の不意を突く形になった読子・リードマン、岡崎夢美らの活躍で徳川優位の形で進んでいく
 しかし、斯波にある一報が届いたことによりその流れは大きく変わることになる
 勝竜寺城から出立した斯波の援軍。それを指揮するは、この戦いの最中新たにこの世界に呼ばれた青年、北郷一刀だった
 それは、幾多の戦場を越え成長した恋姫たちの思いによって生まれた奇跡と呼べるものだったのかもしれない
 彼が指揮する兵、そしてそれを慕う武将達。彼の働きにより戦場の空気は一変、斯波は室町御所を手中に収める事に成功する 
 同じ頃、中国地方においては斯波家東の武将が集まり、徳川の戦場を攪乱、
 領地縮小による拠点の質の向上により、徳川の快進撃に陰りが見え始める。
 第2の鍵の出現に箱庭の創造者たちはただほくそ笑むのみ。

 遂に室町御所を手に入れ、関白となった斯波家当主、レミリア・スカーレット。
 彼女らは世界の「鍵」となる存在、北郷一刀に太政大臣というNO.2の役職を与える。
 それは先の室町攻めでの逆転劇から見れば、十分すぎる地位であった。
 そして、徳川での「鍵」の揃う遅さにレミリアは苛立つ。
 一方、徳川の西日本制圧戦はいよいよ大詰めを迎えつつあった
 完全制圧し、後顧の憂いが無くなった九州の軍勢を三つに分け、四国黒瀬、中国岡山、九州下関の
 三ヶ所から兵力の手薄な山口館へ侵攻、そして20万の大軍勢が守る吉田郡山を最終目標と定め、
 徳川の準備は着々と整いつつあった

 輝夜、永琳率いる九州隊が山口館を攻略した頃、四国においては斯波家14万の軍勢が勝瑞城に向かい動き出した
 それを率いるは島左近清興を筆頭に、十六夜咲夜や比良坂初音といった百戦錬磨にして少数精鋭の名将達
 しかしそれは、勝瑞城を守る徳川の将たちも同じだった
 謀神・毛利元就の偽報により斯波の部隊の足並みが乱れたところに、鍵山雛、桂言葉らの部隊が襲いかかる
 その猛攻の前に、宇多津港より出陣した斯波の先陣は瞬く間に切り崩され次々に壊走、
 湯築城の後続部隊が到着した時には、既にほとんどの部隊が壊滅した後だった
 勝ち戦の勢いそのままに、徳川の勝瑞守備隊は斯波の後続部隊の迎撃を開始。その一方で、徳川は四国を完全に掌握すべく、
 湯築城に向け、西行寺幽々子率いる部隊を派遣
 勝瑞攻めの為に戦力を割いた湯築を守るのは大友宗麟らごくわずかな戦力しか残っておらず、
 ディズィー、フェイト・T・ハラオウン、朝倉宗摘らを中心とした徳川の攻撃に対してほとんどなす術がなく、
 またこの報せが勝瑞を攻める斯波の部隊の焦りを募らせ動きを鈍らせていく
 かくして、勝瑞を攻めた斯波部隊は徳川援軍の吉川元春が到着する頃にはほぼ壊滅し、湯築城も徳川の手に落ちる
 その頃中国地方では、吉田郡山城攻めの前段階として百野栞率いる部隊が備中高松城を陥落させ、
 そして永琳が吉田郡山の西に一夜城を建設。東西南北四方の拠点で、西日本最後の斯波の拠点、吉田郡山を包囲する
 しかし、吉田郡山には急を聞き駆けつけた君主レミリア・スカーレット自らが、北郷一刀を始め、八雲紫、姉小路頼綱、
 紅美鈴、張飛、関羽、真田幸村 東風谷早苗、涼宮ハルヒ、キョン、前原圭一、久阪悠といった
 西最後の拠点を守るに相応しい強者達を集め、守りを固めていた
 決戦に向けて意気を高める彼女達の元に慌てた様子で駆け込んできたのは室町御所にいたはずのインデックスだった。
 いぶかる一同を前に開口一番彼女が放った「黒幕の目的が分かった」という言葉にその場の空気は凍りつく。
 ・・・はたして「黒幕の目的」とは何だろうか。

 美琴、黒子の二人が斯波家に付いた事が、新たな「鍵」となる存在を呼び出した。
 上条当麻、「幻想殺し」を持つ世界に数少ない「原石」の一人。
 彼の存在自体が「幻想」であるこの世界とは相容れない筈であるにもかかわらず、彼がこの世界に呼び出された矛盾。
 これらのピースを組み合わせ、ついにインデックスは黒幕の目的を暴き出すことに成功したのである
 しかしその真相について詳しく話し合う間もなく、徳川の攻勢により、ついに西国決戦の幕が上がった。ルルーシュ指揮の元、
 鍵山雛、桂言葉、リーゼロッテ、蓬莱山輝夜、八意永淋、クロ、島津義弘、ネギ・スプリングフィールドといった強者たちが城に迫る
 しかしその勢いを削いだのは、この場には居ないはずの征服王・イスカンダルによる奇襲だった
 空間を渡る八雲紫の能力で各地の将を更にこの地に集め、徳川の不意をつくという斯波家の奇策はまんまと図にあたり、
 主力のリーゼロッテ隊、治療部隊の中核を担う永淋隊が集中攻撃で瞬く間に潰されたのを皮切りに、
 偽報で分断され、奇襲で混乱させられた徳川軍は満足な反撃も出来ぬまま次々と倒されていく
 一方、西最後の拠点を死守せんとする斯波の勢いはまさに圧倒的であり、一度つかんだ流れを離すことなく、
 東西からやって来る徳川の軍団を城に寄せ付けなかった。
 徳川軍の状況は刻々と悪化、全部隊のうち2/3が壊滅したという報告を受けた月山富田側の総指揮をつとめる雛は、
 もはや逆転は無理と判断、撤退の指示を飛ばすが、
 フランドール・スカーレット、霊烏路空らの追撃と馬超、荀彧らの待ち伏せにあい、
 なんとか撤退に成功はしたものの、櫻井螢により、左代宮沙則が戦死するという手痛い犠牲を払うことになる
 斯波家は遂に吉田郡山を守りきり、徳川と斯波はそれぞれともに、勢力圏内に宇都宮、吉田郡山という
 敵の浮島を抱え、全兵力を最前線に向けるのが難しい形になった
 ともあれ勝利を喜び、次の方策を練る斯波家だったが、そこにもたらされたのは、関西の中心拠点、室町御所と岸和田城、
 更に堺と敦賀港への徳川の襲撃という凶報だった
 兵力差こそあるもののほとんどの有能な将を吉田郡山の守りにまわしていた斯波軍は、
 岡崎夢美、リウイ・マーシルン、大原雪斎らを中心とした徳川軍の敵たりえず、徳川はまんまとこれら拠点の奪還に成功する
 「斯波がこちらの予想以上の将を呼び寄せ、守りを固める」ことを想定し「大敗を喫したときの保険」として
 ルルーシュが仕掛けておいた一手は見事に勝利に浮かれた斯波に痛打を与え、その足元を揺るがしたのである
 これにより、拠点数、戦力など、ほぼ全てがイーブンとなり始めた二家の対立。
 黒幕は戦場を見下ろし、笑う。

 吉田郡山城攻略失敗と室町御所奪還の知らせが届いた岡崎城で、神綺たちは自分たちの次の動きを協議する
 この課題に対し薬屋大助が提案したのは、ここ岡崎城から清洲城への侵攻だった。
 徳川の岡崎城には16万、対して斯波の清洲城に14万。兵力差はほぼ同等だが、
 吉田郡山を守るべくかき集められた西の将が東へ帰還しきる前の今こそが最後にして最大のチャンスと見たのだ。
 更に今は深志の兵力も不十分で挟撃の心配もない。
 また、チルノは斯波の動きになぜか焦りが見えることを指摘、今攻めることでそれを助長できるのはないかという。
 状況を待っていたところで利無し。そう判断した岡崎城の将はほぼ全軍を上げて清洲の奪還へと動いた
 斯波と同数、14万の軍勢を神綺以下、《殲滅天使》レン、ドッペルアルル、チルノ、杏本詩歌、薬屋大助、
 前田利益、立花親子、大道寺小松、ラピス・サウリン、魅魔といった岡崎城の主力たちが率いて迫る徳川の動きに対し、
 斯波も素早く迎撃の準備を整える
 ユカ、如月双七、聖白蓮、佐山御言、遠坂凛、アーチャー、河城みとり、八神和麻らが
 迎撃に打って出、蠣崎一の防御を誇った周防九曜を筆頭に佐々木らが城の守りを担当、徳川を迎え撃つ
 偽報により徳川の陣形を乱した斯波は、最も脅威と見た神綺隊に攻撃を集中
 しかしその隙を突く形でチルノ、詩歌の「西園寺破滅の氷雪」の一撃が城を強襲、大きな損害を与えることに成功する
 更なる追撃を図る神綺の魔術を聖白蓮が防ぎきり、旧知の二人は互いに譲らず互角に渡り合う
 他方、城の守りを任された九曜はチルノたちの攻撃を効果的に防御し、初撃以降の有功打を許さない
 そして戦いの中、ユカは自らの目的を果たすべくドッペルアルルに接近、元蠣崎の二人は敵同士として顔をあわせる事になる
 「邪魔だから本気で殺す」と宣言するユカだったが、対するドッペルは自分はユカにとって最悪の相性の持ち主だと
 言い放ち、言葉どおりその魔力はユカに致命傷を与える
 しかしこの結果は、ユカが望んだものでありドッペルが見抜いていたものだった
 死ねばこの異変を仕組んだ黒幕がいる「上の世界」にいける。しかしこの世界では自分で命を立つことは出来ない
 黒幕に近づきその思惑を探るため、あえてユカは討たれることを選び、それを察していたドッペルは彼女を殺したのである
 強大な力を持つ黒幕に太刀打ちできるのかと問うドッペルに対し、ユカは「私は誰にも操られない」とあくまで自信を崩さず笑う
 「君の魂が黒幕の計画にヒビの一つも入れられることを祈っているよ」というドッペルの言葉に送られ
 ユカはこの世界の黒幕を探るべく、ゴアと共に新たな戦いに向け旅立った。
 残ったドッペルもまた「この地獄のような戦場で道化の振る舞いを続けなさい」というユカの遺した言葉どおり、
 道化として最後まで舞台に立つ事を決意、
 そして、ユカの思惑が上手くいけば黒幕を舞台袖から引きずり出す位はして見せようと静かに笑う
 一方、戦の趨勢もまた、徐々に徳川へと傾いてきていた
 松浦党の棟梁の死、前衛部隊の減少。事態を打開せんと斯波は更に迎撃部隊を出すが、その判断は
 結果として城の防備戦力の低下という形で現れ、チルノ、詩歌はそれを見逃さなかった
 渾身の一撃が城に炸裂し、そこに突撃した大道寺隊により清洲城は制圧された
 清洲の制圧・・・それは徳川にとっての巨大戦略の下準備の完了宣言だった。
 徳川家康、二度目の大宣言の時が、来たのだ。
 どこか懐かしさを覚えるその宣言は、理想に殉じた人々が彼にもたらした証。
 家康が覚悟を決めてそこに立った時、倒さねばならぬこの世界の関白の抱く思いを見たという。
 そして彼は人の上に立つ器として、全力で彼女に当たる。
 もう、迷いはない。
 一方、稲葉山城で、斯波の将の一人、雪城ほのかは迷っていた。
 かつて自分が潜り抜けた「正義対悪」とは違う、「正義と正義の争い」。
 元の世界に戻るという目的を支えにこれまで戦ってきたが、徳川にいる親友なぎさに誘われたことで
 その事実を再認識した彼女は、自分の「正義」のため他者の「正義」を消し去るには、
 自分には覚悟が足りないと感じ、これからどうするべきか道が見えなくなっていたのだ
 それを聞いたアーチャーは非情な二択を突きつける。
 「君が私と共に斯波を裏切るか、私の裏切りを報告するか」
 気になる話を耳にした事と、徳川が勝つと踏んだ事。この二点から、アーチャーは徳川へ裏切るという。
 仲間たちをより確実に元の世界に戻すため、今はあえて仲間を裏切る。それが『他者』の為に戦うアーチャーの選択だった
 彼が雪城に最後の一言を告げる。「何事も、諦めるな」と。
 それは昔、全てを諦めて投げ出した彼への自嘲を込めた一言。
 そして今迷っている人に答えを自ら導き出させる為の一言。
 その言葉により、雪城ほのかは自分が貫きたい正義を見出し、それを実現するべく無二の親友と共に戦う道を選び、
 アーチャーと共に徳川に降ることを決意。清州で再会したなぎさとほのかは、互いの無事を喜びその絆を再確認する
 徳川の東の重要拠点・宇都宮に向け再び斯波が30万という大軍を派遣したという報せが入ったのはそんな時だった
 だがかの地を任された面々は、今まで何度も斯波の攻撃を跳ね除けてきた実績を持ち、その力は信頼に値する
 それを知りながら、しかしチルノは何か嫌な胸騒ぎを覚え、それが杞憂に過ぎないことを願う
 見え始めた物も多いが、見えない物はまだ多い。

 宇都宮城。斯波の領内に浮島のように孤立するこの城は、斯波の戦力を最前線に集めず分割し引きつけるための囮として、
 永きに渡り徳川の戦略上、極めて重要な位置を占める場所だった。それゆえに斯波もまたこの地の重要性を理解しており、
 幾度も奪還を試みるが、総指揮官・洩矢諏訪子以下『徳川の二枚看板』呂布、比奈名居天子、ラハール、
 ルサルカ・シュヴェーゲリン、本多忠勝、松永久秀、織田文、ランス、パチュリー・ノーレッジ、
 そして『守護神』皐月駆といった徳川でも指折りの武将達が配され、超弾幕要塞となっている宇都宮の守りは、
 難攻不落と呼ぶに相応しいものであり、実際徳川は度重なる斯波の侵攻を何度も跳ね返してきた
 しかしある事情から決着を急ぐ必要のある斯波は、再び30万の大軍をもって宇都宮に侵攻。ただ今までと違うのは
 それを率いる将の顔ぶれだった
 『王道五種』の二人、『征服王』イスカンダルと『妖怪王』独眼流正宗、『軍神』上杉謙信、八雲紫、八雲藍、
 北郷一刀、フランドール・スカーレット、霊烏路空、八坂神奈子、伊吹翠香、ヴィルヘルム・エーレンベルグ、傾国・・・
 斯波軍の中核、精鋭として知られる武将達を惜しみなく投入してきたのだ
 この動きに対し徳川もルルーシュの指示で移動してきたリーゼロッテ・ヴェルクマイスターを加え、万全の体制でもって
 これを迎撃する
 こうして再度幕を開けた宇都宮攻防戦は、両軍が入り乱れるすさまじい激戦となった
 八雲紫、長瀬楓の攻撃で開戦後すぐにアリス隊を潰された徳川だが、
 ラハールの激に支えられた指揮官・諏訪子の統率、そして軍神、妖怪王、征服王の攻撃すらもことごとく防いだ駆の活躍もあり、
 その士気は落ちることなく粘り強い戦いで城を守り続ける
 それに対し斯波軍は城を後回しにして迎撃部隊を潰すことを選択
 ルサルカとの戦いの中切り札を切ったヴィルヘルムや、九尾の狐の名に相応しい働きを見せる藍などの攻撃が、
 じわじわと徳川の部隊を削っていく
 対する徳川もヘカテーが仇敵のシャナごと傾国隊を撃破。白い竜姫・恋するドラゴンが同族たる龍を体に宿す久坂悠との
 邂逅によりその力を解放する。呂布による城からの援護も絶え間なく続き、勝負は拮抗して見えた
 しかしここで斯波が新たに得た仲間がその均衡を大きく崩す
 上条当麻。彼が持つ異能、ありとあらゆる異能を殺す幻想殺しの能力の前には、
 全てを見通し望む結果を引き寄せる異能、駆の劫の眼も例外ではなく、その隙を突いて空の一撃が宇都宮城を揺るがす
 ある意味ではこの時点でこの戦いの決着はついたのかもしれない。「駆が認識できる範囲内で」という制限こそあるものの
 その驚異的な防御力から『守りの徳川』の中において『守護神』の異名を得た駆の能力が全く効かないどころか
 無効化され、破壊されるなどとは徳川の誰もが考えもしていなかったのだ
 絶対の『守護神』という幻想を砕かれた。その事実は徳川を動揺させ動きを鈍らせるには充分すぎるものであり、
 逆に斯波にとっては千載一遇の機会でもあった
 再び幻想殺しによって劫の眼が突破され、そこに空の核の炎が突き刺さる
 こうしてついに、難攻不落で知られた徳川東の重要拠点、宇都宮は斯波の手に落ちたのだった
 この事態に対し徳川の残存部隊では、城に残った駆を救うべくリーゼロッテが一人突撃しようとする事態が発生するが、
 ルサルカの喝により彼女が冷静さを取り戻し、事なきを得る。またルサルカは、念願の宇都宮奪取を果たした斯波に
 わずかにだが浮かれが見える事を看破。その隙を突ける今こそ撤退の好機とする彼女の意見に織田文なども賛同、
 囚われた仲間達の無事を強く心に願いながら、北条氏政の先導により部隊はなんとか無事撤退を果たす
 一方ついに宇都宮を落とし、徳川の将を多数捕虜にした斯波だったが手放しで喜ぶことは許されなかった
 宇都宮攻略のため斯波が将を移動させる可能性をルルーシュは見越しており、それゆえに想定どおりに生まれた隙を
 見逃すことなどありえなかったのである
 近畿各地に展開していた徳川軍の強襲を受け、筒井城、勝竜寺城、亀山城、霧山御所の四つの拠点が陥落
 多数の拠点と数十名もの捕虜を得ることに成功するも、宇都宮の喪失とはつりあわないとルルーシュは険しい顔を崩さなかった
 宇都宮を奪ったことにより、斯波はその戦力の全てを東の最前線に持ってくることが可能になったことに対し、
 いまだ吉田郡山という斯波の浮島を領内に抱える徳川は、戦力を分割せざるを得ないからだ
 兵もそうだが何よりルルーシュや古明地さとり、レティ・ホワイトロックといった優れた武将たちが
 何人も中国地方に釘付けにされているのが痛い
 この状態では最前線の将の数が足らず、場合によっては小田原や岩槻すら落とされる可能性があるからだ 
 だからこそ速やかに吉田郡山を落とす必要がある。たとえ綱渡りのような危険を孕んだ手段を用いてたとしても
 現状打開のためルルーシュが考えた策について家康たちに説明をするためさとりは一度東に戻り、
 その間にルルーシュたちは吉田郡山を攻める準備を進めることになる
 宇都宮という楔から開放された斯波の次なる動きはルルーシュにも読みきれるものではなく、ここからは時間の勝負
 互いに注意を促しあい、ルルーシュとさとりは自らの役目を果たすべく行動を開始した
 一方レミリアたち斯波の人間もまた、長引く戦いに焦りを隠さずには居られなかった
 インデックスの話から黒幕の目的を知った彼女たちは、自分たちに残された時間が決して多くはなく、
 一刻も早く天下が統一されなければならないことを知っていた
 しかし守りに長けた徳川との戦いは必然的に長期戦となることが多く、「その時」までに決着が付けられるかは、
 全く見通しが立たない
 ならば徳川にもこの情報を渡してはどうかという意見も出るが、多くの者がそれには懐疑的だった
 守りに重きを置いた長期戦こそ徳川の真価であり、逆に苛烈な攻撃による短期決戦こそ斯波の得意分野だ
 ゆえに「残された時間が少なく、一刻も早く勝負をつけなければならない」という情報を渡したところで、
 斯波の策略として見られ、信じてはもらえないだろうというのがその理由である
 結局今までどおり、徳川の動きに注意を払いつつ臨機応変に対応するしかないという答えに落ち着き、軍議は終わるが、
 仲間達が下がった部屋でレミリア・スカーレットは一人もの思いにふけっていた
 この世界の今後を決める大きな決断。それをする時が近づいているのではないかと。

 東の要、宇都宮城が斯波の手に落ちたことにより戦局は徳川にとって苦しいものとなる
 捕らえられた武将達は、近畿圏における急襲で捕らえた斯波の武将との交換で全員無事に戻ったものの、
 依然として将の数は斯波の方が多い上、西では斯波の浮島・吉田郡山が以前健在であり、
 東も戦力の全てを注ぎ込めるようになった斯波の侵攻に対しては、守りの要である小田原、岩附も耐え切れない可能性がある
 東西に分断させざるを得ない戦力を早急に集中運用可能にすることが今の徳川に必要なことだった
 ルルーシュが考案したその為の策を携え使者として訪れたさとりから説明を受けた家康は、
 その策の有効性を理解しながらも厳しい顔を崩さなかった
 確かに、突飛ともいえるその策なら斯波の裏をかけるだろう。しかしこの策の実行には多くの犠牲を覚悟する必要があり、
 その上、もしも策が失敗に終わったなら、もはや徳川に余力は残らない
 だから家康はさとりに問う。「今の徳川と同じ状況で、相良の大名としてのそなたなら、この策を実行に移すか」と
 この策は決死のもの、失敗は滅亡と同義。それはさとりもよく理解しており、そしてその上で即答した。「実行する」と
 「ずっと近くでルルーシュの手腕を見てきた自分は、彼の力を知っている。それに、これまでの贖罪をしたいと言った
 彼のため、何より徳川のためにこの策を成功させたい」そこにあるのは、君主と臣下の固い信頼、結びつき
 その言葉に家康は迷いを振り払い、策の実行を決意。さとりとルルーシュに全権を委ねる
 戦国において勝利し生き残るためには、時に非常な決断も必要となる
 かつての戦国に生きた者の一人として、家康もまたその苦い事実を知っていたゆえの決断だった
 策に備えルルーシュの指示に従い行動を開始する徳川の将たち
 そして家康は、君主として危険な役目を他人に押し付ける形になることに責任を感じ自らも東に残ろうと考えるが、
 隠れて話を聞いていた風見幽香にそれを戒められる
 貴方が任されたのは東側ではない。ルルーシュ達を信じるならば、なおのこと彼らの言うとおり動くべきだろうと
 確かに自分がここに残ったところでそれは自己満足に過ぎない。改めて迷いを断ち切り、残る者たちに後を託して、
 家康もまた、策を実行するべく動き出した
 一方、宇都宮城が落とされたにもかかわらず、将の移動こそちらほら見えるものの兵士の移動がない徳川の動きに、
 斯波はその真意を測りかねていた
 普通に考えるならばいまだ徳川は体勢を整え切れておらず、西の吉田郡山に戦力を割いている今は、攻めるに絶好の機会
 しかしこれまでの徳川の電撃的な行動の速さに比べ、今回に限ってその動きが鈍いことに羽柴秀吉などは疑問を抱く
 奇策を巡らせ幾度も斯波の裏をかいてきたルルーシュのこれまでの働きは、
 斯波家の中に「あるいは」「もしかしたら」の疑念を確実に植えつけることに成功していた
 とはいえ、待っていても状況が好転する保証は無く、なにより自分たちには時間がない
 名護屋河鈴蘭や久坂悠の主張もあり、速攻が重要と考えたレミリアは岩附攻めを決定、自ら陣頭に立つ
 フランドール・スカーレットやアルクェイド・ブリュンスタッド、エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル、
 「王道五種」の「聖魔王」名護屋河鈴蘭と「妖怪王」独眼流正宗、姉小路頼綱らを将とし、その兵数は25万
 しかしこれだけの軍勢が近づいてくるにも拘らず、岩附城の徳川軍はなかなか動きを見せず、
 ようやく出てきた迎撃部隊も、3部隊で約6万5千と城の兵数に対して極めて小規模なものだった
 何かしらの意図を感じたレミリアの予想を裏付けるように、その時西国から急を告げる使者が駆け込んでくる
 徳川の軍勢が吉田郡山城に向けて進軍を開始。その数50万、部隊数は20以上という使者が告げたその内容は、
 斯波の面々を驚愕させるに充分なものだった
 兵だけならまだしも、今の徳川にそれだけの兵を指揮できる将はいないはずだからだ・・・ただ一つ、ある手段をとらない限りは
 その方法とはすなわち、東における勢力圏の放棄
 東の重要拠点・岩附や小田原には必要最低限の将だけを残して斯波の主力に対する陽動と時間稼ぎに使い、
 残る徳川の将の大部分は西に集結、その全力を持って吉田郡山を奪い西日本全体を支配下に置く
 兵の移動を行わなかったのも、密かに将を移動させる一方であえて目立つように移動を行わせた将がいたのも、
 全ては徳川の準備が整っていないと誤認させるため
 これこそが眼の上のたんこぶである吉田郡山を確実に落とし、斯波と同じく戦力を最前線に集められる体制を作るため、
 ルルーシュが考案した秘策だった
 しかしこれは、結果として岩附・小田原に駐留する兵の大部分が犠牲となる策でもある
 それゆえに、特にこの世界においては、仁君として知られる家康がこのような手を打つことを、
 レミリア始め斯波の誰もが想定しておらず、徳川は見事に斯波の裏をかくことに成功した
 かくして策は成り、東と西の二箇所において、この決戦の行方を左右するであろう戦の幕が上がった
 斯波の将を釘付けにし、西の戦いを楽にするべくこの城に残ったのは、
 少数精鋭による戦いに慣れた元蠣崎の比奈名居天子、ドッペルアルル、永江依玖
 守りの要たる皐月駆と、彼と固い絆で結ばれた水奈瀬ゆか、草壁美鈴、田島賢久、広原雪子、橘菊理、百野栞、
 そして彼らの「仲間」として迎えられたリーゼロッテ・ヴェルクマイスター
 自分たちがどれだけ持ちこたえられるかがこの作戦の成否を左右する
 そして徳川の現戦力のほとんどをつぎ込んだこの作戦の失敗は、徳川に立ち直れないほどの痛手を与えるだろう
 だからこそ負けられない。いや、負けない。幾度と無く激戦の舞台となったこの岩附で、
 「友と明日のために」の誓いで結ばれた彼らの戦いが始まる

 ルルーシュの策により、徳川が斯波の裏を完全にかいた形で幕を開けた東西二箇所の戦場
 西日本の戦場、吉田郡山では今度こそかの地を落とすべく、徳川の大攻勢が始まっていた
 守る斯波も、遠坂凛を指揮官に、清浦刹那、寅丸星、紅明鈴といった拠点の守りに長けた武将を中心に、
 なんとか凌ごうとするが、やはり将兵の数の差はいかんともしがたく、早々と戦いの主導権を徳川に奪われる
 一方東側、岩付の戦いでは、城を守る皐月駆、リーゼロッテ・ヴェルクマイスターがいかなる戦法、計略も通さず、
 迎撃隊として出た比奈名居天子らは的確な動きで城の包囲を許さない。巧みな連携により数で劣りながらも、
 徳川は圧倒的多数の斯波を相手に有利に戦いを進め、着実に時間を稼ぎ続ける
 そして先に守りが限界を迎えたのは吉田郡山だった。徳川の猛攻の前に迎撃部隊は次々と壊滅、
 門が破られた城内に立花宗茂隊が一番槍をつけ、ランスの騎馬部隊もそれに続いて暴れまわる
 敵の志気低下が著しい事を見抜いたルルーシュは、古明地こいしとの連携でそれにつけこみ、
 これを好機と見た家康隊の鉄砲と風見幽香の破壊の光が追い討ちで炸裂、勝負を決定付ける大打撃を与える
 最後には華蝶仮面の一撃によって、ついに吉田郡山は徳川の手に落ちた
 この報せに斯波の武将は焦りを隠せなかった。まんまと陽動と時間稼ぎに引っかかって吉田郡山を落とされながら、
 自分達はいまだ岩付の守りを崩しきれず、むしろじりじりと押されつつある
 もしここで敗北すれば、一気に情勢は徳川に傾く。しかし徳川の守りは極めて高く、突破は困難で有効な策もない
 この難局を打開するべく動いたのは、ほかならぬ斯波君主レミリア・スカーレット自身だった
 駆の劫の眼が望む未来、すなわち運命を引き寄せるのなら、運命を操る自分の力で干渉も可能なはず
 根拠などない推測。だがレミリアは自分を信じた。彼女の意地と誇りをのせて放たれた神槍グングニルの一撃は、
 劫の眼の守りを突破し、城を直撃。それによって徳川に走った混乱を斯波は見逃さず、集中攻撃を開始
 戦況は一気に覆り、藤井蓮がとどめを刺す形で、岩附もついに陥落する
 しかしそれは徳川にとって想定内の出来事。そして斯波が次にどう動くかもまた、想定の範囲内
 それが徳川の狙い通りと分かっていても、事ここにいたっては他にとれる道もなく、
 斯波は当初の予定通り小田原を次の目標に定め動き出すことになる
 一方徳川の拠点となった吉田郡山では、ルルーシュがこの策の第二段階を明かしていた
 目的は斯波が有する西の巨城、安土。岩附と同様、小田原で斯波の主力を釘付けにしている隙にここを落とし、
 徳川と斯波の勢力図を完全に東西に分けて戦線を限定すること。これがルルーシュの策の全容だった
 何かに焦り、とにかく状況が動く事を望む斯波の心理すらも計算に入れたこの策とそれを考えたルルーシュの周到さに、
 かつて手玉に取られた元波多野君主・神綺も感心するしかなかった
 ともあれ必要最低限の将のみを後始末に残し、集結した徳川の主力もまた次の戦場に向かい動き出す
 その頃、尾張・小牧山城では、藤原妹紅らが次の一手について協議していた
 岩付の戦いが長引き稲葉山城が隙を見せればすぐさま攻めこむ予定だったのだが、
 生憎そこまで思い通りにことは進まず、稲葉山が動くより前に岩付は落とされた
 そして兵数が互角とはいえ、「王道五種」のイスカンダルと曹操、ギルガメッシュ、博麗霊夢、伊達政宗らが守る稲葉山を
 攻めるのは現在の小牧山の戦力ではかなり厳しい
 となれば、ここでにらみ合いを続け、稲葉山の将を他の戦線に行かせないようにするのが今自分達が出来ることだろう
 そう考える皆に対し、「皆の協力があるなら、絶対とはいえないがこちらから斯波を揺さぶれるかもしれない」と、
 堀内愛理衣が異論を唱える
 どのような手を打つつもりなのか問いかける皆に対し、愛理衣は鈴女に稲葉山城で調べてきて欲しいことがあると、
 ある調査を依頼。南北に別れ日本全土を舞台に繰り広げられてきた徳川と斯波の決戦はついに佳境を迎えつつあった

 堀内愛理衣がとった策。それは稲葉山とその周囲の斯波の拠点の兵力を詳細に調べたうえで、
 稲葉山の斯波軍が迎撃に出るかどうか悩むぎりぎりの数の軍勢で出陣、稲葉山の目の前を通過し美濃を横切って、
 安土攻めを行う味方の加勢に向かうというものだった
 鈴女の調査の結果、この近くで斯波が多くの兵を駐屯させているのは稲葉山のみと判明したのに対し、
 徳川は小牧山とは別に清州にも戦力を蓄え、更に吉田郡山攻めに加わった将の一部を戻している
 安土を援護するべく小牧山から出た徳川軍を斯波が防ごうとするなら相応の人数を迎撃に出す必要があり、
 そうなれば清州の部隊が手薄になった稲葉山に攻め込める
 逆に斯波が稲葉山を守る事を選び迎撃を出さないなら、小牧山の部隊は速やかに安土攻めに参加でき、
 しかも撤退を始める敵の退路を絶つ絶好のタイミングで、逃げ道となる安土の東に部隊を展開できる
 そして斯波がどちらの動きをとろうと、それにより敵がどの拠点を重視しているかを推し量ることもできる
 この一石二鳥の一手に対し、稲葉山の曹操らはその思惑を見抜いた上でこれを静観、
 安土を見捨てることになっても稲葉山を保持する事を優先する
 こうして小牧山の軍勢も加わった安土攻めは、鍵山雛や本多忠勝、徳川夢らに加え、なにより神綺や松永久秀、 
 そして高町なのはや呂布ら波多野四天王といった旧波多野勢の活躍と、現状斯波が安土を重視していなかったこともあり、
 難なく終結。更に徳川はその余勢を駆って、小谷城も手中に収める
 一方東においては、よく似た戦いが攻守を逆転させた形で繰り広げられていた
 岩付に比べて兵の少ない小田原は、斯波の主力を相手に迎撃もままならず、出来る限りの時間稼ぎに徹した後、
 守将である皐月駆らが残った兵を連れて撤退。さしたる苦労もなく斯波は小田原への入城を果たし、
 ほどなくして駿府城を攻めていた別働隊からも勝利の報が届く。斯波が躑躅ヶ崎館を保持していることに加え、
 小田原を放棄したことで二方向からの侵攻が可能になった駿府は今の徳川にとっては失ってもさして痛い拠点ではなく、
 ゆえにその守りも形だけで斯波に奪われることも想定内だった
 こうして徳川の思惑どおり斯波は小谷に代わる拠点を手に入れ、徳川は戦略上当面邪魔となる拠点をなくす形で、
 戦線を構築することに成功
 かくして両軍は、互いに二つの拠点を交換する形であらかじめ見えていた答えの通りに勢力図を整えていく
 既に見えている答えに向かい、以下に最短でそこにたどり着くか。それはまさしく詰め将棋を彷彿とさせるものだった
 ともあれこの結果、決戦の火蓋が切って落とされたときには南北に分かれ入り乱れていた両軍の勢力図は、
 ちょうど本州の半ばほどを境目に、西日本を徳川が、東日本を斯波が完全に勢力化に置くという、
 徳川の狙い通りの形で落ち着くことになる
 戦線が絞られ両者共にそこに全戦力をつぎ込める状況の完成
 そしてそれは同時に、長きに渡って繰り広げられてきた徳川と斯波の戦いが終わりに近づきつつある事を示すものでもあった
 次の戦いは間違いなく、共に全軍をあげての激突となることは必至であり、その結果がそのまま勝負の明暗を分けるだろう
 この第二の戦国を統一し、この異変に巻き込まれた全ての人物の代表として黒幕に立ち向かう家を決める大決戦
 それに備えた軍議のため、徳川の主だった将は室町御所に集結する
 しかし軍議の席において、一足先に入城し、決戦に備え策を練っていた徳川家康らの表情は芳しいものではなかった
 策は浮かぶ。だがそのいずれも、成功率を考えると家の命運を託すには心もとないものばかりなのだ
 かといって、いまだ単純な戦力では上回る斯波に対し、無策のまま真っ向からぶつかるのもリスクが大きすぎる
 評定も手詰まりになりつつあった時、綾瀬夕映が斯波の使者の来訪という報せをもってきた
 一見珍しくもない報せだったが、詳しく語られたその内容に家康たちは驚愕した
 使者の目的は捕虜変換の類ではなく、そして何より、五人の仲間を引き連れて訪れた使者の代表は
 斯波家君主、レミリア・スカーレット本人だと言うのだ
 いい策も浮かばぬ現状、相手の出方を見るのも手だろうと家康はレミリアとの会見を承諾、
 ここに征夷大将軍・徳川家康と関白・レミリア・スカーレットの両雄が戦場以外で顔をあわせることになる
 最低限の挨拶と前置きを済ませ、レミリアは自ら使者として来訪した理由は二つあると語り、まず一つ目の用件を口に出す
 それは「次の戦いの敗者はその場で勝者に降伏、その戦いを徳川と斯波の最終決戦とする」という提案だった
 戦線が絞られ、互いに全戦力を最前線に傾けられるようになった以上、次の戦いは今までに類を見ない激戦となり、
 この戦いで負けた側は一気に勢力を減じ、後はそのままずるずると押し込まれていくだけ
 それならいっそ、次の戦いで全てを決める方が余計な時間を取られずに済むというレミリアの提案に理解を示す者もいたが、
 例え不利な状況になっても、家が滅ぶまで戦いの結果は分からないと、本多忠勝や松永久秀らは異を唱える
 しかしレミリアはそう考える者が出ることを見越しており、その態度はあくまで落ち着いたものだった
 自分達がこんな提案をするのにはそれなりの理由があり、そしてそれは徳川にも無関係ではないと言う
 それを聞けば決戦についての答えも変わるだろうと、決戦に応じるか否かは後回しとし、
 レミリアの話はもう一つの用事の方へと移る
 すなわちそれは、ここ最近斯波を焦らせてきた原因について
 そしてそれこそ、斯波家君主たる彼女が今回自ら足を運んだ理由であり、
 同道した北郷一刀、博麗霊夢、藤井蓮、上条当麻、キョンの五人も、
 その説明をする際いてくれると助かるという理由で選ばれた者たちだという
 世界の仕組み。密かに進行していた事態。黒幕の目的。そしてこの世界の結末
 今まで闇の中にあった真相を明らかにするべく、レミリアは第2の用件『答え合わせ』の開始を告げた

 この世界は、全てが何者かによって創られた仮初のものというのは、誰もがすでに知っている事
 しかし、それは不変のものなのか?
 レミリアが最初にそのことに疑問を抱いたのは一人の青年の来訪がきっかけだった
 北郷一刀。数多ある「もしも」の世界、『外史』を渡る『突端』としての力を秘めた彼が、
 遅ればせながらこの世界に現れたことで、レミリアはひとつの可能性に行き着く
 そしてそれは、インデックスの知己である一人の少年がこの世界に来たことで確信に変わる
 触れただけであらゆる異能をかき消す異能『幻想殺し』を右手に宿す上条当麻。その能力ゆえ全てが異能で作られたこの世界には、
 存在することすらできないはずの彼が現れたにもかかわらず、この仮初の世界は壊れることなく存在し続けている
 この二つの出来事から導き出される答えは一つ。すなわち世界の変質。仮初のものだった世界が現実に変わりつつあるのだ
 そしてこれこそが、君主レミリアが自ら足を運んでまで、決着を急ぐ必要がある事を徳川に知らせに来た理由だった
 元々あった「史実」、あるいは「本物」の戦国時代を軸にして、この世界は創られた
 しかしそれは、軸となった本来の歴史とは異なり、数十万、数百万規模の軍勢がぶつかり合い数多の異能が飛び交う戦場で、
 時代を無視して存在する戦国を生きた全ての者達と、
 無数の世界から集められた神や魔王に竜や妖怪、英雄などを含む異界の者達が肩を並べ、あるいは刃を交える、
 異様な戦国世界なのだ
 そんな世界が「現実」として完成し「本物の歴史、戦国時代」になってしまえば、
 その歴史の中に戦国時代を含む全ての世界は、そのあまりの違いにより、自己崩壊を起こす危険性がある
 仮にそうならなかったとしても、世界のありようが大きく変わることは間違いないし、
 そうなれば、それらの世界から派生した並行世界や外史にもその影響は及ぶだろう
 そしてレミリアが語ったこの恐ろしい予測は、雛に一つの謎の答えをひらめかせる手がかりを与えた
 それはこの異変の黒幕たちの目的。これだけ手間をかけ大規模な異変を起こした以上、黒幕には何かしらの目的があるはず
 だが、自然と思い込んでいたこの前提そのものが間違っていたのだとしたら?
 古明地さとりと恋するドラゴン。この世界に来た時、世界を創った黒幕の思考の一部を感じた彼女達は以前こう言った
 「それは無邪気で、これから起きることを楽しみにしているようなものだった」と
 そしてもう一人、異界の者達をこの世界に引き入れた方の黒幕については、
 元の世界でその人物と同じ組織に属していたルサルカ・シュヴェーゲリンは「何を考えているのか分からない奴だ」と評した
 ルサルカと同じ世界から来た、その人物と浅からぬ因縁を持つ藤井蓮もその考えを支持
 これを受けて雛は、自分の推論に確信を得る
 すなわち、異変を起こした黒幕たちには明確な目的そのものがなかった
 あえて言うなれば、異変を起こした時点で、すでに黒幕たちの目的はあらかた達成されていた
 自分達が創り出した仮想の戦国時代を舞台に、自分達が選び呼び込んだ者達が、あるいは手を取り合い、あるいは刃を交え、
 持てる全ての知恵と力と異能をぶつけて戦う派手で勇壮な戦国譚
 戦いの中交錯する信念と願い、そしてそれによって生まれる喜び、怒り、悲しみ、愛情、憎悪、絆が入り混じった人間模様
 巻き込まれた者たちが、元の世界に戻るため必死にあがく様子を、まるで即興劇の舞台のように、高みから見物して楽しむこと
 いうなれば、娯楽や暇つぶし。それこそが黒幕たちの目的ではないのかと
 この推理に、得心がいったと頷き同意したのは、世界を自分の願いどおりに造りかえる力を秘めながらも、
 自身はその力の存在すら知らない少女、涼宮ハルヒを最も間近で見知る人物、キョンだった
 この世界の構築にはハルヒの力も流用され利用されている。それはこの世界に来た頃に仲間から告げられた事実
 しかし、仮初とはいえ独力で世界を創れるだけの力を持つ黒幕たちが、
 何故わざわざ自分達の思い通りにならないハルヒの力を用いる必要があったのか
 しかしこの疑問も、黒幕たちの目的が享楽であったなら容易に答えが出る
 自分達では制御できない他者の力を世界の構築に加えることで世界を不安定にし、
 舞台を整えた自分達にも意図できないハプニングが起きる可能性を高め、劇を更に盛り上げ面白いものとするためだ
 しかしそうなると別の問題が浮上してくる。暇つぶし目的なら、あれこれとこの世界における戦いに細かなルールを
 定める必要はないはず
 しかし雛は、そして頭が働く者たちは、この二つを矛盾させず両立させる答えに行き着いていた
 それは、黒幕たちとは別に、明確な目的を持った何者かが黒幕たちに関与し、協力しているということ
 そしてその人物にも雛たちは心当たりがあった
 それはこの世界の軸となった者。彼が戦国時代を生きたものだからこそ、この仮初の世界は戦国時代を模した形で完成した
 織田文が語ったその人物の名は、彼女の父にして家康の友の名
 織田上総介信長。己が望む天下をつかむ野望をいまだ抱く彼なら、いかなる手段を用いてでもその望みを果たそうとするだろう 
 ともあれ今考えるべきは、この世界の現実化を防ぐため黒幕を叩くこと
 しかし戦意向上の呪いをかけてまで、戦いと言う娯楽を楽しもうとする黒幕たちの性格を考えると、
 徳川と斯波で同盟を組む形で戦いを終わらせたところで黒幕たちは納得せず姿を露わそうとはしないだろう
 ならば方法はただ一つ。斯波の提案どおり、出来る限り速やかに、戦いによって雌雄を決し、どちらかの家が天下を統一すること 
 では仮にそうするならば、どのような方式の戦いで勝者を決めるのか
 徳川のこの問いに対し斯波が提案したのは、いうなれば椅子取りゲームとも呼べるものだった
 現在、完全に東西に分かれた両家の隣接点は互いに四つ
 徳川家は敦賀港、大垣城、小牧山城、そして徳川の始まりの地、三河は岡崎城
 対する斯波家は、一乗谷城、稲葉山城、飯田城、浜松港
 両軍合わせて八つの拠点。これを奪い合い、最終的に全ての拠点を制圧した側の勝ち
 これを採用するならば、一乗谷城、稲葉山城という二つの本城を有する斯波に対し、徳川が有する本城は岡崎のみと、
 戦いは徳川にやや不利な状況から始まることになるが、それは残り時間がわずかなという情報の対価として割り切ろうと、
 家康はこの案を呑む事を承諾する


百三十五章~最終章

+ 天下決戦と信長の野望
 決戦前のつかの間の休息を経て斯波と徳川は遂に決戦の日を迎える。
 互いの割り振られた各拠点を巡って両軍、およそ200万。総勢400万の軍勢が激突。関白レミリア・スカーレットと征夷大将軍徳川家康の雌雄を決する時がついに来たのだ。
 初戦である岡崎城攻防戦において斯波軍は君主レミリアを筆頭にセイバーを除いた“王道五種”などを中心とした斯波軍きっての主力部隊で攻めかかり、対する徳川軍は君主徳川家康と徳川四天王、そして守護神を筆頭とした東部戦線の主力が迎え撃つ。
 同時に神綺や波多野四天王ら元波多野勢を中心とした徳川軍が元姉小路家を中心とした斯波軍と一乗谷城で激突、一乗谷城攻防戦も行われ、岡崎城郊外にて両軍の君主の号令の元、北と南両戦線において大軍同士の激戦が幕を開ける。
 序盤、始まりの地という地の利と劫の目やいどのえにっきなどの特殊能力により徳川軍が優位に立つも斯波家の右大臣である博麗霊夢の放った一撃によって形勢逆転、徳川軍は岡崎城を失う手痛い敗北を喫するも、神綺らが一乗谷城を陥落させたことで状況は一勝一敗となった。
 この結果を受けて大垣城にて様子を窺っていたルルーシュは遂に稲葉山城攻めを決断、戦の趨勢を決めるべく稲葉山城へと軍を進めた。

 北南両戦線の結果を受けてルルーシュは古明地さとりらを筆頭とした元相良勢を中心とした徳川軍による稲葉山城攻めを開始した。
 対して斯波軍は元相良の軍師清浦刹那らが稲葉山城にて徳川軍を待ち構え、奇しくも相良の名軍師両名が稲葉山城にて激突することとなった。
 斯波軍は清浦刹那による一方通行や紅美鈴ら防御系の特殊能力の保有者達を籠城させ、城からの攻撃で削るという守りの徳川のやり方を攻めの斯波家に合わせる形で実践し徳川軍を苦しめるも、徳川軍もルルーシュが事前に手配した増援部隊によって状況は一進一退となる。
 斯波軍は橙、徳川軍はC.C.を失うほどの激戦の末、プリキュアの超火力とガッシュの気迫によって稲葉山城を攻略、軍師対決は仲間の力を信じたルルーシュが読み勝つ形で軍配が上がった。
 これで二勝一敗となり徳川軍が優位に立つが、決戦中攻めてこなかった南の斯波軍が80万もの大軍を率いて清州に迫ってきたことで一転して窮地に追いやられる。
 朱里の策によりあえて岡崎城攻めの時、統率の高いセイバーを出陣させず、蓮華らとともに後方で15万もの兵を募兵して岡崎城の55万に合流したのだ。
 これによって、斯波家が大軍を率いて北進し徳川軍の制圧した北の拠点が南から喰い破られる危機に直面することとなるが、斯波家もまたこの大攻勢が失敗すれば大きな打撃を被る危険を抱えていた。
 攻めの斯波と守りの徳川、天下を決する決戦最大の戦いが始まろうとしていた。

 斯波家80万が清州に迫る中、間一髪で後方から兵を輸送に成功し清州城に40万、小牧山城に30万、合計70万の軍勢を動員することに成功。
 兵力をほぼ互角に持っていくことに成功するが、斯波家同様敗北すれば大勢が決定的になるリスクを徳川家も背負うこととなった。
 こうして斯波、徳川両家の主力全員が互いの目標外の拠点である清州城に集結、史上最大規模の戦いである清州城攻防戦が始まった。
 開始早々、両軍が激しく激突する戦場はキョンがある覚悟を決めたことで流れが大きく傾いた。
 キョンが涼宮ハルヒを介して世界に干渉したことで、斯波家は優勢、徳川家は劣勢となり、勝敗は決したかに見えた。
 しかし、攻城戦は徳川優勢、野戦は斯波優勢の状態で止まり戦線は膠着、互いに決定打が打てず被害だけが加速度的に増していく状況にレミリアは大局的不利を鑑み、ついに全軍撤退を指示、野戦が優勢のまま撤退していく斯波軍に徳川軍の追撃部隊は逆に次々と被害を出し、ついには徳川家の古参にして鍵山雛の友人、レティ ホワイトロックが討ち死にするという悲劇に見舞われるも、斯波家も無傷とは言い難い打撃を受け、斯波家の大攻勢は失敗に終わる。
 レティ ホワイトロックは最後に自身が鍵山雛という鍵の守護者であったことを話し、「後で迷惑を掛けると思う」という意味深な言葉を残し舞台から退場していった。
 こうして清州城攻防戦は両軍に多大な被害をもたらした痛み分けに終わり、斯波の大攻勢を退けたことで徳川家は絶体絶命の危機から脱するも、勝利の味は喜びとは程遠いとても苦いものであった。

 斯波家の大攻勢の失敗は総兵力の逆転という怪我の功名を齎した。
 総兵力が徳川軍130万弱に対し、斯波軍は100万を割り、兵力がそのまま戦力に直結する斯波家に対し、徳川家は一時的に優位に立つこととなった。
 これを受けて、鍵山雛は岡崎城攻略を提案。清州城攻防戦で大きな被害を受けた徳川家にとって不得意な城攻めで斯波家の主力が籠る岡崎城を落とすのはかなり分の悪い賭けであったが、斯波家に比べて兵力の募兵が劣る徳川家がまた劣勢になることは火を見るより明らかであり、徳川家にとってもはやこれしかとるべき道はなかった。
 そして、徳川家康を筆頭とした主力軍が岡崎城攻めを開始、対する斯波家も浜松港から援軍を率いてくる君主レミリアを待ちながらも“王道五種”や姉小路勢を中心とした主力が岡崎城の郊外で野戦を仕掛けるという戦術を取り、攻める側と守る側の逆転した第二次岡崎城攻防戦が開始された。
 開始早々、徳川軍は斯波家に有利な野戦を強いられただけでなく、城から飛んでくる偽報や城周辺に建造された大量の櫓、そして狭い道に待ち構える斯波の精鋭達の前に大苦戦を強いられる。
 さらに、ルルーシュの策である岡崎城攻めに合わせた浜松港と深志城への同時侵攻も斯波の知略陣に読まれており、岡崎城に全戦力を集中させ、そこから次々と偽報を飛ばして三方向からの侵攻全てを食い止める策により妨害され、戦術的にも戦略的にも徳川家は完全に劣勢に立たされた。
 しかし、徳川軍もこれに負ければ後がない状況であり、浜松港と深志城攻めの部隊が到着するまでの囮も兼ねて決死の覚悟で岡崎城に攻め寄せる。部隊が次々と壊滅する中、ギルガメッシュの弾幕から諏訪子を庇い武田勝頼が戦死、後を追うように武田信虎も討死するという悲劇が立て続けに起こり、徳川軍の敗色は濃厚になっていった。
 ようやく浜松港への攻撃が開始される中、岡崎城で残り2部隊になってもなお戦い続けるドッペルアルルがアルクェイド ブリュンスタッドの攻撃で死亡するも、ドッペルアルルは最後の力を振り絞って、自身の力をアルル・ナジャに返却、このまま消えるかに見えた。
 しかし、橘菊理の力でドッペルアルルは間一髪で復活、アルルも完全に力を取り戻し、凶報の続く徳川軍に奇跡が起きたのだ。さらにその奇跡は浜松港をアルルの一部隊のみで窮地に追いやるに至った。
 結果的に浜松港と岡崎城は落とせなかったものの深志城は陥落させ、斯波家と徳川家の状況はかろうじて五分五分となった。長期戦を避けたい斯波家と徳川家が互いに読み合いによる短期決戦を狙う中、斯波家の羽柴秀吉がある策を提案する。

 短期決戦の為の腹の探り合いの手始めとして、ルルーシュはアリス マーガトロイドの力で岡崎城に予め仕込んで置いた人形に諜報活動をさせ、相手の策を探る策を実行に移した。
 しかし、それはヨシュアによって阻止され、逆に斯波家は大聖寺城に輸送した30万で一乗谷城を攻めるという情報を故意に流し相手を混乱させる策に出る。そして、大聖寺城の兵を囮に清州城、鳥羽港、奪われた深志城に同時攻撃を仕掛け各個撃破を狙う策を計画する。
 だが、それもルルーシュには計算のうちであり、ヨシュアに掴ませたのはダミーであり、本物は別のところできちんと相手の策を盗聴していた。これによってルルーシュは相手の策を把握、即行動に移った。
 その時、斯波の軍師達はヨシュアから人形全てが撤退したと連絡を受けていた。あのときに計画した策は全て演技、人形を逆手にとってルルーシュを誘導し自分たちの策を信じ込ませる。騙し、騙され、それを利用し騙し返す、羽柴秀吉の策だったのだ。
 こうして斯波家はもう一つの策である大聖寺城から30万の大軍で一乗谷城に攻め入り、北南から食い破るべく侵攻を開始、ところが、一乗谷城には破滅の氷雪や守護神などの防御系の能力者たちが徳川家最高の防御布陣を敷いて待ち構えていた。
 羽柴秀吉の策の肝であった人形そのものがルルーシュが斯波の軍師達を誘導するための罠だったのである。こうして斯波の大軍を一乗谷城に釘付けにしているうちに徳川軍はルルーシュの指揮のもと岡崎城、飯田城、浜松港へ同時侵攻を開始、天下大戦最後の戦いが今始まろうとしていた。

 北郷一刀、朱里(諸葛亮)、華琳(曹操)らが率いる斯波の大軍を一乗谷城に釘付けにしている間に徳川軍は一斉に行動開始、アルル・ナジャ、ドッペルアルルらの部隊は浜松港を、ルルーシュ、リーゼロッテらの部隊は岡崎城を、君主徳川家康、鍵山雛、風見幽香らの部隊が飯田城を攻撃し、天下大戦最後の戦が始まった。
 一乗谷攻防戦は兵力差は斯波の方が多いものの徳川軍きっての防御系能力者たちが城に集結しており、計略も戦法も一切通らず、足止めを食らった所を破滅の氷雪や二枚看板の片割れである呂布が次々と斯波の部隊を削る守りの徳川が終始有利の展開となった。
 一方飯田城では君主レミリア自ら徳川軍を迎え撃とうとするも十六夜 咲夜の献策によりレミリアは一時の恥を飲み込み、咲夜に城の防衛を任せ岡崎城へと軍を進めた。
 その岡崎城では蓮華(孫権)らがルルーシュ率いる徳川軍と攻防戦を繰り広げ、斯波家の主力が浜松港から援軍に駆けつけるも、軍師の大半を一乗谷城に送ったことが裏目に出て、徳川軍の軍師達によって翻弄される。
 さらに浜松港では村紗 水蜜が博麗霊夢やセイバーらを援軍として送ってしまったことでアルルらの攻勢を止められず徳川軍が終始優勢となる有様であった。
 そして、遂には飯田城陥落の報に合わせて、魂魄妖夢、鈴仙・優曇華院・イナバの連携による一撃、そこに追い打ちのように仕掛けられたプリキュアの攻撃で岡崎城の籠城兵が3万も倒れたことで流れは完全に徳川有利に傾いた。
 しかしルルーシュは飯田城の援軍が岡崎城に到達していないことを確認すると、あえて岡崎城をあと一歩のところで落とさない決断を下す。浜松港に敵の援軍を送らず、岡崎城に釘付けにしたのだ。
 その上、飯田城が陥落し、斯波の残り拠点が岡崎城と浜松港のみと斯波家は追い詰められており、「どちらかでも死守しなければ」と焦る気持ちさえルルーシュは利用しており、相手に本気を出させず、翻弄している間に素早く拠点を制圧する。この戦いの最適解を見極めた、ルルーシュ渾身の策であった。
 ルルーシュの思惑に気付いたレミリアは上杉謙信らに岡崎城を任せ、浜松港に向かうことを決断。だが岡崎城が陥落寸前であることから上杉謙信らの援軍が必死で岡崎城に入城しようとすることも計算のうちであり。入る直前で岡崎城を落とし、直前まで近づいてきた援軍にリーゼロッテの魔術をぶつけることで敵の援軍を完全に岡崎城に釘付けにし浜松港へ転進させないようにさせ、残り拠点である浜松港を確実に制圧する策を発動し、斯波家は絶体絶命の状況に陥ることとなった。
 飯田城に足止めの部隊を展開させるよう仕向けたことも功を奏し、徳川軍はレミリアら援軍が浜松港に到達する前に制圧することに成功。天下決戦は全ての目標拠点を制圧した徳川軍に軍配が上がることとなった。
 斯波家君主レミリア・スカーレットは負けを認め、天下は徳川家のもとに統一されたかに見えた。
 しかし、それもつかの間、安土城が何者かによって落とされたという火急の知らせが届く、当然斯波家にそんなこと出来るはずもない、つまり黒幕が現れたということである。
 安土城には五瓜に唐花の紋が描かれた旗が掲げられており、徳川家康と鍵山雛は誰が安土城を落としたのかを悟る。この世界の黒幕との最終決戦が勝利の余韻に浸る間もなく始まろうとしていた。



世界の謎についての考察

+ 作中から見た考察
  • ひなやぼの世界について、真っ先に思いつくのが、呪術の「蟲毒」
    • 史実武将が全員一回死んだ後の存在ということは、史実武将の全てが、いわば「英霊」だといえる
    • その傍証として、「『冥界の管理者』たる幽々子なら、世界の構造を知っているはず」という発言を、八雲紫が作中で述べている
    • また、史実武将、登録武将全てがこの世界にいる限り否が応でも戦わざるをえないように干渉を受けていると雛たちは推察している

  • 上記のことから、今回の黒幕は、この世界で武将達を戦わせることで、何らかの儀式を行っている可能性がある
    • また、史実武将の討死数も、何か関係があるかもしれない(黒幕に凶化された言葉の覚醒条件に、討死数が関係)
    • 登録武将達については、戦乱を活性化するための駒かと思われる(ただし、ほかにも意味があるかも知れない)
    • 武将たちは最も強い状態の力を代償なしに使えるが(史実武将の場合は肉体の若返りなど)命を代償にするような力は使えない
    • つまり自ら命を絶つような行為が禁忌とされている可能性が高く、自害などが出来ないと思われる。この世界において死は他人によってもたらされるものであり、このような世界の仕組みからもこの世界で行われている戦いが儀式の一部である可能性は高い
    • 死とは無縁のはずの精霊であるキリュウも、死亡が確認されており、この世界においては不死性も無効化されているようだ
    • 天子らは、勝つのではなく戦いを繰り返すことで黒幕をおびき寄せれると考えておりここにも戦いで死ぬ者が増えることを黒幕が望んでいる可能性が見て取れる
    • 創られた世界が戦国時代の日本を模したものであることについて実際に戦国時代を生きた者が黒幕の中におり、その結果構築された世界が永劫の戦国乱世とも呼べるこの世界なのではないかという推理を雛たちは立てており、特に松永久秀は「どこのうつけだろうな」と、暗にその人物が織田信長ではないかという発言をしており、また織田の架空姫である文も、なにか思い当たるふしがあるようだ。この場合、織田信長、森蘭丸、滝川一益が逃亡したことにも辻褄が合う。(後に森、滝川は斯波家で確認)
    • また、太原雪斎や今川義元の覚醒条件が未だ不可能になっていないことにも辻褄が合う
追記
    • 作中にてインデックスは上条当麻が召喚されても仮初の世界が壊れなかったことから、世界が現実の出来事になりつつあり、本来の歴史をこの世界の歴史に変えてしまうことこそが黒幕の狙いではないかと推察した。
    • 作中にて遠坂凛、アーチャーが鍵山雛と接触した際、城自体がFateの聖杯のようなものであり史実武将が記憶を持ったまま蘇った理由と異世界の住人が召喚されたのは聖杯によるものであり、各地に散って召喚されたことを傍証としている。
    • また、鍵山雛が聖杯の持つ穢れを吸収する為のろ過装置であることも推察し、ろ過された聖杯で黒幕が何かを企てているのではないかと推察している。
    • 同時に桂言葉は鍵山雛のスペア、もしくはろ過装置としての補助的役割であると鍵山雛は推察している。

  • 全国統一された後について
    • すんなりそこで終了にならず、全国統一(またはそれに近い状態)になったときに黒幕の勢力が登場(例:戦国ランスの魔軍襲来)、ということもあるかもしれない
    • 現状の登録武将は、約180名。残り約20名(革新での限界人数が200名)が、黒幕勢力の登録武将かもしれない。
    • いや、もしかするとうp主のことだ、200名以上の登録武将が居るのかも…?




鍵山雛の野望ナビゲーション
ページ 更新日時 現在-最終更新時刻
3h以内 6h以内 12h以内
解説トップ 2023年11月18日 (土) 23時47分54秒
あらすじ 2024年10月01日 (火) 18時46分55秒
主要勢力・史実武将一覧 一覧1 2023年11月18日 (土) 23時48分42秒
一覧2 2014年03月04日 (火) 00時17分16秒
登録武将一覧 一覧1 2023年11月19日 (日) 00時04分10秒
一覧2 2023年11月19日 (日) 00時03分38秒
一覧3 2014年02月27日 (木) 17時33分53秒
一覧4 2015年09月18日 (金) 01時42分02秒
一覧5 2012年05月20日 (日) 11時05分49秒
覚醒 覚醒武将一覧 2014年03月15日 (土) 00時57分11秒
補足 2014年12月12日 (金) 19時24分58秒
コメント 2017年09月06日 (水) 13時04分38秒
関連コミュニティ 鍵山雛の野望を応援する会
(注) 24h以内に更新があったページは、NEW!の表示が出ます

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年10月01日 18:46