gdgdDX3のオーヴァード

オーヴァードの種類

 広義において、人間がレネゲイドに感染して変化したオーヴァード、Aオーヴァード、Exレネゲイド、レネゲイドビーイング、ジャームは全て「オーヴァード」である。

 ただし、狭義においては人間がレネゲイドに感染して変化したオーヴァードだけを「オーヴァード」と呼び、レネゲイドビーイングやジャームは含まない。
 狭義と広義を区別する為、狭義のオーヴァードを「ヒューマンオーヴァード」或いは「オーヴァードヒューマン」と呼ぶ事がある。その場合はHオーヴァードの表記される。

 Hオーヴァードと、《オリジン:ヒューマン》などで人間から変化したレネゲイドビーイングを明確に分ける分類法は実際の所存在しない。
 傾向として後者は人間の形をしているだけであり、(古代種でもないのに)歳を取らなかったり、人間とは異なる形でカロリーや栄養を摂取したりするが、前者にも同様の特徴を示す個体は存在する。
 つまるところ「ルール上は明確な別種」ではあるが、世界としてこれら二つの種を明確に分ける違いは存在しない。

大まかな区別方法

変異前の在来種による分類

元が人間:
 Hオーヴァード
 人間起源のレネゲイドビーイング
元が動物:
 Aオーヴァード
 動物起源のレネゲイドビーイング
元が人間以外の何か:
 Exレネゲイド
 人間起源以外のレネゲイドビーイング

変異後の意識による分類

自分をレネゲイドから生まれた新生物と自称している:
 レネゲイドビーイング
自分は在来種が変化したものだと自称している:
 その他

※なお、ジャームというのは言うなれば「こいつは破壊してよし」と周知するためのレッテルであり、実はジャームには「社会悪かどうか」以外の分類法が存在しない。

オーヴァードの等級

 統一された見解があるわけではないが、オーヴァードにはその感染の進行度や適応性に応じていくつかの等級に分類される。
 その等級は基本的に記録を元に決められる物であり、何か検査機器などがあって計測される物ではない。
 日本で用いられている等級は下記の通りである。

ランクE
 レネゲイドへの感染が確認されていない状態。レネゲイドフリーなどと呼ばれる。

ランクD
 レネゲイドへの感染が確認されているが、全く発症していない状態。
 感染してはいるが全くランクEと同様の特徴を示し、《ワーディング》等の影響を受ける。
 キャリアーとも呼ばれ、世界人口の半数はこの等級と言われている。

ランクC
 レネゲイドへの感染が確認され、部分的な発症が確認されている状態。
 シンドローム毎のエフェクト等は身に着けていないが、《ワーディング》の影響を受けないなど、オーヴァードの特徴が見て取れる。
 明確な症状が見て取れる訳ではないので発生率ははっきりと分からず、ドーザーとも呼ばれる。

ランクB
 発症が確認され、シンドロームによるエフェクトも部分的に使うほど症状が進行している状態。
 彼らはシンドロームの特性をごく僅かしか発揮しておらず、ルール的には1つ2つのエフェクトが使える程度である。
 そのため彼らの多くは分類上ピュアブリードであり、ごく稀に複数のシンドローム特性を発揮してクロス/トライブリードと呼ばれる者もいるが、いずれにしても高度なエフェクト(PB専用エフェクト等)には適応していない。また、症状の進行に合わせて新しい能力が観測され、ブリードが変わる場合も珍しくない。
 大抵のいわゆる「オーヴァード」はここに分類され、UGNやFHを構成するほとんどの人員もこのランクである。
 地域差はあるが発生率は数千~1万人に一人と言われ、レッサーとも呼ばれる。
 ゲーム内で登場するランクBオーヴァードは主に「トループを構成する一人」とか、エキストラになる。

ランクA
 発症が確認され、シンドロームによるエフェクトも部分的に使うほど症状が進行している状態。クロスブリード、トライブリードといった複雑な発症をしており、シンドローム毎のエフェクトを(個体として苦手としている事はあっても)全て身に着ける素養がある。
 大抵のPCはここに分類される。ランクAの範疇でも特に頭一つ出ているような優れた能力者をランクA+と呼ぶ事もある。これは「必要に駆られて更に細分化する」などという時に使われる分類法で、現場で慣用的に用いられるに過ぎない。
 地域差はあるが発生率は2万人から5万人に一人と言われ、グレーターとも呼ばれる。
 ゲーム内で登場するランクAオーヴァードは初期作成程度の性能のキャラクターになる。ランクA+と呼ばれるような連中は追加経験点60ほどを効率よく使用した程度の性能のキャラクターになる。

ランクS
 正確には等級ではないが、特にレネゲイドへの親和性が高く、強大な力を持っていたり、広範囲への災害をもたらしたりする強大なオーヴァードをランクSと呼ぶ事がある。
 この分類法は学術的なものではなく、主にレネゲイド犯罪等に対処する組織などで用いられる。
 発生率は統計を取れるほどの個体がいない為はっきりとは分からない(というかシナリオの都合で変わる)。エリートやモンストラスなどと言った呼称でも呼ばれる。
 ゲーム内で登場するランクSオーヴァードは、追加経験点120ほどを効率よく使用した程度の性能のキャラクターになる。

※注意!
 ランク付けは例外を際立たせる程度の意図で用意された設定です。経験点も飽くまで目安であり、それだけの経験点だからランクはいくつである、と決めて掛かる必要はありません。
 ただ、ランクSを名乗るにはこのぐらいの性能がないと恥ずかしいかも……みたいな使い方はありますので、活用して下さい。

オーヴァードの強さ

 「強さ」にも色々あるが、物理的な破壊に話題を限って言うなら、オーヴァードの強さは「MBT相手に足止めぐらいなら出来るが負ける」程度である。
 凄まじいまでの破壊力や生半可な装甲なら関係なく貫く技を持つ個体もいるが、現代技術の材料工学を持ってすれば防げない事はない程度の威力である。
 また、恐ろしく頑丈な甲殻を創り出して衝撃を受け止める個体もいるが、こちらは対物ライフル程度のエネルギーを止めるにも足りない程度の堅固さしか備えていない。

 しかしオーヴァードの真価は、それが「歩兵一人分のコストで運用出来る」事であり、また同時に「その能力を全く偽装してしまえる隠密能力」、そして何より《リザレクト》と《ワーディング》にある。
 オーヴァードと正面から喧嘩して勝てるというMBTも、運用には大きなコストが掛かるし、目立って嵩張る。
 しかしオーヴァードは着の身着のままでふらりと目的地に侵入し、《ワーディング》で抵抗勢力を全く安全に無力化したまま破壊の限りを尽くすことが出来るのだ。
 《リザレクト》があれば最低限の人員で損耗もなく作戦行動が出来るし、非オーヴァードの兵士達に与える心理的衝撃は凄まじい物がある。

 オーヴァードの強さは(そもそも個体差があり、それこそMBT相手に喧嘩をして勝つような連中もいるのだが)その代償の小ささにこそ真価がある。
 それは「戦車よりは弱いっすよ~」などという言い訳は全く考慮されないほど、オーヴァードの存在を知る者達にとって大きな脅威なのだ。

 とはいえオーヴァードにも弱点はある。
 クロドヴァを始めとする、オーヴァード兵士の実戦運用が行われた地域で良く言われる事なのだが、一般にオーヴァードは防衛が苦手である。
 理由は簡単で、オーヴァードはその能力を使えば簡単にレネゲイド侵蝕率を上げてしまう。その為、オーヴァード戦力は投入タイミングを常に見計らって運用する必要がある。よってイニシアチブを取りにくい防衛任務では真価を発揮しにくいのだ。

ジャーム化とオーヴァードの死について

オーヴァードとレネゲイド

 レネゲイドに知能はないが生存の意志はある。
 彼らは無数に存在するか弱い個体であるよりも、多く寄り集まって構成される群体である方が生存する上では有利である事を知っている。
 が、レネゲイドは単体では群体を構成できず、寄生主のそれを利用して組織を構成する。
 その為基本的にレネゲイドは、寄生主である感染者を守る。肉体がダメージに晒されれば守り、破損すればそこをレネゲイドで補う。
 これが《リザレクト》の基本的な作用である。

 レネゲイドは個体の生存を優先するが、個が個として機能する根拠となるのは宿主自身の人間性である。
 侵蝕が過度に進行してしまったり、強すぎる衝動が元の個の個性を超越してしまったりした場合には、(感覚的な表現ではあるが)割合として、元の宿主である部分が小さくなりすぎてしまう事になる。
 こうなると宿主は自身の心身に対する主権を失い、レネゲイドは「個」の根拠を失ってしまう。
 その時レネゲイドは、個の根拠を今度は外に求める。他者との関係により認識される「個」もまた宿主の「個」を保証するものであり、これが「ロイス」と呼ばれる物である。

 しかしそれでも尚、侵蝕が進めば、レネゲイドはもはや「個」の根拠を見出す事が出来なくなり、その時点で「個体」を保てず霧散してしまう。これが「オーヴァードの死」である。
 「個」の喪失から消滅までが一度に起こるケースもあるのだが、個が本来の意味では喪失しながらも歪んだ形で維持され、個体が維持される場合がある。この状態を「ジャーム」と呼ぶ。

 ※余談となるが、レネゲイドにより置換された組織も時間に応じて元の宿主の組織へと変質する。その為、侵蝕率は時間の経過と共にある程度の数値に落ち着く。

ジャーム化

 宿主の自我を破壊してしまったレネゲイドは、「個」を保つ事を意図して宿主の「キャラクター性」をなぞり始める。
 この状態になる事をジャーム化と言い、生まれた新しい生命をジャームと呼ぶ。しかしその「模倣」は極めて強調され、歪にデフォルメされた物である。

 その行動の原因については明確な見解があるわけではないが、詰まるところ彼らが本質的には「偽者」である事、「本物」が自己を認識する役に立っていた「他人」との関係も「模倣」に過ぎない事によるのではないだろうか、という推察はなされている。

 言うなればジャームは、ジャーム化する前の宿主のものまねをしているに過ぎない。
 好みや信条、タブーなどについても表面をなぞっているだけで本質的な理解をしているわけではない為、「再現している」と認識する為にその言動はデフォルメされ、極端にアレンジされたものになる。
 誰かを愛しているとしても、大事なのは「それを愛している自分を認識する事」であり、愛する対象は言ってしまえば単なる標識であり、それ自体は大事ではないのだ。

 自己抑制が出来なくなるのは、他者による監視がないからであるとの説もある。ジャームにとって人間は別種の動物である為、隣人として機能しないのだ。
 オーヴァードに限った話ではないが、一人きりになると行動パターンが変わるという人は実に多い。

 ジャームとそうでないオーヴァードには明確な境界があるわけではない(ゲーム的にはあるが)。
 レネゲイドは宿主の身体を修復したり、エフェクトを発揮したりする事で身体組織をレネゲイドが活性化したそれに入替えていく。
 これを「侵蝕率」と呼び、ジャーム化の目安となるが、この数値は変動が激しい上に部位毎に程度が異なり、おまけに正確な検査には大がかりな器材と時間が必要になる為、言葉として定着している以上の意味合いはない。

 UGNやいくつかの医療機関においてはある程度の目安があり、75を越えたらジャーム化の危険が極めて高いとされているが、現場においてはそれ以上(時には100に達する事もあるという)の数値で活動したという話も聞かれる。

 臨床例が少なく、推論止まりの話になってしまうのだが、
 「自分が何者か」を強く意識する事でレネゲイドによる自我破壊をかなりの所まで抑制出来るという、言うなれば根性論のような話がかなりの信憑性を持って語られている。
 ジャームが自己抑制出来ないのは、「自分が何者か」を確立する物が存在しない(大抵のジャームは生まれて間もない)為であり、また同様に自己を確立する為の隣人がジャームでなければならないからである。
 FHにおいてジャームが組織に組み込まれ、運用に協力しているのは、組織としてのFHが抑制を無くした、言うなれば「ジャーム化した群体としての生命」だからである、と考えられる。



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最終更新:2011年09月29日 04:19