無題
「ちょっと私の話を聞きなさい」
「ん?別にかまわないけど」
ひたぎちゃんも心を開こうとしてくれているのかな。
さっきと物腰が少し変わった気がする。
「友好を深めようなどとは思っていないわ」
「だからなんで心が読めるんだよ…」
「いいから黙って聞きなさい、口を挟むとその舌を縦に引き裂くわよ」
「縦に!?」
なんて痛い想像をさせるんだ、それじゃあ痛いのが続きっぱなしじゃないか!!
「それが目的よ」
「外道!?」
「外道じゃないわ、非道よ」
むしろ極道って感じがする。
「私の彼氏の阿良々木くんはね、とても優しい人でしっかりしていて、」
のろける気か?
「事実確認よ」
…まあ、どうぞ、先を。
「とりあえず格好良いのだけれど、何故か、いえ、だから、かしら」
「ん?」
「彼の周りには女の子が集まるのよ」
へえ、アララギ君ってもてるんだな。
「そう、というか友達が全員女子なの」
いや、それはむしろ偏っているだろ。常識的に考えて。
「クラスの委員長でしょ、ああ、あと私の奴隷も彼に惚れてるわね」
「奴隷ぃっ!?!?」
一体いつの時代に生きてるんだ?ひたぎちゃんは?
「それに…八九寺さんもでしょ、ああ、この子は小学生なのだけれど」
「小学生ぃっ!?!?」
すごい男もいたもんだ、そんな子供までとは。
「まだいそうなのよね、私の勘では」
「どれくらい?」
「あと…4人くらいかしら」
「それは…話を聞く限りハーレムだな」
「そうなのよ、私という彼女がありながら、ああ、考えたら阿良々木くんが憎らしく思えてきたわ、裂こうかしら」
いや、もうそのネタはやめよう。ほんと痛々しいし。
「いや、うらやましい限りだけどね、男からしたら」
「よし、あたしの知り合いの話をしてやろう」
「はあ、どうぞ」
共に目的地に向かって歩いていると、さっきのとても綺麗な、けれど怖そうな女の人(哀川さんというらしい)が
そう切り出した。
「そう、知り合い。いーたんって奴なんだけどね」
「いーたんですか」
おそらく…というか間違いなくニックネームだろうな。
「名前はなんていうんですか?」
そう訪ねると、哀川さんはおかしそうに笑った。
「どうかしましたか?」
「いや、気にすんな、あのな、いーたんの本名は誰も知らないのさ」
「それは…訳ありということですか?」
本名を知らないなんて、考えられない。
「はは、ただあいつが教えてないだけさ。ポリシーってやつか?まああたしにはどーでもいいことだけどな」
「はぁ、それで?」
「いやさ、そいつには彼女…というか、まあ好きな奴がいるわけだ」
「はい」
「だがな、そいつの周りには何故か女が集まるのよ」
それは…もてる、ということか?
「なんかもてるんだよなあ、あいつ。崩子とか絶対あいつのこと好きだし、イリアの奴も気に入ってたし、てる子とか、あとは一姫とか…」
「ハーレムみたいですね、そこだけ聞いてると」
「ああ、そうかもなあ。あたしもいーたんにたぶらかされたクチだし」
こんな綺麗な人まで、どうやらいーたんという人はすごいようだ。
いや、自分で言っておいて頭の悪い台詞だとは思うけれど。
「うらやましいですね、男の目線から見ると」
「とりあえず、あたしはそいつを探してるって訳だ」
哀川さんは、そう締めくくった。
「はあ、なんだか、」
戯言遣い&阿良々木暦
「僕とは全く違う種類の人みたいだ」
最終更新:2009年05月20日 08:04