改定常用漢字

表の見方
  • () … 康煕字典体。活字の字体とのつながりを示すための参考。いわゆる旧字。
  • 〈〉 … 字体の許容。しんにゅう/しょくへんに関して通用の「辶/[餡 - 臽]」を「辶/飠」としてもよいとしたもの。
  • (筆) … 手書き(楷書)のでの表現。異体字、別字または誤字と解釈するものではない。印刷字体の方がより一般的な手書き字体であることもある。
    なおこれらの多くは、昭和56年の制定当初から常用漢字表に入っていた字体とと同じ構成要素を持ちながら、通用字体の扱いに字体上の差異があるものである。
    「臭⇔嗅」「狭⇔頰」など。
  • (県) … 原則として都道府県名にだけ使用する読み。使用する地名は備考欄で示す。
  • 当該漢字が都道府県名に使用され、音訓欄に挙げていない読みがされる場合、備考欄で注記している。

ア行
漢字 音訓 備考
アイ 挨拶
アイ 曖昧
あてる 宛てる,宛先
あらし 嵐,砂嵐

おそれる
畏敬,畏怖
畏れる,畏れ

なえる
萎縮
萎える
椅子
語彙 (筆)[(夛 - 夕) / 冖 / 果]
いばら(県) 茨城県
『改定常用漢字表』に示されているのは正確には「[(草 - 早) / (恣 - 心)]」の字であるが、(付)第1の4の項でデザインの差であり字形の差ではないとしている。
イン 咽喉
[氵 + (爫 / 壬)] イン
みだら
[氵 + (爫 / 壬)]行,[氵 + (爫 / 壬)]乱
[氵 + (爫 / 壬)]らだ
(筆)淫
うた 小唄,長唄
ウツ 憂鬱
エン
オン
怨恨
怨念
エン 才媛 愛媛(えひめ)県
艶(艷) エン
つや
妖艶
艶,色艶
オウ 旺盛
おか(県) 岡山県,静岡県,福岡県
オク 臆説,臆測,臆病 「臆説」,「臆測」は「憶説」「憶測」とも書く。
同音の漢字による書きかえ
おれ

カ行
漢字 音訓 備考
苛酷,苛烈


きば
牙城,歯牙
象牙

かわら
瓦解
瓦,瓦屋根
カイ 楷書
カイ
つぶす
つぶれる
潰瘍
潰す
潰れる
カイ 俳諧
ガイ
がけ
断崖
崖下
ガイ
ふた
頭蓋骨
蓋,火蓋
ガイ 形骸化,死骸
かき
ガク
あご
顎間接
[草 - 早 / 曷] カツ
くず
[草 - 早 / 曷]藤
[草 - 早 / 曷],[草 - 早 / 曷]湯
(筆)葛
かま
かま 鎌,鎌倉時代
カン 韓国
ガン 玩具,愛玩
歌舞伎
亀(龜)
かめ
亀裂
毀損,毀誉
畿内,近畿
キュウ
うす
臼歯,脱臼
石臼
キュウ
かぐ
嗅覚
嗅ぐ
(筆)[口 + (自 / 大)]
キン 頭巾,雑巾
[亻 + 瑾 - 王] キン
わずか
[亻 + 瑾 - 王]差
[亻 + 瑾 - 王]かだ
(筆)僅
キン
にしき
錦秋
錦絵
危惧 (筆)[忄 + 具]
くし 串刺し,串焼き
クツ 巣窟,洞窟
くま
ケイ
もうでる
参詣
詣でる,初詣
ケイ 憧憬
ケイ 稽古,滑稽 (筆)[禾 + (尤 / 上 / 日)]
ゲキ
すき
間隙
隙間
けた 桁違い,橋桁
ケン
こぶし
拳銃,拳法
握り拳
ケン
かぎ
鍵盤
鍵,鍵穴
ゲン 舷側,右舷

また
股間,股関節
内股,大股

とら
虎穴,猛虎
禁錮
コウ 勾配,勾留
コウ 心筋梗塞,脳梗塞
コウ
のど
喉頭,咽喉
喉,喉元
こう 乞う,命乞い
ゴウ 傲然,傲慢
こま 持ち駒
ころ 頃,日頃
コン
あと
痕跡,血痕
痕,傷痕

サ行
漢字 音訓 備考
沙汰
挫折,頓挫
サイ 采配,喝采
サイ
ソク
ふさぐ
ふさがる
要塞
脳梗塞,閉塞
塞ぐ,塞がる
サイ(県) 埼玉県
サク 鉄柵
サツ
セツ
古刹,名刹
刹那
サツ 挨拶
ザン
きる
斬殺,斬新
斬る
恣意的 (筆)[次 / 心]
真摯
[餡 - 臽 + 耳]〈餌〉
えさ
好[餡 - 臽 + 耳],食[餡 - 臽 + 耳]
[餡 - 臽 + 耳]
[餡 - 臽 + 耳]食
鹿 しか
鹿
鹿の子
シツ
しかる
叱責
叱る
シツ 嫉妬
シュ
はれる
はらす
腫瘍
腫れる,腫れ
腫らす
ジュ
のろう
呪縛,呪文
呪う
シュウ
そで
領袖
袖,半袖
シュウ 羞恥心
シュウ
ける
一蹴
蹴る,蹴散らす
ショウ
あこがれる
憧憬
憧れる,憧れ
「憧憬」は「ドウケイ」とも。
ショク
ふく
ぬぐう
払拭
拭く
拭う
しり 尻,尻込み,目尻
シン
ジン 腎臓,肝腎
必須
すそ 裾,裾野
セイ 凄惨,凄絶
セイ 覚醒
セキ 脊髄,脊柱
セキ 親戚
煎* セン
いる
煎*茶
煎*る,煎*り豆
*「煎」の「月」内部の線が点の字体。「倗」などの月形。
(筆)煎
セン
うらやむ
うらやましい
羨望
羨む
羨ましい
セン 前立腺,涙腺
[言 + (入 / 王)] セン [言 + (入 / 王)]索,所[言 + (入 / 王)] (筆)詮
セン 処方箋,便箋 (筆)[竹 / (浅 - 氵)]
ゼン 膳,配膳

ねらう
狙撃
狙う,狙い
[辶←朔]〈遡〉
さかのぼる
[辶←朔]及,[辶←朔]上
[辶←朔]る
曽(曾*) ソウ
曽祖父,曽孫
未曽有
*2画目筆押さえありの字体。
ソウ 爽快
爽やかだ
痩(瘦) ソウ
やせる
痩身,痩せる
ソウ 失踪
ソク
とらえる
捕捉
捉える
[辶←孫]〈遜〉 ソン 謙遜,不遜

タ行
漢字 音訓 備考
沙汰

つば
唾液,唾棄
唾,眉唾
固唾(かたず)
固定読み:唾(つばき)
ダイ 堆積
タイ 戴冠,頂戴
だれ
タン
ダン
一旦,元旦
旦那
タン
ほころびる
破綻
綻びる
緻密,精緻
チュウ 焼酎
チョウ
はる
貼付
貼る
「貼付」は「テンプ」とも(慣用読み)。
嘲* チョウ
あざける
嘲*笑,自嘲*
嘲る
*「月」内部の線が点の字体。「倗」などの月形。
(筆)嘲
[扌 + 陟 - 阝] チョク 進[扌 + 陟 - 阝] (筆)捗
ツイ 椎間板,脊椎
つめ
つま
爪,生爪
爪先,爪弾く
つる 鶴,千羽鶴
テイ
あきらめる
諦観,諦念
諦める
[氵 + 搦 - 扌] デキ
おぼれる
[氵 + 搦 - 扌]愛,[氵 + 搦 - 扌]死
[氵 + 搦 - 扌]れる
(筆)溺
[土 + 眞] テン 装[土 + 眞],補[土 + 眞] (筆)填

ねたむ
嫉妬
妬む
[貝 + 睹 - 目]
かける
[貝 + 睹 - 目]場,[貝 + 睹 - 目]博
[貝 + 睹 - 目]ける,[貝 + 睹 - 目]け
(筆)賭
トウ
ふじ
葛藤
藤,藤色
ドウ
ひとみ
瞳孔
とち(県) 栃木県
トン 頓着,整頓
ドン
むさぼる
貪欲
貪る
どんぶり
どん
丼,丼飯
牛丼,天丼

ナ行
漢字 音訓 備考
刹那,旦那
奈落
なし
[言 + (辶←米)]〈謎〉 なぞ [言 + (辶←米)]
なべ 鍋,鍋料理
におう 匂う,匂い
にじ
ネン 捻挫,捻出

ハ行
漢字 音訓 備考

ののしる
罵声,罵倒
罵る
ハク
はがす
はぐ
はがれる
はげる
剝製,剝奪
剝がす
剝ぐ
剝がれる
剝げる
(筆)剥
[竹 / (睹 - 目)] はし [竹 / (睹 - 目)] (筆)箸
ハン 氾濫
ハン 汎用
ハン 阪神,京阪 固定読み:大阪(おおさか)府
ハン 斑点


まゆ
眉目,焦眉
眉間
眉毛
ひざ 膝,膝頭
ひじ 肘,肘掛け
フ(県) 岐阜県
訃報
[(草 - 早) / 敝] ヘイ 隠[(草 - 早) / 敝] (筆)蔽
[餡 - 臽 + 并]〈餅〉(餠) ヘイ 煎餅
ヘキ 完璧,双璧
ベツ
さげすむ
蔑視,軽蔑
蔑む
哺乳類
ホウ
はち
蜂起
蜂蜜
ボウ 変貌,美貌
ほお 頰,頰張る 「ほほ」とも。
(筆)頬
ボク 親睦,和睦
ボツ 勃発,勃興

マ行
漢字 音訓 備考
マイ 曖昧,三昧
まくら 枕,枕元
ミツ 蜜,蜜月
メイ
ミョウ
冥福
冥加,冥利
麺(麵) メン 麺類

ヤ行
漢字 音訓 備考
冶金,陶冶 鍛冶(かじ)
弥(彌) 弥生
やみ 闇夜,暗闇
[口 + 兪] 比[口 + 兪] (筆)[口 + 輸 - 車]
(「喩」は筆押さえと「月」のデザインを折衷した形。これも間違いではない。)
ユウ
わく
湧水,湧出
湧く
ヨウ
あやしい
妖怪,妖艶
怪しい
ヨウ 潰瘍,腫瘍
ヨク 肥沃

ラ行・ワ行
漢字 音訓 備考
拉致
ラツ 辣腕,辛辣
ラン
あい
出藍
藍色,藍染め
浄瑠璃
リツ 慄然,戦慄
リョ 僧侶,伴侶
リョウ 明瞭
浄瑠璃
風呂
賄賂
ロウ
もてあそぶ
愚弄,翻弄
弄ぶ
ロウ
かご
籠もる
籠城

籠もる
ロク
ふもと
山麓
わき 脇腹,両脇


削除された漢字

漢字 音訓 備考
シャク
スイ 紡錘
つむ
セン 銑鉄
チョウ 膨脹 「膨張」で置き換えられている。
もんめ

これらの字は「人名用漢字」に追加された。


音訓が追加された漢字

漢字 音訓 備考
ゆだねる 委ねる
はぐくむ 育む
こたえる 応える
コツ 滑稽
かかわる 関わる,関わり 「係」の「かかわる」、「拘」の「かかわる」の読みは共に採用されていない。
やかた
かんがみる 鑑みる 「かがみ」の読みは採用されていない。
こむ 混む
わたし 「わたくし」の読みは従来から採用されていた。
※ジュッ 十回 ※「ジッ」の読みの備考に「『ジュッ』とも。」と注記してある。
音訓欄にこの読みの表記はないし、音訓の追加で取り扱われているものでもない。
におう 臭う
シュン 従来の音は「ジュウ」のみ。
のべる 伸べる
ふれる 振れる
いき 従来の読みは「スイ」のみ。
いく 逝く 「ゆく」の読みは従来から採用されていた。
つたない 拙い
すべて 全て 「まったく」の読みは従来から採用されていた。
「総」や「凡」では「すべて」の読みは採用されていない。
つくる 創る
はやまる 速まる 「はやめる」の読みは従来から採用されていた。
また「早」では「はやめる」、「はやまる」両方の読みが従来から採用されていた。
ほか 他,○○の他
ジュウ ○○中 従来の音は「チュウ」のみ。
かく 描く 「えがく」の読みは従来から採用されていた。
ほうる 放る
つとまる 務まる 「つとめる」の読みは従来から採用されていた。
また「勤」では「つとめる」、「つとまる」両方の読みが従来から採用されていた。
いえる 癒える 従来の読みは「ユ」のみ。
いやす 癒やす
かなめ
からめる 絡める 「からむ」、「からまる」の読みは従来から採用されていた。
たぐい


音訓が削除された漢字

漢字 音訓 備考
つからす 疲らす


音訓の変更があった漢字

側(かわ→がわ)※ただし従来のように「かわ」とも読める。
最終更新:2013年11月23日 00:54