孤島に建つ館で、主人である富豪の「淋代ユウキ」の誕生日パーティーが行われることになった。
しかし、パーティー開始直後に淋代は殺されてしまう。
探偵である
常磐正吉、淋代の親友である
百目鬼統太、巻き込まれただけの
灯刳架音の3人は、犯人を見つけるべく、調査を開始する。
しかし、犯人を見つけることができないまま、次々とパーティーの参加者が超常的な犯行で犠牲になってゆく。
PC達以外の全員が殺されてしまった時、ついに犯人が判明した。
凶悪な殺人鬼は探偵である常磐だったのだ。
ただ己の快楽の為だけに人を殺し続け、自分の起こした事件を調査するイかれた探偵の常磐は、残りを殺すため戦闘を始める。
相対するは、淋代の親友である百目鬼。
殺人鬼に対し異常なまでに怒り、執着する彼にも、秘密があった。
実は百目鬼は本当の「淋代ユウキ」であり、殺されたのは影武者だったのだ。
自身の大切な人を皆殺しにされた百目鬼は激しい戦闘の末、ギリギリで常磐を討ち取る。
その戦闘を見ている者が1人いた。巻き込まれただけの架音だ。
無論、彼女にも秘密がある。
実は架音は百目鬼に家族を殺されていたのだ。
理由など、忍務と言えばそれまでだが、それでも彼女はPC2に復讐がしたかった。
満身創痍の百目鬼、彼は架音に語り掛けた。
「迷いがないなら、やりな」
百目鬼は気付いていたのだ、架音もまた自分と同じ立場であり、自身も常磐と同じ立場であったという事を。
「そうね、じゃあ、私もやらせてもらうわ。でも、ころさないであげるわ」
「ほぅ、どういうことだい」
「あなたには、私の家族を殺した罪を償ってもらいたいの」
「毎年墓参りにきて。それだけでいいわ」
架音は戦闘を通して、悟っていた。
限りなく続く復讐の連鎖、それを止めるたった一つの方法、許すという事を。
人の優しさに触れた百目鬼は肉体の限界を迎え、その場で気絶してしまう。
水平線から日が昇る中、戦闘の影響で崩壊して瓦礫の山となった館を残し、2つの人影が島から脱出する。
こうして、多数の犠牲者を出した凄惨な事件は終わりを迎えたのだった。
誰もいなくなった後、残った瓦礫の一角が崩れ、誰かが起き上がってきた。
「殺そ」
事件はまだ終わらない。
完。
最終更新:2019年11月13日 21:38