装丁(そうてい)

意味:書物を綴じて表紙をつけること。また書物のデザインのこと。


本来は「装訂」。装(よそお)い訂(さだ)める意*1
「装釘」は職人間の同音による誤用*2
明治までは、造本作業は単に「製本」と呼ばれたが、明治末年頃からの出版文化の発展とともに、装い釘(てい)じると言う意味の「装釘」が使われ始めた*3
「装釘」は「装い釘うつ」を意味する熟語として中国古代より存在した熟語である*4
1920年代後半からは、釘との連想を避けて「装幀」と表記することが多くなった。
1946年(昭和21)に発表された当用漢字表には幀・釘ともに入っていなかったため、1956年(昭和31)の国語審議会報告「同音の漢字による書きかえ」では、装幀・装釘には「装丁」が置き換えられることとされたが、装幀や装釘も一般に用いられている。

参考資料
装幀 - Wikipedia
最終更新:2013年11月04日 14:15

*1 広辞苑第五版

*2 長澤規矩也『図解書誌学入門』(汲古書院,1976.11)p.3

*3 裝釘同好會編『書物と裝釘』創刊号、1930年

*4 司馬遼太郎「三人の茂雄」『本所深川散歩・神田界隈』街道をゆく36、司馬遼太郎、朝日新聞社、1992年、427~437頁