Scene1:多数決は数の暴力
まるで意味がわからんぞ!
僕は荒ぶる太平洋に向かってそう叫びたい(冷静に考えればこっちの世界に居る以上無理でしたね)。
先日無理矢理冥界門を開ける手伝いに行かされたんですがね、
いざ門が開いてみるとウィザード勢と侵魔勢の連携が全く取れず、
門を開けたことによる更なる冥魔の侵攻と相俟ってシティの危機はますます深刻化しました。
何て計画性のない門の開放なんですかね・・・。
連携基盤が脆弱なままろくに改善策を立てずに焦って門なんか開くからこうなるんですよ。
エイミー曰く「門を開けるのは確かに早過ぎた。しかしもう賽は投げられた」らしいですが
賽を投げつけられる側の身にもなって欲しいですよね・・・。
はてさて、回想の場面を僕が住んでる宮殿の会議室前に移しましょう。
扉を開けるとそこには何人かの魔王とウィザードが巨大な白い円卓についていたんです。
何でもウィザードと侵魔の代表者が集まって打開策を練るんだとか。
計画性の無さが生んだ尻拭いに僕を巻き込むなよ・・・。
その中にはパイレーツせーなちゃんと鉄壁絶壁千羽矢ちゃん、そして平太の姿も見えました。
今一人選の基準がわかりませんね、ハイ。
軽く会釈して僕も席についたら程なくして2人の女性が僕に近づいて声をかけてきたんです。
1人ずつ紹介していきましょう。
最初に声をかけてきたのは長く伸ばした青い髪と巫女服が目を引く赤羽くれはちゃん。
肌のハリとツヤから察するに年は18前後でしょうか。活き活きとした雰囲気が伝わってくる活発そうな女の子です。
巫女服に阻まれて僕のイーグルアイを持ってしても目測をすることは叶いませんでした。
古来から日本に伝わる服は体のラインが目立たないですね。だがそこが良いのだよ。
そんな状況下でも慎ましく主張してくる胸とか趣があると思いません?
話は更に逸れますが高校生と大学生って肌年齢に相当な差があるんですよ。
高校時代にオープンキャンパスで大学を訪れたとき大学生のお肌を見て老けてると内心ほくそ笑んだ5年前。
今では僕が老けてるサイドですね。いやはや、年は取りたくないものです。
特に用はなかったけどとりあえず挨拶しておきたかったとの事。
ここで大変なことが起こったんですよ・・・。
くれはちゃんが挨拶と同時に物凄くナチュラルな感じで手を差し出してきたんです。
こ・・・これは!日本においてはもはや神話の中でしか存在し得ないと思っていた伝説の儀式・・・「初対面でのA☆KU☆SHU With Girl」なのか!?
ククク・・・笑うな、ここでニヤけたらクールなナイスガイ(自称)で通してきた僕のイメージが・・・
とか馬鹿な事考えながらくれはちゃんのおててを握ったんです。
ンギモッヂイィ...
これが・・・リア充しか味わうことのできない神域!
衛生班!衛生班を呼べ!このままではぼかぁ・・・ぼかぁ!
とか1人舞い上がってたら突然どこからか人を殺せそうな鋭い視線を感じましたんです。
視線の主を探してきょろきょろしてると今度はくれはちゃんの隣に居た女性が話しかけてきました。
名前は
伊東真澄さん。ナース服にも見える白衣とAV女優みたいな赤フレームの眼鏡が扇情的で優しそうなお姉さんです。
そう言えば以前変な夢を見ましてね、伊東さんにそっくりな女性がうす気味悪い野郎に巧妙な手口で間接的に死に追いやられたんですよ。
そしてそのうす気味悪い野郎が仮面と全身黒服に身を包んだ見るからに怪しい二刀流のちっこいのにナイフで首をチョメチョメされて
最後は以前森で見た瘴気?でしたっけ。それに呑まれて跡形もなく消えたんです。
いやぁ、妙に生々しい夢で怖かったですね。
まあそんな事はどうでもいいです。
どうやら彼女はシティで診療所を開いているみたいです。薬の調剤もしていて僕の胃薬の発注元も彼女のところらしいです。
具合悪くなったらいつでも来てくださいと言われました。行く準備もイク準備もいつでも万端です。
そんなことを考えてたらまた先ほどの鋭い視線を感じました。
注意して周りを見てみると視線の主は結構離れた位置に座ってるセーラー服を着た犬耳ロリっ子少女ですた。
えっと・・・何でそんな視線を浴びせられなくちゃいけないのかわからないのですが・・・。
さてさて、巫女巫女ナースコンビと挨拶もほどほどに会議の始まるのを待ってたんですよ。
すると無駄に豪華な金の装飾が施された入り口の扉がゆっくりと開きましてね、
「会合の場所って言うのは、ここでいいのかしら?」
と、目からビームを出せる美人巨乳未来人みたいな声で見た目中学生くらいの少女が入ってきました。
学生服にポンチョと言う謎スタイル。前衛的過ぎるだろ・・・。
彼女は確か蝿の女王の異名を持つ魔王であることは資料で読んだ事があるんですよ。
ただ如何せん名前が思い出せません><
しかしながら向こうは僕を知ってたらしく絡まれてしまいますた。
いつから僕はこんなに有名になったのでしょうか。全く見に覚えがないのですが・・・。
てかたまにありません?向こうはこっちの名前知ってるけど自分は相手の名前知らなくて
会話が妙にフワフワしてしまう事って。え、ない?^^;
名前を思い出せずに苦笑いを浮かべていると何故だか脳裏に例の夢に出てきた仮面野郎がふとよぎりました。
詳しい事情は知りませんが奴も色々苦労してるんでしょうね。ま、せいぜい頑張ってくれとしか言えませんが。
あ、こっちの話です。
その後も続々と参加者が集まり、ついに巨大な円卓の席が完全に埋まりました。
さてさて、いよいよ会議が始まりそうな雰囲気が漂い始めた時です。不意にエイミーが言ったんです。
「祐一様、出席者はこれで全員ですわ」
えっ? うん、そうだね。僕に何をしろと。
普通そう思いますよね?だから僕は答えました。
僕「そうだね。始まるのを待とうか」
するとですね・・・。
エ「・・・えっ?」
僕「えっ?(キョトン顔」
何この空気。何なのこの間。何なんだこの出席者全員が僕に向ける冷ややかな視線はぁ!
そう思ってるとエイミーがこそっと耳元で囁いたんです。
「祐一様、ここは祐一様の宮殿ゆえ・・・開会の宣言も、祐一様にやっていただく必要があるのですが・・・」
だからさ、毎回こういうことは事前にわかるように説明しろっつってんだろ・・・。
てか主催者がやれよ・・・。そもそも誰なのか知りませんが。
まあ耳と首筋にかかったエイミーの吐息と彼女の良い匂いが実に官能的だったので良しとしましょう。
ふと冷静に周りを見渡すと朝比奈ポンチョさんは僕をみて2828しております。
巫女巫女ナースコンビの巫女の方は苦笑いを浮かべていてナースの方は必死に笑いを噛み殺しておりますた。
ガッデム!
ククク、良いだろう。見せてやる。
かつて中学時代全校生徒へ向けての挨拶で何の原稿も考えずに壇上に登った僕の真の実力をな!
「えー、本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございました。迫り来る冥魔の脅威に対抗すべく有意義な会になることを願いつつ、開会宣言とさせて頂きます」
我ながらエクセレンンツッッッ!
すると控えめな、本当に控えめな、千羽矢ちゃんのパイオツくらい控えめな(失礼)拍手が起きました。
これだよ、この空気。大学の新歓の自己紹介でボケたら盛大に滑ったときの何ともいえないそれに近かったっすね・・・。
はい、てな感じでウィザードサイドと侵魔サイドの話し合いが始まったわけです。
結論から言いましょう。両陣営の話は平行線をたどって一向にまとまる気配がありませんでした。
以下、侵魔サイドの言い訳
朝比奈ポンチョさん「私達だって眷属全員の行動を把握しているわけじゃないのよ。お腹がすいたらそりゃプラーナだって欲しくなるわ」
何気に恐ろしいこと言ってますね・・・。
続いてウィザードサイドの反論
名前忘れた「それは分かっているつもりだけど、だからって味方から奪うのは違うと思うよ」
同盟組んだのに突然襲われたらたまった物じゃないですよね。
襲うのはベッドの上だけにして欲しいものです。
そんなこんなで5時間ほどお互い平行線を爆走してたんです。
ムードは険悪になるわケータイ弄る奴(巫女巫女ナースのナースの方)がいるわ寝てる奴(パイレーツと猫)がいるわ
それはもうグッダグダでピッリピリですた。
見かねてエイミーがまた耳元で囁いたんすよ。会合は後日開きなおす手もあると。
だから何で僕が開くことになってるんだよ・・・。
だがその首筋にかかる吐息ッッッ!圧倒的吐息ッッッ!これはGJと言わざるを得ない。
かくいう僕もあまりの協調性のなさや身勝手さにうんざりしてましてね。・・・まあ僕が言うのも何ですが。
その場を軽く和ませるために以下の言葉を言ったんです。いや、言ってしまったんです。
今思えばあの時なんで黙っていなかったのか、そればかりが悔やまれます。
僕はこういったんです。
「もう体育祭か何かやって仲良くするところから始めればいいんじゃないっすかね。青春友情ドラマの定番っすよ、体育祭」
すると一同がハッとした表情を浮かべて一斉に僕を見やがるんです。
そして方々に広がるざわつき。そしてみんなが口々に言ったんです・・・。
パイレーツ「体育祭かぁ・・・こっちの仕事でロクに学生生活送ってないから私はしたいなぁ」
朝比奈ポンチョさん「面白そうね。興味があるわ」
巫女巫女ナースのナースの方「いいねー、まあ私は保険医として働くことになると思うけど」
名前忘れた「そっかー、まずは親睦を深めないとだめだよね・・・そこに気付くなんてすごいよ、日下君!」
猫「怪我の手当てならまかせろー」
ロリ犬耳「ま、まあ・・・お前がどうしてもやりたい言うんなら、ウチも一肌脱いじゃるけん」
貴様ら・・・正気か・・・。
千羽矢、そこはオロオロしてないで突っ込みを入れて欲しかったです・・・。
でも千羽矢のオロオロ顔とか普段見慣れない表情が新鮮で可愛かったから良しとしましょうwwwwwwwwwwwwww
みwwwなwwwぎwwwっwwwて--
こねぇよ・・・。
いや千羽矢のオロオロ顔は良かったよ?寧ろ立ち上がった。
でもね、比較的話の通じる首脳陣+αの話し合いですら平行線なのに体育祭とか本当に成立すると思ってるのかと。
僕は言ったさ「あの・・・冗談ですよ?」と。
巫女「まあ体育祭は良いとして・・・責任者と言うか、その辺はどうするの?」
話聞けよ
ナース「そりゃアレでしょー。言い出しっぺの法則、的な?」
Fuck!!
巫女巫女ナースのナースの方が悪戯な笑みを浮かべて僕の方を見やがるんです。
だからこの世界守りたくない笑顔多過ぎだろ・・・。
経験則的な話になるんですがね、僕の直感が叫びました。もう逃げられないと・・・。
僕は無駄と知りつつも精一杯の抗議はしました。
僕「仮にやるとしても僕より権力の強い方が代表者の方が良いと思うのですが・・・」
ナース「って言ってもねー。私たちは運動会とかそういうのにあまり縁が無いしー。ここは運動会を経験してきた若者に任せるべきだと思うなー?」
僕は伊東氏(ナースの方)に何か恨みでも買っているのでしょうか。
さっきからとても嫌らしい笑みを浮かべて僕に責任者を押し付けようとしてきやがります。
ここで僕に非常に、非常に心強い言葉がかけられたんです。
名前忘れた「ま、まあまあ・・・何も日下君一人でやるわけじゃないんだし。私も手伝うから、ね?」
先ほどから「名前忘れた」と記しているこのピンク髪の小柄な女性。
名前を忘れてしまったことを心からお詫び申し上げたい。
かくして運動会の全日程と責任を丸投げされたわけです。
どうしてこうなったの?ねぇ?
Scene2:文化祭や体育祭前日の準備期間で妙にはしゃぐ女子とそれを引き立てる野郎の構図が嫌いでした
体育祭の実行委員長を丸投げされた次の日のことです。
僕は宮殿の中庭に立っていました。空は雲一つない快晴です。でも僕の心は一向に晴れる気配がありません。
「止まない雨はない(キリッ」とか言った奴ちょっと出て来いよって感じですよね。
庭には僕の他に実行副委員長を申し出てくれた例の小柄でピンクのショートヘアーが印象的なまるで天使の様な方。
名前忘れましたが・・・。
他にせーなちゃんと猫二匹。
ここらで紹介しておきましょうかね。これまでは猫キャラは平太だけだったのですが今回ここにいる猫は2匹。新キャラですよ皆さん。
名前はエドワード。着ぐるみじゃなくてモノホンです。でも喋ります。
黒に近い紫色をしていています。妙に僕の尻に熱い視線を送ってた気がするのはきっと気のせいです。
手伝ってくれる理由に関しては一々突っ込みませんでした。もう猫の手も借りたい気分だったので。
うまい!今上手い事言いましたよ僕。
モチベーションダダ下がりで無駄に輝いてるお天道様を見上げてると、ふとせーなちゃんが声をかけてきたんです。
「ねぇねぇ。ユー君、剣の稽古してるんだって? 後で私とも稽古しようよ!」
ユー君・・・何てステキな響きなんでしょう。
これが剣の稽古じゃなくて遊園地とか映画館のお誘いだったらッッッちっくせう・・・。
ただでさえ我輩少女に毎日半殺しにされてるのにこれ以上僕をどうするおつもりなのでしょうか。
もうやめて!とっくにU1のライフは0よ!
でも目の前でキラキラした笑顔を振りまくこの少女の頼みを断る理由なんてどこにもありません。
断ろうものなら彼女のしゅん・・・とした顔が浮かびます。僕は言いました。
「あ、はい。是非お願いします!」
僕ってやつは・・・ホントにもう・・・バ・・・k・・・
そんな感じで適当に雑談してると庭に少女の声が響いたんです。
「全員揃ったみたいじゃな。ウチがお前ら実行委員の監督をする
マルコじゃけん。運動会までよろしく頼むで」
会議の場で僕にバチバチとした視線を浴びせてきた犬耳ロリっ子セーラー服少女ですた。
ここで一つ訂正をさせて頂きたい。
確かに童顔で幼い顔立ちのマルコ(よっしゃ!名前覚えた!)。会議の場では座ってたので背丈がわからず
顔立ちからてっきりロリ属だと思っていたのですが
いざ並んでみると背がでかい。僕と同じくらいありそうです。胸も意外とありそうです。
セーラー服から覗く谷間が眩しいです。下着つけてないんですかね?
まあロリ巨乳なのは良いとしてその喋り方何だよ・・・。
僕は言ったんです。
「その不良になりたくて失敗した感じの言葉遣いって流行ってるんですかね?」
と。するとどうやら逆鱗に触れたらしく顔を赤くして烈火のごとく反論してきました。
「な、なんじゃとぉ!これは西方裏界弁いう、れっきとした方言じゃけん!」
もう何でもアリだなこの世界・・・。
でもその若干舌足らずな怒り方は妙にツボでした。
塚監督するぐらいならお前が委員長やれよっていう突っ込みはナシですか?ナシなんですよね?ナシなんだろうな・・・。
僕がそんなことを考えているとマルコが鼻を鳴らして言いました。
「お前たち実行委員の仕事は、当日までの運動会の準備の指揮と運動会当日のトラブル処理じゃけん。こき使ったるから覚悟せえよ」
だる・・・。
でも隣で右手を上げて元気いっぱい笑顔いっぱいで返事するせーなちゃんは可愛かったです。
あと脇が眩しかったです。話は若干逸れますが(てか逸れるの何度目だよって話ですよね)
僕は脇フェチでもあるんですよ。元の世界にいた頃誰にも共感してもらえませんでしたが・・・。
服の間からチラリと覗く健全な、あくまで健全な(ここ重要)ティラリズム。ここが脇フェチの真髄だと思います。
パンチラは見えないからこそ良い。脇チラは見えたからこそ良い。この違いを理解してくれる人にきっといつか出会えると僕は信じてます。
話を戻しましょう。マルコが続けて実行委員のハチマキを配るから1人ずつ取りに来いと言うんです。
それにやたら従順な猫二匹。獣同士繋がる何かがあるんですかね?
それ以前にこの少人数で1人ずつ取りに来させる意味がよくわかりませんでしたが
そっと心にしまって従う僕。でもさっきの怒り方はちょっとツボだったので後でわざと怒らせて見ましょうかね。
名前忘れたさん「運動会かあ、楽しみだねえ、皆」
僕「ええ、楽しみですねー」
これは酷い棒読み。やばいです。全く感情を込めることが出来ませんでした。
てかそれ以前に巫女巫女ナースコンビどこ行った。特にナースの方。
マルコ「それじゃあ、準備のために結構な人数が集まったけん。はよ行って作業するで」
平太「いえす!まむ!!」
エド「わかりましたにゃ」
せーな「よーし、やるぞー!」
こいつら元気すぎるだろ・・・。
▼
それから数日が経った頃です。
この日も炎天下の中大道具や小道具の準備に汗を流す僕ら。
ある程度企画が纏まってからは参加を承諾したウィザードや侵魔の連中も一緒に作業してます。
これが意外と平和的。最初は若干ぎこちなかったですが割とすぐに打ち解けたみたいです。なんだ、やれば出来るじゃないか。
かく言う僕はと言うとですね・・・フフ・・・。
体育祭準備期間。女性陣は当然の様に体操服。しかも上半身は白い半袖Verです。
大小さまざまな形の双丘とそこにうっすらと咲く色とりどりの花。
ああ!みなまで言うな。
クク・・・素晴らしい、実に素晴らしい。
ハハ、クハハハ、アーッハッハッハ!現場確認の名目で色んな場所を行ったり来たりする実行委員も楽じゃねーなぁ!
ちょっぴり気色の悪い笑みを浮かべながらそんな事を考えていると不意に後ろからスパーンと小気味いい音が響くと同時に後頭部に走る痛み。
「くるぁ祐一ぃ!女のケツばっか見てないで手ぇ動かせやぁ!」
ハリセンを持ったマルコでした。何でそんなん持ってんだよ・・・。
しかしこれは心外です。実に心外です。名誉毀損も甚だしい。僕は言ってやりましたよ
「僕は尻には興味ない」
「確かに、いつもパトリシアの胸を凝視していますわね」
「胸かぁ~?」
また後ろを振り返るとジト目のエイミーとニヤニヤしてるせーなちゃんが立っていました。
エイミーはいつものメイド服。せーなちゃんはブラッヴォオオオオオオオオオオォォォォオオオォォォ!!!!!!
しかしこれはまずいです。このままでは僕の扱いがますますぞんざいになることは火を見るより明らかです。
「い、いやぁ!みんなでやると作業がはかどりますね!」
何とか事態の沈静化を図る僕。
しかし時既に遅し、マルコは顔を赤くして「こっ・・・このエロガキが!ウチがその腐った性根叩きのめしたるけん!」と叫んで
僕の首根っこを掴むとずるずると人のいない裏庭に引きずっていきました。
エイミーとせーなちゃん?
彼女らがこの状況で僕を助けてくれるなんて幻想は抱いてませんよ?ええ・・・。
▼
宮殿裏なう。いやこれ書いてる時点でなうじゃry
人気の無い宮殿裏に女の子と2人きり。
ギャルゲの主人公ならここでフラグの1つでも建てるのでしょう。
ところがどっこい、セクハラで強制連行されたDTから芽生えるラブストーリーなんざあるわけがありません。
マルコは宮殿裏に着くなり首根っこから手を離しました。
派手に尻餅をついた僕を見下ろすと顔をリンゴの様に赤く染めて腕をぶんぶんと振りながら言うんです。
「全く・・・お前には威厳とかなんかこう・・・・・えーっと・・・・・・とにかく、魔王に必要なものがまるでないけん!だらしないっちゃ!」
まくし立てるように言い終えると、腕を組んで少し拗ねた様な表情を僕に向けてきました。
もしかして:マルコルート
嘘・・・だろ・・・。ここに来て個別ルートのフラグだと・・・。
馬鹿な、僕に限ってそんな浮いた話が・・・いやしかしこの展開は・・・!
この際その変な口調とか僕は魔王になりきる気がないとかどうでもいいです。
ここは外せない、外すわけにはいかない。慎重に行く必要があります。
僕はゆっくりと立ち上がり服についた土埃を軽く払い落とすと、正面に立つマルコを真剣な表情でひたと見据えました。
突然の雰囲気の変わりように若干戸惑った様子のマルコ。訝しげな視線を突きつけてやがりました。
ここで選択肢を間違えるわけにはいかない。僕だってリア充になりたい。彼女居ない暦=年齢の絶対的等式にピリオドを打ちたい。
オーケー、心のセーブポイントにセーブもした。僕はすうっと息を吸い込み、ゆっくりと言葉を紡ぎました。
「いやいや、これは自然の摂理ですよ。山があるから登る、山があるから覗く。この2つの事象に何ら違いは・・・」
マルコの アイアンクロー▼
こうかは ばつぐんだ▼
選択肢間違えちゃった。てへぺろ
全国の男達の気持ちを代弁したつもりなのですがどうやら違ったくさいです。ピンチです。
心のセーブポイントにアクセスを試みましたが、一向にタイムリープできる気配がありません。
アイアンクローの圧力が徐々に増してきています。電話レンジ(仮)を早く!
「痛っ、すいませんすいません冗談っす!」
顔面にカレーの妖精よろしく凄まじい汗を浮かべて必死に弁明する僕。
父よ、あなたは今の我が子の姿を見てどう思いますか?
見た目年下の少女?にアイアンクローを喰らいながら必死に許しを請う21歳童貞。
スタイリッシュ☆勘当は避けられないでしょう。
「変なこと言って誤魔化そうとしたって、そうはいかないけん。お前がいつまでもそんなんなら、嫁になんかしてやらんからな!」
アイアンクローの圧力を着実に強めながらマルコはそう言い放ちました。
いや変な事も何も僕は世の中の紳士諸君の気持ちを代弁しただけなわけでして・・・それ以前に嫁っておま・・・。
そこまで考えて、僕は頭に鋭い痛みが走っているにも関わらずふと冷静になりました。
よ・・・め?
もしかして:フラグ継続?
イヤッホオオオオオオオオオォォオオオウ
ククク、ついに僕の時代が来ましたかね?
まあアイアンクローは更にその力を強め確実に僕の頭蓋骨を砕こうとしてるわけですが・・・。
アイアンクローをクリティカルで受けながらも僕はずっと気になっていたことを聞いたんです。
「ねぇ、年いくつっすか?」
「知らん、数えるのも面倒や」
ですよね。流石合法ロリの街、ラビリンスシティ。
「と、とりあえず作業はちゃんとしますよ。任せてください・・・」
いい加減アイアンクローを解いて欲しいので懇願する僕。
「当たり前じゃあ!」
一喝して僕を地面に叩きつけるが如くポイするマルコ。
「それとなぁ・・・。その、なんじゃ。年で言ったらお前の方がずっと上じゃけん。その辺覚えとけや」
合法ロリじゃなかった。アウアウロリだった。
イヤッホオオオオオオォォオオォォウ!
しかしまあこの舌っ足らずロリ巨乳犬耳魔王に敬語も馬鹿らしくなって来てしまいましてね。
「あ、じゃあ敬語いいかな」
「ふん、ウチも堅苦しいんは苦手じゃ」
そう言ってマルコはしっぽふりふり耳ぴこぴこさせながら踵を返して去っていきました。
アウアウロリだとわかっていても僕は湧き上がる情動を抑えられませんでした。
76、55、80
やめて、通報しないで。
尻尾を左右に激しく振りながら去ってゆく後姿。
僕は未だに鈍く痛むこめかみを押さえて治癒魔法の勉強を心に誓うのでした。
Scene3:想定の範囲内です
そんなこんなで運動会当日を迎えました。
雲一つない晴天です。太陽がさんさんと輝いておりますた。
少なくとも僕の未来よりはよっぽど明るいですね、はい。
ラビリンスシティの運動公園には紅白帽をかぶったウィザードや侵魔の方々で溢れかえっております。
ルールなんて今更説明する意味があるのかと思いますが一応書いておきますかね。
- ウィザード、侵魔混成の紅白2チームで競う
- 競技毎に得点が定められており合計点が高いほうの勝ち
- それだけ
朝の9時、丁度開会式の時間を迎えたときです。
炎天下のグラウンドに列を成す出場選手を横目に運営テントの日陰で開会式を待つ僕。
開会式は基本名前忘れたさんに一任していたので僕は気楽にまったりと目測してたんです・・・。
名前忘れたさん「それではこれより開会式を始めます。開会宣言、体育祭実行委員長
日下祐一」
ハイハイハイ。そんな気はしてたんですよ。
あらかじめわかるように説明しろっつってんだろ・・・。
ただこのお人好しクラス委員的オーラを放つ名前忘れたさんが
打ち合わせもなしに開会宣言を僕に振ってくるとは思えなかったんです。
単なる連絡ミスか、はたまた何者かが仕組んだ巧妙な陰謀か。ふと隣の医療班テントをチラ見すると
巫女巫女ナースのナースの方が表情筋をプルプルさせていました。
FUCK!!
僕が・・・何をしたって言うんだってばよ・・・。
重たい足取りで壇上に上がると、夥しい数の視線が一斉に僕に集まるのがわかりました。
僕が緊張してパニックになるとでも?
これくらい想定の範囲内ですよ。
僕は後ろ頭をぽりぽりとかくと若干気だるげに切り出しました。
「いやー、良い天気っすね。堅苦しいの苦手なんで手短に行きます」
会場全体から浴びせられる無数の「何だこいつは?」的な視線。でも僕は構わず続けました。
「怪我しない程度に楽しんで結束を高めて来るべき決戦に備えましょう」
そこで一旦言葉を切るとダンディかつニヒルな笑みを唇に刻む僕。
「優勝したチームは我らがLBCのエンジェル、フレデリカ・ノルドが事実上経営するフライングポニー亭主催で朝まで大宴会を行なう」
出場選手の約半数がぴくっと反応したのを僕は見逃しませんでした。僕は大きく息を吸い込むと
僕「ポニー亭の酒が飲みたいかー!?」
出場選手♂「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
同時に野郎共の地響きを伴う雄たけび。滑ったら死のうと割と本気で思ってましたがどうにか延命できました。
僕「フレデリカさんに酌してもらいたいかー!?」
出場選手♂「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
野郎共の雄たけびに発狂じみた奇声が混じりました。もはや女の子達ドン引き。
僕「フレデリカさんに優しく介抱してもらいたいかー!?」
出場選手♂「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!!!!!」
戦国武将の合戦開始を思わせる野郎共の雄叫びが空間をも振動させます。
僕「っしゃあ!張り切って行くぜ!」
そして華麗にターンすると英雄の凱旋の如く堂々と運営テントに帰還。
あ、この時のエイミーやマルコ達女性陣が僕に向けた絶対零度の視線は一生忘れないと思います。
Scene4:周囲には美少女が溢れている筈なのにテンションが上がらない
女性陣の冷ややかな視線で串刺しにされながら引き続きテントで目測に勤しんでおりますと、
「あの、ちょっといいかしら」と、
背後から神妙な声と共に千羽矢が入って来ました。
嫌な予感しかしない。
「えっと・・・早速トラブルですか?」と聞き返す名前忘れたさん。
おいやめろ。
「ほぼ確定だと思うのだけれど、少し気になる情報が手に入ったの」
やめてください。お願いします。
「ヴォーカンと言う知能が高く機械を操る冥魔が、この運動会を妨害しにくるみたいなの」
ガッデム!
その後の千羽矢の話によると、ヴォーカンは運動会を失敗させてウィザードと侵魔の溝を深くするのが目的らしいです。
そしてヴォーカンが妨害に出ると思われる種目は以下の3つ。
僕は突っ込みませんよ。だるいし。
そして各々が自分のパトロール地区を確認しておりますと、第一種目の168m走が始まりました。
「うおおおおおおおおおおおお顔から転んで摩り下ろされなさいよアホベル!」
「あんたこそその鈴飲み込んで窒息死しなさいよバカパール!」
スタート合図の空砲が高らかに響き渡ると同時に会場の注目を浴びる某魔王2人。
2人の走りは画面から出てきたエイミーから逃げるいつぞやの僕をも凌駕しております。
クソッ・・・突込みどころが多過ぎる・・・!
Scene5:俺は人間を辞めたぞぉー!(今更)
はてさて、噂の大鬼ごっこが始まるまでいよいよ後30分を切ろうかと言う時間になりますた。
大鬼ごっこについて簡単にルール説明をしますか。
紅白10人ずつのサバゲー。エリアはシティ全体。以上。
もう種目名サバゲーでいいだろ・・・。
特にヴォーカンの妨害方法やその対処法が浮かぶわけでもなく、時計の針が進むのをボケっと眺めてますと、
「妨害兵器をシティに配置してるんじゃないかな」
唐突に仰る名前忘れたさん。
確かに機械を使うとかどうとか言ってましたね。
名前忘れたさんは僕の方へ向き直ると続けます。
「私だったら競技が始まるまで電源を切ってどこかに隠しておくかな。何とか探せないかな、日下君」
何でもかんでも僕に押し付けるのやめてくださいよぉー!
心の内にスクリームしつつも、機械探しの方法を不本意ながら持っている僕。
"ロケーション"と言う便利魔法を覚えてましてね。
探し物の方向・位置が手に取るように判ってしまう魔法なのです。
ただですね、この魔法致命的な欠点があるんです・・・。
探し物の姿そのものを見ることができないんですよ。あくまで位置がわかるだけで。
折角男子禁制乙女の聖域を垣間見ることができるかと思ったらコレですよ・・・。
クソッ・・・!本当にもう・・・クソッ・・・!
ロケーションの結果、シティの6箇所に各2体ずつ配備されていることがわかりました。
僕、千羽矢、せーなちゃん、エドワード、平太、名前忘れたさん
頭数は足りますかね。名前忘れたさんもウィザードなので動かない機械を破壊するくらいはできるでしょう、恐らく。
その旨と場所を伝えると皆さん颯爽とテントを後にして散り散りになりました。
若いって素晴らしいですね・・・。
▼
重たい腰を上げて兵器の配備場所に行ってみますと、そこには・・・
正座してバズーカ砲を構えているガチムチな外国人男性の体をした兵器が2つ。
兵器とは銘打つものの、ヒューマノイドに近い印象を受けますね。
黒いブーメラン形の海パン一丁で黒光りするボディが不快感を一層煽ります。
月衣からデモニックを出すとその場から横薙ぎに一閃。
エアブレードの真空波が金属音と共に兵器を綺麗に一刀両断しました。
無常にも上半身と下半身がアディオスした兵器を見下ろしながら「僕も人間辞めてるよなぁ・・・」と小さく溢すわたくしですた。
最終更新:2013年08月13日 17:01